JPH0210279B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、特許請求の範囲１の前文によるプレ
スロールに関する。この種ロールはドイツ公開明
細書3003395号から公知である。そこでは、押圧
面にて支持力を固定したヨークから回転可能なロ
ール外被に伝達する油圧式支持装置は次の如く構
成されている：ロール外被とヨークとの間に在る
環状空間が二つの長手方向の密閉部材によつて二
つの押圧面に対して対称的に記載された半円環状
の圧力室に分割されている。対向ロールに向いた
圧力室は他方の圧力室より高い圧力により負荷さ
れ得る。二つの圧力室の差圧の大きさは、プレス
ロールと対向ロールとの間の押圧スリツト内での
線圧力の分布を決定する。差圧の変化は、プレス
ロールと対向ロールの自然なたわみ線に対応し
て、線圧力分布の変化を引き起こす。支持力を局
部的に変化させるための補正装置は、ヨークとロ
ール外被との間の環状空間に好ましくはプレスロ
ールの端部領域にて内部空間を実質的に大気圧の
みが支配している個別の中空ピストンが配設され
ていることにより、構成されている。このように
して、ロール外被に付加的な曲げモーメントをも
たらすことができる。従つて、ロール外被のたわ
み線を任意に変化させることが可能である。

しかしながらこの公知のプレスロールは幾つか
の欠点を有している：対向ロールに向いた圧力室
のみが圧力媒体を負荷される比較的古い公知の構
造体と比較して、両方の圧力室に圧力媒体を供給
することが必要である。従つて全体として、比較
的高いポンプ圧力が必要である。これは高いエネ
ルギー消費を意味している。さらに、上述の中空
ピストンが付加的な摩擦と全幅に亘るロール外被
の不均一な加熱を引き起こすという難点が生じ
る。他の欠点は、中空ピストンがヨークの切欠部
内で案内されなければならないということであ
る。この切欠部はヨークの剛性及び強さを低下さ
せてしまう。

本発明は、公知の構造体の欠点を回避するプレ
スロールを提供するという課題に基づいている。
特にできるだけ低い油圧で作動され得ることが望
まれる。

この課題は、特許請求の範囲１に示されたプレ
スロールにより解決される。これによれば、各ロ
ール端部において（好ましくは上述の半円環状の
圧力室の形態の）従来から在る油圧式主支持装置
とロール外被とヨークに対して支持するために役
立つ自動調心軸受との間に、補助支持装置が備え
られている。これは同様に半円環状の圧力室の形
態を有していて且つ主圧力室と無関係に圧力媒体
を負荷され得る。この補助圧力室はロール外被の
中央領域に対してロール端部に所望の任意の付加
的なたわみをもたらすために役立つ。このため
に、補助圧力室の半円環状の形態により、比較的
低い油圧のみ必要である。さらに主圧力室に対向
する半円環状の空間に圧力媒体を負荷する必要は
ない。かくして、主圧力室においても油圧は比較
的低くてもよい。

補助支持装置を、長手方向及び円周方向の密閉
部材により画成されなければならない半円環状の
圧力室として形成する場合には、重大な難点があ
る。というのは、公知の如く、プレスロールの運
転の際にヨークの強いたわみが生じ、これに応じ
てロール端部にてヨークのロール外被に対する傾
きが生じるからである。特許請求の範囲１の特徴
(e)によりこの難点は取除かれる。ヨークの強い傾
きの場合にも密閉部材はその対向面に緊密に当接
し得るようになる。本発明による構成はヨークと
ロール外被との間の熱膨張による移動も許す。他
の利点は、密閉部材及びこれに属する構成部品の
製造において比較的大きい製造公差が許され得且
つ密閉部材の配置が難なく組付けられ得るという
ことにあると考えられる。本発明により備えられ
た環状の密閉部材保持装置はロール外被の内部で
ヨークの周りで円周方向に延びている。これは、
補助圧力室により加えられた支持力をヨークに伝
達し得るようにヨークに固着されている。従つて
密閉部材保持装置はヨークに関して押圧面の方向
に固定されているかまたはヨークに対して自由に
動き得るようになつている。換言すれば、ロール
外被に関する密閉部材保持装置の位置は、プレス
ロールの運転中に実質的に押圧面の方向にのみ変
化する。ロール外被に関する密閉部材保持装置の
言うに値するほどの軸方向移動及び傾きは起こら
ない。

