JPH0155569B2 - - Google Patents

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JPH0155569B2
JPH0155569B2 JP57073861A JP7386182A JPH0155569B2 JP H0155569 B2 JPH0155569 B2 JP H0155569B2 JP 57073861 A JP57073861 A JP 57073861A JP 7386182 A JP7386182 A JP 7386182A JP H0155569 B2 JPH0155569 B2 JP H0155569B2
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JP
Japan
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copper
copper powder
resin
conductive paint
electronic component
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JP57073861A
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Masaru Maeno
Sandai Iwasa
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Asahi Chemical Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Laboratory Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Laboratory Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Laboratory Co Ltd
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Publication of JPS58190012A publication Critical patent/JPS58190012A/ja
Publication of JPH0155569B2 publication Critical patent/JPH0155569B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、保護回路付電子部品に係り、特に保
護回路に導電塗料をヒユーズとして用いた電子部
品に関する。
従来、電子部品の一例としてのコンデンサに
は、電極にアルミ箔を用いたハクタイプのもの
と、誘電体上に亜鉛又はアルミを蒸着した蒸着膜
タイプのものとがあり、電極にアルミ箔を使用し
たコンデンサは、寿命末期等においては短絡状態
となつてヒーズ又はブレーカが動作し、コンデン
サ系体を回路から切り離すことができる。
しかし、電極に亜鉛又はアルミを蒸着した自己
回復性を持つコンデンサにおいては、その特性
上、寿命末期等においても完全短絡とはなり難い
ため、自己回復作用の多発・分解ガスの発生とい
う結果になり易く、容器入りのものでは内圧の増
加により開孔、発煙、発火に至る場合が多く危険
性が大きかつた。
そこで従来より金属ケースに密閉収納されるコ
ンデンサにおいては、寿命末期等において、自己
回復作用によつて生ずる分解ガスの増加に伴なう
内部圧力の増大による上蓋等の変位を利用して圧
力スイツチを形成し、該圧力スイツチを上蓋等の
変位によつて開路させてコンデンサ素体を電源回
路から切り離すことで発煙、発火を防止する構造
が用いられていた。しかしこのような構造による
と、その構成が複雑となるためかなりのスペース
を必要とするのでコンデンサが大型化し、重量が
増大し、コストも高くなるという欠点があつた。
一方、近年コンデンサの小型化、部品の省略に
よるコストダウンを目的としてコンデンサ素体を
樹脂ケースに挿入し、エポキシ樹脂等の材料を充
填した上蓋のないコンデンサが増大しつつある。
しかしこの種のコンデンサは、その構造上内圧の
増加によつて変位する部分がないので圧力スイツ
チの使用が不可能であるため、寿命末期能におい
て発煙、発火に至る場合が多く、この欠点を除く
ため、従来不燃物中にコンデンサ素体を完全埋設
して使用する方法、過電流によりコンデンサ素体
が断線する方法及び半田を用いたヒユーズを直列
