JPH11133672A

JPH11133672A - キャリア及び現像剤と画像形成方法

Info

Publication number: JPH11133672A
Application number: JP29707797A
Authority: JP
Inventors: Kenji Yamane; 健二山根; Hiroyuki Kozuru; 浩之小鶴
Original assignee: Konica Minolta Inc
Current assignee: Konica Minolta Inc
Priority date: 1997-10-29
Filing date: 1997-10-29
Publication date: 1999-05-21
Also published as: US6054243A

Abstract

(57)【要約】【目的】高濃度が得られ、複写初期から安定した帯電
量が得られ、高帯電付与能力を持ち、繰り返し複写にお
いてもスペントの発生及び膜はがれ、摩耗のない高耐久
性なキャリア、二成分現像剤及び画像形成方法を提供す
る。【構成】シリコーン樹脂で被覆されたキャリアにおい
て、その表面性指数Ｓが１０．０〜７０．０であること
を特徴とするキャリア。Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等に用いられる静電潜像現像用のキャリア及びそれを用
いた現像剤と画像形成方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、電子写真法で使用される現像
剤としてキャリアとトナーからなる二成分現像剤が多く
使用されている。

【０００３】近年、キャリアの耐久性及び画質、特に細
線再現性の改良の点から鉄、マグネタイト、フェライト
等の磁性体粒子に樹脂をコートした樹脂被覆キャリア
（コーティングキャリア）が主流になっている。しか
し、繰り返し画像を形成していくと被覆樹脂が摩耗、剥
離し、コアである磁性体粒子がキャリア表面に露出して
くる。

【０００４】その結果、キャリアのトナーに対する帯電
付与効果が著しく低下し、地カブリの発生及びトナーの
機内飛散を生じる。また、トナー成分の一部がキャリア
表面に付着するいわゆるトナースペント現象が発生す
る。特に連続複写においては、トナーとキャリアに大き
なせん断力がかかることから樹脂が摩耗、剥離し易く、
かつトナースペント現象が加速することになる。二成分
現像剤の耐久性を決定しているのは、多くの場合キャリ
アであるからその耐久性向上は大きな課題となってい
る。

【０００５】高耐久性被覆用樹脂としてシリコーン樹脂
が注目されている。シリコーン樹脂は三次元架橋構造で
あるため耐摩耗性が大幅に向上し、かつ低表面エネルギ
ー樹脂であるため、トナースペント現象が発生しにくく
なり、高耐久化が達成される。

【０００６】しかし、シリコーン樹脂被覆キャリアは一
般に電荷付与能が低いために、特開平６−１１８７２４
号ではシリコーン樹脂中にメチル化メラミン樹脂を添加
し、硬化させた被覆樹脂（コーティング樹脂）を、特開
平７−２８２８１号ではシリコーン樹脂中に特定構造を
持つシロキサン化合物を添加したコーティング樹脂が提
案されている。しかしながら、これらのキャリアは、シ
リコーン樹脂中に該化合物を均一に分散することが困難
であるため、帯電性が均一なキャリアが得られない。

【０００７】また、特開昭６４−９１１４４号にはキャ
リアに機械的攪拌を加えることにより、帯電量を向上さ
せる方法が提案されている。しかし、この方法では所望
の帯電量が得られるまで機械的衝撃力を加え続けるた
め、過度な衝撃力を加える結果となりキャリアのシリコ
ーン被覆樹脂を傷つけることになる。このキャリアにて
繰り返し複写を行うと、現像剤の帯電量が低下し、地か
ぶりの発生及びトナー飛散が増加してしまう。すなわち
現像剤の耐久性がかえって低下してしまうこともあり、
十分に実用性ある解決策となっていない。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、下記
のごとくである。

【０００９】高帯電付与能力を持ち、繰り返し複写に
おいてもスペントの発生及び膜はがれ、摩耗のない高耐
久性なキャリアを提供する。

【００１０】高帯電量を維持し、繰り返し複写におい
ても、高濃度でかつカブリの無い高品質な画像が得られ
る二成分現像剤を提供する。

【００１１】高帯電量を維持し、繰り返し複写におい
ても、高濃度でかつカブリの無い高品質な画像が得られ
る画像形成方法を提供する。

【００１２】複写初期から安定した帯電付与能力が得
られ、長期にわたってスペントの発生及び膜はがれ、摩
耗のない高耐久性のキャリアを提供する。

【００１３】複写初期から安定した帯電量が得られ、
その結果、高濃度でかつカブリの無い高品質な画像が長
期にわたって得られる現像剤を提供する。

【００１４】複写初期から安定した帯電量が得られ、
その結果、高濃度でかつカブリの無い高品質な画像が長
期にわたって得られる画像形成方法を提供する。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成を採ることにより達成される。

