JPH0211802B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は灯芯式石油燃焼器の吸臭制御装置に関
するものである。

従来の技術 一般に灯芯式石油燃焼器は灯芯を降下させて消
火すると、この灯芯から気化し続ける石油蒸気が
高温の燃焼筒内に入り、ここで熱分解されて強い
臭気を発生するという問題があつた。

そこで最近はこの消火時の臭気を低減するため
消火と同時にフアン等の吸臭装置を作動させ、灯
芯から気化し続ける石油蒸気をタンク内に吸込ん
だ後外部へと放出するものが提案されている。第
３図、第４図はこのような装置を有する灯芯式石
油燃焼器で、灯芯１を降下させて消火すると吸臭
装置２のフアン３が回転を始め、灯芯１上部から
気化し続ける石油蒸気を矢印のようにタンク４内
へと吸引し、排出口５より外部へと放出する。

この吸臭装置付きの灯芯式石油燃焼器によれば
消火後に発生し続ける石油蒸気が高温の燃焼筒６
へと流れ込まずにタンク４内を介して大気中に放
出されるので石油蒸気が熱分解されることによつ
て生じる刺激的な臭気はなくなり、大巾な臭気低
減が図れる。

このような灯芯式石油燃焼器の吸臭装置の制御
装置は従来第５図のように構成されていた。以下
その構成を動作説明とともに行なう。まず灯芯上
下つまみ７を回転させて灯芯１を上昇させ点火装
置（図示せず）で点火すると、灯芯上下つまみ７
と連動するスイツチ８のコモン接点８ａが常開接
点８ｂ側に切換わる。これによつてスイツチ８、
抵抗９を介してコンデンサ１０に充電がなされる
とともに、トランジスタ１１、トランジスタ１２
に給電され、これらのトランジスタ１１，１２
が、ONする。

次にこのような状態から灯芯上下つまみ７を回
転させて灯芯１を降下させ消火すると、スイツチ
８のコモン接点８ａが常閉接点８ｃ側に切換わ
る。これによつてトランジスタ１２、スイツチ
８、抵抗１３，１４を介してトランジスタ１５の
ベースに電気が流れ、このトランジスタ１５が
ONする。その結果フアン３のモータ１６が回転
を始め、前述した如く灯芯上部から気化し続ける
石油蒸気をタンク４内へと吸引するようになる。
一方、これと同時に抵抗１７，１８を介してコン
デンサ１９に充電が開始され、その充電々圧が一
定値に達するとコンパレータ２０，２１が作動し
てトランジスタ１１をOFFとする。これによつ
てトランジスタ１２もOFFし、さらにはこのト
ランジスタ１２、スイツチ８を介して給電されて
いたトランジスタ１５もOFFし、フアン３のモ
ータ１６が回転を停止する。すなわちモータ１６
は前記コンデンサ１９が一定電圧まで充電される
までの間回転して吸臭動作を行ない、その後は自
動的に停止するようになつている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記従来の制御回路は、燃焼器を
燃焼させている時に前述した如く電源である電池
２２からトランジスタ１１，１２に微弱電流が流
れている。例えばこの従来の回路において実測し
てみると、電池２２の電圧が3.2Vであつて電流
は約0.83ｍＡ流れていた。このようにこの制御回
路では燃焼器を燃焼させている間中微弱電流が流
れ続け、無駄に電池２２を消耗するという問題が
あつた。例えば灯芯に点火する場合に 電池電圧 3V 点火ヒータに流れる電流 1A 点火に要する時間 ５秒 とすると、これから点火に要する全電力は、 ３×１×５＝15W・sec となる。このような計算で従来例のように0.83ｍ
Ａを流しながら10時間使用したとすれば、 電池電圧 流れている電流 0.83ｍＡ＝0.83×10^-3A 消費時間 10時間＝10×60×60秒＝36×10^-3 使用電力＝３×0.83×10^-3×36×10³ ＝89.64W・sec 即ち、上記点火電力の約６倍となり、従つて通
常の点火と合わせ７回点火動作したのと同じ電力
を消費することになる。その結果電池の寿命は著
しく短くなるという問題点があつた。

本発明はこのような点に鑑みてなしたもので、
電池等の電源の無駄な消耗をなくして電源寿命を
向上させることを目的としたものである。

問題点を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するため電源とモータ
との回路に切換スイツチを介してモータと並列に
コンデンサを接続し、このコンデンサに切換スイ
ツチのコモン接点を接続するとともに、同切換ス
イツチの常開接点を電源に、常閉接点をモータに
接続して構成してある。