に挿入する方法が提案されている。しかしこれら
の方法によると、不燃物中にコンデンサ素体を完
全埋設する方法においては、分解ガスの内圧が非
常に大きくなるため不燃物の肉厚を非常に大きく
したり耐圧強度を大きく保たなければならない欠
点があり、過電流によりコンデンサ素体が断線す
る方法においては、過電流が原因で発火に至る前
に確実に断線するような好適な電気材料が得難い
欠点があつた。また半田を用いたヒユーズを使用
する方法によると、コンデンサの特性上、速断性
を持つたヒユーズが必要であり、コンデンサのサ
ージ電流によりヒユーズが不必要に溶断しないこ
とが必要であり、またコンデンサの静電容量によ
る電流値とヒユーズの溶断電流値の組合せが必要
となるため、ヒユーズが大型化して挿入が困難で
あり、任意の電流値を得るのが困難であり、また
たとえこれが得られたとしても形状が線状であ
り、低融点であるために加工及び組込が困難であ
るという欠点があつた。
また実開昭50−27335には、保安装置付コンデ
ンサが開示されているが、該従来例は、この種の
コンデンサの場合には両端面に必ず引出し電極と
してのメタリコン(金属溶射)を施す必要がある
が、単に従来より存在するヒユーズ等を巻芯中空
部に設ける場合においてメタリコンによる両端面
の短絡防止策を片面のみにおける栓で済ませ、作
業の改善を図つたものに過ぎず、本願におけるよ
うなヒユーズそのものについての技術的思想を何
ら開示したものではなく、本願発明とはその構成
が全く異なるものである。また実開昭56−99738
には、絶縁剤よりなる基板上面の一部又は全面に
プリントヒユーズを設け、その上面を絶縁材より
なる基板にて覆い、その下面に粘着剤を塗布し、
更にその下面を剥離紙にて覆状に構成したプリン
トヒユーズが開示されているが、該従来例は、こ
れに用いる温度ヒユーズがいかなる構成であるか
について何ら開示していないので、本願発明とは
その構成が異なる。即ち、一般に温度ヒユーズは
通電電流と温度との関係により動作するので、基
板、覆板等の吸熱、放熱、伝導、溶断部の自己発
熱等の関係によりその動作が非常に複雑であるた
めに温度ヒユーズの役目をするプリント部分が生
命と考えられる故にプリント部の材質、厚さ及び
幅等の設定が最も重要な課題であるのに、該従来
例はこの重要なヒユーズ部分の材質等について何
ら開示せず、単に温度ヒユーズの設置構造を開示
したものに過ぎないのであるから、本願発明とは
その構成及び作用効果が全く異なる別異の発明で
ある。
本発明は、上記した従来技術の欠点を除くため
になされたものであつて、その目的とするところ
は、電子部品、特にコンデンサ素体とその引出端
子との間に導電塗料による保護回路を直列に形成
することによつて、形状が非常に小さく、薄くか
つ平滑なヒユーズを得ることである。また他の目
的は、金属粉末、バインダの材質及び配合比を変
えることにより任意の溶断特性が得られるように
することである。更に他の目的は、塗布される導
電塗料の幅及び厚さを変えることにより任意の電
流値が得られるようにすることである。更に他の
目的は、プリント基板内の極めてわずかなスペー
スに保護回路を形成できるようにすることであ
る。また他の目的は、保護回路用ソケツト等の接
続部品を不要とすることである。更に他の目的
は、保護回路の半田付けを半田槽において自動的
に行うことができるようにすることである。また
他の目的は、電子部品用の保護回路のコストを大
幅に低減させることである。
要するに本発明(第1発明)は、銅粉末と、該
銅粉末のバインダとしてフエノール系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ポリエステル系樹脂及びキシレン系
樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹
脂とを混合し、これに前記銅粉末の酸化物の生成
を抑制する添加剤を添加して混合してなり、規定
以下の電流値においては導電回路の一部をなし過
電流が流れることで前記バインダが発熱膨張し前
記銅粉末間の電流の流れが阻害され更に発熱して
燃焼して炭化するようにした導電性の良好な銅導
電塗料による保護回路を、電子部品素体と該電子
部品素体用の引出端子との間に直列に形成し、過
電流及び温度上昇により前記銅導電塗料よる保護
回路が破壊消失し、回路より前記電子部品素体を
切り離すように構成したことを特徴とするもので
ある。
また本発明(第2発明)は、銅粉末と、該銅粉