【００１６】〔１〕シリコーン樹脂で被覆されたキャ
リアにおいて、その表面性指数Ｓが１０．０〜７０．０
であることを特徴とするキャリア。

【００１７】Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）〔２〕少くともシリコーン樹脂被覆キャリアとトナー
からなる現像剤において、該キャリアの表面性指数Ｓが
１０．０〜７０．０であることを特徴とする現像剤。

【００１８】Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）〔３〕感光体上の静電潜像を少くともトナー及びシリ
コーン樹脂被覆キャリアからなる現像剤を使用してトナ
ー像とし、該トナー像を供給された転写材に転写し、そ
の後に感光体上に残留するトナー像をクリーニングする
画像形成方法に於いて、該キャリアの表面性指数Ｓが１
０．０〜７０．０であることを特徴とする画像形成方
法。

【００１９】Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）〔４〕シリコーン樹脂で被覆されたキャリアにおい
て、該キャリアの表面性指数Ｓが１０．０〜７０．０で
あり、かつトナーとキャリアを混合する前に、機械的衝
撃力を加えられることを特徴とするキャリア。

【００２０】Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）〔５〕少くともシリコーン樹脂で被覆されたキャリア
とトナーからなる二成分現像剤において、該トナーが少
なくとも結着樹脂、着色剤、正帯電性荷電制御剤からな
り、かつ該キャリアの表面性指数Ｓが１０．０〜７０．
０であり、トナーとキャリアを混合する前に、キャリア
に機械的衝撃力を加えることを特徴とする現像剤。

【００２１】Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）〔６〕感光体上の静電潜像を少くともトナー及びシリ
コーン樹脂被覆キャリアからなる現像剤を使用してトナ
ー像とし、該トナー像を供給された転写材に転写し、そ
の後に感光体上に残留するトナー像をクリーニングする
画像形成方法に於いて、該トナーが少なくとも結着樹
脂、着色剤、正帯電性荷電制御剤からなり、かつ該キャ
リアの表面性指数が１０．０〜７０．０であり、トナー
とキャリアを混合する前に、機械的衝撃力を加えること
を特徴とする画像形成方法。

【００２２】Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）シリコーン樹脂被覆キャリアは、電荷付与能が低く、現
像剤として必要な帯電量が十分得られないのが現状であ
る。そこで本発明者らが鋭意検討した結果、上記に示す
ような表面指数が１０．０〜７０．０であるシリコーン
樹脂被覆キャリアによって本発明の目的が達成されるこ
とが明らかになった。

【００２３】上記式のＳｃは、キャリアを真球とした時
の理論上の表面積、Ｓ_BETはコーティングキャリアのＢ
ＥＴ比表面積、Ｃ値はキャリア全量に対する樹脂中の炭
素含有量を表す。

【００２４】そのメカニズムは明確ではないが、以下の
ように推定している。表面指数を１０．０〜７０．０の
範囲にコントロールするには、コーティングキャリアの
ＢＥＴ比表面積（Ｓ_BET）を制御しなければならない。
ＢＥＴ比表面積はキャリア粒径及びコーティング樹脂量
の影響を受けるために一概には言えないが、粒径６０μ
ｍで０．４〜２．５ｍ²／ｇ程度が望ましい。この時キ
ャリアを真球とした時の理論上の表面積（ここではキャ
リア粒径の分布は考慮しない）は（４πｒ²）／（４／
３πｒ³ｄ）（ｒ：キャリアの半径、ｄ：比重４．５）
から０．２ｍ²／ｇである。すなわち樹脂被覆キャリア
のＢＥＴ値は理論値より十分大きい値である。

【００２５】このことは微視的にキャリア表面を見る
と、非常に小さな凹凸が存在し、網目構造的な形態を有
していると考えられる。そのためＢＥＴ比表面積はコー
ティング樹脂の厚さ方向の影響を受けることになる。こ
の形態により、トナーとの摩擦帯電性が上がり、かつ生
じた電荷を保持し易くなることで帯電能が高くなると推
定される。

