JPH0154235B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、手動にて操作される二段式自転車の
駐車装置に関するものである。

〔従来の技術〕

現在、自転車公害防止対策として自転車駐車場
が整備されつつあり、狭い場所において多数の自
転車を収納する手段の一つとして手動二段式自転
車駐車装置が注目されている。この手動二段式自
転車駐車装置においては、地上１ｍ位の上段の格
納位置に自転車を持ち上げる方法に主な問題があ
る。この方法には人力による押上を容易ならしめ
るため重錘又はスプリング等による補助的動力を
使用する場合と、該補助的動力を使用しない場合
とがあるが、何れの場合も自転車を下方で固定
し、上方に持ち上げる手段としてスライダが用い
られる。このスライダには、その姿勢保持のため
の金物、あるいは補助的動力をスライダに伝達す
るための金物が取り付けられるが、これらは自転
車の格納状態ではスライダをその上に支持する支
持桿の上方に配置されているのが通例である。

〔発明が解決しようとする課題〕

このような方式ではスライダは自転車を乗せる
に十分な長さ以上に長くする必要があり、これが
必然的に土地面積に対する自転車の収容効率を低
下させる原因となつている。そしてこの収納効率
の改良を計るためには、種々の金物が増加し、構
造複雑で高価となり、かつ上段に自転車を持ち上
げるには多大の労力を要する欠点がある。

本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、ス
ライダの揺動と前後方向の移行を容易ならしめる
ための補助機構を支持桿の下方に配置し、これに
よつてスライダの短小をも計り、かつスライダー
の傾起を軽快に行なうことを目的としたものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

支柱の所要高さに略水平に配置された支持桿の
先端部下方に一端を傾起自在に軸支された補助支
持桿と、補助支持桿制御板とを備え、この制御板
に主車輪・案内車輪を介して自転車を載置するス
ライダを摺動及び傾斜可能にして設けると共に、
前記支持桿内に設けたスプリングの両端に夫々ワ
イヤーロープを締結し、この第１のワイヤーロー
プを動滑車、固定滑車間にかけた後、先端をスラ
イダに固定し、第２のワイヤーロープをスライダ
両端部に設けた固定滑車間にかけ、かつ先端を支
持桿に締結し、一つのスプリングの引張力を主車
輪を支点としてスライダを揺動させる力として、
かつスライダ長手方向に牽引作用を及ぼすように
して配設する。

〔実施例〕

以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明
する。

手動二段式自転車駐車装置Ａは、地面上に設け
られた下段収納装置１と、支柱２の上部に取り付
けられる上段収納装置３とよりなり、下段収納装
置１は、溝型鋼を以てし開口部を上方に向けて設
けられた自転車Ｗを載置するための受金物１０
と、該受金物１０の両側に取り付けられた自転車
の誘導と保持のための導設枠１１と、前輪保持枠
１２とを主体として構成され、導設枠１１、前輪
保持枠１２は共に丸棒又はパイプ等により形成さ
れ、受金物１０には自転車Ｗの格納位置における
自転車前輪の後部付近には自転車の格納位置決め
用コロ１３が設けられている。

上記受金物１０及び前記支柱２は、地面に敷設
された基板１４に取り付けられたベースプレート
１５に固着されており、前輪保持枠１２は支柱２
に沿つて立設された支持板１６に溶着されてい
る。又この支持板１６は下端を受金物１０の側部
に溶着され、支柱２とは取付金具１７及びベース
プレート１５を介して止着されている。

上段収納装置３は、上記支柱２上に略々水平状
に取り付けられた支持桿２０と、該支持桿２０の
前方位置に支軸２１により基端を回動自在に軸支
される補助支持桿２２及び自転車Ｗを載置するス
ライダ２３並びに該スライダ２３に揺動と引き上
げ方向に附勢するための附勢機構２４とを主体と
して構成される。

スライダ２３は、断面Ｃ字状のリツプ溝型鋼を
以て構成され、開口部を下方に向けて上記支持桿
２０上に配備され、基端には操作用把手２５が、
また両側上部には自転車Ｗを誘導し、かつ保持す
るための導設枠２６を、更に先端には前輪用受金
物２７が取り付けられており、前輪用受金物２７
は取付部２８に回動自在に支持され、かつ取付部
２８には附勢用スプリング（図示省略）を備え、
上記受金物２７を右方向即ち自転車の前輪に押し
当てる方向に附勢し、自転車Ｗの大きさに従つて
取付部を中心として回動される。

