JPH1020561A - 静電荷像現像用キャリアとその製造方法及び該キャリアを用いた現像剤と画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用キャリアとその製造方法及び該キャリアを用いた現像剤と画像形成方法

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JPH1020561A
JPH1020561A JP16936896A JP16936896A JPH1020561A JP H1020561 A JPH1020561 A JP H1020561A JP 16936896 A JP16936896 A JP 16936896A JP 16936896 A JP16936896 A JP 16936896A JP H1020561 A JPH1020561 A JP H1020561A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーニング部材の摩滅と感光体表面の擦
過傷の原因となる不定形磁性体微粉が混在されていない
静電像現像用キャリアを提供する。乾式被覆法を行う
際に付与される機械的衝撃によっても不定形磁性体微粉
を発生させない静電像現像用キャリアの製造方法を提供
する。クリーニング不良による画像欠陥と、ハーフト
ーン部分の筋状の荒れを発生させない画像形成方法を提
供する。 【解決手段】 磁性体粒子表面に樹脂を被覆したキャ
リアにおいて、該磁性体粒子が組成式:(FeO)
x(Fe23y[x/y=0.5/1.0〜1.0/
0.7]で示されるマグネタイト成分100重量部に対
して、Pを0.1〜1.0重量部含有するキャリア。
上記のキャリアの製造方法。トナーリサイクル工程
を含む画像形成方法において、上記のキャリアを用い
た2成分現像剤を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体粒子に樹脂
を被覆した静電荷像現像用キャリアとその製造方法、該
磁性体粒子用マグネタイト粒子の製造方法、及び該キャ
リアを用いた現像剤とそれを用いた画像形成方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法等に用いられる2成分現像剤
は、トナーとキャリアとで構成され、キャリアはトナー
に適正な極性でかつ適正な量の摩擦帯電電荷を付与する
目的で使用されるものである。かかるキャリアとして
は、種々の目的から、磁性体粒子の表面に樹脂被覆層を
設けた樹脂被覆キャリアが用いられている。
【0003】さらに、磁性体粒子としては、キャリアと
して必要な磁気特性及び体積固有抵抗を比較的容易に得
られることに加え、被覆用樹脂の持つ再資源化の容易性
と相俟って、環境適合性においても優れたキャリアを得
ることができることから、マグネタイト粒子が好ましく
用いられている。
【0004】かかる樹脂被覆キャリアを製造する技術と
しては、例えばスプレー被覆法、浸漬被覆法、焼結被覆
法等が知られているが、簡単な手段で耐久性の優れたキ
ャリアを製造できることから、乾式被覆法が好ましく行
われている。また、磁性体粒子の表面と樹脂被覆層との
密着性及び樹脂被覆層の機械的耐久性に優れたキャリア
を製造できることから、表面重合被覆法が好ましく行わ
れている。
【0005】ここに、乾式被覆法は、磁性体粒子と被覆
用樹脂微粒子とを混合撹拌して得られた混合物に、例え
ば回転翼型混合撹拌装置によって機械的衝撃力を繰り返
して付与することにより、磁性体粒子の表面に樹脂微粒
子を展延付着させて樹脂被覆層を形成する方法である。
また、表面重合被覆法は、重合用溶媒中で磁性体粒子と
重合用単量体を混合撹拌し、磁性体粒子表面上で被覆用
樹脂を直接重合し、磁性体粒子の表面に樹脂被覆層を形
成する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乾式被
覆法及び表面重合法においては、磁性体粒子に機械的衝
撃力を付与する際に、磁性体粒子同士の衝撃的接触、磁
性体粒子と混合撹拌装置の回転翼部材との衝撃的接触に
よって、磁性体粒子の表面から磁性体構成物が剥離し、
あるいは磁性体粒子自体が破壊され、また、これに伴っ
て微細な不定形磁性体微粉が発生する。従って、上記の
ような乾式被覆法によって得られた樹脂被覆キャリア中
には不定形磁性体微粉が混在していることになる。
【0007】従って、上記のような乾式被覆法及び表面
重合被覆法によって得られた樹脂被覆キャリア中には不
定形磁性体粉が混在していることになる。特に、焼結一
次粒子(グレイン)から構成される造粒フェライト粒子
及び造粒マグネタイト粒子を用いる場合に上記の不定形
磁性体粉が発生しやすい。
【0008】しかし、樹脂被覆キャリア中に混在する不
定形磁性体微粉は、その粒径が数μm〜30μm程度と
相当に小さいため、画像形成装置による現像時におい
て、現像器(現像穂)から感光体表面へ移行しやすい。
【0009】感光体上に移行した不定形磁性体微粉は、
通常、転写工程の終了後に、感光体上の残留トナーとと
もにクリーニング装置によって除去される。しかし、こ
のクリーニング時において、該不定形磁性体微粉が、ク
リーニング装置を構成するクリーニングブレードと感光
体との間隙あるいは併用されるクリーニングガイドロー
ラと感光体との間隙に滞留し、クリーニングブレード及
びクリーニングガイドローラを摩滅させ、更には、感光
体表面に周方向に沿った擦過傷を生じさせる。この結
果、形成される画像には、クリーニング不良による画像
欠陥が発生し、特にハーフトーン部分において筋状の荒
れが発生する。
【0010】また、クリーニング装置によって感光体か
ら除去されたトナーを、トナー補給ホッパー又は現像器
に回収して再利用するトナーリサイクルシステムを搭載
した画像形成装置においては、前記不定形磁性体微粉が
トナーと共に回収され、感光体への擦過が繰り返して行
われるため、前記画像欠陥及び筋状の荒れを特に発生さ
せやすい。
【0011】このような問題に対しては、造粒マグネタ
イト粒子の焼成条件等の製造工程を制御することによ
り、衝撃的接触による磁性体自体の破壊をある程度まで
抑制することができるが十分なものではなく、また、製
造条件を制御しても、磁性体表面からの磁性体構造物の
剥離を抑制することはできない。
【0012】むしろ、焼結一次粒子(グレイン)を過大
に成長させた場合には、磁性体粒子の形状が不均一とな
ったり、磁性体粒子の表面が過度に平滑となりすぎ、適
度な凹部が消失することにより、磁性体粒子と樹脂被覆
層の密着性が失われる問題が生じる。
【0013】また、本発明者らは、不定形磁性体微粉が
混在している樹脂被覆キャリアから、不定形磁性体微粉
のみを除去すべく、篩や風力分級処理による分離操作を
試みた。しかし、該不定形磁性体微粉の粒径が小さく、
かつ、樹脂被覆キャリアに対し静電的に付着しているた
めに分離効率が極めて低く、完全に除去することができ
なかった。
【0014】本発明は、以上のような事情に基づいてな
されたものであって、本発明の第1の目的は、クリーニ