【００２６】従って、高帯電付与能力を持ち、繰り返し
複写においてもスペントの発生及び膜はがれ、摩耗のな
い高耐久性なキャリアが得られる。

【００２７】所望の樹脂被覆キャリアＢＥＴ比表面積値
を得るには、シリコーン樹脂をキャリア表面にコーティ
ングし、その後焼き付け処理をする際の焼き付け時間及
び温度を調整することにより達成される。

【００２８】また、シリコーン樹脂被覆キャリアは、現
像器内の機械的ストレスを受けることにより、帯電量が
向上することが知られている。この現象のメカニズムに
ついては、未だ明らかにされてはいないが、本発明のご
とくキャリアをトナーと混合する前に、機械的衝撃力を
加えることにより、速やかに所望の帯電性が得られる。
よって過度なストレスを与える必要がないため、キャリ
アの膜剥がれを防止できる。

【００２９】その結果、複写初期から安定した帯電付与
能力が得られ、長期にわたってスペントの発生及び膜は
がれ、摩耗のない高耐久性のキャリアが得られる。

【００３０】キャリアの表面指数は１０．０〜７０．０
が好ましく、より好ましくは１５．０〜６０．０であ
る。

【００３１】１０．０より小さい場合、十分な帯電能が
得られない。一方、７０．０より大きい場合、膜が脆く
なり膜剥がれ及び摩耗が進行し易くなり、繰り返し複写
を行うことによって現像剤の帯電量が著しく低下し、地
かぶりの発生及びトナー飛散を生じる。

【００３２】（キャリアに衝撃力を加える装置の構成）
本発明において用いられるキャリアに衝撃力を加える装
置としては、ナウタミキサー、ターブラミキサー、Ｖ型
混合機、Ｗコーン型混合機、ヘンシェルミキサーなどの
水平方向回転体を有する攪拌混合機等がある。

【００３３】（ＢＥＴ比表面積の測定方法）マイクロメ
リティックスフローソーブII ２３００型（島津製作
所製）を用い、ＢＥＴ１点法（使用混合ガスＮ₂：Ｈ
ｅ＝３０：７０（体積比））により測定した。

【００３４】（Ｓｃの算出法）湿式分散機を備えたレー
ザー回折式粒度分布測定装置（ＨＥＬＯＳシンパテッ
ク社製）にて求める。

【００３５】本装置は粒度分布を測定すると同時に、サ
ンプル粒子を真球と仮定し、粒度分布を考慮した表面積
を求めることができる。このとき必要な入力値であるキ
ャリアの比重は気相置換法による高精度自動体積計（Ｖ
Ｍ−１００エステック社製）によって測定された値で
ある。

【００３６】（Ｃ値の測定法）カーボンアナライザーＥ
ＭＩＡ−５２１型（堀場製作所製）を用いてキャリア被
覆樹脂中の炭素含有量（ｗｔ％）を測定した。（社）日
本鉄鋼協会の標準試料１６８−３（炭素含有量：０．０
４２ｗｔ％）、１５８−８（同：０．１２ｗｔ％）、１
５０−１２（同：０．４９％）を用いた検量線より、磁
性体粒子のみの炭素含有率及び樹脂被覆キャリアの炭素
含有率を求め、キャリア被覆樹脂に相当する炭素含有量
を算出する。

【００３７】本発明の構成をさらに説明する。

【００３８】（キャリアの構成）シリコーン樹脂被覆キ
ャリアの芯材となるキャリアコアは、従来公知の種々の
磁性キャリアコアを使用することができる。例えば、フ
ェライト、マグネタイト、及び、鉄、コバルト、ニッケ
ル等の強磁性を示す金属あるいは、これらの金属を含む
合金又は化合物を用いることができる。

【００３９】なおフェライトとは、ここでは、鉄と１価
又は２価の金属を含む磁性酸化物を総称しており、２価
の金属としては、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、
銅、亜鉛、マグネシウム、等が挙げられ、１価の金属と
してはリチウム等が挙げられる。また、樹脂中に上述の
如き磁性体粉を分散させて得た磁性粒子をキャリアコア
として用いても良い。

