JPH0153789B2

JPH0153789B2 -

Info

Publication number: JPH0153789B2
Application number: JP58040254A
Authority: JP
Inventors: Koji Shimada; Susumu Inoe; Mitsuhiro Katayama; Wakichi Oka
Original assignee: Kanto Denka Kogyo Co Ltd
Current assignee: Kanto Denka Kogyo Co Ltd
Priority date: 1983-03-11
Filing date: 1983-03-11
Publication date: 1989-11-15
Also published as: JPS59165070A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、電子写真現像剤、特にトナーとキヤ
リアーとからなる２成分現像剤におけるキヤリア
ーに関するものである。

電子写真法において感光体上に形成された静電
荷像を磁気ブラシ法により現像する際に使用され
る乾式現像剤はトナーとキヤリアーとからなる２
成分系のものが用いられる。この現像剤は通常、
比較的細かいトナー粒子と比較的大きいキヤリア
ー粒子の混合体から成り、それらの粒子の接触に
よつて生じる反対極性の静電気によつてキヤリア
ー粒子表面にトナー粒子が保持される。そして、
この現像剤が感光体上の静電荷像と接触するとト
ナー粒子が静電荷像に引きつけられて画像を形成
する。この場合、トナー粒子は必ず感光体上の所
望の像領域に優先的に引きつけられるような正確
な帯電性及び電荷の大きさを有していなければな
らない。

ところで、電子写真に用いられる従来の乾式現
像剤は、キヤリアー粒子とトナー粒子間、及び現
像剤と現像機の機械部分間での繰り返し接触・衝
突によつて、トナー粒子の１部がキヤリアー粒子
の表面に付着して膜を形成する性質がある。この
ような事態になるとキヤリアー粒子表面にトナー
材（トナー粒子）の膜が徐々に蓄積され、キヤリ
アー粒子とトナー粒子との間の摩擦帯電がトナー
材同士の摩擦帯電に変わつてしまい、現像剤全体
の摩擦帯電特性が劣化し、ひいてはコピー画像の
地肌部にトナー粒子が多数付着するという所謂地
汚れ現像が生じコピー画質が低下することとな
る。

従つて、キヤリアー粒子としては、トナー粒子
に対して適正な帯電量を与える物質を選択する必
要があり、一方、機械的強度と共にトナー粒子の
蓄積が防止できる表面特性を有することも必要と
され、さらには適正な比重をも有する必要があ
る。

そして、現在、キヤリアー粒子としては、不定
形或いは球形の鉄粉、フエライト或いはこれらに
樹脂をコーテイングしたものが用いられている
が、必ずしも上記諸特性を満足するに至つていな
い。

例えば、キヤリアー粒子として不定形の鉄粉を
用いた場合には、繰り返し使用した場合、その凹
部にトナー粒子が蓄積する現象がみられ、一方、
これに樹脂をコーテイングした場合には、トナー
粒子の付着が防止できても、その樹脂自体がコア
材である鉄粉との密着性が充分ではない上に、摩
擦及び衝撃にも弱いなどの機械的強度も不足して
いるため長時間の使用に耐えられない欠点があ
る。

また、不定形の鉄粉は現像剤の搬送過程でカケ
やワレの問題により長時間の使用に耐えられず、
又流動性が悪いため現像効率が悪いという欠点が
ある。

上記欠点を解消する目的で球形鉄粉キヤリアー
も提案されているが、比重が大きいため磁気ブラ
シ上からのキヤリアー落ち、トナー飛散が起こ
り、また現像機への仕込み量が多くなり、コスト
高になる等の問題がある。

また、最近、比重が小さいということでフエラ
イトキヤリアーも提案されているが、フエライト
キヤリアーを得るにはキヤリアーとしての粒子強
度をもたせるために約1000℃以上で高温焼成しな
ければならず、そのため、高温焼成装置が必要で
あり、且つその使用熱量も莫大であり、コスト高
のキヤリアーになる。