ング部材の摩滅及び感光体表面における擦過傷の原因と
なる不定形磁性体微粉が混在されていない静電像現像用
キャリアを提供することにある。
【0015】本発明の第2の目的は、乾式被覆法を行う
際に付与される機械的衝撃によっても不定形磁性体微粉
を発生させない静電像現像用キャリアの製造方法を提供
することにある。
【0016】本発明の第3の目的は、クリーニング不良
による画像欠陥及びハーフトーン部分において筋状の荒
れを発生させない画像形成方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討を
重ねた結果、(FeO)x(Fe23yxyはモル数
を表す。]で示されるマグネタイト成分に対して、Pを
特定の割合で含有させることにより、耐衝撃性が格段に
優れたマグネタイト粒子が得られることを見いだし、か
かる知見に基づいて本発明を完成した。
【0018】すなわち、上記課題を解決する本発明は下
記(1)ないし(13)である。
【0019】(1)磁性体粒子表面に樹脂を被覆してな
るキャリアにおいて、該磁性体粒子が組成式:(Fe
O)x(Fe23y[ここで、x及びyはモル比であ
り、x/y=0.5/1.0〜1.0/0.7の関係を
満足する]で示されるマグネタイト成分100重量部に
対して、Pを0.1〜1.0重量部含有することを特徴
とする静電荷像現像用キャリア。
【0020】(2)少なくともトナーと磁性体粒子表面
に樹脂を被覆してなるキャリアとからなる現像剤におい
て、該磁性体粒子が組成式:(FeO)x(Fe23y
[ここで、x及びyはモル比であり、x/y=0.5/
1.0〜1.0/0.7の関係を満足する]で示される
マグネタイト成分100重量部に対して、Pを0.1〜
1.0重量部含有することを特徴とする現像剤。
【0021】(3)磁性体粒子と被覆用樹脂微粒子との
混合物に繰り返し機械的衝撃を付与して、該磁性体粒子
の表面に、該被覆用樹脂微粒子による樹脂被覆層を形成
する乾式被覆法により得られるキャリアにおいて、該磁
性体粒子が上記(1)項に記載の磁性体粒子であること
を特徴とする静電荷像現像用キャリア。
【0022】(4)磁性体粒子にオレフィン系樹脂を被
覆してなるキャリアにおいて、該磁性体粒子が上記
(1)項に記載の磁性体粒子であることを特徴とする静
電荷像現像用キャリア。
【0023】(5)磁性体粒子表面上で被覆用樹脂を直
接重合し、該磁性体粒子の表面に樹脂被覆層を形成する
表面重合被覆法により得られるキャリアにおいて、該磁
性体粒子が上記(1)項に記載の磁性体粒子であること
を特徴とする静電荷像現像用キャリア。
【0024】(6)磁性体粒子と被覆用樹脂微粒子との
混合物に繰り返し機械的衝撃力を付与して、該磁性体粒
子の表面に、該被覆用樹脂微粒子による樹脂被覆層を形
成する乾式被覆法によりキャリアを製造する方法におい
て、該磁性体粒子が、組成式:(FeO)x(Fe
23y[ここで、x及びyはモル比であり、x/y=
0.5/1.0〜1.0/0.7の関係を満足する]で
示されるマグネタイト成分100重量部に対して、Pを
0.1〜1.0重量部含有することを特徴とする静電荷
像現像用キャリアの製造方法。
【0025】(7)磁性体粒子表面上で被覆用樹脂を直
接重合し、該磁性体粒子の表面に、樹脂被覆層を形成す
る表面重合被覆法によりキャリアを製造する方法におい
て、該磁性体粒子が組成式:(FeO)x(Fe23y
[ここで、x及びyはモル比であり、x/y=0.5/
1.0〜1.0/0.7の関係を満足する]で示される
マグネタイト成分100重量部に対して、Pを0.1〜
1.0重量部含有することを特徴とする静電荷像現像用
キャリアの製造方法。
【0026】(8)少なくともトナーと磁性体粒子表面
に樹脂被覆層を有するキャリアとからなる2成分現像剤
により、感光体上の静電荷像を現像してトナー像を形成
し、このトナー像を転写材に転写した後、クリーニング
ブレードを備えたクリーニング装置を用いて該感光体上
に残留したトナーを除去し、除去されたトナー(リサイ
クルトナー)を、トナー補給ホッパー又は現像器に回収
して再利用する工程を含む画像形成方法において、該磁
性体粒子が組成式:(FeO)x(Fe23y[ここ
で、x及びyはモル比であり、x/y=0.5/1.0
〜1.0/0.7の関係を満足する]で示されるマグネ
タイト成分100重量部に対して、Pを0.1〜1.0
重量部含有することを特徴とする画像形成方法。
【0027】(9)少なくともトナーと磁性体粒子表面
に樹脂被覆層を有するキャリアとからなる2成分現像剤
により、感光体上の静電荷像を現像してトナー像を形成
し、このトナー像を転写材に転写した後、クリーニング
ブレードを備えたクリーニング装置を用いて該感光体上
に残留したトナーを除去し、除去されたトナー(リサイ
クルトナー)を、トナー補給ホッパー又は現像器に回収
して再利用する工程を含む画像形成方法において、該キ
ャリアが磁性体粒子の表面に、被覆用樹脂微粒子による
樹脂被覆層を形成する乾式被覆法により得られるキャリ
アであり、かつ該磁性体粒子が上記(8)項に記載の磁
性体粒子であることを特徴とする画像形成方法。
【0028】(10)少なくともトナーと磁性体粒子表
面に樹脂被覆層を有するキャリアとからなる2成分現像
剤により、感光体上の静電荷像を現像してトナー像を形
成し、このトナー像を転写材に転写した後、クリーニン
グブレードを備えたクリーニング装置を用いて該感光体
上に残留したトナーを除去し、除去されたトナーを、ト
ナー補給ホッパー又は現像器に回収して再利用する工程
を含む画像形成方法において、該キャリアが磁性体粒子
表面上で被覆用樹脂を直接重合し、該磁性体粒子の表面
に、樹脂被覆層を形成する表面重合被覆法により得られ
るキャリアであり、かつ該磁性体粒子が上記(8)項に
記載の磁性体粒子であることを特徴とする画像形成方
法。
【0029】(11)少なくとも焼結一次粒子(グレイ
ン)から構成される磁性体粒子表面に樹脂を被覆してな
るキャリアにおいて、該磁性体粒子が、組成式:(Fe
O)x(Fe23y[ここで、x及びyはモル比であ
り、x/y=0.5/1.0〜1.0/0.7の関係を
満足する]で示されるマグネタイト成分100重量部に
対して、Pを0.1〜1.0重量部含有することを特徴
とする静電荷像現像用キャリア。
【0030】(12)下記(a)又は(b)で得られた
Pを含むスラリーを噴霧造粒乾燥し、次いで不活性ガス
雰囲気下で1000〜1200℃の温度で焼成したあと
解砕し、得られた粒子を分級したあと、必要に応じて酸
素含有ガス雰囲気下で200〜400℃の温度に加熱処
理することにより体積固有抵抗値を調整する焼結一次粒
子の平均粒径が磁性体粒子の平均粒径の1/100〜1
/10であることを特徴とするマグネタイト粒子の製造
方法。
【0031】(a)ヘマタイト(Fe23)を還元雰囲
気下で400〜600℃の温度に加熱して、(FeO)
x(Fe23y[ここで、x及びyはモル比であり、x
/y=0.5/1.0〜1.0/0.7の関係を満足す
る]となるように部分還元し、得られたマグネタイト成
分及びこのマグネタイト成分100重量部に対して0.