【００４０】具体的には、（ＭＯ）_a（Ｍ′Ｏ）_b（Ｆｅ
₂Ｏ₃）_c （式中、Ｍ，Ｍ′は金属元素、ａ，ｂ，ｃは整数）で代
表されるフェライトが好ましく、Ｍ−Ｍ′の組合せがＣ
ｕ−Ｚｎ、Ｎｉ−Ｚｎ、Ｍｎ−Ｚｎ、Ｃｕ−Ｍｇが好ま
しい。さらに、（Ｌｉ₂Ｏ）_d（Ｆｅ₂Ｏ₃）_e（ｄ，ｅは
整数）も好適に使用され、その一部をアルカリ土類金属
酸化物で置換したものでもよい。

【００４１】該キャリアコアの大きさは、トナーとの摩
擦帯電及び感光体へのキャリア付着を考慮すると、重量
平均粒径が１０〜２００μｍが好ましい。

【００４２】本発明に好ましく使用できるシリコーン樹
脂は、下記一般式（Ｉ），（II）で表されるセグメント
の集合体である。

【００４３】

【化１】

【００４４】一般式（Ｉ）及び（II）で表わされるセグ
メント中、Ｒ⁵〜Ｒ⁸はそれぞれメチル基、エチル基、フ
ェニル基、ビニル基から選ばれる炭化水素基を表わす。
接着性及び強度の観点からメチル基のものが特に好まし
い。又、アルキッド変性、アクリル変性、ポリエステル
変性、フェノール変性、メラミン変性及びウレタン変性
等の変性成タイプを使用しても良い。

【００４５】セグメント（Ｉ）及び（II）の比は（Ｉ）
／（II）＝０／１００〜７０／３０が好ましく、より好
ましいのは０／１００〜５０／５０である。

【００４６】（Ｉ）／（II）＞７０／３０の場合、直鎖
成分が多いために硬度が低下し、十分な耐久性が得られ
ない可能性がある。

【００４７】本発明にアミノシランカップリング剤を用
いてもよく、使用されるカップリング剤は、特に限定さ
れるものでは無いが以下のものの使用が好ましい。

【００４８】γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノエ
チル−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチル−γ
−アミノプロピルジメトキシシラン、メチル−γ−アミ
ノエチルアミノプロピルジメトキシシラン、γ−ジメチ
ルアミノ−プロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−モルホリノプロピル
トリメトキシシラン、Ｎ，Ｎ′−ビス（３−トリメトキ
シシリル）エチレンジアミン及びこれらの部分縮合物を
使用できる。更に２種以上のアミノシランカップリング
剤を混合して使用しても良い。

【００４９】上記アミノシランカップリング剤の添加量
はシリコーン樹脂固形分１００重量部に対して０．０１
〜８重量部、好ましくは０．１〜５重量部である。０．
０１重量部未満の場合は、帯電量の環境変動低下の効果
が得られない。一方、８重量部を越える場合、トナーに
対する帯電付与効果が著しく低下し低帯電量になる。

【００５０】本発明において、シリコーン樹脂に他の添
加物を添加しても良い。例えば架橋剤としては、一般に
知られている脱アルコール型、脱酢酸型、脱オキシム
型、脱アミド型、脱アミノキシ型、脱アセトン型等の低
分子シラン化合物を使用することができる。

【００５１】硬化触媒として、Ｚｎ，Ｓｎ，Ｆｅ，Ｐ
ｂ，Ｃｏ，Ｎｉ，Ａｌ，Ｚｒなどの金属石鹸、キレート
化合物、蟻酸、酢酸などの有機酸、アミン等の塩基を使
用することができる。

【００５２】これらの添加物の添加量はシリコーン樹脂
固形分１００重量部に対して０．０１〜１０重量部であ
ることが好ましく、より好ましくは０．１〜５重量部が
好ましい。

【００５３】コーティングするために用いられる溶剤
は、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンなどである。

【００５４】樹脂被覆キャリア中のシリコーン樹脂被覆
量としてはキャリアコアに対して０．０１〜１０重量％
であり、より好ましくは０．５〜５重量％である。シリ
コーン樹脂被覆量が０．０１重量％未満の場合、コア表
面に均一な被覆層が形成できない。一方、１０重量％を
越える場合は、キャリア粒子同士の造粒が生じ、流動性
が著しく低下し、トナーとの混合性が落ちる。

