JPH018597Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、運転キヤビン内に、その横一側に位
置させて計器盤を設けた建機のキヤビン構造に関
する。

従来、上記建機のキヤビン構造は、第３図に示
すように、横断面視において、キヤビン５は長方
形状に形成されており、また、キヤビン５内の計
器盤８は上下方向を長辺とする長方形状でキヤビ
ン５の一側壁１０に付設するように形成してある
が、一方、キヤビン５の下部横巾ａは、ロータリ
ージヨイント９等によつて制約されるため比較的
狭くせざるを得ず、さらには、計器盤８の横巾ｂ
は、計器等を取付けるためにある程度の横巾が必
要であり、その結果、キヤビン５内の運転空間
は、上部横巾ｃが前記キヤビン５の下部横巾ａで
決まつてしまうため狭いものであり、下部横巾ｄ
は計器盤８の横巾分さらに狭くなり、居住性が悪
いという欠点があつた。

また、実開昭56−159469号公報に記載されたも
ののように、キヤビンをパイプフレームで構成
し、そのパイプ内に配線を通したものもあるが、
この従来例ではその構成故に組付が困難であり量
産性に劣るものであるばかりでなく、計器盤がそ
の横巾分キヤビン内へそのまま張り出した状態で
形成されており、かつ、キヤビン横巾は一定であ
ると見受けられるので、前述の居住性の悪さが改
善されているとは言えないものであつた。

本考案は、上記の点に鑑み、キヤビン構造に改
良を加えて、キヤビン内の上部横巾及び下部横巾
のいずれをも拡大し、居住性を改善することを目
的とする。

本考案の特徴構成は、冒記した建機のキヤビン
構造において、前記運転キヤビンを、前面視にお
いて前記計器盤を配置した側の側壁の上部である
上部側壁部分が下部である下部側壁部分よりも横
側方に突出した形状に形成し、前記計器盤に、前
記下部側壁部分との間に配線用巾狭空間を、か
つ、前記上部側壁部分との間に計器収納用巾広空
間を夫々形成する横向き平板状部分、および、そ
の横向き平板状部分と前記上部側壁部分にわたる
計器取付用板状部分を備えさせてある事にある。

本考案の特徴構成による作用効果は次の通りで
ある。

つまり、ロータリージヨイント等の制約が及ば
ないキヤビン上部の側壁を、計器取付用板状部分
よりも計器類の最大上下巾をカバーする長さ分下
方から横外側に突出させることにより、キヤビン
内の上部横巾を拡大でき、またキヤビン下部の側
壁に対しては、計器取付用板状部分を外側に張出
させたので、配線用だけの巾の狭い空間を形成す
るように横向き平板状部分を配置すれば良いの
で、キヤビン下部横巾を変えずに、キヤビン内の
下部横巾を拡大することができ、全体として前述
の従来キヤビン構造に較べて、上部、下部共にキ
ヤビン内横巾の大きい居住性の良いキヤビンにす
ることができた。

次に、第１図及び第２図により実施例を示す。

ドーザ装置２を装備するクローラ式走行車体１
に縦軸芯廻りで駆動回転自在に旋回台３を設ける
と共に、その旋回台３に原動部４、運転キヤビン
５、バツクホウ装置６、ロータリージヨイント部
９及びオイルタンク１７等を設け、対地掘削作業
や排土作業を行う作業車を構成してある。

前記キヤビン５内に、運転座席１３に対して乗
降用ドア７とは反対側に位置させて計器盤８を設
けると共に、運転座席１３の前方に位置させて操
縦用レバー１２を設けてある。

前記運転キヤビン５の計器盤８の側壁１０を、
上部側壁部分１０ａが下部側壁部分１０ｂよりも
キヤビン５外側に突出するように屈曲させ、計器
盤８の計器取付用板状部分１１及び横向き平板状
部分１６と上部側壁部分１０ａによつて計器収納
用巾広空間１４を形成し、更に、下部側壁部分１
０ｂと横向き平板状部分１６により配線用巾狭空
間１５を形成し、キヤビン５内において、上部横
巾c′及び下部横巾d′のいずれもを、キヤビン５の
下部横巾ａを拡大せずに、かつ、計器盤８の上部
横巾ｂを小さくせずに拡大できるよう構成してあ
る。

つまり、第３図における従来のキヤビンの下部
横巾ａと、第２図における本考案のキヤビンの下
部横巾ａとを同じ巾としながら、キヤビン５内で
の運転空間の横巾に関しては、図中の対比で明ら
かなように C′＞Ｃ d′＞ｄ であり、本考案のものが、上部横巾c′下部横巾
d′の何れにおいても拡大されている。

尚、計器盤８を構成する板状部分１１，１６
は、計器の見やすさ、安全性、製作時における作
業性を考慮して傾斜状態、あるいは、曲面板で構
成しても良い。

本考案は、例えば、フエイスシヨベル車、クレ
ーン車、シヨベルローダーあるいはその他、各種
建機に適用可能である。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係る建機のキヤビ
ン構造の実施例を示し、第１図はバツクホウ作業
者の全体側面図、第２図は第１図における−
線矢視断面図である。第３図は従来の構造を示す
断面図である。 ５……キヤビン、８……計器盤、１１……計器
取付用板状部分、１４……計器収納用巾広空間、
１５……配線用巾狭空間、１６……横向き平板状
部分、１０……側壁、１０ａ……上部側壁部分、
１０ｂ……下部側壁部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 運転キヤビン５内に、運転座席１３を配設する
   とともに、その横一側に位置させて計器盤８を設
   けた建機のキヤビン構造であつて、前記運転キヤ
   ビン５を、前面視において前記計器盤８を配置し
   た側の側壁１０の上部である上部側壁部分１０ａ
   が下部である下部側壁部分１０ｂよりも横側方に
   突出した形状に形成し、前記計器盤８には、前記
   下部側壁部分１０ｂとの間に配線用巾狭空間１５
   を、かつ、前記上部側壁部分１０ａとの間に計器
   収納用巾広空間１４を夫々形成する横向き平板状
   部分１６、および、その横向き平板状部分１６と
   前記上部側壁部分１０ａにわたる計器取付用板状
   部分１１を備えさせてある事を特徴とする建機の
   キヤビン構造。