JPH018446Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車における前側サイドウインド
に付着した雨水等を拭取るためのウインドワイパ
ー付きドアミラーに関するものである。

現今、自動車の前側サイドウインドの三角コー
ナー部およびその近傍は、走行中に負圧状態とな
りその部分のウインドガラス面に雨水が水滴状態
で付着し易い。このためその外側に位置するドア
ミラーが運転席から見にくゝなり安全運転上の妨
げとなるという問題点があつた。

この考案はこのような従来の問題点に着目して
なされたもので、ドアミラーの取付ベース部分を
利用して、常時はこの部分に収納されるサイドウ
インド用のワイパーを装備させることにより上記
問題点を解決することを目的としている。

以下この考案を図面に基づいて説明する。第１
図〜第６図はこの考案の実施例を示す図である。

まず構成を説明すると、第１図等において符号
１はドアミラー、１ａ，１ｂ，１ｃはそれぞれド
アミラー１におけるハウジング、ミラーおよびベ
ースであつて、ドアミラー１は、このベース１ｃ
の部分で自動車の前側ウインド３の三角コーナー
部に取付けられている。そしてこの考案において
はベース１ｃの部分に後方側が開口した中空室２
が設けられ、この中空室２の部分に次のようなサ
イドウインド拭取用のウインドワイパーＷが装備
されている。

このウインドワイパーＷを説明すると、符号４
は伸縮アームで、長四角形の平行四辺形リンク機
構が２個連結された特殊形状のパンタグラフ式に
構成されている。伸縮アーム４は、その一端側連
結点が中空室２の内側面下方部に回動自在に支持
５され、先端部の取付アーム４ａの部分にワイパ
ー（拭取部）６が取付けられている。７はスプリ
ングで取付アーム４ａ内に張設されており、その
弾力によりワイパー６をサイドウインド３のガラ
ス面に圧接する。８はガイドローラ、９はこのガ
イドローラ８に対応して中空室２の内側面に固設
されたローラガイドである。ガイドローラ８およ
びローラガイド９は収納時等においてワイパー６
を中空室２内にガイドするために配設されてい
る。また中空室２内には上記の伸縮アーム４を伸
縮作動させるための次のような駆動機構が装備さ
れている。即ち第２図等にも示すように、この駆
動機構には駆動モータＭが備えられ、この駆動モ
ータＭの出力軸が、減速ギヤ群１１、ウオーム１
２およびウオームギヤ１３を介してクランク１４
および駆動アーム１５からなるクランク機構に連
結されている。駆動アーム１５の駆動端にはピン
１６が突設され、このピン１６に伸縮アーム４に
おけるリンク４ｂの下方部が回動自在に連結され
ている。ピン１６はその背面部が中空室２の内側
面側にさらに延び出ており、この内側面部分にガ
イド用の長孔１７が穿設されている。クランク１
４が１回転することによりピン１６は長孔１７内
の上下端を１往復する。

次に作用を説明する。

常時（非作動時）はピン１６が長孔１７内の上
端位置（クランク機構の上死点の位置）にあり、
伸縮アーム４は第３図に示すように折畳まれてウ
インドワイパーＷは中空室２内に収納状態とされ
ている。