【００５５】キャリアコアにコーティング層（被覆層）
を形成する方法としては、シリコーン樹脂を溶剤に溶解
させた後、浸漬法、スプレードライ法等によりコア表面
に塗布し、乾燥により溶剤を除去する。その後焼き付け
を行う。焼き付け温度としては、１５０〜３００℃であ
り、好ましくは１７０〜２８０℃である。焼き付け温度
が１５０℃未満の場合、シリコーン樹脂の架橋反応が十
分進行せず、硬度が不十分になり易い。一方、３００℃
を越える場合、シリコーン樹脂の一部やアミノシランカ
ップリング剤の一部が分解し、均一な樹脂被覆層が得ら
れないこともある。

【００５６】（トナーの構成）本発明において用いられ
るトナーは少なくとも結着樹脂と着色剤より成り、着色
剤にはカーボンブラック、ランプブラック、磁性体等の
黒色顔料及びシアン、マゼンタ、イエロー等のカラー顔
料、染料が含まれる。

【００５７】本発明において、トナーへの着色剤の添加
量は、バインダ樹脂１００重量部に対し６〜１５重量
部、より好ましくは８〜１２重量部であることが好まし
い。

【００５８】本発明に用いるトナーの結着樹脂は特に限
定されず、従来公知の種々の樹脂が用いられ、例えば、
スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル
系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。

【００５９】本発明のトナーは必要に応じて離型剤を含
有しても良い。離型剤としては、従来使用されている離
型剤は全て使用することができる。具体的には、低分子
量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、エチレン−
プロピレン共重合体等のオレフィン類、マイクロクリス
タンワックス、カルナウバワックス、サゾールワック
ス、パラフィンワックス等が挙げられる。離型剤の添加
量はバインダ樹脂１００重量部に対し、１〜１０重量
部、より好ましくは１〜５重量部添加することが好まし
い。

【００６０】トナーを作製する方法には特に限定はない
が、代表的な本発明のトナーは原材料を予め乾式混合し
た後、溶融混練、粉砕、分級して得られる。原材料を乾
式混合する方法としては、ヘンシェルミキサー、Ｖ型混
合機、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、Ｗコー
ンミキサー、バイブローミル、ターブラー等を用いる方
法が挙げられる。

【００６１】また、本発明に用いるトナーには、流動性
付与の観点から、無機微粒子を添加してもよい。無機微
粒子としてはシリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化
物粒子が好ましく、更にこれらの無機微粒子はシランカ
ップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化
処理されていてもよい。中でも疎水性シリカの添加が特
に好ましく、疎水性シリカ微粒子の一次粒子の数平均粒
径は５〜３００ｎｍの範囲が好ましい。また、疎水性シ
リカ微粒子の添加割合は、トナーに対し０．１〜２重量
部の範囲が好ましい。

【００６２】本発明においては、トナーに正帯電性荷電
制御剤を含有させることが望ましい。好ましく用いるこ
との出来る荷電制御剤は、下記一般式（III）で示され
るものである。

【００６３】

【化２】

【００６４】上記一般式（III）において、Ｒ¹〜Ｒ⁴は
置換もしくは未置換の炭素数１〜１８のアルキル基又は
置換もしくは未置換のベンジル基を表し、Ａ^-は陰イオ
ンを表す。ただしＲ¹〜Ｒ⁴の少なくとも１つは炭素数８
〜１８のアルキル基を表す。Ａは置換ベンゼン又は置換
ナフタレン、Ｃｌ^-、Ｂｒ^-等のハロゲンイオン、モリブ
デン酸イオン等の金属酸化物イオンを表す。

【００６５】具体的な化合物としては、以下のようなも
のが挙げられる。

【００６６】

【化３】

【００６７】

【化４】

【００６８】本発明の画像形成方法を以下に説明する。

【００６９】図１は本発明の画像形成方法の実施に用い
ることができる画像形成装置を示す。光導電性感光層を
備えた像担持体（感光体）１０の周囲に、帯電極１１、
現像機構１２、転写分離極１３、クリーニング機構１
４、除電ランプ１５が配置されている。給紙機構１６か
らの記録材（転写材）は、転写分離極１３によりトナー
像の転写を受けた後、搬送機構１７により搬送され、定
着機構１８により定着されて画像が形成される。転写後
に像担持体（感光体）１０上に残留したトナーはクリー
ニング機構１４により掻き取り除去される。回収したト
ナーは好ましくは１９のごときリサイクル機構により再
度現像機構１２に戻されて再使用される。以下、各工程
ごとに説明する。