特許請求の範囲２及び３によれば、密閉部材保
持装置がヨークに関して軸方向に移動可能で且
つ／または押圧面に対して垂直な軸の周りに傾き
得ることは、特に有利である。

特許請求の範囲４による実施例は、両方の補助
圧力室が大きさの可変である圧力を負荷されると
きに、重要である。これは、押圧スリツトの全長
に亘つて非対称の線圧力曲線を達成したい場合に
必要である。

特許請求の範囲７に示された本発明の有利な形
態は、主圧力室と補助圧力室との両方の円周方向
の密閉部材が各々対向面に押圧可能であることを
前提としている。このそれ自体公知の円周方向の
密閉部材の構成は、機能的に特許請求の範囲１の
特徴に関連して使用され得る。この場合、密閉部
材保持装置の可動性により、そこに配設された密
閉部材がそのガイド溝から僅かだけ突出していな
ければならない。こうして、そのガイド溝内での
密閉部材の最大の可動性が達成される。

本発明の重要な他の概念（特許請求の範囲９）
によれば、回動板がロール外被に対して熱絶縁さ
れている。これによつて、円周方向の密閉部材の
回動板上での滑動により生ぜしめられる摩擦熱が
できるだけロール外被から遠ざけられ得る。そう
でないと、これはその全長に亘つて不均一に暖ま
るであろう。回動板からロール外被への熱伝達を
減少せしめるための他の処置が特許請求の範囲１
０に示されている。これによれば、回動板上で暖
まつた圧力流体が圧力室から漏出し得且つ続いて
流れてくるより冷たい圧力流体により交替される
という可能性が与えられる。

本発明の一実施例が以下に図面に基づいて説明
される。

第１図及び第２図からわかるように、プレスロ
ールが回転可能なロール外被１０を有していて、
その端部に軸受リング１３及び１４を備えたロー
ルカバー１１及び１２が固着されている。駆動側
の軸受ロールは、ロール外被１０の駆動装置に属
し且つ図示されていない駆動ピニオンと噛合する
歯車リムとして構成されている。軸受リング１３
及び１４には各々一つの自動調心ころ軸受１５が
配設されており、その内輪は支持台１６の管状の
カラー部９に支持されている。二つの支持台１６
は固定された機械フレーム８上にまたは可動の押
圧レバー上に固着されている。不動のヨーク１８
はロール外被１０の全長に亘つて延びていて且つ
球状ブツシユ１７により支持台１６に支持されて
いる。

ロール外被１０は対向ロール３４と共に紙ウエ
ブ３３がが通過する押圧スリツトを形成してい
る。対向ロール３４は図式的に示された軸受３５
に支持されている。

ヨーク１８にはバネ座金２１により環状の密閉
部材保持装置１９が固着されていて、その側方に
は所謂円周方向の密閉部材２０が配設されてい
る。この円周方向の密閉部材２０はヨーク１８の
半周に及ぶ対向ロール３４に向いた領域に延びて
いる；それは半円リングとして構成され又は真直
ぐな部材から多角形状に構成され得る。密閉部材
支持装置１９はヨーク１８上で回転しないように
保証されている。円周方向の密閉部材２０は図示
しないバネにより軸方向に回動板２２に対して押
圧されている。これはブツシユ２３を介してロー
ルカバー１１及び１２から軸方向に離して位置せ
しめられ且つピン２４により回転しないように保
証されている。ヨーク１８にはさらに、半径方向
にロール外被に弾性的に押圧される長手方向密閉
部材２６が配設されている。円周方向の密閉部材
２０及び長手方向の密閉部材２６は圧力流体で満
たされ得る半円環状の主圧力室２７を画成してい
る。パツキング２５は圧力流体の漏れを防止す
る。ガイド側のロール端部にて回動板２２とロー
ルカバー１１との間には補助圧力室２８及び２９
が備えられている。同様に駆動側のロール端部に
て回動板２２とロールカバー１２との間には補助
圧力室２８′及び２９′が在る。従つて、対向ロー
ル３４に向いた二つの半円環状の補助圧力室２８
及び２８′が在り、さらにプレスロールの対向ロ
ール３４から離れた側に配設されている二つの補
助圧力室２９，２９′が在る。この補助圧力室２
８，２８′，２９，２９′の各々は、再び円周方向
の密閉部材３０及び長手方向の密閉部材３１によ
り画成されている。長手方向の密閉部材３１は長
手方向の密閉部材２６と同様に押圧面に対して垂
直な面内に在る。

