JPH0156859B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は鋳型造型機用ブローヘツドに係り、
特に吹込ノズルのブローヘツド本体に対する取付
構造の改良に関するものである。

型のキヤビテイに鋳物砂を吹込んで充填し、更
にこの鋳物砂を硬化させて目的とする中子等鋳型
を造型する吹込式鋳型造型機において、型に砂吹
込口を設ける一方、ブローヘツドに吹込ノズルを
設け、ブローヘツドを金型に圧着する際にこのノ
ズルを砂吹込口に嵌入させてこのノズルから砂吹
込口へと鋳物砂を吹込むことが行なわれている。

この吹込ノズルを砂吹込口に嵌入させるに際し
て、ノズルと砂吹込口内面との間に生ずる隙間は
できるだけ少なくすることが望ましいが、実際に
は型、ブローヘツドその他造型機各部材に製作、
組付け誤差が生ずることを避け得ないため、ノズ
ルを砂吹込口に確実に嵌入させるべく設計の段階
で上記隙間（クリアランス）を比較的大きくとる
ことが必要となる。そのため、鋳型造型時におい
て吹込ノズルと砂吹込口内面との間に鋳物砂が侵
入して鋳型のバリとなつて残り、型取出し後にお
いてこのバリ取りのための仕上げが必要となる
他、吹込ノズルを砂吹込口に対して挿脱する際に
ノズルと吹込口内面との間に噛込まれた砂によつ
て摩耗し或いは損傷するため、ノズルの寿命が短
く、短期間で取替えなければならないといつた問
題が生じていた。

また、金型に向つて移動させられるブローヘツ
ドはその移動の過程で多少の位置ずれを生じるた
めに、吹込ノズルが砂吹込口に対して多少ずれた
位置から強制的に嵌入させられることがあり、こ
の場合にはノズル摩耗、損傷の程度がより大きく
なる。

本発明はこのような事情を背景として為された
ものであり、吹込ノズルと砂吹込口内面とのクリ
アランスを従来に比較して著しく小さくし得て鋳
型にバリを発生させず、且つ吹込ノズルの損傷、
摩耗を抑制し得る鋳型造型機用ブローヘツドを提
供することを目的とするものである。

この目的を達成するために、本発明は、鋳型を
造型するための型の砂吹込口に一定深さ嵌入可能
な吹込ノズルを備えた鋳型造型機用ブローヘツド
において、吹込ノズルを固定したブロープレート
をブローヘツド本体に対してそのブローヘツド本
体の型に対する接近・離隔方向に直角な平面内に
おいて一定範囲内で移動し得るように取付けると
ともに、ブロープレートと型との間にブロープレ
ートが型に接近するとき互に係合して吹込ノズル
と砂吹込口との相対位置を合わせる位置合わせ手
段を設け、かつ、ブローヘツド本体とブロープレ
ートとの間にそれら両者の平面内における相対移
動を許容しつつ両者の合わせ面に砂が侵入するこ
とを防止するシール手段を設けたものである。

ブローヘツドをこのように構成すれば、ブロー
ヘツドが型に接近する際にブローヘツドと型との
間に相対位置のずれが存在していても、位置合わ
せ手段の作用によつてブロープレートがブローヘ
ツド本体に対して、ブローヘツド本体の型に対す
る接近・離隔方向に直角な平面内において相対移
動させられることにより、ブローヘツドの吹込ノ
ズルと型の砂吹込口との相対位置が正確に合致さ
せられる。

したがつて、吹込ノズルと砂吹込口内面との隙
間を、従来のようにブローヘツドと型との相対位
置誤差を吸収し得る大きさにする必要がなく、両
者の隙間に鋳物砂の侵入を許容しない大きさとす
ることができ、造型された鋳型の砂吹込口に対応
する部分にバリが生ずることを防止し得、このバ
リを除去する作業を省略することが可能となつ
て、作業能率が向上する。

また、吹込ノズルと砂吹込口内面との間へ鋳物
砂が噛込まれること或いは吹込ノズルと砂吹込口
内面とが干渉することに起因して、ノズルが損傷
し或いは摩耗することが防止されて、ノズルの寿
命が延長される。

しかも、そのために移動させられるのは、比較
的小形で軽量なブロープレートであるため、位置
合わせ時に位置合わせ手段に作用する力が、ブロ
ーヘツド全体を移動させて相対位置合わせを行う
場合に比較して著しく小さくて済み、位置合わせ
手段の摩耗も軽減されてその寿命が延長される。

また、ブロープレートとブローヘツド本体との
合わせ面間に砂が侵入することがシール手段によ
つて防止されるため、砂の噛込みによつて合わせ
面が摩耗することも良好に防止され、ブロープレ
ート及びブローヘツド本体の寿命も延長される。