支持桿２０は角パイプにて形成され、一端は支
柱２上に止着されており、他端には水平軸３０が
取り付けられ、該軸３０には、前記スライダ２３
を案内する左右対をなす主車輪３１ａ，３１ｂ
（以下総称するときは単に３１という）が回動自
在に設けられ、該主車輪３１はスライダ２３の両
側のコ字状部分に嵌合され、スライダ２３の長手
方向の移行を許容するも転倒を阻止する如くな
し、かつ一方の車輪３１ａの外周には環状溝３２
を刻設し、スライダ２３に取り付けられた該溝３
２に嵌合するガイドレール３３にてスライダ２３
の左右方向の移行を阻止している。

補助支持桿２２は、溝型鋼を以て構成され、開
口部を上方として一端が支持桿２０に支軸２１に
より軸支され、先端には案内車輪３５ａ，３５ｂ
（以下総称するときは単に３５という）を支軸３
６により回動自在に軸支している。該案内車輪３
５はスライダ２３を案内するもので、前記主車輪
３１と同一形状のもので、一方の案内車輪３５ａ
にはガイドレール３３が嵌合される環状溝３７が
刻設されている。

４０は上記支持桿２０の先端に取り付けられた
水平軸３０に一端が軸支された補助支持桿制御板
であつて、先端の長溝４１内に前記補助支持桿２
２の先端に取り付けられた支軸３６が貫通され、
補助支持桿２２の回動角度、即ちスライダ２３の
仰角を規制し、補助支持桿２２の仰角が過大とな
り、自転車が不時に後輪方向に落下するのを防止
するものである。

附勢機構２４は、１個のスプリングによりスラ
イダ２３の揺動及び前後方向の移動を附勢するよ
うにしたもので、スプリング５０と、該スプリン
グ５０の一側に取り付けられた第１ワイヤロープ
５１と、他方側に取り付けられた第２ワイヤロー
プ５２とを主体として構成され、第１ワイヤロー
プ５１はスライダ２３に対し長手方向に牽引作用
を及ぼすものであり、支持桿２０の先端の水平軸
３０には対をなす固定滑車５３，５４が、またス
プリング５０の一端に停止される支軸５５には対
をなす動滑車５６，５７がそれぞれ回動自在に軸
支され、第１ワイヤロープ５１の一端は支持桿２
０の先端に取り付けられた丸棒５８に係止され、
動滑車５６、固定滑車５３、動滑車５７及び固定
滑車５４を経てスライダ２３の基端側に取り付け
られた丸棒５９に止着されている。

第２ワイヤロープ５２はスライダ２３に対し主
車輪３１を支点として揺動せしめる作用を付与す
るようにしたもので、一端は補助支持桿２２に取
り付けられた丸棒６０に係止され水平軸３０に回
動自在に軸支されたもう一つの固定滑車６１及び
支持桿２０の基端付近に取り付けられた固定滑車
６２を介してスプリング５０の他端に取り付けら
れている。そして上記スプリング５０、第１、第
２ワイヤロープ等附勢機構２４の大部分は支持桿
２０内に収納され、第１ワイヤロープ５１の一部
はスライダ２３内に収納されている。

また第９図に示すように、第１ワイヤロープ５
１は固定滑車５３，５４、動滑車５６，５７を往
復することによりスプリング５０の牽引力は減力
されてスライダ２３に対し長手方向に引張り作用
を与え、スライダ２３の自重を軽減するに役立
ち、人力による押し込みを容易ならしめると共
に、スライダが不時に抜落ちることを防止してい
る。

また第２ワイヤロープ５２は、スプリング５０
の牽引力を直接補助支持桿２２の揺動方向に作用
せしめ、スライダ２３の人力による揺動運動を容
易ならしめるものである。

尚第９図において固定滑車５３，５４，６１及
び動滑車５６，５７は直径が異なるように図示し
たが、これはワイヤロープの張設を明確ならしめ
るために図示したものであり、何れも同一径のも
のである。

次にその使用要領について説明する。

自転車Ｗを上段収納装置３に収納するために
は、先ずスライダ２３を第１図に示す如く主車輪
３１及び案内車輪３５に沿つて引き降ろし傾斜し
た位置に定位する。この場合補助支持桿制御板４
０はスライダ２３の傾角を規制するに役立つもの
である。