主圧力室２７の密閉部材２０及び２６とは異な
り、補助圧力室２８，２９，２８′，２９′の密閉
部材３０及び３１は環状の密閉部材保持装置３２
内に配設されている；この点については第３図も
参照のこと。密閉部材保持装置３２はヨーク１８
上に支持するために以下のものが備えられてい
る：即ち、長手方向の密閉部材３１の領域におい
てヨーク１８にピン４０が植設されている。この
ピン４０の各々に直方体状のスライダ３６が回動
可能に配設されている。各密閉部材保持装置３２
はスライダ３６が嵌合される二つの縦溝を有して
いる。かくして、密閉部材保持装置３２はヨーク
１８に関してロール回転軸の方向に移動し得る；
さらにこれは、ヨーク１８のロール外被１０に対
する傾きに関与しないように、ピン４０の周りに
旋回され得る。

第３図において、すべてヨーク１８のガイド側
の端部から出ている異なる圧力流体通路が認めら
れる。通路３７は主圧力室２７に直接的に開口し
ている。これに対して、補助圧力室２８及び２９
に通じている通路３８及び３９はピン４０を通つ
て案内されている。そこに各々斜めの連絡管３
８′及び３９′が接続されている。主圧力室２７に
対向しており実質的に大気圧以下にある間隙４２
は漏液通路４３を介して外界に連通している。駆
動側の補助圧力室２８′及び２９′は一般に別々の
圧力流体導入部を有しているので、必要であれば
例えば二つの圧力室２８及び２８′が異なる圧力
を負荷せしめられ得、二つの圧力室２９及び２
９′も同様である。

第１図において符号４９で示されているよう
に、円周方向の密閉部材３０には小さな漏れ開口
が備えられ得、これを通つて暖められた圧力流体
が流出する。同様の漏れ開口が円周方向の密閉部
材２０にも備えられ得る。