作 用 本発明は上記のように構成してあるので燃焼中
は切換スイツチが電源側に切換つてコンデンサに
充電されているが、このコンデンサへの充電が完
了すると充電作用は自動的に停止してそれ以降は
電源が消費されず電源の長寿命化が可能となる。

実施例 以下その一実施例を第１図、第２図を用いて説
明すると、第１図において、２１は電池等の電
源、２２はこの電源２１に接続した吸臭フアン用
のモータ、２３は上記電源２１ならびにモータ２
２と並列に切換スイツチ２４を介して接続したコ
ンデンサで、切換スイツチ２４のコモン接点２４
ａに接続してある。そして切換スイツチ２４の常
開接点２４ｂは抵抗２５を介して電源２１に、常
閉接点２４ｃはモータ２２に接続してある。

上記構成において、第３図、第４図で説明した
ふうな灯芯式石油燃焼器にこの制御回路を用い灯
芯１を上昇させて燃焼を開始すると、切換スイツ
チ２４のコモン接点２４ａが常開接点２４ｂ側に
切換わつてコンデンサ２３に充電が開始される。
そしてこのコンデンサ２３の充電々圧が一定値に
達すると、コンデンサ２３への充電が停止し回路
には全く電気が流れなくなる。すなわち器具燃焼
中における電気の流れ、換言すれば無駄な電気の
使用はなくなる。

このような状態で灯芯１を降下させて消火する
と切換スイツチ２４のコモン接点２４ａが常閉接
点２４ｃ側に復帰し、燃焼中に充電されていたコ
ンデンサ２３の充電々荷が放電されモータ２２が
回転を始める。このモータ２２の回転はコンデン
サ２３に充電されていた電荷がモータ２２を回転
させるのに不十分な値に減少するまで行なわれ、
従来例で述べた如くその間（約１分間）灯芯上部
から気化し続ける石油蒸気をタンク内に吸引した
後外部へと放出する。

なお、上記コンデンサ２３はモータ２２の回転
に充分な充電容量が必要であり、電源２１の電圧
が3Vとすると１フアラツトぐらい必要である。
また充電時の保護用である抵抗２５は100Ωぐら
いが適当である。

第２図は他の実施例を示し、この実施例のもの
は電源２１とモータ２２との間にトランジスタ２
６のコレクタ・エミツタを接続するとともに、そ
のトランジスタ２６のベースを抵抗２７を介して
切換スイツチ２４の常閉接点２４ｃに接続してあ
る。

この実施例のものによればコンデンサ２３の充
電々荷によつてトランジスタ２６をONし電源２
１の電圧によつてモータ２２を回転させるので、
コンデンサ２４はトランジスタ２６をONさせる
だけの電荷を充電させる容量があればよく、コン
デンサ容量の小型化によるコストダウンが図れる
利点がある。なおその他の動作・効果は前記した
実施例のものと同様である。

発明の効果 以上実施例の説明で明らかなように本発明によ
れば、器具燃焼中に無駄な電気が流れないのでそ
の分電池等の電源寿命を長くすることができ、経
済的である。しかも回路も非常に簡単であ部品点
数も少なくてすみ、故障等の恐れも減少する等、
その効果は大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例における吸臭制
御装置の回路図、第２図は同じく第２の実施例の
回路図、第３図は本発明及び従来の吸臭制御装置
を用いた燃焼器具の上面図、第４図は同じく断面
図、第５図は従来の吸臭制御装置の回路図であ
る。 ２１……電源、２２……モータ、２３……コン
デンサ、２４……切換スイツチ、２４ａ……コモ
ン接点、２４ｂ……常開接点、２４ｃ……常閉接
点、２６……トランジスタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電池等の電源と吸臭フアン用のモータとの回
   路に切換スイツチを介して前記モータと並列にコ
   ンデンサを接続し、このコンデンサに切換スイツ
   チのコモン接点を接続するとともに、同切換スイ
   ツチの常開接点を電源に、常閉接点をモータに接
   続した灯芯式石油燃焼器の吸臭制御装置。 ２ 切換スイツチの常閉接点とモータとの間にト
   ランジスタを接続し、このトランジスタはベース
   を切換スイツチの常閉接点に接続するとともに、
   コレクタ・エミツタをモータと電源に接続した特
   許請求の範囲第１項記載の灯芯式石油燃焼器の吸
   臭制御装置。