1〜1.0重量部のPとを液中に分散してスラリーとす
る。
【0032】(b)ヘマタイト(Fe23)を還元雰囲
気下で400〜600℃の温度に加熱して、(FeO)
x(Fe23y[ここで、x及びyはモル比であり、x
/y=0.5/1.0〜1.0/0.7の関係を満足す
る]となるように部分還元し、得られたマグネタイト成
分液中に分散してスラリーとした後、このスラリーに前
記マグネタイト成分100重量部に対して0.1〜1.
0重量部のPを添加する。
【0033】(13)少なくともトナーと磁性体粒子表
面に樹脂を被覆してなるキャリアとからなる現像剤を内
部に固定された磁石を有する現像剤搬送担体に搬送し磁
気ブラシを形成し、静電潜像支持体上に形成された静電
潜像を現像する画像形成方法において、該磁性体粒子が
組成式:(FeO)x(Fe23y[ここで、x及びy
はモル比であり、x/y=0.5/1.0〜1.0/
0.7の関係を満足する]で示されるマグネタイト成分
100重量部に対して、Pを0.1〜1.0重量部含有
することを特徴とする画像形成方法。
【0034】本発明の静電荷像現像用キャリアを構成す
る磁性体粒子は、(FeO)x(Fe23y[x及びy
はモル数を表す。]で示されるマグネタイト成分に対
し、特定の割合でPを含有する磁性体粒子であり、後述
する実施例からも明かなように耐衝撃性に優れた磁性体
粒子である。従って、乾式被覆法及び表面重合被覆法を
行う際に付与される機械的衝撃力によっても、磁性体粒
子構成物の剥離や磁性体粒子自体の破壊が生じることが
なく、これに伴って不定形磁性体微粉が発生し混在する
こともない。更に、クリーニング部材の摩滅及び感光体
表面の擦過傷の原因となる不定形磁性体微粉が樹脂被覆
キャリア中に混在していないので、形成される画像にお
いて、画像欠陥や筋状の荒れ等の画像不良が防止され
る。
【0035】以下、本発明を具体的に説明する。
【0036】本発明の静電荷像現像用キャリアは、磁性
体粒子の表面に樹脂被覆層が形成された樹脂被覆キャリ
アであり、当該キャリアを構成する磁性体粒子が、マグ
ネタイト成分に対し、特定の割合でPを含有するキャリ
アである。該マグネタイト成分は、組成式:(FeO)
x(Fe23y[x及びyは各々モル数を表す。]で示
され、上記組成式において、モル比(x/y)は0.5
/1.0〜1.0/0.7である。
【0037】該マグネタイト成分が組成的に(FeO)
X(Fe23yでx/y=0.5/1.0〜1.0/
0.7(モル比)の範囲にある場合には、得られたマグ
ネタイト粒子の組成が完全に均一となるが、この範囲外
では、組成が不均一となりやすい問題がある。特に、
0.5/1.0未満の場合は、磁気特性の不均一化によ
るキャリア付着の問題を発生し、1.0/0.7を越え
る場合は、形状の不均一化が発生し、磁性体粒子の表面
に適度な凹部が存在せず、磁性体粒子と被覆樹脂層の密
着性が不十分となり、膜剥がれを十分に防止することが
できない問題がある。
【0038】そして、本発明のキャリアにおいて、樹脂
が被覆された磁性体粒子は、上記マグネタイト成分の1
00重量部に対して、0.1〜1.0重量部の割合でP
を含有する。Pがこの割合で含有された磁性体粒子は、
その耐衝撃性が格段に向上し、乾式被覆法又は表面重合
被覆法による樹脂被覆を行う際に受ける機械的衝撃力に
対して磁性体粒子自体の破壊や表面剥離などが生じな
い。上記マグネタイト成分の100重量部に対してPの
含有量が0.1重量部未満では、磁性体粒子の耐衝撃性
が十分なものとならず、乾式被覆後又は表面重合被覆後
において、不定形磁性体微粒子が発生し混在する。一
方、上記マグネタイト成分の100重量部に対してPが
1.0重量部を超える割合で含有されていても、含有量
に見合う耐衝撃性の向上効果が発揮されない。Pが1.
0重量部を越える割合で含有されていても、含有量に見
合う耐衝撃性の向上効果が発揮されない。また、Pが
1.0重量部を越える割合で含有されると、部分的に過
剰な焼成が行われ、焼結一次粒子(グレイン)の平均粒
径が磁性体粒子自身の平均粒子径に対して過大となり、
磁性体粒子の表面に適度な凹部が存在せず、磁性体粒子
と被覆樹脂層の密着性が不十分となり、膜剥がれを十分
に防止することができない問題がある。
【0039】Pを磁性体粒子中に前期含有率の範囲に含
有させる手段としては、例えばマグネタイト成分、バイ
ンダー、分散剤及び分散媒(例えば水)を混合した焼成
する前のスラリー状混合物にP単体の形で添加する方法
を用いることができる。この方法において、Pは赤燐を
用いることが特に好ましい。Pを酸化物、水酸化物又は
塩の形で添加すると、上記スラリー状混合物の粘度が不
均一となり易く、該スラリーを噴霧造粒乾燥する際に、
得られる造粒マグネタイト粒子の形状、粒径、比重が不
均一となり、所望の特性を得ることが難しい。
【0040】本発明は、乾式被覆法又は表面重合被覆法
による樹脂被覆キャリアに有利に適用される。ここに、
「乾式被覆法」とは、被覆液を使用せずに、被覆用樹脂
粒子と磁性体粒子とを混合撹拌してこれに機械的衝撃力
を繰り返して付与することにより磁性体粒子の表面に被
覆樹脂の膜を形成していく方法であり、磁性体粒子の表
面に樹脂微粒子が付着して展延されるため、剥離されに
くく、耐久性に優れた樹脂被覆キャリアを得ることがで
きる。この被覆法による被覆用樹脂としては特に限定さ
れるものではなく従来公知の樹脂を使用することがで
き、例えばスチレン−アクリル系共重合体樹脂、フッ素
系樹脂、シリコーン系樹脂等を用いることができる。ま
た、磁性体粒子と被覆用樹脂微粒子との混合重量比は、
磁性体の比重等によっても異なり一概には限定すること
がきないが、例えば100:1〜100:10程度が好
ましい。
【0041】また、「表面重合被覆法」とは、磁性体粒
子表面上で被覆用樹脂を直接重合し、磁性体粒子の表面
に樹脂被覆層を形成する方法であり、例えば、磁性体粒
子の表面にチーグラー触媒などの高活性触媒を担持、固
定化し、その表面からオレフィンモノマーを重合成長さ
せポリオレフィン樹脂被覆層を形成する方法である。こ
の被覆法は、磁性体粒子に熱的にポリオレフィン樹脂を
溶融固定化する方法等の従来の樹脂被覆法に比べて磁性
体粒子と樹脂との接着界面を緻密にすることができると
同時に、被覆樹脂自体の分子量を大きくすることができ
るために耐衝撃性に優れた樹脂被覆キャリアを得ること
ができる。
【0042】上記の乾式被覆法又は表面重合被覆法によ
る樹脂被覆キャリアでは、磁性体粒子の表面に適度に凹
凸を有していることが好ましい。乾式被覆法では被覆用
樹脂微粒子を、表面重合被覆法では重合を行う際に用い
る高活性触媒を、磁性体粒子の凸部だけでなく凹部にも
担持・固定化させることにより、磁性体粒子と被覆樹脂