好ましくは、密閉部材２０が当接している双方
の回動板２２のすべり面の間の間隔はほヾ紙ウエ
ブ３３の幅に等しい（第１図及び第２図参照）。
このとき補助圧力室２８，２８′，２９，２９′は
紙ウエブの幅の外側に在る。これに対応して、ロ
ール外被１０は両端に延長部１０ａを有してい
る。しかしながら、この有利な構造とは異なつて
いてもよい。かくして、補助室は紙ウエブの幅内
にその幅の一部が在つてもよい。これにより、ロ
ール外被の長さは少し減少せしめられ得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は調整可能なたわみをもつプレスロール
のガイド側端部の縦断面図、第２図は第１図のプ
レスロールの駆動側端部の縦断面図、第３図は第
１図−線に沿うプレスロールの横断面図であ
る。 ８……機械フレーム、９……カラー部、１０…
…ロール外被、１１，１２……ロールカバー、１
３，１４……軸受リング、１５……自動調心ころ
軸受、１６……支持台、１７……球状ブツシユ、
１８……ヨーク、１９，３２……密閉部材保持装
置、２０，３０……円周方向の密閉部材、２１…
…バネ座金、２２……回動板、２３……ブシユ、
２４，４０……ピン、２５……パツキング、２
６，３１……長手方向の密閉部材、２７……主圧
力室、２８，２８′，２９，２９′……補助圧力
室、３３……紙ウエブ、３４……対向ロール、３
５……軸受、３６……スライダ、３７，３８，３
８′，３９，３９′……通路、４２……間隙、４３
……漏液通路、４９……漏れ開口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定した曲げビーム（ヨーク１８）の周りに
   回転可能であつて且つ対向ロール３４と共にウエ
   ブ３３の通過する押圧スリツトを形成し得る中空
   のロール外被１０を備えており、二つのロールの
   回転軸と押圧スリツトとが一つの押圧面内に在つ
   て、さらに次の特徴、即ち、 (a) ロール外被１０がその両端で各々一つの自動
   調心軸受１５によりヨーク１８に対して少なく
   とも間接的に支持されている： (b) 押圧スリツトの領域に、押圧面内で支持力を
   ヨーク１８からロール外被１０に伝達する油圧
   式支持装置２７が備えられている； (c) 支持力を局部的に変化させるための補正装置
   が備えられている； という特徴を備えた、製紙産業のための、たわみ
   の調整可能なプレスロールにおいて； (d) 補正装置として、前記油圧式支持装置２７と
   二つの自動調心軸受１５の各々との間に、ロー
   ル外被１０とヨーク１８との間に在つて且つ長
   手方向の密閉部材３１と円周方向の密閉部材３
   ０とにより画成された半円環状の圧力室２８，
   ２９，２８′，２９′の形態の補助支持装置が備
   えられていて、 (e) 各補助圧力室２８，２９の長手方向及び円周
   方向の密閉部材３１，３０が、ヨーク１８上で
   押圧面の方向に支持されているか又は該ヨーク
   に関して可動である環状の密閉部材保持装置３
   ２上に配設されている、 ことを特徴とするプレスロール。 ２ 密閉部材保持装置３２がヨーク１８に関して
   軸方向に移動可能であることを特徴とする、特許
   請求の範囲１に記載のプレスロール。 ３ ヨーク１８上に支持された密閉部材保持装置
   ３２が押圧面に対して垂直な軸の周りに傾き得る
   ように配設されていることを特徴とする、特許請
   求の範囲１または２に記載のプレスロール。 ４ 各補助圧力室２８，２９の二つの円周方向の
   密閉部材３０が、圧力室の圧力負荷によつて大き
   な軸方向の移動が起こらないように、実質的に同
   じ大きさを有していることを特徴とする、特許請
   求の範囲１から３何れに記載のプレスロール。 ５ ヨーク１８が各補助圧力室２８，２９の領域
   に密閉部材保持装置３２を傾き得るように枢支す
   るために二つのピン４０を有していることを特徴
   とする、特許請求の範囲３または４に記載のプレ
   スロール。 ６ 圧力媒体管３８，３９がヨーク１８から一方
   のピン４０を通つて一方の補助圧力室に通じてい
   ることを特徴とする、特許請求の範囲５に記載の
   プレスロール。 ７ 主圧力室２７の端面側の各端部に、主圧力室
   及び隣接する補助圧力室２８，２９に対して共通
   のそしてロール外被１０と共に回転し且つ円周方
   向の密閉部材２０，３０に対する対向面を有する
   一つの回動板２２が備えられていることを特徴と
   する、主支持装置がロール外被とヨークとの間に
   在つて且つ長手方向及び円周方向の密閉部材によ
   り画成された主圧力室であり、円周方向の密閉部
   材が軸方向に各々対向面に押圧され得る特許請求
   の範囲１から６の何れかに記載のプレスロール。 ８ 回動板２２がロール外被１０に対して回転し
   ないように、中間スリーブ２３を介して、ロール
   外被１０に固着されたロールカバー１１または１
   ２と連結されていることを特徴とする、特許請求
   の範囲７に記載のプレスロール。 ９ 回動板２２がロール外被１０に対して熱絶縁
   されていることを特徴とする、特許請求の範囲７
   または８に記載のプレスロール。 １０ 円周方向の密閉部材２０，３０の領域に漏
   れ口４９が備えられていることを特徴とする、特
   許請求の範囲１から９の何れかに記載のプレスロ
   ール。