末のバインダとしてフエノール系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリエステル系樹脂及びキシレン系樹脂
からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂と
を混合し、これに前記銅粉末の酸化物の生成を抑
制する添加剤を添加して混合してなり、規定以下
の電流値においては導電回路の一部をなし過電流
が流れることで前記バインダが発熱膨張し前記銅
粉末間の電流の流れが阻害され更に発熱して燃焼
して炭化するようにした導電性の良好な銅導電塗
料による保護回路を、電子部品素体と該電子部品
素体用の引出端子との間に直列に形成し、含浸剤
及び充填剤からなる材料により所定の容器内に固
定してコンデンサを形成し、過電流及び温度上昇
により前記銅導電塗料による保護回路が破壊消失
し、回路より前記コンデンサ素体を切り離すよう
に構成したことを特徴とするものである。
以下本発明を図面に示す実施例に基いて説明す
る。第1図及び第2図において、電子部品の一例
たるコンデンサ1のコンデンサ素体1aと該コン
デンサ素体用の引出端子2との間には導電塗料の
一例たる導電性の良好な銅導電塗料3が基板4上
に印刷塗布されて、150℃にて約2時間加熱硬化
され、該銅導電塗料3による保護回路5としてヒ
ユーズFが直列に形成されている。そしてコンデ
ンサ素体1aの寿命末期等における過電流及び温
度上昇により保護回路5が破壊消失し、電源6を
含む回路Cよりコンデンサ素体1aを切り離すよ
うに構成されている。一例として、ヒユーズFの
破壊電流を2Aとした場合、基板4はフエノール
樹脂とし、一対の電極8,8の上に膜厚t=
50μm長さl=10mm、幅B=2〜3mmにて銅導電
塗料3を塗布すればよい。電極8は、銅板、黄銅
板、ニツケル板等の半田付け可能な金属板でもよ
く、また半田付け性の良好な銅導電塗料であつて
もよい。
ヒユーズFの破壊電流値としては、2A程度が
最も効果的であるが、コンデンサ電流で最小1A、
最珍5A程度の範囲まで実用可能である。
第3図及び第4図に示す実施例においては、コ
ンデンサ素体1aと引出端子2との間に上記の銅
導電塗料3によるヒユーズFを直列に基板4上に
形成し、リード線7を図中左側の電極8に、右側
の電極8を引出端子2に接続し、他のリード線9
を他の引出端子2に接続して樹脂製の角形の容器
10に挿入して、第4図に示すように、含浸及び
充填剤(エポキシ樹脂等)からなる材料11によ
り固定してコンデンサ1を形成するものである。
また第5図から第8図に示す別実施例において
は、いわゆるMFコンデンサ1の場合を示してお
り、まず第5図に示すように、雌形スプライン1
3aが形成された中空軸13に雄形スプライン1
4aを形成した所定の回転治具14を挿入して該
中空軸13を矢印Bの如く回転させてフイルム1
5を矢印Dの如く巻き付け、第6図に示すよう
に、コンデンサ素体1aを形成し、一方のリード
線7を中空軸13の中空部13bを通して上方に
引き出し、その途中に直列に基板4、電極8,8
及び銅導電塗料3からなる保護回路5としてのヒ
ユーズFを形成しておき、第7図に示すように、
リード線7,9に夫々の引出端子2,2を接続
し、円形の容器16に挿入して、第8図に示すよ
うに、含浸剤、及び充填剤(エポキシ樹脂等)か
らなる材料11により固定してコンデンサ1を形
成するものである。
以上のようにして、いずれにしても保護回路5
としてのヒユーズFはコンデンサ1の内部に極め
てコンパクトに内蔵され、そのためのスペースは
ほとんど不要な程小さくて済むのである。
本発明で用いる銅導電塗料3は、銅粉末70乃至
85重量%と、フエノール系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリエステル系樹脂及びキシレン系樹脂から
なる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂15乃至
30重量%とを有効成分とするものにアントラセ
ン、アントラセンカルボン酸、アントラニル酸及
びアントラジンからなる群より選ばれた少なくと
も1種のものを特殊添加剤として添加してなるも
のであり、導電材料である粉末に極めて酸化し易
い銅粉末を用いながら、その電気抵抗値は1×
10-3Ω−cmという低い値を持つ、銀導電塗料の導
電性能に匹敵する優れたものであり、かつヒユー
ズとしての特性を兼ね備えたものである。以下こ
の銅導電塗料3について詳細に説明する。
銅粉入導電塗料を実用化するためには、その塗
膜完成時の電気抵抗値が1×10-2〜1×10-3Ω−
