JPH0211478B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動二輪車（鞍乗りタイプの三輪・四
輪車を含む）のエンジン及びこのエンジンに付随
する機器を保護するためのカバーに関する。

（従来の技術） 一般に自動二輪車はヘツドパイプからメインチ
ユーブとダウンチユーブを斜め後下方に延出し、
これらメインチユーブとダウンチユーブにて形成
される空間にエンジンを搭載し、またメインチユ
ーブの中間乃至後端から後方にシートフレームを
延出し、このシートフレーム上にシートを固設
し、シートフレーム下面にエアクリーナケースを
取付け、このエアリーナケーとエンジン後部背面
に設けたキヤブレターとをコネクテイングチユー
ブにて接続するようにしている。

（発明が解決しようとする問題点） 上述した従来の構造によると、キヤブレター、
エアクリーナケース、コネクテイングチユーブ等
の補器類が車体側方から見て露出したままとな
る。その結果、泥跳ね等による影響があつたり、
乗員による車体の保持、いわゆるニーグリツプに
邪魔となつたりする。特にトライアルタイプの自
動二輪車にあつてはこの傾向が大である。

そこで、エンジンの上方及び補器類の上方及び
側方をカバーにて覆うことが考えられるが、この
ようにすると、エンジン及び排気系からの熱気が
カバー内に篭ることとなり、冷却上好ましくな
い。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく本発明は、カバーでエ
ンジンの上方を覆うとともに、該エンジン後方に
配設されたキヤブレターの上方及び側面を覆つて
且つ、カバー上面をキヤブレター側からエンジン
側へ高くなる様に傾斜形成し、前記カバー上面に
熱気排出口を設け、前記熱気排出口より後方のカ
バー上面にシートを設け、このシート下方のカバ
ー側面に新気導入口を設けたことによつてエンジ
ン及び排気系からの熱気を上方へ排出し、この上
方への排出に伴うエントツ効果により側面に設け
た開口から新気を導入し、積極的な冷却効果を図
るようにした。

（実施例） 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図は本発明に係るカバーを適用した自動二
輪車の全体側面図、第２図は同自動二輪車の平面
図である。

自動二輪車１のフレーム２は、ヘツドパイプ３
の上端部から斜め後下方に左右一対のメンバーか
らなるメインチユーブ４を延出し、またヘツドパ
イプ３の下端部から斜め後下方に同じく左右一対
のメンバからなるダウンチユーブ５を延出してい
る。そして、メインチユーブ４を構成するメンバ
ー間にクロスメンバー６を架設し、クロスメンバ
ー６にハンドルパイプ７の中間部を固着してい
る。

また、メインチユーブ４の中間部からは斜め後
上方へシートフレーム８を延出し、メインチユー
ブ４とシートフレーム８が側面Ｖ字状をなすよう
にしている。このシートフレーム８も左右一対の
メンバーからなり、各メンバーの前端部がメイン
チユーブ４を構成するメンバーに結着されてい
る。そして、シートフレーム８を構成するメンバ
ーの前部、即ち、乗員がシートに跨つた際に乗員
の膝が当る部分を内方へ屈曲せしめている。

また、シートフレーム８の中間部とメインチユ
ーブ４の間に斜めにバツクパイプ９を架設してい
る。このバツクパイプ９も前記同様に左右一対の
メンバーからなる。

ここで、前記メインチユーブ４、ダウンチユー
ブ５、シートフレーム８及びバツクパイプ９を構
成する各メンバーは横方向に偏平となつた楕円チ
ユーブとなつており、縦方向の剛性向上と、車体
巾全体を狭くし得るようにしている。

而して、前記ヘツドパイプ３の上下端はアツパ
ーブリツジ１０及びロアーブリツジ１１が取付け
られ、アツパーブリツジ１０にはハンドルパイプ
７が固着され、またアツパーブリツジ１０及びロ
アーブリツジ１１間に左右のフロントフオークメ
ンバー１２，１２の上端部を支持し、このフロン
トフオークメンバー１２，１２の下端部において
前輪１３の軸１４を回転自在に支承している。

また、メインチユーブ４及びダウンチユーブ５
によつて形成される四角錐状の空間にはエンジン
１５を配し、このエンジン１５をメインチユーブ
４及びダウンチユーブ５に設けたブラケツトに取
付け支持するとともに、エンジン１５の上端部は
前記上部クロスメンバー６ａに直接支持せしめて
いる。そして、エンジン１５の下部はメインチユ
ーブ４及びダウンチユーブ５の下端部間に取付け
たアルミニウム合金製のカバー１６にて覆い、底
づき等からエンジン１５を保護している。

エンジン１５の上部背面にはキヤブレター１７
が取付けられ、このキヤブレター１７は側面から
見てメインチユーブ４よりも後方に突出してい
る。またエンジン１５の下部前面からはエキゾー
ストパイプ１８が導出され、このエキゾーストパ
イプ１８はエンジン１５前方を湾曲し、車体右側
に沿つて後方へ延出され、マフラー１９に接続さ
れる。

また、メインチユーブ４を構成するメンバーの
上部には燃料タンク２０が跨設され、シートフレ
ーム８を構成するメンバー下部にはエアクリーナ
ケース２１１が取付けられ、このエアクリーナケ
ース２１の前部上面から前記キヤブレター１７に
つながるコネクテイングチユーブ２２が突設して
いる。