本発明は上記欠点をすべて解消した電子写真用
キヤリアーを提供するものである。

即ち、本発明のキヤリアーは、微細な磁性粉を
無機質バインダーである特定の珪酸ソーダ中に特
定量含有、分散せしめた球形キヤリアー、詳しく
は、50〜90重量％の磁性粉を含有する珪酸ソーダ
（Na₂O・nSiO₂）球形粒子からなる、電子写真現
像剤用キヤリアーであり、トナーとのマツチング
性がすぐれており、機械的強度も強く、長時間の
使用に耐え、且つ低コストで得られる実用的なも
のであり、また、不定形のキヤリアーと比較して
現像時の流動性が良好で現像効率のすぐれたもの
であり、しかも、従来の鉄粉キヤリアー等を使用
した場合に比較してコピー画像の緻密性が向上し
た高品位のコピー画像を提供することができるキ
ヤリアーである。

本発明に用いられる磁性粉としては、鉄粉、マ
グネタイト（Fe₃O₄）、ガンマー酸化鉄（γ―
Fe₂O₃）及びフエライト等を挙げることができ、
その粒子径が５ミクロン以下である微細なものを
用いることが好ましい。

また、本発明に用いられる珪酸ソーダは、
Na₂O・nSiO₂なる形で表現されるものであり、
ｎが２〜４の範囲にあるものが用いられる。その
理由は、高モル比（ｎが大きい）の珪酸ソーダは
低モル比（ｎが小さい）の珪酸ソーダに比べ磁性
粉に対する接着力が強く強固なキヤリアー粒子を
形成しやすいため、摩擦や衝撃に強く化学的にも
安定なキヤリアーが得られるためである。

この無機質バインダーとしての珪酸ソーダ中に
含有される微細な磁性粉の含有量は50〜90重量
％、好ましくは60〜80重量％である。磁性粉の含
有量が90重量％を越えるとキヤリアー粒子の強度
が弱くなり長時間の使用に耐えられない上に、キ
ヤリアー粒子の磁束密度が大きくなりすぎてしま
うため、磁気ブラシの穂が長く比較的粗になるた
め高画質のコピーが得られなくなる。また、50重
量％より少ない場合はキヤリアー粒子の磁束密度
が必要以上に低下し、磁気ブラシ現像機からキヤ
リアー粒子が飛び出すという不都合を生ずる。

即ち、磁性粉の含有量が50〜90重量％の範囲内
であればキヤリアー粒子の磁束密度が、磁気ブラ
シの穂を短くし、また密にするのに適当な範囲に
なるため高画質のコピーが得られるのである。ま
た、キヤリアー粒子の比重が従来の鉄粉或いはこ
れに樹脂をコーテイングしたものに比して小さい
ため、トナーに対するストレスを軽減し、現像剤
ライフを長くすることができるのである。

本発明のキヤリアー粒子の好ましい製造方法は
次の通りであるが、必ずしもこれに限定されるも
のではない。

即ち、予め微細化した磁性粉をボールミル或い
はアトライター等により、固型分濃度40〜70重量
％で珪酸ソーダ水溶液中で充分に撹拌、混合して
磁性粉の珪酸ソーダ水溶液スラリーを調製した
後、該磁性粉スラリーをスプレードライアー方式
により噴霧乾燥して球形化粒子を得る。この球形
化粒子の粒子径は通常10〜100ミクロン程度であ
る。次いで、この球形化粒子を電気炉等により
300℃以上の温度で熱処理することにより本発明
のキヤリアー粒子を得ることができる。また、必
要に応じて粒子の表面を樹脂等で被覆して使用す
ることもできる。

本発明のキヤリアーと併用されるトナーは特に
制限はなく、天然樹脂、天然及び合成樹脂を組合
せた改良材を含む広い材料に周知の各種染顔料を
分散せしめて製造されたものが挙げられる。

又、本発明のキヤリアーを使用した現像剤は、
公知のセレン、酸化亜鉛、硫化カドミウムあるい
はポリビニルカルバゾール等を光電導体とする光
電導性感光体上に形成された静電荷像、又は感光
性をもたない静電記録シート上に形成された静電
荷像のいずれであつても、適用することができる
ものである。

以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明する。

実施例１湿式法マグネタイト（平均粒子径0.6ミクロン、
形状；立方状）15Kgと珪酸ソーダ水溶液（日本化
学工業(株)製58珪酸ソーダ１号、モル比：２、固形
分含有量54重量％）６Kgをアトライターにて８時
間分散混合せしめて、マグネタイトの珪酸ソーダ
水溶液スラリーを調製した。

上記スラリーをスプレードライアーを用いて噴
霧乾燥し、20〜40ミクロンの球形粒子を得た。次
いで、この球形粒子を窒素雰囲気下400℃で１時
間熱処理を施し、本発明のキヤリアーを得た。こ
のキヤリアーは安息角が28度で流動性の良好なキ
ヤリアーであつた。