cmとなることが必要であり、しかも湿度に対する
耐久性が大きく、高湿雰囲気中の経時変化が小さ
く、かつ常温(20℃)を中心とする低温及び高温
における抵抗温度特性が、在来の銅導電塗料に匹
敵するものべなければならない。
単に銅粉末にフエノール樹脂を混合塗布し、こ
れを加熱乾燥させるだけでは、この加熱によつて
銅粉末が酸化して酸化銅となるため1×103Ω−
cm乃至それ以上の電気抵抗値となつてしまう。
即ち一般的に導電塗料の導電機構は、そこに含
有される金属粉末の粒子の相互接触によつて形成
される導電経路によるものであるが、構成導電粒
子の表面は常に酸化物によつて覆われているので
それらの電気抵抗は酸化物によつて極めて高い値
になつて実用には供し得ないのが常識である。但
し銀のように表面酸化被膜が極めて少ない貴金属
については、酸化物の概念がなく、酸化物による
電気抵抗の上昇は考えられなかつたが、銀以外の
例えば本発明の対象となる銅粉末その他の賎金属
の場合には、その粉末は空気中において、瞬時に
表面酸化被膜を生成することはよく知られてい
る。従つて第1に、導電塗料中において、銅粉末
の粒子の接触抵抗を低減させることが必要であ
る。それには酸化物を導電被膜を形成する過程に
おいて除去して正常な金属原子面の接触による導
電経路を形成させる必要がある。そのためには、
銅粉末の表面に存在する酸化物を何らかに方法に
よつて除去しなければならない。第2に、酸化物
を除去された正常な面の銅粉末による導電機構が
完成された後に、加熱中又は使用中にその銅粉末
が外部からの酸素の影響によつて酸化して電気抵
抗が再び上昇するのを防がなければならない。
従つて、上記第1及び第2の要件を満足させ、
常温での保存中、加熱中及び使用中における銅粉
末の酸化をいかにして防止するかが銅粉入導電塗
料実用化の鍵となるものである。即ち銅粉末と樹
脂からなるものに添加する特殊添加剤の選択とそ
の添加量がこの種材料の性能の成否に係る最重要
課題となる。
本発明の発明者は、上記2つの要件を満足させ
る理想的な添加剤を得るため多年にわたり多くの
実験研究を行なつて来たが、遂にその添加剤とそ
の添加量を定めることに成功し、従来の銅箔や銀
導電塗料に代えて実用に十分供し得る銅粉入導電
塗料の開発に成功した。これは(株)アサヒ化学研究
所製銅粉入導電塗料ACP−020(同社の商標)(導
電性が良好)及びACP−030(同社の商標)(半田
付け性が良好)として実用化の段階に至らしめた
ものである。
添加剤としては、アントラセン(C14H10)及
びアントラセンカルボン酸(C14H9(COOH))が
特に優れている。次にアントラジン(C28H16N2
も優れている。これに次いでアントラニル酸
(C6H4(NH2)(COOH))も有効である。その他
だは安息香酸(C6H5・COOH)はアントラセン
及びその誘導体よりも1ケタ大きい電気抵抗値1
×10-2Ω−cmを示しており、実用化は困難であ
る。
本発明で用いる銅粉入導電塗料は、銅粉末70乃
至85重量%とフエノール系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリエステル系樹脂及びキシレン系樹脂から
なる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂15乃至
30重量と%とを混合し、これに上記したアントラ
セン、アントラセンカルボン酸、アントラニル酸
及びアントラジンからなる群より選ばれた少なく
とも1種のものを微量(好ましくは0.23乃至1.6
重量%、実用可能な添加量としては0.2乃至5重
量%)を添加剤として添加して混合し、流動状の
ものとして作成するものである。
本発明用の銅導電塗料において用いる上記アン
トラセン等の添加剤は、加熱中に銅粉末の表面に
存在する酸化銅等の化合物を溶解させ、併存する
樹脂質に相溶可能な化合物となるで、導電性を増
大させるだけでなく、樹脂質に相溶した添加剤と
銅の化合物は樹脂質の水分透過率及び酸素の透過
率を低下させる作用があることが判明した。即ち
上記添加剤による銅粉末の酸化防止機構は、次の
ようである。
例えば、アントラセンカルボン酸
(C14H9COOH)については、以下の作用により
良好な導電塗料膜が形成されるものと考えられ
る。即ちアントラセンカルボン酸は、銅粉末粒子
の表面に存在又は形成される酸化銅と次式により
反応し、アントラセンカルボン酸銅塩を生成す
る。
CuO+2C14H9COOH→(C14H9COO)2Cu+
H2O そして併存する樹脂により大気と遮断されてい