【００７０】（現像工程）本発明のトナーを用いて現像
剤を現像剤搬送担体により現像領域に搬送し、この現像
剤により像担持体上の静電潜像を現像して、未定着トナ
ー画像を形成する。現像方法としては、特に限定され
ず、従来公知の方法を適用することができる。

【００７１】具体的には以下の方法を挙げることができ
る。

【００７２】（１）接触磁気ブラシ現像法この方法では、図２に示すように、現像剤搬送担体１上
に、現像領域の間隙より穂立ちの高い現像剤の磁気ブラ
シを形成し、この磁気ブラシを現像領域に搬送して像担
持体１０上の静電潜像を摺擦しながら磁気ブラシ中のト
ナーを静電潜像に付着させて現像を行う。なお、２は主
攪拌ローラ、３は補助攪拌ローラ、４はトナー搬送スク
リュー、５は穂立ち規制板、６はドクターブレードであ
る。

【００７３】（２）非接触磁気ブラシ現像法この方法では、現像剤搬送担体上に、現像領域の間隙よ
り穂立ちの低い現像剤の磁気ブラシを形成し、この磁気
ブラシを現像領域に搬送するとともに、現像領域に振動
電界を作用させることにより磁気ブラシ中のトナーを飛
翔させて、静電潜像に付着させて現像を行う。

【００７４】（転写工程）現像により得られた像担持体
上の未定着トナー画像を記録材（転写材）に転写する。
この転写工程においては、静電転写方式或いはバイアス
転写方式の何れも適用できるが、特に静電転写方式が好
ましい。具体的には、例えば直流コロナ放電を生じさせ
る転写器を、記録材を介して像担持体に対向するよう配
置し、記録材にその裏面側から直流コロナ放電を作用さ
せることにより像担持体の表面に担持されていた未定着
トナー画像を記録材の表面に転写する。

【００７５】（クリーニング工程）転写工程を経た後に
像担持体上に残留したトナーをクリーニングする。クリ
ーニング手段は、特に限定されないが、像担持体の表面
に接触配置したクリーニングブレードを有するクリーニ
ング装置が好ましい。このクリーニング装置によれば、
像担持体の表面がクリーニングブレードにより摺擦され
ることにより、残留トナーが掻き取り除去される。

【００７６】クリーニングブレードの構成としては、図
３及び４に記載される構成の何れも使用することができ
る。図３及び４に於いてはホルダー３３にクリーニング
ブレード３１を保持する構成である。又、像担持体（感
光体）は１０である。ホルダーと感光体が形成する角度
は図３、４何れでも図に示したθ₁が２０〜９０°、好
ましくは３０〜７５°である。クリーニングブレード自
体を構成する材料としては、シリコーンゴム、ウレタン
ゴムなどの弾性体を使用することができる。この場合、
ゴム硬度が３０〜９０°のものがよい。厚みは２〜１０
ｍｍ、ホルダー部外の長さは５〜４０ｍｍがよい。感光
体に対する圧接力は５〜３０ｇｆ／ｍｍが好適である。

【００７７】このクリーニング工程により回収されたト
ナーは、好ましくはリサイクル工程に導入されリサイク
ルされる。

【００７８】（定着工程）転写工程によって、未定着ト
ナー画像が転写された記録材を、加熱定着機構により定
着処理し、記録材上に定着トナー画像を形成する。

【００７９】

【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、文中
「部」とは「重量部」を表わす。

【００８０】＜キャリア１の製造＞Ｌｉ₂Ｏ₃：２３ｍｏ
ｌ％、Ｆｅ₂Ｏ₃：７７ｍｏｌ％を湿式ボールミルで３時
間粉砕、混合し乾燥させた後に、９００℃で２時間保持
することにより仮焼成し、これをボールミルで３時間粉
砕し、スラリー化した。分散剤及びバインダーを添加
し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、その後１
２００℃、３時間本焼成を行い、体積平均粒径６０μｍ
のフェライトコア粒子１を得た。