さらに、吹込ノズルと砂吹込口との相対位置の
ずれを、ブロープレートの移動によつて吸収し得
るため、ブローヘツド本体と型との相対位置精度
を高くする必要がなく、その分だけ鋳型造型機の
製作費が安価となる上、前述のように吹込ノズ
ル、位置合わせ手段、ブロープレート、ブローヘ
ツド本体等の寿命が延長されることによつて、保
守、維持費も軽減されて設備コストの低減効果が
得られる。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的
に説明する。

第１図は水平割サイドブロー方式の中子造型機
を示すものであり、図において１０はベツドでそ
の上に下型ダイプレート１２が固定されている。
下型ダイプレート１２には下型１４が脱着可能に
取付けられており、更にその上側には下型１４と
ともにキヤビテイ１６及び砂吹込口２０を形成す
る上型２２が配置され、両者によつて金型２４が
構成されている。上型２２は上型ダイプレート２
８に脱着可能に取付けられ、上型ダイプレート２
８は上盤３０上に設置された型開閉用シリンダ３
２のロツド３４に固定されて、このロツド３４の
昇降によつて型開閉が行なわれるようになつてい
る。尚、上盤３０は支柱３６によつてベツド１０
に固定され、これらによつて鋳型造型機の本体フ
レーム３７が構成されている。

金型２４の側方には鋳物砂供給のためのブロー
ヘツド３８が砂吹込口２０と対向するようにして
配設されている。このブローヘツド３８の上方に
は鋳物砂を収容するホツパ４０が配設され、ブロ
ーヘツド３８はホツパ４０とともに、支柱３６と
上盤３０から下方に延びるアーム４２とに支持さ
れたレール４４上を、ローラ４６によつて水平方
向に移動可能に支持されている。ブローヘツド３
８には支柱３６に取付けられたブローヘツド移動
用シリンダ４８のロツド５０が固定されており、
ブローヘツド３８はシリンダ４８に駆動されて前
記金型２４の砂吹込口２０に向つて前進させら
れ、或いは前進位置から後退させられるようにな
つている。

尚、図示しないシヤツタによつて、ブローヘツ
ド３８が後退位置にあるときにはそれとホツパ４
０とが連通させられて鋳物砂がブローヘツド３８
に供給される一方、前進位置にあるときには両者
の連通が遮断されて、吹込エアによるブローヘツ
ド３８からキヤビテイ１６への砂吹込みができる
ようにされている。ブローヘツド３８にはそのた
めの吹込エア供給ホース５２が接続されており、
このホース５２を通じてコンプレツサ等で加圧、
圧縮された吹込エアがブローヘツド３８に供給さ
れる。

上盤３０にはガツシングヘツド昇降用シリンダ
５４が固定され、そのピストンロツド５６の先端
部にガツシングヘツド５８が取付けられている。
ガツシングヘツド５８は、ホース６０を通じて供
給される硬化ガスをキヤビテイ１６に吹き込んで
鋳物砂を硬化させるためのもので、ロツド５６の
下降とともにブローヘツド３８と金型２４との間
に挿入され、ロツド５６の下端に固定されたガイ
ド部材６１に案内されてブローヘツド３８により
金型２４に押し付けられるようになつている。ま
たガツシングヘツド５８の背面には係合突起６２
を備えた係合部材６４が固定され、この係合突起
６２がブローヘツド３８に設けられた係合面６６
と係合することによつてガツシングヘツド５８が
ブローヘツド３８とともに金型２４から離間させ
られるようになつている。

ブローヘツド本体６７の先端には、第２図に示
すようにその外周部に設けられたフランジ６８と
略同一寸法のブロープレート７０が配置され、段
付部７２を備えたボルト７４によつてフローテイ
ング状態でブローヘツド本体６７に取付けられて
いる。即ち、段付部７２の存在によつて、ボルト
７４が固く締付けられた状態においてもその頭部
７６がブロープレート７０をブローヘツド本体６
７に強く押付けることがなく、しかもボルト７４
の軸部７８とブロープレート７０のボルト穴７９
との間には一定のクリアランスが設けられている
ので、ブロープレート７０はこのクリアランスの
範囲内において、ブローヘツド本体６７の移動方
向に直角な平面に沿つて自由に移動し得るのであ
る。

