JPH0211553Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建物の外壁に沿つて配設する足場支持
枠の改良に関するものである。

従来から、建物の外壁に沿つて足場を組む場
合、地上面から鳥居枠を順次組立てて行くか或い
は単管を水平、垂直方向にクランプにより締結し
て組立てる方法が採用されているが、このような
方法では、近隣家屋との間隔が小なる場合や用地
に制約のある場合には組立てることができないば
かりでなく、足場用資材が多く必要とし、労力、
経費共に多大なものになるという問題点があつ
た。

このため、足場パイプに取付けるブラケツト
か、或いはコンクリート打設後の硬化した下層階
のコンクリートにアンカーを設けてブラケツトを
介し上層階の足場を組立てる方法が採用されてい
るが、前者の場合は足場パイプを前記同様に地上
面から立設しなければならない上に安定性が悪く
て高層建築物への適用は困難であり、又、後者の
場合は既設階までしか適用できず、それ以上の上
層階の鉄筋組立て作業やコンクリート打設作業の
ための足場は別途に組立てねばならなかつた。

本考案はこのような問題点を解消するために、
コンクリート用型枠に簡単且つ確実に取付け可能
にした足場支持枠を提供するものである。

本考案の実施例を図面について説明すると、
１，２は同一長さの直状パイプからなる上下水平
部材で、これ等の水平部材１，２の両端部間に固
定材３，３を一体に連結固着して水平部材１，２
が上下に一定間隔を保持した枠体Ａに形成してあ
る。４は水平部材１，２と固定材３，３との固着
部間にクロス状に連結、固着した枠補強材であ
る。

５は上下水平部材１，２の一端面にこれらの水
平部材１，２と同一軸心上にして連結した連結具
で、その一端面中央にボルト６を一体に突設して
ある。

又、この連結具５はその軸心を中心として水平
部材１，２に対し回転自在に取付けられている
が、その取付手段は、第１図に示すように、水平
部材１，２の一端中央に、連結具５の一端面に突
設した前記ボルト６とは逆ねじで且つねじ長の長
いボルト７を一体に突設し、このボルト７を連結
具５の他端面から適宜深さ部分にまで設けた雌ね
じ８に螺合させた構造や、第３図に示すように、
連結具５の他端面に一端面側のボルト６よりも長
く且つ逆ねじのボルト７′を突設し、このボルト
７′を水平部材１，２の一端面から適宜深さ部分
にまで設けた雌ねじ８′に螺合させた構造、更に
は第４図に示すように水平部材１，２の一端面と
連結具５の他端面とをピン或いはボルト等による
スイベルジヨイント９によつて回転自在に連結し
た構造としてもよい。

１０は連結具５の適所に、径方向に貫設した回
動用貫通孔である。

１１は上下水平部材１，２の他端に取付けたク
ランプで、上下方向に開口しているものである。

１２は截頭円錐形状の木コンで、その中央孔を
連結具５のボルト６に挿通させるようにしてあ
る。

１３は連結具５のボルト６に螺合する雌ねじ１
４を有するキヤツプ形状のインサートで、その先
端にＬ字状に屈曲した回動用棒体１５を一体に設
けてある。

１６はコンクリート１７を打設するために組立
てられた建物外壁の外型枠で、内型枠（図示せ
ず）と適宜連結しているものである。

この外型枠１６に、前記のように構成した足場
支持枠を組立てる態様を述べると、まず、堅固に
組立てられた木製の外型枠１６の適所に、前記枠
体Ａの上下水平部材１，２と同一間隔を有してボ
ルト挿入孔１８，１８を穿設したのち、上下水平
部材１，２の一端に連結した連結具５のボルト６
を該挿入孔１８，１８に挿通し、型枠１６の内側
において突出したボルト６に木コン１２を挿嵌し
たのちインサート１９を螺締する。こうすれば、
枠体Ａの型枠１６の外面に略垂直に固定され、型
枠１６から外方に直角に突設した状態となる。こ
のような作業を必要に応じて型枠１６の垂直、水
平面方向に行つて複数の枠体Ａを型枠１６に縦横
に所定間隔毎に取付ける。

次に、左右に隣接する枠体Ａの上部水平部材
１，２間に足場板ａを架設、載置すると共に上下
方向に連通するクランプ１１，１１に安全ネツト
や安全棚を張設するための建地ｂを挿通、固定す
る。この建地ｂは上下方向に連らなる枠体Ａの上
下水平部材１，２のクランプ１１，１１に挿通し
て長尺のものにすることが可能であり、又、ジヨ
イントを使用して延長したものとすることもでき
る。