前記シートフレーム８には後輪２３の上部を覆
うリヤフエンダ２４が固着され、燃料タンク２０
上面、エアクリーナケース２１上面及びリヤフエ
ンダ２４前面を覆うカバー２５を取付けている。
このカバーを２５は第３図の平面図及び第４図の
側面図に示す如く前半部が前上方に向つて傾斜
し、後半部が後上方に向つて傾斜した側面略Ｖ字
状をなし、このＶ字状部の谷部を内方へ絞つた形
状とし、谷部の上面には２つの熱気排出口２５
ａ，２５ａを平行に設け、後半部の両側面に新気
導入口２５ｂ，２５ｂを設けている。

そして、第１図のＡ−Ａ線断面図である第５図
に示す如く、カバー２５の側面に形成した新気導
入口２５ｂの１は、燃料タンク２０下部に設けた
燃料コツク２０ａの側方に形成され、また他の新
気導入口２５ｂはキヤブレター１７のエアスクリ
ユー調整ノブ１７ａの側方に形成され、これら新
気導入口２５ｂから指を差し込むことでコツク２
０ａ及びノブ１７ａを容易に操作し得るようにし
ている。

更にカバー２５の後半部上面には乗員着座用の
シート部２５ｃが一体的に形成されている。

また、キヤブレター１７、緩衝器３３及び排気
装置は、側面の新気導入口２５ｂ，２５ｂから導
入された新気が上面の熱気排出口２５ａ，２５ａ
へと排出される冷却風の流れの中に配設され、こ
れらの部材の冷却を向上するようにしている。

一方、メインチユーブ４を構成するメンバーの
下端部にはガゼツトプレート２６を介してピボツ
ト軸２７を挿通し、この軸２７にリヤフオーク２
８の前端部を上下揺動自在に枢着し、このリヤフ
オーク２８の後端部にて後輪２３を回転自在に支
承する。またリヤフオーク２８の後端部には駆動
チエーンの張力調整用のカム機構２９を設けてい
る。

一方、リヤフオーク２８の前部には上方への突
部３０を設け、この突部３０にてアーム３１の中
間部を揺動自在に軸支し、このアーム３１の一端
部をフレーム側に設けたブラケツト３２に揺動自
在に軸支し、更にアーム３１の他端部には緩衝器
３３の後端部を枢支連結している。この緩衝器３
３は車体の前後方向に延びた横置き配置とされ、
その前端部はメインチユーブ４を構成する左右の
メンバーのうち左側のメンバーに設けたブラケツ
ト３４に枢支連結される。而して、緩衝器３３は
第５図に示す如く車体軸線に対して左側にオフセ
ツトされて配置され、その分だけ緩衝器３３の右
側部分にスペースが形成される。そこで、本実施
例にあつては当該スペースにエアクリーナケース
２１、キヤブレター１７等の補器類を収納するこ
とができ、スペースの有効利用を図つている。

ところで、前記アーム３１の両端部を結ぶ線と
リヤフオーク２８の中心線とのなす角は90゜以下
に設定している。したがつて路面の凸部に後輪２
３が乗り上げ、リヤフオーク２８が第１図中反時
計方向に揺動すると、これにつれてアーム３１も
反時計方向に揺動するが、アーム３１の緩衝器３
３の後端部が枢着される端部の前方への移動量
は、リヤフオーク２８の上方への揺動開始時にあ
つては少なく、揺動量が大となるにつれ前方への
移動量も大となり後輪２３にかかる衝撃エネルギ
ーに応じてその吸収量が増大するようにしてい
る。

（発明の効果） 以上説明した如く本発明によれば、カバーでエ
ンジンの上方を覆うとともに、該エンジン後方に
配設されたキヤブレターの上方及び側面を覆つて
且つ、カバー上面をキヤブレター側からエンジン
側へ高くなる様に傾斜形成し、前記カバー上面に
熱気排出口を設け、前記熱気排出口より後方のカ
バー上面にシートを設け、このシート下方のカバ
ー側面に新気導入口を設けたので、エンジンから
の熱気シートより前方の高い位置から大気へ逃が
すことができ、この熱気の上方への逃げによりエ
ントツ効果が生じてシート下方の側方の開口から
新気が導入され、傾斜した上面に沿つて流れをキ
ヤブレターを経由して積極的にシートより前方の
熱気排出口へ導くことができる。したがつて、こ
の新気によりカバー内に熱気がこもることもな
く、エンジンやキヤブレター等を積極的に冷却す
ることができ、エンジン性能が安定し、また、シ
ートが暖められて不快になることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るフレーム構造を適用した
自動二輪車の全体斜視図、第２図は同自動二輪車
の平面図、第３図はカバーの平面図、第４図はカ
バーの側面図、第５図は第１図のＡ−Ａ線断面図
である。 尚、図面中１は自動二輪車、２はフレーム、３
はヘツドパイプ、４はメインチユーブ、５はダウ
ンチユーブ、８はシートフレーム、１５はエンジ
ン、１７はキヤブレター、２１はエアクリーナケ
ース、２２ははコネクテイングチユーブ、２５は
カバー、２５ａは熱気排出口、２５ｂは新気導入
口、２５ｃはシート部、２８はリヤフオーク、３
３は緩衝器である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前後輪間にエンジンが配設されている自動二
   輪車の為のカバーであつて、 前記カバーはエンジンの上方を覆うとともに、
   該エンジン後方に配設されたキヤブレターの上方
   及び側面を覆つて且つ、カバー上面をキヤブレタ
   ー側からエンジン側へ高くなる様に傾斜形成さ
   れ、 更に、前記カバー上面に熱気排出口が設けら
   れ、前記熱気排出口より後方のカバー上面にシー
   トが設けられ、このシート下方のカバー側面に新
   気導入口を設けられていることを特徴とする自動
   二輪車用カバー。