ブロープレート７０とブローヘツド本体６７と
は、それぞれの合わせ面８０と８１とにおいて合
わされており、ブロープレート７０の合わせ面８
０には、環状の溝８２が形成されている。溝８２
はブローヘツド本体６７内の砂収容室８３のブロ
ープレート側開口の縁に沿つて形成されており、
溝８２の外周側の部分はブローヘツド本体６７の
合わせ面８１に対向し、内周側の部分は砂収容室
８３の開口に対向している。この溝８２の巾方向
の中間部にゴム製の短い筒状のシール部材８４が
溝８２内の空間を砂収容室８３に連通する部分と
砂収容室８３から遮断された部分とに仕切る状態
で配置されている。シール部材８４は砂収容室８
３内の鋳物砂がブロープレート７０とブローヘツ
ド本体６７の合わせ面８０，８１間に侵入するの
を防止するためのもので、ブローヘツド本体６７
の開口を取巻くように配置されており、且つその
両端部は夫々ブロープレート７０の溝８２の底面
及びブローヘツド本体６７の合わせ面８１に形成
されたスリツトに嵌入させられて固定されてい
る。ブロープレート７０のこのシール部材８４の
更に外側には環状溝とこれに嵌込まれて鋳物砂吹
込エアが漏出するのを防止するＯリング８８が配
置されている。Ｏリング８８は太さが環状溝の深
さよりも僅かに大きなものが選定されており、そ
の弾性変形能によつて、砂吹込時にブロープレー
ト７０とブローヘツド本体６７とが互に密着する
のを許容するとともに、その復元力でブロープレ
ート７０をブローヘツド本体６７から浮き上ら
せ、ブロープレート７０の移動を容易にする作用
を為す。

ブロープレート７０の外面（合わせ面８０とは
反対側の面）には鋳物砂を吹込むための２個の吹
込ノズル９０が前記砂吹込口２０（水平に２個形
成されている）に対向する位置において且つその
中心線間の距離が砂吹込口２０の中心線間の距離
と正しく一致するように配設されている。吹込ノ
ズル９０はブロープレート７０の貫通孔に圧入さ
れた金属製の内筒部材９２とこれに脱着可能なゴ
ム製外筒部材９４とから成り、また外筒部材９４
は砂吹込口２０の内径よりごく僅かに小さい外径
を有する短筒状先端部９６と、砂吹込口２０の端
部に形成されたテーパ部９７と同角度のテーパ部
９８と、砂吹込口２０の開口径よりも大径の基部
１００とを有している。

ブロープレート７０には、その長手方向に隔た
つた位置において一対の位置決めピン１０２（図
には一方のみ示されている）が突設されている。
位置決めピン１０２は、金型２４の相対向する位
置に脱着可能に設けられたブツシユ１０３の位置
決め穴１０４に嵌入することによつてブロープレ
ート７０の金型２４に対する相対的な位置を定め
る作用を為すものであり、その取付け位置は位置
決めピン１０２が位置決め穴１０４に嵌入したと
き、前記吹込ノズル９０の中心線が金型２４の砂
吹込口２０の中心線に一致するように選定されて
いる。また位置決めピン１０２は先端が金型２４
に向つて吹込ノズル９０よりも突出して位置する
ようその長さがノズル９０よりも所定量長くされ
ており、且つその先端部にはテーパ部１０６が形
成されて、位置決めピン１０２の位置決め穴１０
４への挿入時における案内が為されるようになつ
ている。尚、位置決め穴１０４の開口部に案内用
テーパ部を設けることも可能である。