しかるのち、足場枠ａ上で型枠１６内の鉄筋の
組立て及びコンクリートの打設を行う。

コンクリートが硬化するとインサート１３及び
木コン１２は一体に埋設、固定される。

次に、作業が完了したのち足場を解体するに
は、枠体Ａの上下水平部材１，２の一端に連結し
ている連結具５の貫通孔１０に適宜の棒体を挿通
して上下連結具５，５を殆んど同時に回転させる
と、ボルト６，７又は６，７′は互いに逆ねじに
なつているので、連結具５はインサート１３側及
び上下水平部材１，２の一端面に対して徐々に離
間していく。この際、インサート１３に螺合した
ボルト６のねじ長よりも水平部材１，２と連結し
たボルト７又は７′のねじ長を長く形成している
ので、ボルト６がインサート１３から外れても連
結具５は上下水平部材１，２から外れることがな
い。

こうして、枠体Ａを順次型枠１６から取外すも
のである。

以上のように本考案は、上下水平部材１，２間
を固定材３で連結、固定して枠体Ａを形成し、こ
の枠体Ａの上下水平部材１，２の一端面と回動用
貫通孔１０を径方向に貫設している連結具５の他
端面とのいずれか一方にボルト７を突設すると共
に他方に該ボルト７を螺合させる雌ねじ８を凹設
し、さらに、前記連結具５の一端面に前記ボルト
７とは逆ねじで且つ長さが該ボルト７よりも短い
ボルト６を突設し、このボルト６を型枠１６に貫
通してインサート１３に締結、固定させるように
すると共に前記上下水平部材１，２の他端にクラ
ンプ１１を取付けてなる足場支持枠に係るもので
あるから、上下水平部材１，２の一端に連結具５
を連結した状態でこの連結具５の一端面に突設し
たボルト６を型枠１６に貫通させてインサート１
３により固定させることにより、上下水平部材
１，２を型枠１６に簡単に固定させることができ
ると共に水平部材１，２と連結具５とはボルト７
と雌ねじ８との螺合によつて連結しているので、
両者は同一軸線上に一体に連結した状態となり、
しかも、上下水平部材１，２間は固定部材３で連
結固定して枠体Ａを形成しているので、上下水平
部材１，２は型枠１６の外面に対して上下、左右
に妄動することなく直角方向に正確且つ強固に取
付けることができ、従つて、足場板の取付けが円
滑に行えると共に該足場板を安定した状態で確実
に支持できるものである。このように型枠１６に
取付けるものであるから、鉄筋組立作業やコンク
リート打設作業のための足場を別途に組立てる必
要をなくして作業能率の向上を図ることができる
と共に足場を地上面から組立てることなく任意の
階層から組むことができ、従つて、足場資材が少
なくてすみ且つ組立て手間が短縮するものであ
り、その上、近隣家屋や用地に殆んど制約を受け
ることなく組立てることができる。

さらに、型枠１６に直接支持させることができ
て、建物との間に別な継ぎ材をとらなくてもよ
く、又、型枠１６に固定する枠体Ａの上下水平部
材１，２の端部にクランプ１１，１１を取付けて
いるので、建地を容易に組立てることができる。

又、足場を解体する場合には、連結具５に貫設
している回動用貫通孔１０に適宜の棒体を挿通し
て該連結具５を回動させれば、上下水平部材１，
２の一端面と連結具５の他端面とのいずれか一方
にボルト７を突設すると共に他方に該ボルト７を
螺合させる雌ねじ８を凹設してあり、且つ連結具
５の一端面に前記ボルト７とは逆ねじのボルト６
を突設してこのボルト６を型枠１６に貫通してイ
ンサート１３に締結、固定させているので、上下
水平部材１，２が固定部材３によつて枠体に形成
されているにも拘わらず、連結具５をインサート
１３から簡単に離脱させることができ、しかも、
連結具５の一端面に突設しているボルト６の長さ
が水平部材１，２に螺合しているボルト７の長さ
よりも短いから、連結具５がインサート１３から
取り外されても水平部材１，２から外れることが
なく、従つて、解体中に水平部材１，２が連結具
５から離脱するのをなくして安全に解体作業を行
うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
その一部を断面した側面図、第２図は平面図、第
３図は水平部材に対する連結具の異なつた連結状
態を示す断面図、第４図は足場を構成した簡略正
面図、第５図はその簡略側面図である。 Ａ……枠体、１，２……上下水平部材、３……
固定材、５……連結具、６……ボルト、１１……
クランプ、１３……インサート、１６……型枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同一長さの上下水平部材１，２間を固定材３で
   連結、固定して枠体Ａを形成し、この枠体Ａの上
   下水平部材１，２の一端面側に回動用貫通孔１０
   を径方向に貫設している連結具５，５を夫々配設
   して該連結具５，５と上下水平部材１，２の対向
   面のいずれか一方にボルト７を突設すると共に他
   方に該ボルト７を螺合させる雌ねじ８を凹設し、
   さらに、前記連結具５の一端面に前記ボルト７と
   は逆ねじで且つ長さが該ボルト７よりも短いボル
   ト６を突設し、このボルト６を型枠１６に貫通し
   てインサート１３に締結、固定させるようにする
   と共に前記上下水平部材１，２の他端にクランプ
   １１を取付けてなる足場支持枠。