所要時に駆動モータＭに電流を通じて、これを
一方向に回転させると、クランク１４が回動し駆
動アーム１５の駆動端が、ピン１６および長孔１
７のガイド作用により、この長孔１７の穿設方向
に沿つて下方に移動を始める。この駆動端の移動
により伸縮アーム４は支点５を中心として全体的
に第１図反時計回り方向に回動し、この回動に伴
つてパンタグラフ作用により第４図に示すように
サイドウインド３面に沿つて延び出る。そして前
述のようにそのパンタグラフ形状が長四角形の平
行四辺形リンク機構の連結体からなる特殊の形状
をしているので、伸縮アーム４の延出しとともに
ワイパー６は第４図反時計回り方向に僅かに回動
しつつサイドウインド３面を所要面積範囲にわた
つて往動する。この往動範囲は従来のフロントワ
イパー等に適用されている扇形運動式のものと較
べて、比較的短かいワイパーであつてもかなり広
い面積範囲とすることができる。クランク機構が
下死点に至つた位置（第４図中実線の位置）が往
動限界である。なお伸縮アーム４が中空室２から
延び出てガイドローラ８がローラガイド９から係
合離脱すると、スプリング７の弾力による取付ア
ーム４ａの傾動傾向によりワイパー６はサイドウ
インド３のガラス面に圧接される。次いで駆動モ
ータＭがそのまま回転を続けてクランク機構が下
死点を過ぎると、ピン１６が長孔１７内を上方に
移動を始めワイパー６は上記と逆の経過をたどつ
て復動する。そしてこのような圧接を伴つたワイ
パー６の往復動作用によりサイドウインド３のガ
ラス面に付着した雨水等の水滴が所要面積範囲に
わたつて除去される。ワイパー６の復動過程にお
いてクランク機構が上死点近傍に至ると第５図か
ら第６図に示すようにスプリング６の弾力に抗し
てガイドローラ８がローラガイド９に乗り上げ、
ワイパー６はウインドガラス面から浮上つてウイ
ンドワイパーＷの全体が中空室２内に収納され
る。

上記の説明ではワイパー６を１往復させてサイ
ドウインド３面を拭取るようにしたが、モータＭ
の回転を続行すればワイパー６を連続的に往復動
させて拭取りを行なうこともできる。

なお上述の実施例では、ガイドローラ８および
ローラガイド９を配設して、ワイパー６をウイン
ドガラス面に密接させたり離脱させてウインドワ
イパーＷの中空室２への出入りが無理なく行なわ
れるようにしたが、中空室２におけるウインドガ
ラス側の側板を肉薄にしたり、一部切欠く等の手
段を施せばガイドローラ８等の配設を省略しても
ウインドワイパーＷを中空室２に無理なく収納さ
せることができる。

以上詳述したようにこの考案によれば、ドアミ
ラーの取付ベースに後方側が開口した中空室を設
けるとともに、先端部に取付けられて常時は中空
室内に収納されるパンタグラフ式の伸縮アームを
設け、さらにこの伸縮アーム駆動用の駆動機構を
配設したから、サイドウインドの表面に付着した
水滴等を確実に拭取ることができ、サイドウイン
ドを通してドアミラーに映し出される後方視界を
明瞭に確認することができて常時安全運転を行な
うことができる。またウインドワイパーは常時は
ベース部分に収納されているのでウインドガラス
の昇降の妨げとなることはなく、洗車時にも邪魔
になることがない。さらにドアミラーの取付時に
ウインドワイパーも同時に取付けられるので、ウ
インドワイパーの別途の取付作業が不要となり、
取付けを簡単に行なうことができるという諸種の
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図はこの考案に係るウインドワイ
パー付きドアミラーの実施例を示すもので、第１
図は一部切欠いて示す斜視図、第２図は駆動機構
部分を示す側面図、第３図はウインドワイパーの
収納状態を示す側面図、第４図はウインドワイパ
ーが延び出した状態を示す正面図、第５図および
第６図はワイパー等が中空室内に収納される過程
を示す一部切欠き斜視図である。 １：ドアミラー、１ｃ：ベース、２：中空室、
３：サイドウインド、４：伸縮アーム、５：支
点、６：ワイパー、７：スプリング、８：ガイド
ローラ、９：ローラガイド、１１：減速ギヤ群、
１２：ウオーム、１３：ウオームギヤ、１４：ク
ランク、１５：駆動アーム、１６：ピン、１７：
長孔、Ｍ：駆動モータ、Ｗ：ウインドワイパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の前側サイドウインドの三角コーナー部
   に取付けるドアミラーにおいて、該ドアミラーの
   取付ベースに後方側が開口した中空室を設けると
   ともに、先端部にワイパーが取付けられ非作動時
   に前記中空室内に折畳まれるパンタグラフ式の伸
   縮アームを設け、さらに駆動モータが備えられ前
   記伸縮アームを伸縮作動させて前記ワイパーをサ
   イドウインド面に沿つて往復動させる駆動機構を
   設けてなることを特徴とするウインドワイパー付
   きドアミラー。