JPH0210171Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンクリート面にフツクボルト等を螺
着せしめるためにコンクリート内に埋設されるイ
ンサートブツシユに関するものである。

従来かかるインサートブツシユは金属製の部材
より構成せしめていたので、抜け止め、回り止め
用の掛止部分を一体形成せしめるのは困難である
と共に、コストアツプを余儀無くされ、又流し込
み直後のコンクリート中にインサートブツシユを
埋設する場合は雌螺子部に固化前のコンクリート
が付着して目詰まりを生じることがしばしばあ
り、インサートブツシユの機能を十分に奏せしめ
ることが出来ない等の欠点を有していた。

本考案はかかる欠点に鑑み、内部に雌螺子部を
形成せしめたブツシユ本体を合成樹脂製にて一体
成形せしめ、該ブツシユ本体の埋設基端部には外
方へ突出せしめた掛止部を形成せしめ、胴部外周
には軸線方向にリブを突出形成せしめ、先端の挿
入口内周には雌螺子部より大径の嵌合部を周設せ
しめ、該嵌合部には弾性部材より成るキヤツプ体
を着脱自在に嵌挿せしめたインサートブツシユに
おいて、埋設基端部から後方へ向かつて突出させ
た筒状の鍔輪の内周部に口縁部より大径に周設さ
せた半円弧状の溝部を形成したインサートブツシ
ユを提供して上記欠点を解消せんとしたものにし
て、以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明
すると、 １はアセタール、コポリマー、ナイロン、塩化
ビニール等の合成樹脂製より成るブツシユ本体で
あり、胴部２の一端に挿入口３を開口形成せしめ
ると共に、内部には挿入口３の同軸上に雌螺子部
４を刻設せしめている。

又胴部２の外周には先端から埋設基端部５に渉
つて軸線方向に複数のリブ６，６ａ…を突出形成
せしめると共に、該リブ６，６ａ…は挿入口３側
から埋設基端部５側へ至るに従い高くなるテーパ
ー状に形成せしめて回動および引張り方向の掛止
作用を成さしめている。７は引張り方向の掛止部
であり、埋設基端部５から外周方向へ拡径状に突
出せしめると共に、先端部を挿入口３方向へ一体
屈曲せしめて鍔部８を形成せしめている。

又、掛止部７は鍔部８の他に、埋設基端部５か
ら後方へ向かつて筒状の鍔輪１１を一体突設し、
該鍔輪１１の内周部１２に口縁部１３より大径の
半円弧状の溝部１４を周設している。

又、先端の挿入口３内周には雌螺子部４より大
径の嵌合部９を適宜幅に渉り周設し、該嵌合部９
にはスポンジ等の弾性部材によりブツシユ本体１
とは別体に成形した円板状のキヤツプ体１０を着
脱自在に嵌挿している。

尚、キヤツプ体１０はリング状に形成しても良
い。

次に本考案にかかるインサートブツシユの使用
状態について説明すると、型枠内に流し込まれた
固化前のコンクリートＣの面上に対し、嵌合部９
にキヤツプ体１０を嵌挿せしめたブツシユ本体１
を挿入口３の端縁がコンクリートＣに面一になる
様にして埋設せしめ、コンクリートＣの養生固化
後キヤツプ体１０を取り外すことによりブツシユ
本体１がコンクリートＣ内の所定位置に埋設され
るのである。

尚、リング状のキヤツプ体１０ａを使用する場
合は該キヤツプ体１０ａを取り外すことなく座金
として使用しても良い。

要するに本考案は、内部に雌螺子部４を形成し
たブツシユ本体１を合成樹脂製にて一体成形し、
該ブツシユ本体１の埋設基端部５には外方へ突出
させた掛止部７を形成し、胴部２外周には軸線方
向にリブ６，６ａ…を突出形成し、先端の挿入口
３内周には雌螺子部４より大径の嵌合部９を周設
し、該嵌合部９には弾性部材より成るキヤツプ体
１０を着脱自在に嵌挿させたインサートブツシユ
において、埋設基端部５から後方へ向かつて突出
させた筒状の鍔輪１１の内周部１２に口縁部１３
より大径に周設させた半円弧状の溝部１４を形成
したので、鍔輪１１の内周部１２に形成した溝部
１４により引張り方向の掛止作用を著しく大きく
することが出来、かかる溝部１４の掛止作用と共
に、掛止部７による引張り方向の掛止作用とリブ
６，６ａ…による回り止め作用と引張り方向の掛
止作用が伴つてブツシユ本体１の抜け止め機能を
より確実にすることが出来、これによりブツシユ
本体１にフツクボルト等を螺着してコンクリート
Ｃを吊り下げ作業する際に、その自重、揺れ等に
よつて生ずる外力による応力を鍔輪１１の溝部１
４、掛止部７、リブ６，６ａ…にて分散し、コン
クリートＣからブツシユ本体１が離脱することな
く安全にコンクリートＣを運搬出来るのである。

又、鍔輪１１の溝部１４が半円弧状に形成され
ているため、合成樹脂での一体成形が可能、即ち
合成樹脂の弾性作用により成形型から容易に離脱
出来るため、溝部１４の成形部分を割型とするこ
となく、簡易且つコスト安に成形することが出来
るのである。

又、コンクリートＣの流し込み直後にブツシユ
本体１を所定位置に埋設させる場合においてキヤ
ツプ体１０によりコンクリートＣがブツシユ本体
１内に流入して雌螺子部４に目詰まりが生じるの
を防止し、ブツシユ本体１の所定位置への埋設操
作を簡易且つ確実となすことが出来、特にリング
状のキヤツプ体１０ａを使用すれば該キヤツプ体
１０ａをそのまま座金として併用することが出来
る等その実用的効果甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すものにして、第１
図は本考案に係るインサートブツシユの斜視図、
第２図乃至第３図は同上断面図である。 １……ブツシユ本体、２……胴部、３……挿入
口、４……雌螺子部、５……埋設基端部、６，６
ａ……リブ、７……掛止部、８……鍔部、９……
嵌合部、１０……キヤツプ体、１４……溝部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に雌螺子部を形成したブツシユ本体を合成
   樹脂製にて一体成形し、該ブツシユ本体の埋設基
   端部には外方へ突出させた掛止部を形成し、胴部
   外周には軸線方向にリブを突出形成し、先端の挿
   入口内周には雌螺子部より大径の嵌合部を周設
   し、該嵌合部には弾性部材より成るキヤツプ体を
   着脱自在に嵌挿させたインサートブツシユにおい
   て、埋設基端部から後方へ向かつて突出させた筒
   状の鍔輪の内周部に口縁部より大径に周設させた
   半円弧状の溝部を形成したことを特徴とするイン
   サートブツシユ。