【００８１】次いで、一般式（Ｉ）及び（II）におい
て、Ｒ⁵〜Ｒ⁸はメチル基でありセグメント比（Ｉ）／
（II）＝２／９８の樹脂よりなるシリコーン樹脂１（固
形分５０％）１００重量部とγ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン０．２重量部をトルエン溶剤中に添加した
後、流動床を用いてフェライトコア粒子１に対し０．５
ｗｔ％コーティングし、さらに１７０℃で２時間焼き付
けを行なった。そしてこのキャリア６００ｇをＶ型混合
機により３０ｒｐｍで６０分処理し、キャリア１を得
た。

【００８２】＜キャリアの製造２＞一般式（Ｉ）及び
（II）においてＲ⁵〜Ｒ⁸がメチル基でありセグメント比
（Ｉ）／（II）＝１０／９０の樹脂よりなるシリコーン
樹脂２（固形分５０％）１００重量部をトルエン溶剤中
に添加した後、流動床を用いてフェライトコア粒子１に
対して１．０ｗｔ％コーティングし、さらに２００℃で
３時間焼き付けを行った。

【００８３】そしてこのキャリア６００ｇをＶ型混合機
により３０ｒｐｍで９０分処理し、キャリア２を得た。

【００８４】＜キャリア３〜５の製造＞ＣｕＯ：１５ｍ
ｏｌ％、ＺｎＯ：３０ｍｏｌ％、Ｆｅ₂Ｏ₃：５５ｍｏｌ
％をキャリア製造１と同様にして体積平均粒径７５μｍ
のフェライトコア粒子３を得た。

【００８５】次いで、キャリアの製造１に示したシリコ
ーン樹脂１（固形分５０％）１００重量部と触媒として
ジブチル錫ジウラート１．０部をトルエン溶剤中に添加
した後、流動床を用いてフェライトコア粒子２に対して
０．３ｗｔ％コーティングし、表１のような焼き付け条
件を行い、それぞれの粒子５００ｇをターブラミキサー
により９０ｒｐｍで３０分処理し、キャリア３〜５を得
た。

【００８６】

【表１】

【００８７】＜トナーの製造＞スチレン−アクリル樹脂
１００部、カーボンブラック１２部、低分子量ポリプロ
ピレン３部、荷電制御剤（例示化合物１）１部を加えて
熔融、混練を行い、粉砕分級した後に体積平均粒径が
８．５μｍの着色粒子を得た。ついで、この着色粒子に
疎水性シリカを１．０ｗｔ％添加し、高速攪拌装置によ
り混合しトナーを得た。

【００８８】＜現像剤の調製＞上記トナーとキャリアを
表２のように組み合わせて、トナー含有量が４．０ｗｔ
％になるように調製し、実施例１〜３、比較例４，５を
得た。

【００８９】

【表２】

【００９０】＜評価項目＞画像濃度マクベス濃度計（ＲＤ−９１８マクベス社製）によ
り、転写紙（転写材）の白地部分（反射濃度０．００）
に対応するコピー画像のベタ黒部分の相対濃度を測定し
た。

【００９１】１．２５以上を「○」、１．１０以上１．
２５未満を「△」、１．１０未満を「×」とした。

【００９２】かぶりサクラデンシトメーター（コニカ社製）により、転写紙
の白地部分（反射濃度０.００）に対応するコピー画像
の白地部分の相対濃度を測定した。

【００９３】０．００５未満は問題ないレベルであり
「○」、０．００５以上、０．０１未満は「△」、０．
０１以上は実用上問題のあるレベルであり、「×」とし
た。

【００９４】トナー飛散現像領域の下の部分に白紙を置き、飛散するトナーを付
着させ、その白紙を同評価機と同じ定着条件で定着さ
せ、その濃度をサクラデンシトメーターにより、紙の白
地部分（反射濃度０．００）に対応する相対濃度を測定
した。

【００９５】相対濃度が０．１未満の場合を「○」、
０．１以上０．２未満の場合を「△」、０．２以上の場
合を「×」とした。

【００９６】＜実写評価＞上記の評価には、負帯電性有
機感光体、透磁率型トナー濃度センサーを搭載し、トナ
ーリサイクルシステムを備えてなる電子複写機（Ｕ−Ｂ
ＩＸ４３５５コニカ社製）の改造機を使用して、１０
万コピーの実写評価（環境条件：温度２５℃、湿度５５
ＲＨ％）を行った。

【００９７】評価結果を表３に示す。

【００９８】

【表３】

【００９９】表３から明らかなように実施例１〜３で
は、実写初期の帯電量の変化が無く、１０万コピーまで
画像濃度が高く安定しており、かぶり、トナー飛散の発
生もなく、高画質な画像が得られ、十分な耐久性が確認
された。

