JPH0210734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は入孔、地下孔、洞道、ピツト等の管
口部または建物貫通部に使用するケーブル用管路
口の防水装置の改良に関するものである。

従来の技術 本考案者等は先にケーブル用管路口防水装置を
実公昭56−38894号公報において提案したこの装
置はゴム製の直円柱を放射状に複数個に分割し、
その分割した側壁に半円形の孔を形成してシール
ゴムを構成し、そのシールゴムの両端を前、後の
フランジにより挟み、これらをボルト、ナツトに
より一体化したものである。

考案が解決しようとする課題 然しシールゴムの孔に、合成樹脂で被覆した導
線を通し、シールゴムを二枚のフランジで挟み、
ボルト、ナツトで締め付けると、ゴムの圧縮力が
ケーブルに強く作用し、かつ、シールゴムの熱膨
張に又はシールゴムの膨張よつてケーブルに損傷
を与える問題点があつた。

課題を解決するための手段 この考案は上記の問題を解決するためにゴム製
の直円柱を放射状に分割して複数個の扇形柱に形
成し、その扇形柱の両側壁の軸方向に半円形溝を
穿設するとともに、該扇形柱の軸方向にボルトを
挿し通すための少し緩めの透孔を設けたシールゴ
ムを、該シールゴムの扇形状端面とほぼ同じ形状
にして、且つ該端面にそれぞれ面接する前フラン
ジと後フランジで組み合わせたシールゴムを挟持
し、これらをボルトおよびナツトで一体に保持し
てなるケーブル用管路口の防水装置に於いて、前
記シールゴムの半円形溝の中央部の孔径を、該溝
の両側部の孔径よりも大径に形成するとともに、
該大径部に未加硫ゴムを設け、また、シールゴム
の軸方向に貫通するボルト挿し通し用の透孔の中
央部の孔径を、該透孔の両側部の孔径より大径に
形成し、該大径部をシールゴムの体積膨張吸収用
の空間部に形成したことを特徴とするケーブル用
管路口の防水装置に構成したことである。

実施例 この考案の一実施例を図面により説明する。図
において１はシールゴムで、直円柱のシールゴム
を放射状に三分割し、横断面形状が扇形状の扇形
柱に形成する。この扇形柱の両側壁の軸心方向に
半円形の長溝を設ける。

この半円形溝はシールゴム１を組み合わせるこ
とにより真円の孔となり、該真円の孔でケーブル
１６を支持する。また上記半円形溝の中央部を形
成する孔２の孔径を該溝の両側部の孔２′，２′の
それよりも大径に形成し、該大径の孔の内周面に
未加硫ゴム３を充填する。

また扇形状のシールゴム１の軸方向にボルト１
２を挿し通すための少し緩めの透孔を穿設する。

この透孔の一端開口部５′を他端開口５の孔径
よりも大きく形成し、その開口部５′に他端開口
部５の孔径と均等の孔径を有するスペーサ６を嵌
入し、また該透孔の内部中央の孔径を両端開口部
５，５′の孔径より大きく形成して空間部７を形
成し、該空間部でシールゴムの体積膨張を吸収さ
せる。なお４はシールゴム１の外周の円周方向に
設けた複数のリブでこの様に形成した扇形柱のシ
ールゴム１を複数個組み合わせ使用する。

この様に組み合わせたシールゴム１を挟持する
前フラジン９と後フランジ８の２個のフランジは
第４図および第５図に示す様にシールゴム１の端
面と同じ扇形状で、且つ半円径状の孔１０を有し
ているが外周はシールゴム１の外周の径より小さ
く、また半円形の孔１０はシールゴム１の孔２′
の薄肉の円弧状舌部１１を被覆するように形成す
る。さらに、両フランジにシールゴム１の通孔
５，５′に合致する孔５ａを設ける。

第６図、第７図に示すように、後フランジ８に
ボルト１２の先端を熔接１３し、そのボルト１２
をシールゴム１の透孔５，５′に挿通し、さらに
前フランジ９の透孔５ａを通してボルト１２の基
端にナツト１４を螺合する。

作用効果 導管１５内にケーブル１６を３本挿入し、前記
の如く組立てたシールゴム１を挿入し、半円形溝
の２，２′にケーブル１６をそれぞれ配置し、ナ
ツト１４を締付ける。それによつてシールゴム１
は軸心方向に縮少し、反対にシールゴム１の外周
が膨張し、リブ４が導管１５の内周と密着し、ま
た、半円形溝の中央部を形成する孔２の未加硫ゴ
ム３の径は縮少してケーブル１６と密着し、さら
に３個のケーブル１６の中心隙間はシールゴム１
の中心部１７が集合して充填する。

従つてシールゴム１の外周と導管１５との接触
部、シールゴム１の半円形溝２とケーブル１６と
の接触部、およびシールゴム１の中心部１７がそ
れぞれ密着して防水する。

なお複数のリブ４の間の谷間および複数の谷間
１８に吸水膨潤性樹脂ペイントを充填しておくと
止水効果が大となる。

この考案は上記の構成であり、シールゴム１の
半円形溝中央部を形成する孔２を両側開口部の孔
２′より大径となしているので、ケーブル１６の
膨張およびシールゴムの体積膨張を吸収すること
ができる。

従つてケーブルの銅テープにシワ、キレツが発
生しない。又半円形溝中央部を形成する孔２に未
加硫ゴム３を設けたので防水効果を有すると共に
ケーブル１６に対して必要以上の力を与えないの
で、ケーブルに損傷を与えない。

さらにボルト挿通用の透孔の中央部に空間部７
を設けたので、シールゴムの体積膨張をその空間
に逃すことができ、シールゴム１のケーブルへの
圧力を少なくできる等の効果が大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例を示すもので、第１図はシ
ールゴムの側面図、第２図は同正面図、第３図は
第１図の−線断面図、第４図はフランジの側
面図、第５図は同正面図、第６図は本考案の使用
状態を示す側面図、第７図は第６図の−線断
面図である。 １……シールゴム、２……半円形溝の中央部の
孔、２′……半円形溝の両端部の孔、３……加流
ゴム、４……リブ、５……孔の一端開口部、５′
……透孔の他端開口部、６……スペーサ、７……
空間部、８……後フランジ、９……前フランジ、
１０……フランジの半円形の孔、１２……ボル
ト、１３……ボルト溶接部、１４……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゴム製の直円柱を放射状に分割して複数個の扇
   形柱に形成し、その扇形柱の両側壁の軸方向に半
   円形溝を穿設するとともに、該扇形柱の軸方向に
   ボルトを挿し通すための少し緩めの透孔を設けた
   シールゴムを形成し、該シールゴムの扇形状端面
   とほぼ同じ形状にして、且つ該端面にそれぞれ面
   接する前フランジと後フランジで組み合わせた前
   記シールゴムを挟持し、これらをボルトおよびナ
   ツトで一体に保持してなるケーブル用管路口の防
   水装置に於いて、前記シールゴムの半円形溝の中
   央部の孔径を、該溝の両側部の孔径よりも大径に
   形成するとともに、該大径部に未加硫ゴムを設
   け、また、シールゴムの軸方向に貫通するボルト
   挿し通し用の透孔の中央部の孔径を、該透孔の両
   側部の孔径より大径に形成し、該大径部をシール
   ゴムの体積膨張吸収用の空間部に形成したことを
   特徴とするケーブル用管路口の防水装置。