層の接着面積を大きくすることに加え、磁性体粒子の凹
部の深い位置まで密に被覆樹脂が存在する状態を作り出
すことができ、膜剥がれを高いレベルで防止することが
できるのである。
【0043】上記表面を有する磁性体粒子として、焼結
一次粒子(以下「グレイン」ともいう)から構成され、
該焼結一次粒子の平均粒径が該磁性体粒子の平均粒径の
1/100〜1/10であるマグネタイト粒子が好まし
く、さらには1/75〜1/20の範囲にあるものが好
ましい。
【0044】焼結一次粒子の平均粒径が磁性体粒子自身
の平均粒径の1/100未満の場合は、磁性体粒子の耐
衝撃性が不足するため、乾式被覆法及び表面重合被覆法
を行う際に付与される機械的衝撃力によっても磁性体構
成物の剥離や磁性体粒子自体の破壊が生じる。一方、焼
結一次粒子の平均粒径が磁性体粒子自身の平均粒径の1
/10を越える場合は、磁性体粒子の表面に適度な凹部
が存在せず、磁性体粒子と樹脂被覆層の密着性が不十分
となり、膜剥がれを十分に防止することができない。
【0045】磁性体粒子及び焼結一次粒子の平均粒径
は、磁性体粒子を撮影したSEM写真から容易に求める
ことができる。本発明において、上記平均粒径は、10
0個の磁性体粒子および100個のグレインの計測値か
ら、それぞれの平均値を求めた値であり、SEM観察に
より得られる写真を用いて、グレインの面積から画像解
析装置を使用し、円相当面積径として求めた値である。
【0046】本発明において、磁性体粒子は、実質的に
球形のマグネタイト粒子であることが好ましい。ここ
で、実質的に球形とは、コア粒子の短径/長径比が0.
7〜1.0であることであり、電子顕微鏡写真によりコ
ア粒子100個の短径/長径比を求め、平均値を算出す
ることにより容易に求めることができる。短径/長径比
が0.7未満の場合は、乾式被覆後あるいは表面重合被
覆後において、不定形磁性体微粒子が発生しやすくな
る。さらに、磁性体粒子としてマグネタイト粒子を用い
れば、被覆樹脂の持つ再資源化の容易性と相まって、環
境適合性においても優れたキャリアを得ることができる
のである。
【0047】本発明において、磁性体粒子の平均粒径
は、好ましくは30〜150μm、さらに好ましくは4
0〜100μmである。磁性体粒子の平均粒径が30μ
m未満であるとキャリア付着が発生しやすく実用上に問
題があり、該平均粒径が150μmよりも大きいと表面
重合被覆時に反応槽内で均一な撹拌ができず被覆膜を均
一に形成することが困難である。
【0048】本発明において、磁性体粒子の体積固有抵
抗は、1×104〜1×1010Ω・cmの範囲が好まし
く、1×105〜1×108Ω・cmの範囲がさらに好ま
しい。上記体積固有抵抗は、磁性体粒子1.0gを、上
下に断面積1.0cm2の電極を配した絶縁性円筒容器に
充填し、500gの荷重下で試料高さを求めた後、DC
100Vの電場を印加して絶縁抵抗値を測定し、得られ
た試料高さ及び絶縁抵抗値から以下の式により体積固有
抵抗を算出した値である。
【0049】 体積固有抵抗[Ω・cm]=R・(S/t) R:絶縁抵抗計の読み値(Ω) 絶縁抵抗計の印加電圧(100V) S:試料層の断面積(1cm2) t:試料層の厚さ(cm) 本発明において、磁性体粒子の飽和磁化(σs)が50
〜90emu/g、1000Oeの外部磁場中における
磁化(σ1000)が40〜70emu/gであることが好
ましい。
【0050】本発明のキャリアの磁性体粒子は、原料と
なるヘマタイト(α−Fe23)を数μm以下にまで粉
砕した後、例えば水素/水蒸気などの還元雰囲気下にて
400〜600℃の温度に数時間にわたり加熱して、
(FeO)x(Fe23y[x及びyはモル数を表
す。]のモル比としては、おおよそx/y=0.5/
1.0〜1.0/0.7の範囲となるように部分還元し
て、得られたマグネタイト組成物を、例えば分散剤を添
加した水などの液中に混合してスラリーとし、このスラ
リーをスプレードライヤーにて噴霧・造粒・乾燥した
後、次いで、例えば窒素雰囲気下などの不活性雰囲気下
で、1000〜1200℃の温度で2〜6時間にわたり
焼成したあと、解砕・分級の工程を経てマグネタイト粒
子を製造する工程における原料の粉砕時あるいはスラリ
ー調製時に、ヘマタイト(α−Fe23)100重量部
あるいは(FeO)x(Fe23yで示されるマグネタ
イト成分100重量部に対し、リン0.01〜1.0重
量部を添加することによって本発明の磁性体粒子として
好ましく用いられるマグネタイト粒子を得ることができ
る。
【0051】リンを添加するとグレイン同志の結合力が
向上すると同時に、リンを添加しない場合よりも、焼成
温度を低くすることができるために、グレインの過成長
を抑制し、乾式被覆法及び表面重合被覆法に好適な表面
状態が得られる。すなわち、グレインの平均粒径を磁性
体粒子の平均粒径の1/100〜1/10の範囲に容易
に制御できる。磁性体粒子を構成するグレインの粒径
は、原料の粉砕粒径、焼結温度と時間、原料を水と混合
してスラリー化するときの原料濃度やスプレードライ条
件により制御することができる。
【0052】リンとしては赤リンを用いるのが好まし
い。ここでいう赤リンとは紫リン、黒リン、紅リン及び
それらとの固溶体を包含する。
【0053】本発明のキャリアの樹脂被覆層には樹脂微
粒子、荷電制御剤、抵抗調整剤などの添加剤を含有させ
ることができる。これらの添加剤は、樹脂被覆において
樹脂微粒子の固着あるいは重合反応を阻害しないことが
必要であるが、乾式被覆法の場合は同時に添加するかあ
るいは別途に固着する工程を設ける方法などで被覆層中
に取り込ませることができ、表面重合被覆法では反応槽
内に微粒子の状態で存在させて、重合時にキャリア被覆
層中に取り込ませるなどの方法で、最終的には被覆層中
に添加剤を分散させたキャリアを得ることができる。
【0054】上記樹脂微粒子としては、公知の材料から
なる微粒子を使用するとこができる。例えば、スチレン
系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン/アクリル共重合樹
脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、カーボネート系
樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系
樹脂、アセタール系樹脂、ケトン系樹脂、フェノール系
樹脂、メラミン系樹脂、アミド系樹脂、ビニル系樹脂な
どからなる微粒子を使用することができる。
【0055】また、樹脂微粒子の形状としては、真球
状、球状、板状、不定形状、針状等、いずれの形状をと
っていてもよい。これらのうち、特に好ましくは、固定
化をより均一に行えるという点で、真球状又は球状の樹