る塗膜中で起こる上記化学反応により、銅粉末の
表面は酸化物が除去された清浄な金属表面が露出
し、これが相互に接触配列して導電性が良好な、
即ち電気抵抗の低い導電経路が形成される。
他方、上記化学反応により生成されたアントラ
センカルボン酸銅塩は、併存するフエノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びキシレ
ン樹脂と相容して樹脂層中に均一に溶解分散し、
銅粒子の配列並びに樹脂の硬化反応等を伴う塗膜
の形成をいささかも阻害しない。またアントラセ
ンカルボン酸の銅化合物は、これが樹脂中に適量
混和したものは、むしろ樹脂の水分透過率及び酸
素の透過率を低下させ、耐湿性及び酸化性が若干
向上する効果が認められ、本発明のヒユーズにお
ける通常の使用時の導電効果を一層助長するもの
である。
本発明は、上記のように構成されており、以下
その作用について説明する。第4図及び第8図の
ように完成したコンデンサ1を第1図に示すよう
な回路Cにおいて使用する場合、電源6からヒユ
ーズFを通してコンデンサ1に電流が流れるが、
コンデンサ1の通常の使用状態においては、ヒユ
ーズFを構成する銅導電塗料3は、極めて優れた
導電性を保持するので通常の銅箔回路と同様に何
ら問題なく電流が流れ、60℃程度の温度までの電
気抵抗値は、上記したように、1×10-3Ω−cmに
保持される。この状態を第9図により説明する
と、銅導電塗料3の内部組織においては、銅粉の
粒子G同士が相互に接触配列して導電性が良好な
即ち電気抵抗が低い導電経路が形成され、これら
の粒子Gはバインダとして併存する例えばフエノ
ール樹脂Pにより配列が保持されている。
ところが、コンデンサ1が寿命末期になると、
該コンデンサを流れる電流が増大するため、ヒユ
ーズFを構成する銅導電塗料3の温度が上昇し、
第10図に示すように、フエノール樹脂Pが熱膨
張を起こし、銅粉末の粒子Gは相互に離反し始
め、部分的に完全な接触配列が乱されるようにな
る。すると、銅導電塗料3の電気抵抗値が急激に
上昇し、これによつてジユール熱が発生し、フエ
ノール樹脂Pは益々膨張し、これと共に電気抵抗
値が更に増大し、遂には第11図に示すように、
フエノール樹脂Pがすべての銅粉末の粒子Gを完
全に離反させることになり、これと同時に銅導電
塗料3は約200℃以上に加熱され、燃焼して炭化
してしまう。これによつて銅粉末の粒子Gは、そ
の周囲に存在していたアントラセン等の酸化防止
用特殊添加剤を失うので、完全に酸化し、導電性
を失う。この結果ヒユーズFは完全に破壊され、
保護回路5は消失し、コンデンサ素体1aは回路
Cから切り離され、コンデンサ1の発煙、発火、
爆発等の事故は完全に防止される。また一度破壊
消失したヒユーズFは二度と自己回復することは
ないから安全である。
本発明は、以上のように、銅導電塗料3の耐温
度特性の特殊性を巧みに応用し、これをコンデン
サ1等の電子部品用のヒユーズFとして実用化に
成功したものであり、その用途は、コンデンサ1
に限らず、その寿命末期等において、過電流が流
れたり、温度が上昇するような各種の電子部品に
適用できるので、極めて広範である。
また上記実施例において、ヒユーズFの部分の
電気抵抗値のバラツキは、0.1±0.22Ω程度に抑え
ることができ、破壊消失電流値は、標準値が2A
の場合、2±0.2A程度、即ち±10%以内のバラツキ
に抑えることが技術的に可能である。そしてヒユ
ーズFの破壊消失電流は、銅導電塗料3の膜厚
t、長さl及び幅Bを適宜変化させることによ
り、コンデンサ電流で最大5A、破壊消失電流で
最大10A程度まで任意に設定することが技術的に
可能である。また基板4を熱伝導率の大きいセラ
ミツク板やホーロー板等で構成すると、同一のヒ
ユーズFであつても、その破壊消失電流は約3倍
となることが判明したので、基板4の材質によつ
てもヒユーズFの破壊消失電流値を変えることが
可能である。
本発明は、上記のように構成され、作用するも
のであるから、電子部品、特にコンデンサ素体と
その引出端子との間に導電塗料による保護回路を
直列に形成したので、形状が非常に小さく、薄く
かつ平滑なヒユーズを得ることができる効果があ
る。また金属粉末、バインダの材質及び配合比を
変えることにより任意の溶断特性が得られるとい
う効果がある。更には塗布される導電塗料の幅及
び厚さを変えることにより任意の電流値が得られ
る利点がある。またプリント基板内の極めてわず
かなスペースに保護回路を形成し得ると共に、保
護回路用ソケツト等の接続部品を不要とし得る効
