JPH019513Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は縫製の途中で上糸が切れたとき、ミ
シンを自動的に停止する装置に関するものであ
る。

従来、この種の装置としては、上糸立から天秤
の糸穴に亘る経路中に設け、回転自在な円板に上
糸を巻きつけ、その円板が停止することにより上
糸切れを検知してミシンを自動停止するように構
成されており装置は大がかりになり、又上糸切れ
の際検知に糸が切れてミシンが停止するまで時間
的なずれが生じるなど欠点があつた。さらに他の
方式では上糸が絶えず光ビームを遮断するように
しておき上糸切れが生じた時、上記の光ビームが
遮断されなくなることにより上糸切れを検知して
ミシンを自動的に停止するように構成されている
が、縫製により生じる糸クズ等の影響により検知
能力に確実性の信頼度が低く、即座に検知するこ
とが無理である上に、上糸の太さによる制約条件
があるなど欠点が多数あつた。糸切れの検出にス
プリング等で付勢させた検出装置の接触子を上糸
に押し当て、上糸が切れればその付勢力で接触子
が回転して振れ、検出器に電気信号を発生させる
ものが、実開昭57−166572号、特開昭50−37551
号、実公昭47−13398号の各公報に開示されてい
る。これらの検出装置の接触子は垂直に張られた
長い上糸の途中に置かれて上糸を押し付けるよう
にしている。

そのため、接触子には強い付勢力を付加すれば
上糸が繰り出されて水平方向に突出してしまい検
出機能が失われる。又弱い付勢力とすれば上糸が
切れた時の反応が弱く迅速で確実な上糸切れの検
出が行えないという欠点があつた。

この考案は上記のような従来のものの欠点を除
去するためになされたもので、本案では上糸は常
にスイツチに設けた接触子の高いバネ張力により
接する構造としており、糸切れが生じた時はスイ
ツチの上記した接触子が迅速且つ確実に作動して
上糸切れを検知し、ミシンを自動的に停止する装
置を提供することを目的としている。

従つて、上糸がないために空縫いをして縫製す
る生地に徒らに針穴を作つて生地を損傷したり、
或は自動機により大量の生産を行う縫製工場にお
いて空縫いのため無駄な時間を消費して縫製工率
を低下せしめないようにするものである。

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第１図〜第４図において１はミシンアーム、
２はミシンアーム１の下部でアゴ部を示す。３は
アゴ部２に止めねじ４によりねじ止めした上糸５
を案内する糸かけである。６はアゴ部２の下方に
嵌入し固着した針棒メタルでミシンアーム１の内
部に設けた駆動機構（図示せず）により上下運動
を行う針棒７を遊嵌して保持している。針棒７の
先端部には上糸５を案内する糸かけ８を装着して
おりさらに中心部にはミシン針９が嵌入して止め
ねじ１０に止り固着している。１１は押え棒メタ
ルでミシンアーム１のアゴ部２に針棒メタル６と
並列して嵌入しており、内側には布を押えるため
の押え（図示せず）を取付けた押え棒１２が遊嵌
している。１３は本案の要点とする上糸切れ検知
装置の取付台で一側はミシンアーム１のアゴ部２
から下方に突出した針棒メタル６の外周部と嵌合
し止めねじ１４により固着している。さらに他側
には検知スイツチ１５がねじ１６及びナツト１７
によつて取付けられ、口出線１８により電源側へ
接続している。１９，１９′は取付台１３に針棒
メタル６と平行して穴明をした糸穴でこの糸穴１
９，１９′に対向した位置に糸道２３，２３′が設
けられており、上糸５の糸通しを簡便にしてい
る。２０は接触子で検知スイツチ１５のピン２１
を回動中心としており、先端部は取付台１３の凹
部２２の位置にある。２４は検知スイツチ１５の
カバーである。次に動作について説明する。ミシ
ンの上糸５は正常時においては第２図〜第４図に
示すように、上糸５は取付台１３の糸道２３を経
由し糸穴１９を通つて接触子２０が作用するバネ
力に抗して外周面で接し下側の糸穴１９′へは糸
道２３′を経由し糸かけ８を通つてミシン針９に
至ることになる。こうして通されたミシンの上糸
５が縫製の途中において何らかの原因で上糸切れ
が発生した場合、上糸５はミシン針９から抜け出
すことになる。この時接触子２０は第３図に示す
ようにＢ矢印方向に検知スイツチ１５の内部に配
設したバネ（図示せず）によりピン２１を回動中
心として作動し、口出線１８から電気信号を経由
して電源側をOFFすることになる。よつてミシ
ンは運転が自動的に停止し、さらにミシンを組込
んだ自動縫製装置においては同時に布送りをも自
動的に停止することになる。

以上のようにこの考案によれば上糸切れ検知装
置をミシンアームのアゴ部下側に位置する場所に
設置したこと及び上糸を巾の狭い間隔のコ字状凹
部の上下壁間の糸穴に通して接触子を押し付ける
ので、上糸が強い付勢力でも水平に突出すること
があまりなく、正常に上糸を送ることができ、し
かも上糸の切断に対してその強い付勢力で迅速且
つ確実に接触子を水平に突出させることができ、
上糸切れの発生からミシン停止までの時間は極め
て短く精度の高いもので、装置が安価に出来る効
果がある。又糸道を互に反対方向に設けたことに
よつて糸が使用中抜け出て誤動作を起すことがな
くなるばかりか糸の取付けが容易となるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の一実施例による上糸切れ検知装
置を取付けたミシンの正面図、第２図は第１図の
左側面図で要部を示す断面図、第３図は第１図の
Ａ−Ａ断面によるこの考案の検知装置を示す平面
図、第４図は本案の要部を示す斜視図である。な
お図中同一符号は同一又は相当部分を示す。 ５……上糸、６……針棒メタル、１３……取付
台、１５……検知スイツチ、１９，１９′……糸
穴、２０……接触子、２３，２３′……糸道。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工業用ミシン又は工業用ミシンを組込んだ自動
   縫製ミシンにおいて、該工業用ミシンの上糸の経
   路中にある天秤の糸穴とミシン針の糸穴の間でミ
   シンアームのアゴ部より下方に突出した針棒メタ
   ルの外周部にコ字状の巾の狭い凹部２２を有する
   取付台を取付け、同取付台の凹部２２の対向する
   壁面それぞれに糸穴と互いに反対方向に伸びた糸
   道を設け、上糸を上記糸穴間に挿入し、又同糸穴
   間の上糸に付勢するように上糸切れ検知の接触子
   を押し当て、上糸切れが生じたとき接触子が作動
   し瞬時にスイツチを介してミシン及び布を移動さ
   せる動力源を自動停止するようにしたことを特徴
   とするミシンの自動停止装置。