脂微粒子を使用するのがよい。
【0056】さらに、樹脂微粒子の粒径としては、その
平均一次粒径が、キャリアの重量平均粒径に対し0.0
001〜0.01の比率の範囲であることが好ましい。
なお、使用したい樹脂微粒子の粒径が過剰の場合は、粉
砕、分級などにより粒径を適正な値へ調節することによ
り、使用することができる。
【0057】さらに、樹脂微粒子の熱物性としては、そ
の融点がキャリア被覆樹脂の融点よりも高い材料を選択
することが好ましい。樹脂の融点は、例えばDSC法に
よって吸熱ピークを測定することにより求めることがで
きる。
【0058】さらに好ましくは、分子構造が架橋構造を
持つ樹脂微粒子を使用するのが良い。具体的には、シリ
コーン樹脂、架橋型アクリル樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂等、分子鎖が網目状に結合している樹脂が好
ましく使用できる。
【0059】架橋型樹脂微粒子は、微粒子自体の変形が
生じにくいために、キャリア表面への樹脂微粒子の固定
化を十分な深さを持って確実に行うことができる。
【0060】樹脂微粒子の添加量としては、使用する樹
脂微粒子の粒径、比重によっても多少異なるが、キャリ
ア全体の重量に対して0.01〜10.0重量%の範囲
にあることが好ましい。
【0061】荷電制御剤としては、例えば、シリカ、チ
タニア、アルミナ、酸化錫、炭化珪素、硫酸バリウム、
硫酸マグネシウムなどを用いることができる。
【0062】抵抗調節剤としては、例えば、カーボンブ
ラック、アセチレンブラック、マグネタイト微粒子、フ
ェライト微粒子、また、アルミニウム、銅、ニッケル、
鉄などの金属微粒子などを用いることができる。
【0063】表面重合被覆法では、磁性体粒子に対する
ポリオレフィン樹脂の好ましい被覆量は2.0〜12.0
wt%、より好ましくは3.0〜8.0wt%であり、こ
の範囲の被覆量のキャリアが良好な結果を与える。樹脂
被覆量が2.0wt%未満の場合は、磁性体粒子表面が
露出しやすく、被覆樹脂層の衝撃力吸収の効果がでない
ために、表面重合被覆後に不定形粒子が発生する場合が
ある。また、樹脂被覆量が12.0wt%を超える場合
は、キャリアの流動性が悪化し、画像品質が低下する場
合がある。
【0064】なお、ポリオレフィン樹脂被覆により、キ
ャリア粒径は、磁性体粒子径にもよるが、磁性体粒子径
よりもおおよそ0.5〜20μmの範囲で大きくなる。
キャリア粒径は、磁性体粒子と同様に、電子顕微鏡写真
より求めることができる。表面重合被覆法で磁性体粒子
にポリオレフィン樹脂を被覆する手段については特開昭
60−106808号公報の記載を参照することができ
る。その概略は、チタン及び/又はジルコニウムを含
有すると共に、炭化水素溶媒に可溶な高活性触媒成分、
キャリアコア粒子、有機アルミニウム化合物を用
い、該コア粒子表面上にてポリオレフィン樹脂を重合成
長させ、樹脂被覆層を形成するものである。ここで、ポ
リオレフィン樹脂とは、オレフィンモノマーの重合物、
具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエ
ン等のオレフィンモノマーを1種又は2種以上用いる重
合物を意味する。
【0065】本発明のキャリアは、トナーとキャリアと
からなる2成分現像剤により、感光体上の静電像を現像
してトナー像を形成し、このトナー像を転写材に転写し
た後、ブレードを備えたクリーニング装置又はブレード
とガイドローラとを兼ねたクリーニング装置を用いて感
光体上に残留したトナーを除去し、除去されたトナー
を、トナー補給ホッパー又は現像器に回収して再利用す
る工程を含む画像形成方法に好適に用いることができ
る。
【0066】本発明のキャリアと組み合わせられるトナ
ーは限定されず公知のトナーを使用することができる。
具体的には、結着樹脂、着色剤を主構成物とし、必要に
応じて離型剤、荷電制御剤、磁性体、流動化剤などを添
加したトナーを使用することができ、トナーの製造方法
も公知の方法を適用することできる。
【0067】トナーの平均粒径としては、好ましくは、
キャリアの平均粒径に対して1/30〜1/2の範囲の
もの、さらに好ましくは1/20〜1/5の範囲のもの
を使用すると良好な結果を与える。トナーの平均粒径の
計測はコア粒子やキャリアの場合と同様に、電子顕微鏡
写真により計測することができる。キャリアに対するト
ナーの平均粒径が1/30未満の場合は、キャリアがト
ナーに比べ大きすぎ、現像器内の現像剤の撹拌、混合の
際に、キャリアによりトナーが圧縮変形し、キャリア表
面へ融着しやすくなるため、長期使用する場合に、帯電
付与能力の低下がみられ、かぶりや画像荒れの原因とな
る。また、キャリアに対するトナーの平均粒径が1/2
を超える場合は、現像器内の現像剤の撹拌、混合によっ
てもキャリアがトナーに十分な帯電量を付与できず、ト
ナー帯電量が不安定となり、かぶりやトナー飛散の原因
となる。
【0068】本発明のキャリアを2成分現像剤として使
用するためには、キャリアとトナーを混合して使用する
必要がある。キャリアとトナーの混合比率は、キャリア
やトナーの比重や粒径によって多少変更する必要がある
が、多くの場合、キャリアに対して、トナーは2.0〜
10.0wt%の範囲に設定するのが好ましい。トナー
の混合比率が2.0wt%未満の場合は現像領域に搬送
されるトナー量が不十分となり、出力画像濃度が不足す
る。また、トナー混合比率が10.0wt%を超える場
合は、キャリアに対しトナーの量が過剰となり、トナー
が十分にキャリアと接触できず、トナー帯電量が不安定
となり、かぶりやトナー飛散の原因となる。
【0069】キャリアとトナーの混合方法は公知の方法
を使用できるが、その場合、現像剤に加わるストレスが
小さいもののほうが好ましい。具体的にはヘンシェルミ
キサーなどの撹拌型よりもV型混合機、Wコーン混合
機、ロッキングミキサーなどの自転型の混合機のほうが
良好な結果が得られる。
【0070】本発明のキャリアを使用した現像剤に適用
する現像器には、現像剤の撹拌混合部と、現像剤を現像
領域へ搬送する現像剤搬送部、トナー補給部から構成さ
れるものを使用できる。現像剤の撹拌混合部の構成とし
ては、公知の現像器に用いられている撹拌混合方式を用
いることができる。現像剤の搬送部の構成としては、固
定された磁気ロールを内包し、その磁気力を利用して外
周の非磁性スリーブが回転することにより現像剤を現像
領域へ搬送する構成のものを使用できる。
【0071】現像剤搬送部の非磁性スリーブの材質とし
てはアルミニウム、ステンレスなどが使用可能である。
また、現像剤を現像領域へ安定して搬送するためには非
磁性スリーブ表面に溶射処理、サンドブラスト処理など