果が得れる。更にまた保護回路の半田付けは、半
田槽において自動的に行うことができる点で量産
上非常に有利であり、これらのことによつて電子
部品用の保護回路のコストを大幅に低減させるこ
とができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例に係り、第1図は保護回
路付電子部品の電気回路図、第2図は保護回路部
の縦断面図、第3図は角形の容器とコンデンサ素
体との分解斜視図、第4図は完成した角形コンデ
ンサの斜視図、第5図は中空軸にフイルムを巻き
付けている状態を示す斜視図、第6図は完成した
丸形コンデンサ素体の縦断面斜視図、第7図は丸
形コンデンサ素体と容器との分解斜視図、第8図
は完成した丸形コンデンサの斜視図、第9図から
第11図は銅導電塗料が過電流及び温度上昇によ
つて破壊消失する過程を示す模型図であり、第9
図は通常の通電状態を示す断面図、第10図は過
電流が流れて銅粉末の粒子が離反し始めた状態を
示す断面図、第11図は完全に破壊消失した状態
を示す断面図である。 1は電子部品の一例たるコンデンサ、1aはコ
ンデンサ素体、2は引出端子、3は導電塗料の一
例たる銅導電塗料、5は保護回路、10,16は
容器、11は含浸剤、及び充填剤からなる材料、
Cは回路である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 銅粉末と、該銅粉末のバインダとしてフエノ
    ール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹
    脂及びキシレン系樹脂からなる群から選ばれた少
    なくとも1種の樹脂とを混合し、これに前記銅粉
    末の酸化物の生成を抑制する添加剤を添加して混
    合してなり、規定以下の電流値においては導電回
    路の一部をなし過電流が流れることで前記バイン
    ダが発熱膨張し前記銅粉末間の電流の流れが阻害
    され更に発熱して燃焼して炭化するようにした導
    電性の良好な銅導電塗料による保護回路を、電子
    部品素体と該電子部品素体用の引出端子との間に
    直列に形成し、過電流及び温度上昇により前記銅
    導電塗料よる保護回路が破壊消失し、回路より前
    記電子部品素体を切り離すように構成したことを
    特徴とする保護回路付電子部品。 2 前記銅導電塗料は、銅粉末70乃至85重量%
    と、フエノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエ
    ステル系樹脂及びキシレン系樹脂からなる群より
    選ばれた少なくとも1種の樹脂15乃至30重量%と
    を有効成分とするものにアントラセン、アントラ
    センカルボン酸、アントラニル酸及びアントラジ
    ンからなる群より選ばれた少なくとも1種のもの
    を前記銅粉末の酸化を抑制する添加剤として添加
    してなる銅粉入導電塗料であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項に記載の保護回路付電子部
    品。 3 銅粉末と、該銅粉末のバインダとしてフエノ
    ール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹
    脂及びキシレン系樹脂からなる群から選ばれた少
    なくとも1種の樹脂とを混合し、これに前記銅粉
    末の酸化物の生成を抑制する添加剤を添加して混
    合してなり、規定以下の電流値においては導電回
    路の一部をなし過電流が流れることで前記バイン
    ダが発熱膨張し前記銅粉末間の電流の流れが阻害
    され更に発熱して燃焼して炭化するようにした導
    電性の良好な銅導電塗料による保護回路を、電子
    部品素体と該電子部品素体用の引出端子との間に
    直列に形成し、含浸剤及び充填剤からなる材料に
    より所定の容器内に固定してコンデンサを形成
    し、過電流及び温度上昇により前記銅導電塗料に
    よる保護回路が破壊消失し、回路より前記コンデ
    ンサ素体を切り離すように構成したことを特徴と
    する保護回路付電子部品。
JP7386182A 1982-04-30 1982-04-30 保護回路付電子部品 Granted JPS58190012A (ja)

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