JPH017750Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は繊維の板状成形装置に関する。

従来、繊維の板状成形体製品を少くともその片
面を爾後の修正を要しない平坦面として製造でき
る繊維の板状成形装置として一端から連続的に供
給される熱硬化性接着剤を混入したグラスウール
等の繊維から成る繊維帯状物を挾圧し乍ら一方へ
移行せしめる１対の対向する無端パンチングプレ
ートコンベアーと、その少くとも一方の該パンチ
ングプレートコンベアーの外周面に無数の微孔を
有する無端外被ベルトとを備え該帯状物の少くと
も片面を該ベルトを介して挾圧せしめるように
し、該１対のパンチングプレートコンベアーの往
路側の対向面の背面に該帯状物に含有の接着剤を
熱風により加熱硬化する加熱部１１を備えて成る
ものが知られるが、該外被ベルトと該帯状物とが
接触した際に該帯状物に含有の接着剤が該外被ベ
ルトの表面に強く付着する傾向があり、該外被ベ
ルトの連続作動により、その微孔に目詰りを生
じ、これにより熱風の該帯状物への吹付けを遮断
して接着剤の加熱硬化を妨害し、良好な加熱硬化
成形物を得られず、更には、外被ベルトの付着物
による目詰りはブラツシング等によつて簡単に取
り除くことができず、該外被ベルトを定期的に取
り外し付着物を溶剤等で除去する必要が有り、円
滑な長期に亘る連続作動が困難となる不都合を有
していた。

本考案はかかる不都合を解消した繊維の板状成
形装置を提供するもので一端から連続的に供給さ
れる熱硬化性接着剤を混入したグラスウール等の
繊維から成る繊維帯状物ａを挾圧し乍ら一方へ移
行せしめる１対の対向する無端パンチングプレー
トコンベアー３，３と、その少くとも一方の該パ
ンチングプレートコンベアー３の外周面に無数の
微孔４ａを有する無端外被ベルト４とを備え、該
帯状物ａの少くとも片面を該ベルト４を介して挾
圧せしめるようにし、該１対のパンチングプレー
トコンベアー３，３の往路側の対向面の背面に該
帯状物ａに含有の接着剤を熱風により加熱硬化す
る加熱部１１を備えて成る繊維の板状成形装置に
於て、該外被ベルト４の復路側を加熱する加熱部
１８を設けたことを特徴とする。

次に本考案の実施例を示す添付図面につき説明
する。

第１図は、本考案装置の１例を含むグラスマツ
ト連続成形装置のフローシートを示し、原料グラ
スウールに10％前後の例えばフエノール樹脂等の
熱硬化性樹脂を吹付け混合したグラスウールマス
ａを集綿コンベアーｂで一方へ送りその帯状物ａ
を下記詳述する本考案成形装置１へ送り込み、該
装置１に於て所定厚さに加圧加熱成形せしめた
後、切断刃ｃにより適宜の大きさに切断され所定
大きさのガラスマツト製品とする。

図中２は本考案装置１の枠体を示し、該枠体２
内に長さ方向に貫通走行する上下に調節自在に所
定間隔を存して対向配設される１対の無端パンチ
ングプレートコンベアー３，３を収容すると共
に、該パンチングプレートコンベアー３，３の各
外周面、即ち繊維の帯状物ａに対面する面に熱風
の通過は良好に許容するが、成形体製品の両面の
夫々に凹凸を与えない程度の微孔４ａを無数に有
する無端外被ベルト４，４を夫々配し該外被ベル
ト４，４を介して該パンチングプレートコンベア
ー３，３で該帯状物ａを挾圧し乍ら一方へ移動さ
せるようにした。

尚、目的とする成形体製品によつては、一方の
外被ベルト４を省略できる。

無端パンチングプレートコンベアー３は、多数
の通常５mm〜10mmの大きさのパンチング孔３ａを
有するパンチングプレート３ｂの複数枚を連結し
て成り、前後１対のチエーンスプロケツト５，５
に無端状にかけられた駆動用チエーン６に各パン
チングプレート３ｂを連結腕５ａを介して接続し
て該駆動用チエーン６の移動方向に沿つて走行さ
れるものとした。又、無端外被ベルト４は図示の
ものでは目孔1.5mm程度を有するステンレス撚線
トリプル金網を使用したもので、これを無端状ベ
ルトとしてヘツドドラム７及びテールドラム８に
かけわたし、該ヘツドドラム７の駆動軸を、前記
チエーンスプロケツト５の駆動軸とデフアレンシ
ヤルギアー等を介して連続し、該チエーンスプロ
ケツト５を原動機により回転せしめると同時に該
無端外被ベルト４を回転走行せしめるようにし
た。９は該外被ベルト４のガイドロールを示す。
又、１０は該外被ベルト４の目詰りを取り除くた
めのブラシロールを示す。