の粗面化処理を加えたものを使用することが有効であ
る。また、現像剤搬送部の内部に固定された磁気ロール
は、現像剤の搬送、現像を目的とした複数の磁極により
構成されたものを適用することができる。現像のために
作用する磁極は1個もしくは複数で構成され、その磁束
密度は600〜1400Gauss、好ましくは700
〜1200Gaussのものを用いると良好な結果を得
られる。さらに、現像のための磁極の位置は、現像スリ
ーブと感光体が最接近する位置を中心とし、現像スリー
ブの回転軸に対し−5°〜+20°の範囲が適切である
が、好ましくは0°〜+15°の範囲に設定するとより
良好な結果を得られる。搬送のために作用する磁極に
は、磁束密度が400〜800Gaussのものを用い
るのが好ましい。また、搬送のための磁極の総数は少な
くとも3個、好ましくは4〜10個で構成されると、現
像剤の搬送性が非常に安定する。
【0072】本発明において使用される感光体上に残留
したトナーをクリーニング機構に関しては特に限定され
ず、ブレードクリーニング方式、磁気ブラシクリーニン
グ方式、ファーブラシクリーニング方式などの公知のク
リーニング機構を使用することができる。これらクリー
ニング機構として、好適なものはいわゆるブレードを用
いたブレードクリーニング方式である。この種の機構と
しては、例えば、特開平6−110253号公報の段落
番号0047及び0050に記載されたような機構が挙
げられ、また、リサイクル機構としては、例えば特開平
5−281782号公報の段落番号0040〜0041
に記載されたような機構が挙げられる。
【0073】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示す。ただし、本
発明は以下に示す実施態様に限定されるものではない。
【0074】<磁性体粒子の製造例>ヘマタイト(α−
Fe23)100重量部に対して赤リン0.2重量部を
添加し混合したものを粉砕処理した後、水素/水蒸気雰
囲気下にて、500〜600℃の温度で3〜5時間にわ
たり加熱し、(FeO)x(Fe23yxyはモル数
を表す。]のモル比が、おおよそx/y=0.5/1.
0〜1.0/0.7の範囲となるように加熱処理した。
得られたマグネタイト組成微粉体を水に混合しスラリー
とし、必要に応じて分散剤、結合剤を適量添加した後、
媒体分散機を用いてスラリーを均一化し、このスラリー
を回転ディスク型アトマイザーを用いてスプレードライ
ヤーにて噴霧造粒乾燥した。得られた造粒マグネタト粒
子を高温焼成炉に挿入し、窒素雰囲気下で1000〜1
200℃の温度で2〜4時間にわたり焼成した。得られ
た焼成物を解砕し、振動篩いで整粒した後、所望の粒径
成分を採取した。必要に応じて、空気中で200〜40
0℃の温度で加熱処理して球形マグネタイト粒子である
本発明の磁性体粒子(No.1〜5)を得た。
【0075】また、赤リンを添加しない以外は上記方法
と同様にして球形マグネタイト粒子である比較用の磁性
体粒子(No.10〜12)を得た。
【0076】次に、ヘマタイト(α−Fe23)を粉砕
処理した後、水素/水蒸気雰囲気下にて、500〜60
0℃の温度で3〜5時間にわたり加熱し、(FeO)x
(Fe23y[x及びyはモル数を表す。]のモル比
が、おおよそx/y=1.0/1.0となるように加熱
処理した。得られたマグネタイト組成微粉体と該マグネ
タイト組成物100重量部に対して0.1〜1.0重量
部の範囲となる赤リンとを水に混合してスラリーとし、
必要に応じて分散剤、結合剤を適量添加した後、媒体分
散機を用いてスラリーを均一化し、このスラリーを回転
ディスク型アトマイザーを用いて、スプレードライヤー
にて噴霧造粒乾燥した。得られた造粒マグネタト粒子を
高温焼成炉に挿入し、窒素雰囲気下で1000〜120
0℃の温度で2〜4時間にわたり焼成した。得られた焼
成物を解砕し、振動篩いで整粒した後、所望の粒径成分
を採取した。必要に応じて、空気中で200〜400℃
の温度で加熱処理して、球形マグネタイト粒子である本
発明の磁性体粒子(No.6〜9)を得た。
【0077】また、赤リンを添加しない以外は上記方法
と同様にして球形マグネタイト粒子である比較用の磁性
体粒子(No.13)を得た。
【0078】上記のようにして製造された磁性体粒子
(No.1〜13)について、それぞれ、破砕量、磁性
体粒子とグレインの平均粒径比、体積固有抵抗値(静抵
抗値)、及び飽和磁化(σs)について測定をおこなっ
た。結果を併せて表1に示す。
【0079】これらの測定方法は以下のとおりである。
【0080】(1)破砕量 20μm以下の粒子を「ソニックシフター」(セイシン
企業社製)を用いて除去した後、各々のマグネタイト粒
子に粉砕器「CM−603」(HITACHI社製)に
よって、1分間にわたり機械的衝撃力を付与した後、発
生した20μm以下の粒子の重量割合を測定した。
【0081】(2)磁性体粒子とグレインの平均粒径比 磁性体粒子およびグレインの平均粒径は、磁性体粒子を
撮影したSEM写真から画像解析装置を用いて算出し
た。グレイン/磁性体粒子の比で示した。平均粒径は1
00個の磁性体粒子およびグレインの計測値から、それ
ぞれの平均値として求めた。
【0082】(3)体積固有抵抗値(静抵抗値) 図1に示す様な装置を用いて、各マグネタイト粒子の静
抵抗値を測定した。同図において、Mはマグネタイト粒
子層(試料層)、1は絶縁性のパイプ、2はSUS製の
重り、3はSUS製の底板、4は絶縁抵抗計を示す。絶
縁抵抗計の読み値R(Ω)、試料層の断面積S(c
2)及び試料層高さh(cm)から下記の式によって
静抵抗値を求めた。絶縁抵抗計の電圧は100Vに設定
した。
【0083】(式)静抵抗値(Ω−cm)=R×S/h (4)飽和磁化(σs) 飽和磁化直流磁化特性自動記録装置「Type3257
−36」(横河北辰電機社製)、電磁石形磁化器「Ty
pe3261−15」(同社製)およびピックアップコ
イル「Type3256−20」(同社製)を用いて測
定されたヒステリシスループから飽和磁化(σs)を求
めた。
【0084】
【表1】
【0085】(1)樹脂被覆キャリアの製造 実施例1(乾式被覆法) 上記のようにして製造された磁性体粒子No.7:10
0重量部と被覆用樹脂微粒子:2重量部とを、高速撹拌
型混合器に投入し、被覆用樹脂微粒子のTgを超えない
材料温度で、撹拌翼の周速を8m/sとなる条件で10
分間にわたり撹拌混合し、マグネタイト粒子の表面に樹
脂微粒子が均一に付着した混合物を得た。次いで、周速
を8〜10m/sに維持しながら、材料温度を90℃ま
で上げて30分間にわたり撹拌して繰り返し機械的衝撃
力を付与することにより、磁性体粒子の表面に被覆用樹
脂による樹脂被覆層が形成しされた本発明のキャリアA