上記キヤリアーを市販の磁気ブラシ現像用トナ
ー（東芝製BD3504用トナー）と撹拌混合して現
像剤を調製し、セレン感光体上の静電潜像を現像
したところ、鮮明な画像が得られ、８万回の現像
後でも画質に大きな変化は見られなかつた。

比較例１実施例１と同様に調製したマグネタイトの珪酸
ソーダ水溶液スラリーを乾燥して水分を蒸発除去
せしめた後、これを1000℃で融解してから冷却し
ハンマーミルで粉砕した。これを分級して20〜40
ミクロンの不定形キヤリアーを得た。このキヤリ
アーは安息角が48度で流動性のよくないキヤリア
ーであつた。このキヤリアーを用い実施例１と同
様に現像剤を調製し、セレン感光体上の静電潜像
を現像したところ、得られた画像は白い縦スジの
目立つ画像で1000枚から地カブリが多く実用的な
ものでなかつた。

実施例２実施例１で得られた本発明のキヤリアー２Kgに
スチレンアクリル樹脂（三洋化成製ハンマー
SBM−600）のメチルエチルケトン溶液500g（樹
脂分４％）をスプレーコートし、樹脂コートキヤ
リアーを得た。

上記樹脂コートキヤリアーを市販の磁気ブラシ
現像用トナー（シヤープ製SF750用トナー）と撹
拌混合して現像剤を調製し、有機感光体上の静電
潜像を現像したところ、鉄粉キヤリアーを用いた
場合に比して画質の緻密性が向上した鮮明な画像
が得られた。また、７万回の現像後でも画質に大
きな変化は見られなかつた。

実施例３粉砕法による微細鉄粉（平均粒子径４ミクロ
ン、形状；偏平不定形）15Kgを珪酸ソーダ水溶液
（日本化学工業(株)製珪酸ソーダ４号、モル比：４、
固形分含有量30重量％）30Kgに高速撹拌機を用い
て５分間分散せしてめて、鉄粉の珪酸ソーダ水溶
液スラリーを調製した。

上記スラリーをスプレードライアーを用いて噴
霧乾燥し、20〜40ミクロンの球形粒子を得た。次
いで、この球形粒子を窒素雰囲気下400℃で１時
間熱処理を施し、本発明のキヤリアーを得た。

上記キヤリアーを市販の磁気ブラシ現像用トナ
ー（シヤープ製SF850用トナー）と撹拌混合して
現像剤を調製し、硫化カドミウム感光体上の静電
潜像を現像したところ、鮮明な画像が得られ、15
万回の現像後でも初期の鮮明な画像を維持してい
た。

実施例４ Fe₂O₃64.5％、ZnO19.5％、NiO10.3％、
CuO5.1％なる配合組成の金属酸化物の混合粉末
を1200℃にて焼成しフエライト組成を有する粉末
を得た。このフエライト粉末15Kgと珪酸ソーダ水
溶液（富士化学(株)製Ｊ珪酸ソーダJIS3号、モル
比：３、固形分含有量38重量％）８Kgをアトライ
ターにて８時間分散混合せしめて、フエライトの
珪酸ソーダ水溶液スラリーを調製した。

上記スラリーをスプレードライアーを用いて噴
霧乾燥し、20〜40ミクロンの球形粒子を得た。次
いで、この球形粒子を窒素雰囲気下300℃で１時
間熱処理を施し、本発明のキヤリアーを得た。

上記キヤリアーを市販の磁気ブラシ現像用トナ
ー（リコー製FT4060用トナー）と撹拌混合して
現像剤を調製し、セレン感光体上の静電潜像を現
像したところ、鉄粉キヤリアーを用いた場合に比
して画質の緻密性が向上した鮮明な画像が得られ
た。また、８万回の現像後でも鮮明な画質を維持
するものであつた。

Claims

【特許請求の範囲】１ 50〜90重量％の磁性粉を含有する珪酸ソーダ
（Na₂O・nSiO₂ ｎ＝２〜４）球形粒子からなる
ことを特徴とする電子写真用キヤリアー。２磁性粉の粒子径が５ミクロン以下である、特
許請求の範囲第１項記載の電子写真用キヤリア
ー。