図中１１は上下コンベアー３，３の各往路側の
背面に配した熱風を噴気する加熱部を示し、その
複数個、図示のものでは３個を、該コンベアー
３，３の往路側の対向間〓によつて形成される繊
維帯状物ａの通路の長さ方向に沿つてその上下面
に互い違いに配設し、走行巾の該帯状物ａにその
上下面から熱風を交互に吹付け通過させるように
した。又、各加熱部１１にはその通路をはさんで
吸気部１２を対向配置して、該加熱部１１から噴
気される熱風を吸引してこれを循環フアン１３を
介装した熱風循環用ダクト１４を介して該加熱部
１１へ循環供給するようにした。各加熱部１１
は、熱風循環用ダクト１４に熱供給フアン１５を
備える熱供給ダクト１６を介して連通される熱風
発生炉１７によつて200℃以上の熱風を供給され
るものとして、これにより繊維帯状物ａを190℃
程度に加熱するようにした。

以上の構成は、従来の繊維の板状成形装置と特
に変わるところはないが、本考案は無端外被ベル
ト４の目詰りを効果的に防止するべく、上下の無
端外被ベルト４を加熱する加熱部１８を設けた。

図示のものでは、加熱部１８は例えば熱風式と
し、各外被ベルト４の復路側の下面に設け、好ま
しくは熱効率を考慮して該加熱部１８を各外被ベ
ルト４の復路側終端部に配置して、該外被ベルト
４を繊維帯状物ａとの再接触の際に接着剤の付着
しない温度に、例えば、100℃以上、好ましくは
加熱硬化温度に略等しい190℃程度に昇温加熱す
るようにした。該各加熱部１８は熱供給フアン１
９を供ける熱供給ダクト２０を介して前記熱風発
生炉１７に連通し、該熱風発生炉１７から供給さ
れる熱風を該外被ベルト４の下面からその上面に
向つて通過するようにして、該外被ベルト４の全
体が短時間で所要の温度に加熱されるようにし
た。

かくして、外被ベルト４の循環作動中、上記の
加熱がくり返されるので、該外被ベルト４に目詰
りが生せず円滑な長期に亘る連続作動が行なえ
る。

次に上記本考案装置の作動を説明するに、本考
案装置の導入端から導入された熱硬化性樹脂混入
グラスウール等の繊維帯状物ａは、上下のパンチ
ングプレートコンベアー３，３により、微孔性外
被ベルト４，４を介して一定の厚さに挾圧され乍
ら一方へ移行せしめられ、この間、上下に配置し
た加熱部１１によつて該繊維帯状物ａは上下から
交互に熱風を吹付けられてその含有の接着剤を加
熱硬化され両面平坦な加熱硬化成形物が得られ
る。

この場合、該各加熱部１１によつて190℃位に
加熱された往路側を走行する微孔性外被ベルト
４，４は、その復路側に移行する間に除々に放冷
されてその途上で80℃位までとなるが、該外被ベ
ルト４，４を各復路側終端部に設けた加熱部１８
によつて例えば190℃に昇温加熱し、該外被ベル
ト４，４を再び繊維帯状物ａと接触するに際し、
予め接着剤が付着しない高温状態としてから該繊
維帯状物ａに接触せしめるので良好に外被ベルト
４の目詰りを防止でき、常に良質の加熱硬化成形
物が得られ、しかも従来のように外被ベルト４の
取り外しの必要もなく、長期に亘り円滑な連続作
動を行なえる。

このように本考案によるときは、外被ベルト４
の復路側を加熱する加熱部１８を設けたので、該
外被ベルト４の目詰りを確実に防止し得、加熱部
１１によつて発生される熱風を繊維帯状物ａに常
に良好に吹付け通過させることができ、接着剤の
硬化を確実ならしめ常に良質の繊維成形体製品が
得られ、しかも装置を長期に亘り円滑に連続作動
することができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の１例を備えたグラスマツ
ト連続成形装置のフローシート、第２図は第１図
の−線拡大截断面図、第３図は第１図の本考
案装置の１例のダクトの循環系統図を示す。 ３，３……パンチングプレートコンベアー、４
……外被ベルト、１１……加熱部、１８……加熱
部、ａ……繊維帯状物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端から連続的に供給される熱硬化性接着剤を
   混入したグラスウール等の繊維から成る繊維帯状
   物ａを挾圧し乍ら一方へ移行せしめる１対の対向
   する無端パンチングプレートコンベアー３，３
   と、その少くとも一方の該パンチングプレートコ
   ンベアー３の外周面に無数の微孔４ａを有する無
   端外被ベルト４とを備え、該帯状物ａの少くとも
   片面を該ベルト４を介して挾圧せしめるように
   し、該１対のパンチングプレートコンベアー３，
   ３の往路側の対向面の背面に該帯状物ａに含有の
   接着剤を熱風により加熱硬化する加熱部１１を備
   えて成る繊維の板状成形装置に於て該外被ベルト
   ４の復路側を加熱する加熱部１８を設けたことを
   特徴とする繊維の板状成形装置。