を製造した。
【0086】ここで上記被覆用樹脂微粒子は、下記構造
式で示されるモノマーとメタクリル酸メチルとの共重合
体の一次粒子(100nm)からなる多孔性の二次粒子
(Tg=74℃、体積平均粒子径=2.5μm、BET
比表面積=65m2/g)である。
【0087】実施例2(表面重合被覆法) 上記の様に製造されたマ磁性体粒子No.4の表面を、
表面重合被覆法によりポリエチレン樹脂で被覆し本発明
のキャリアBを製造した。このキャリアの被覆率を熱天
秤により測定したところ、4.5wt%であった。
【0088】比較例1(乾式被覆法) 上記と同様にして磁性体粒子No.12を用いて、比較
用キャリアaを製造した。
【0089】比較例2(表面重合被覆法) 上記と同様にして磁性体粒子No.12を用いて、比較
用キャリアbを製造した。
【0090】(2)正帯電性トナーの製造 スチレン/アクリル樹脂100重量部に対し、離型剤と
して低分子量ポリプロピレン(ビスコール660P:三
洋化成社製)2重量部、着色剤としてカーボンブラック
(ブラックパールL:キャボット社製)12重量部を混
合し、2軸混練機にて溶融混練を行なった。
【0091】その後冷却、粗砕工程を経て、微粉砕、風
力分級を行い、平均粒径が7.5μmの着色粒子を得
た。さらにその後、流動化剤として、着色粒子に対して
疎水性シリカ微粒子(HDK−H2050EP:ワッカ
ーケミカル社製)を1.0重量部外添混合し、本発明の
実施例に用いる正帯電性トナーを得た。
【0092】(3)正帯電性現像剤の調製と性能評価1 上記(1)で得られたキャリアA700gと上記(2)
で得られたトナー35gをV型混合器に投入し、20分
間混合して2成分現像剤を得た。キャリアaについても
同様にして現像剤を調製した。
【0093】また、上記(1)で得られたキャリアB5
00gと上記(2)で得られたトナー26gをV型混合
器に投入し、20分間混合して2成分現像剤を得た。キ
ャリアbについても同様にして現像剤を調製した。
【0094】これらの現像剤を市販の複写機Konic
aU−Bix4155(Konica製)にトナーリサ
イクル機構を装備した改造複写機に搭載し、連続10万
枚の実写評価を行った。現像剤の性能評価方法は下記の
とおりである。
【0095】現像剤の性能評価方法 (画像濃度)原稿濃度1.30のベタ画像を複写し、そ
の出力画像の白紙に対する相対反射濃度を測定した。な
お、濃度測定にはマクベス濃度計(マクベス社製)を使
用し、画像濃度1.30以上は良好であると判断した。
また、評価は複写1枚目と終了時の2度行った。
【0096】(かぶり濃度)複写終了後、白紙原稿を複
写し、その出力画像の白紙に対する相対反射濃度を測定
した。なお、濃度測定にはマクベス濃度計を使用し、画
像濃度0.005以下は良好であると判断した。
【0097】(キャリア付着)複写終了後、A3サイズ
の白紙原稿を複写し、出力画像の観察を行った。その出
力画像上を拡大鏡を使用して目視により評価し、キャリ
ア付着の有無を判断した。
【0098】(樹脂被覆層の剥離)複写終了後、現像器
内からキャリアをサンプリングし、SEMにより任意の
100個のキャリアについて表面観察を行った。キャリ
ア表面に樹脂被覆層の破損や剥離が観察されたキャリア
粒子の個数により評価を行い、異常の見られるキャリア
粒子の個数が100個あたり5個以下のものは良好と判
断した。
【0099】(感光体擦過傷)1万枚毎に感光体表面を
目視により傷発生の有無を判断した。
【0100】(ハーフトーン荒れ)1万枚毎にハーフト
ーン画像を複写して、画像荒れの有無を判断した。
【0101】以上の結果、本発明の現像剤は、実写終了
後もキャリア表面の樹脂被覆層の剥がれはまったく見ら
れず、高品質な出力画像を終始得ることができた。ま
た、実施例1及び2においては、感光体表面の擦過傷の
発生がなく、ハーフトーン荒れを発生しなかった。ま
た、クリーニングブレードの損傷がなく、すり抜けによ
るクリーニング不良を発生しなかった。これに対し、比
較例1においては、2万枚複写で感光体表面に擦過傷の
発生が認められ、4万枚複写ではハーフトーン荒れが発
生した。同様に、比較例2においては、1万枚複写で感
光体表面に擦過傷の発生が認められ、2万枚複写ではハ
ーフトーン荒れが発生した。詳細な結果を表2に示す。
【0102】
【表2】
【0103】表2中の○及び×の意味は下記のとおりで
ある。
【0104】かぶり濃度:○は画像濃度が0.005以
下、×は画像濃度が0.005より大であることを示
す。
【0105】感光体擦過傷:○は擦過傷なし、×は擦過
傷ありを示す。
【0106】ハーフトーン荒れ:○はハーフトーン荒れ
があること、×はハーフトーン荒れがないことを示す。
【0107】樹脂被覆層の剥離:○は異常の見られるキ
ャリア粒子の個数が100個あたり5個以下であるこ
と、×は5個より多いことを示す。
【0108】
【発明の効果】被覆キャリアの被覆層剥がれを防止する
ことができ、その結果キャリア付着や、画像背景部への
かぶりがなく、濃度が高く均質で、かつ高い解像度をも
つ出力画像を長期に渡って安定して得ることができる。
また、本発明は、接触2成分現像方式の高速複写機、非
接触2成分現像方式の複写機やプリンタにも適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例においてマグネタイト粒子の体
積固有抵抗値の測定に用いた装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 絶縁性のパイプ 2 SUS製の重り 3 SUS製の底板 4 絶縁抵抗計 M マグネタイト粒子層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 美知昭 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体粒子表面に樹脂を被覆してなるキ
    ャリアにおいて、該磁性体粒子が組成式:(FeO)x
    (Fe23y[ここで、x及びyはモル比であり、x
    /y=0.5/1.0〜1.0/0.7の関係を満足す
    る]で示されるマグネタイト成分100重量部に対し
    て、Pを0.1〜1.0重量部含有することを特徴とす
    る静電荷像現像用キャリア。
  2. 【請求項2】 少なくともトナーと磁性体粒子表面に樹
    脂を被覆してなるキャリアとからなる現像剤において、
    該磁性体粒子が組成式:(FeO)x(Fe23y[こ
    こで、x及びyはモル比であり、x/y=0.5/1.
    0〜1.0/0.7の関係を満足する]で示されるマグ
    ネタイト成分100重量部に対して、Pを0.1〜1.