次に、上記装置の作用について説明する。

第１図に示されるように、金型２４が閉じられ
た状態で移動用シリンダ４８のロツド５０が押出
されると、ブロープレート７０がブローヘツド本
体６７とともに金型２４に接近させられる。ブロ
ープレート７０が金型２４に一定量接近したとこ
ろで位置決めピン１０２先端のテーパ部１０６が
先ず位置決め穴１０４の開口端部へと挿入され
る。このとき、位置決めピン１０２が位置決め穴
１０４に対して正しく同心位置にあるならば、即
ちその軸心が位置決め穴１０４の中心線に一致し
ていれば、テーパ部１０６は位置決め穴１０４の
開口部内面に接触することはないが、通常両者は
正しく同心位置にはないから、先ずテーパ部１０
６が位置決め穴１０４の開口部内面に接触し、次
いでブロープレート７０の更なる前進とともにブ
ロープレート７０をテーパ面の作用でその前進方
向に対して直角な平面に沿つて移動させる。そし
てテーパ部１０６末端が位置決め穴１０４に入り
込んだ時点で位置決めピン１０２と位置決め穴１
０４とが同心となる位置にブロープレート７０を
もち来す。プレート７０が移動させられるときに
はシール部材８４の一端部もともに移動させられ
るが、同シール部材８４はプレート７０の溝８２
内に配置されているから、プレート７０の移動に
よつて剪断されたり、プレート７０の移動を阻害
したりすることはない。位置決めピン１０２が位
置決め穴１０４に対して同心となつたとき、前述
のように吹込ノズル９０も砂吹込口２０と同心と
なるようにされているため、プレート７０が更に
引続いて前進させられれば、吹込ノズル９０の先
端部９６は何ら抵抗を受けることなく砂吹込口２
０に嵌入し、更にテーパ部９８が同砂吹込口２０
のテーパ部９７に圧着されて砂吹込口２０の開口
を塞ぐ。次いでブローヘツド３８内に収容されて
いる鋳物砂が吹込エア供給ホース５２を通じて供
給された吹込エアとともに吹込ノズル９０からキ
ヤビテイ１６へと吹込まれる。この後ブローヘツ
ド３８が後退させられてその先端と金型２４との
間にガツシングヘツド５８が挿入され、このガツ
シングヘツド５８は再び前進するブローヘツド３
８に押されて金型２４の砂吹込口２０に圧着され
る。次いで硬化ガスがキヤビテイ１６へと送り込
まれて吹込まれた鋳物砂の硬化が行なわれる。硬
化が完了したところでブローヘツド３８及びガツ
シングヘツド５８の後退、同ガツシングヘツド５
８の上昇、シリンダ３２の駆動による型開きに続
いて中子取出しが行なわれるが、それらの作動は
従来の鋳型造型機におけると同様であるので詳し
い説明は省略する。

尚、上記例においてＯリングはブローヘツドの
サイズ、金型への圧着力の大きさ等によつては省
略することが可能であり、更に短筒状のシール部
材の変形を許容するための凹部をブローヘツド本
体の合わせ面に形成することも可能である。ま
た、本発明は上記水平割りの鋳型造型機のみなら
ず、垂直割りのものにも適用可能であり、その他
位置決めピンを金型の側に、位置決め穴をブロー
プレート側に設けたり、吹込ノズルと砂吹込口と
の位置合わせ手段を他の態様で構成する等、本発
明は当業者の知識に基づいて種々変更することが
可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例であるブローヘツドを
含む鋳型造型機の正面図、第２図は第１図におけ
るブローヘツドの周辺部を一部断面にして示す要
部平面図である。 ２０：砂吹込口、２４：金型、３８：ブローヘ
ツド、６７：ブローヘツド本体、７０：ブロープ
レート、７２：段付部、７４：ボルト、８２：
溝、８３：砂収容室、８４：シール部材、９０：
吹込ノズル、１０２：位置決めピン、１０４：位
置決め穴、１０６：テーパ部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鋳型を造型するための型の砂吹込口に一定深
   さ嵌入可能な吹込ノズルを備えた鋳型造型機用ブ
   ローヘツドにおいて、 前記吹込ノズルを固定したブロープレートをブ
   ローヘツド本体に対して該ブローヘツド本体の前
   記型に対する接近・離隔方向に直角な平面内にお
   いて一定範囲内で移動し得るように取付けるとと
   もに、前記ブロープレートと前記型との間に該ブ
   ロープレートが該型に接近するとき互に係合して
   前記吹込ノズルと前記砂吹込口との相対位置を合
   わせる位置合わせ手段を設け、かつ、前記ブロー
   ヘツド本体と前記ブロープレートとの間に該両者
   の前記平面内における相対移動を許容しつつ該両
   者の合わせ面に砂が侵入することを防止するシー
   ル手段を設けたことを特徴とする鋳型造型機用吹
   込ノズルフローテイング式ブローヘツド。 ２ 前記位置合わせ手段が、前記ブロープレート
   に立設された複数本の位置決めピンと、前記型の
   該位置決めピンに対応する位置に形成された位置
   決め穴であり、該位置決めピンの先端部と該位置
   決め穴の開口部との少なくとも一方に両者の嵌合
   を案内するテーパ部が形成されている特許請求の
   範囲第１項に記載のブローヘツド。 ３ 前記シール手段が、前記ブロープレートとブ
   ローヘツド本体との合わせ面間に配設された可撓
   性材料製の短筒状シール部材を含み、該シール部
   材の両端が夫々該ブロープレートとブローヘツド
   本体とに固定されて該ブローヘツド本体の砂収容
   室のブロープレート側開口のまわりを囲んでお
   り、かつ、該ブロープレートおよびブローヘツド
   本体の少なくとも一方が前記シール部材の端部が
   固定される部分の周辺において両者の合わせ面よ
   り凹まされることにより、該合わせ面に平行な方
   向の両者の相対移動に伴う該シール部材の弾性変
   形を許容する空間が形成されている特許請求の範
   囲第１項または第２項に記載のブローヘツド。