【０１００】一方、比較例１は現像剤調製時から十分な
帯電量が得られず、画像上にカブリが発生した。

【０１０１】また比較例２は初期の帯電量が高すぎるた
め、十分な画像濃度が得られず、その後コピー数の増加
と共にキャリアのコーティング膜が剥がれ、その結果帯
電量が低下し、かぶり及びトナー飛散が発生した。

【０１０２】

【発明の効果】本発明により、下記の効果が得られた。

【０１０３】高帯電付与能力を持ち、繰り返し複写に
おいてもスペントの発生及び膜はがれ、摩耗のない高耐
久性なキャリアを提供する。

【０１０４】高帯電量を維持し、繰り返し複写におい
ても、高濃度でかつカブリの無い高品質な画像が得られ
る二成分現像剤を提供する。

【０１０５】高帯電量を維持し、繰り返し複写におい
ても、高濃度でかつカブリの無い高品質な画像が得られ
る画像形成方法を提供する。

【０１０６】複写初期から安定した帯電付与能力が得
られ、長期にわたってスペントの発生及び膜はがれ、摩
耗のない高耐久性のキャリアを提供する。

【０１０７】複写初期から安定した帯電量が得られ、
その結果、高濃度でかつカブリの無い高品質な画像が長
期にわたって得られる現像剤を提供する。

【０１０８】複写初期から安定した帯電量が得られ、
その結果、高濃度でかつカブリの無い高品質な画像が長
期にわたって得られる画像形成方法を提供する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の画像形成方法を説明する概要断面図。

【図２】本発明に係る接触磁気ブラシ現像法を説明する
概要断面図。

【図３】クリーニングブレードの構成を説明する図。

【図４】クリーニングブレードの構成を説明する図。

【符号の説明】１０像担持体（感光体）１１帯電極１３転写分離極１４クリーニング機構１５除電ランプ１６給紙機構１８定着機構

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シリコーン樹脂で被覆されたキャリアに
おいて、その表面性指数Ｓが１０．０〜７０．０である
ことを特徴とするキャリア。Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）
【請求項２】少くともシリコーン樹脂被覆キャリアと
トナーからなる現像剤において、該キャリアの表面性指
数Ｓが１０．０〜７０．０であることを特徴とする現像
剤。Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）
【請求項３】感光体上の静電潜像を少くともトナー及
びシリコーン樹脂被覆キャリアからなる現像剤を使用し
てトナー像とし、該トナー像を供給された転写材に転写
し、その後に感光体上に残留するトナー像をクリーニン
グする画像形成方法に於いて、該キャリアの表面性指数
Ｓが１０．０〜７０．０であることを特徴とする画像形
成方法。Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）
【請求項４】シリコーン樹脂で被覆されたキャリアに
おいて、該キャリアの表面性指数Ｓが１０．０〜７０．
０であり、かつトナーとキャリアを混合する前に、機械
的衝撃力を加えられることを特徴とするキャリア。Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）
【請求項５】少くともシリコーン樹脂で被覆されたキ
ャリアとトナーからなる二成分現像剤において、該トナ
ーが少なくとも結着樹脂、着色剤、正帯電性荷電制御剤
からなり、かつ該キャリアの表面性指数Ｓが１０．０〜
７０．０であり、トナーとキャリアを混合する前に、キ
ャリアに機械的衝撃力を加えることを特徴とする現像
剤。Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）
【請求項６】感光体上の静電潜像を少くともトナー及
びシリコーン樹脂被覆キャリアからなる現像剤を使用し
てトナー像とし、該トナー像を供給された転写材に転写
し、その後に感光体上に残留するトナー像をクリーニン
グする画像形成方法に於いて、該トナーが少なくとも結
着樹脂、着色剤、正帯電性荷電制御剤からなり、かつ該
キャリアの表面性指数が１０．０〜７０．０であり、ト
ナーとキャリアを混合する前に、機械的衝撃力を加える
ことを特徴とする画像形成方法。Ｓ＝（Ｓ_BET／Ｘ）／ＳｃＳ_BET：ＢＥＴ比表面積（ｍ²／ｇ）Ｘ：Ｃ値（ｗｔ％）Ｓｃ：真球と仮定したときの表面積（ｍ²／ｇ）