    0重量部含有することを特徴とする静電荷像現像用現像
    剤。
  3. 【請求項3】 磁性体粒子と被覆用樹脂微粒子との混合
    物に繰り返し機械的衝撃を付与して、該磁性体粒子の表
    面に、該被覆用樹脂微粒子による樹脂被覆層を形成する
    乾式被覆法により得られるキャリアにおいて、該磁性体
    粒子が請求項1記載の磁性体粒子であることを特徴とす
    る静電荷像現像用キャリア。
  4. 【請求項4】 磁性体粒子にオレフィン系樹脂を被覆し
    てなるキャリアにおいて、該磁性体粒子が請求項1記載
    の磁性体粒子であることを特徴とする静電荷像現像用キ
    ャリア。
  5. 【請求項5】 磁性体粒子表面上で被覆用樹脂を直接重
    合し、該磁性体粒子の表面に樹脂被覆層を形成する表面
    重合被覆法により得られるキャリアにおいて、該磁性体
    粒子が請求項1記載の磁性体粒子であることを特徴とす
    る静電荷像現像用キャリア。
  6. 【請求項6】 磁性体粒子と被覆用樹脂微粒子との混合
    物に繰り返し機械的衝撃力を付与して、該磁性体粒子の
    表面に、該被覆用樹脂微粒子による樹脂被覆層を形成す
    る乾式被覆法によりキャリアを製造する方法において、
    該磁性体粒子が、組成式:(FeO)x(Fe23
    y[ここで、x及びyはモル比であり、x/y=0.5
    /1.0〜1.0/0.7の関係を満足する]で示され
    るマグネタイト成分100重量部に対して、Pを0.1
    〜1.0重量部含有することを特徴とする静電荷像現像
    用キャリアの製造方法。
  7. 【請求項7】 磁性体粒子表面上で被覆用樹脂を直接重
    合し、該磁性体粒子の表面に、樹脂被覆層を形成する表
    面重合被覆法によりキャリアを製造する方法において、
    該磁性体粒子が組成式:(FeO)x(Fe23y[こ
    こで、x及びyはモル比であり、x/y=0.5/1.
    0〜1.0/0.7の関係を満足する]で示されるマグ
    ネタイト成分100重量部に対して、Pを0.1〜1.
    0重量部含有することを特徴とする静電荷像現像用キャ
    リアの製造方法。
  8. 【請求項8】 少なくともトナーと磁性体粒子表面に樹
    脂被覆層を有するキャリアとからなる2成分現像剤によ
    り、感光体上の静電荷像を現像してトナー像を形成し、
    このトナー像を転写材に転写した後、クリーニングブレ
    ードを備えたクリーニング装置を用いて該感光体上に残
    留したトナーを除去し、除去されたトナー(リサイクル
    トナー)を、トナー補給ホッパー又は現像器に回収して
    再利用する工程を含む画像形成方法において、該磁性体
    粒子が組成式:(FeO)x(Fe23y[ここで、x
    及びyはモル比であり、x/y=0.5/1.0〜1.
    0/0.7の関係を満足する]で示されるマグネタイト
    成分100重量部に対して、Pを0.1〜1.0重量部
    含有することを特徴とする画像形成方法。
  9. 【請求項9】 少なくともトナーと磁性体粒子表面に樹
    脂被覆層を有するキャリアとからなる2成分現像剤によ
    り、感光体上の静電荷像を現像してトナー像を形成し、
    このトナー像を転写材に転写した後、クリーニングブレ
    ードを備えたクリーニング装置を用いて該感光体上に残
    留したトナーを除去し、除去されたトナー(リサイクル
    トナー)を、トナー補給ホッパー又は現像器に回収して
    再利用する工程を含む画像形成方法において、該キャリ
    アが磁性体粒子の表面に、被覆用樹脂微粒子による樹脂
    被覆層を形成する乾式被覆法により得られるキャリアで
    あり、かつ該磁性体粒子が請求項8記載の磁性体粒子で
    あることを特徴とする画像形成方法。
  10. 【請求項10】 少なくともトナーと磁性体粒子表面に
    樹脂被覆層を有するキャリアとからなる2成分現像剤に
    より、感光体上の静電荷像を現像してトナー像を形成
    し、このトナー像を転写材に転写した後、クリーニング
    ブレードを備えたクリーニング装置を用いて該感光体上
    に残留したトナーを除去し、除去されたトナーを、トナ
    ー補給ホッパー又は現像器に回収して再利用する工程を
    含む画像形成方法において、該キャリアが磁性体粒子表
    面上で被覆用樹脂を直接重合し、該磁性体粒子の表面
    に、樹脂被覆層を形成する表面重合被覆法により得られ
    るキャリアであり、かつ該磁性体粒子が請求項8記載の
    磁性体粒子であることを特徴とする画像形成方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも焼結一次粒子(グレイン)
    から構成される磁性体粒子表面に樹脂を被覆したキャリ
    アにおいて、該磁性体粒子が、組成式:(FeO)
    x(Fe23y[ここで、x及びyはモル比であり、x
    /y=0.5/1.0〜1.0/0.7の関係を満足す
    る]で示されるマグネタイト成分100重量部に対し
    て、Pを0.1〜1.0重量部含有することを特徴とす
    る静電荷像現像用キャリア。
  12. 【請求項12】 下記(a)又は(b)で得られたスラ
    リーを噴霧造粒乾燥し、次いで不活性ガス雰囲気下で1
    000〜1200℃の温度で焼成したあと解砕し、得ら
    れた粒子を分級したあと、必要に応じて酸素含有ガス雰
    囲気下で200〜400℃の温度に加熱処理することに
    より体積固有抵抗値を調整する焼結一次粒子の平均粒径
    が磁性体粒子の平均粒径の1/100〜1/10である
    ことを特徴とするマグネタイト粒子の製造方法。 (a)ヘマタイト(Fe23)を還元雰囲気下で400
    〜600℃の温度に加熱して、(FeO)x(Fe
    23y[ここで、x及びyはモル比であり、x/y=
    0.5/1.0〜1.0/0.7の関係を満足する]と
    なるように部分還元し、得られたマグネタイト成分及び
    このマグネタイト成分100重量部に対して0.1〜
    1.0重量部のPとを液中に分散してスラリーとする。 (b)ヘマタイト(Fe23)を還元雰囲気下で400
    〜600℃の温度に加熱して、(FeO)x(Fe
    23y[ここで、x及びyはモル比であり、x/y=
    0.5/1.0〜1.0/0.7の関係を満足する]と
    なるように部分還元し、得られたマグネタイト成分液中
    に分散してスラリーとした後、このスラリーに前記マグ
    ネタイト成分100重量部に対して0.1〜1.0重量
    部のPを添加したスラリー。
  13. 【請求項13】 少なくともトナーと磁性体粒子表面に
    樹脂を被覆してなるキャリアとからなる現像剤を、内部
    に固定された磁石を有する現像剤搬送担体に搬送して磁
    気ブラシを形成し、静電潜像支持体上に形成された静電
    潜像を現像する画像形成方法において、該磁性体粒子が
    組成式:(FeO)x(Fe23y[ここで、x及びy
    はモル比であり、x/y=0.5/1.0〜1.0/
    0.7の関係を満足する]で示されるマグネタイト成分
    100重量部に対して、Pを0.1〜1.0重量部含有
    することを特徴とする画像形成方法。
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