次に自転車Ｗをスライダ２３上に載置し導設枠
２６に沿つて押し上げ、前輪を前輪用受金物２７
内に押し込み、後輪を導設枠２６の後端にて支承
せしめる。次いでスライダ２３を押し上げると共
に、主車輪３１を中心として回動し、支持桿２０
上に水平に載置せしめる。

この場合、附勢機構２４は第１ワイヤロープ５
１がスプリング５０によりスライダ２３に対し引
き上げ方向に働き、第２ワイヤロープ５２は補助
支持桿２２を介してスライダ２３に対し、主車輪
３１を支点として左回転、即ち押し上げ方向に附
勢し、これによつてスライダ自体及びその上に載
置された自転車の重量を軽減する効果を生じ、操
作が容易となる。

自転車を引き降ろす場合は上記の逆である。

また下段収納装置１への自転車Ｗの出し入れは
通常の自転車駐車装置の場合と同様であり説明を
省略する。

また、上記各実施例は支柱及び梁の一側に自転
車を上下に格納する例を示したが、支柱及び梁を
中心として左右に対向して格納するようにしても
よく、この場合は支柱及び梁を共用することがで
き、かつ左右の上下の収納装置を相互に喰違い状
態に配置することにより狭い面積で多数の自転車
を収納することができる。

以上の如く本発明によるときは、スライダは定
置された支持桿と、該支持桿に取り付けられた補
助支持桿のそれぞれの先端に取り付けられた主車
輪及び案内車輪によつて揺動及び移行される故、
操作がきわめて容易である。また上記スライダに
対する揺動及び移行は１個のスプリングによつて
附勢するようにしたから、構成簡単であると共
に、附勢機構の力の伝達は全て支持桿下方で行な
われている故、スライダを支持桿上方まで突出す
る必要はなく、このためスライダを短小とするこ
とができる等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施態様を例示するもので、第１
図はスライダを下降した状態を示す全体正面図、
第２図は自転車を上段収納装置に格納した状態を
示す全体正面図、第３図乃至第５図は下段収納装
置の前輪保持枠の取付要領を示すもので、第３図
はその正面図、第４図は左側面図、第５図は平面
図、第６図は上段収納装置の要部の正面図、第７
図は第６図におけるＸ−Ｘ線に沿う断面図、第８
図は第７図におけるＹ−Ｙ線に沿う断面図、第９
図は附勢機構の説明図、第１０図は第９図におけ
るＺ−Ｚ線に沿う断面図である。 Ａ……手動二段式自転車駐車装置、１……下段
収納装置、２……支柱、３……上段収納装置、１
０……下部自転車用受金物、１２……前輪保持
枠、１３……コロ、１５……ベース、２０……支
持桿、２２……補助支持桿、２３……スライダ、
２４……附勢機構、２７……前輪用受金物、３０
……水平軸、３１ａ，３１ｂ……主車輪、３５
ａ，３５ｂ……案内車輪、４０……補助支持桿制
御板、５０……スプリング、５１……第１ワイヤ
ロープ、５２……第２ワイヤロープ、Ｗ……自転
車。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 支柱の所要高さに略水平に配置された支持桿
   の先端部にスライダの基端側を枢着し、この支持
   桿先端部下方に一端を傾起自在に軸支された補助
   支持桿をスライダ内に嵌挿した補助支持桿制御板
   に枢支し、この制御板の両端に主車輪・案内車輪
   を設けて自転車を載置するスライダ内に摺動及び
   傾斜可能にして設けると共に、前記支持桿内に設
   けたスプリングの両端に夫々ワイヤーロープを締
   結し、この第１のワイヤーロープを動滑車、固定
   滑車間にかけた後、先端をスライダに固定し、第
   ２のワイヤーロープをスライダ両端部に設けた固
   定滑車間にかけ、かつ先端を支持桿に締結し、一
   つのスプリングの引張力を主車輪を支点としてス
   ライダを揺動させる力として、かつスライダ長手
   方向に牽引作用を及ぼすようにして配設したこと
   を特徴とする手動二段式自転車駐車装置。 ２ 支持桿を支承する支柱は、下段自転車収納装
   置の自転車受金物と共通のベースに取り付けられ
   ている請求項１記載の手動二段式自転車駐車装
   置。 ３ 下段収納装置の自転車受金物には、自転車の
   前輪の位置決定のため格納された自転車前輪の後
   部付近にコロ形のストツパが設けられている請求
   項１記載の手動二段式自転車駐車装置。