JP2905010B2 - 電子写真用キャリヤおよびこれを用いた現像剤 - Google Patents
電子写真用キャリヤおよびこれを用いた現像剤Info
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- JP2905010B2 JP2905010B2 JP4268907A JP26890792A JP2905010B2 JP 2905010 B2 JP2905010 B2 JP 2905010B2 JP 4268907 A JP4268907 A JP 4268907A JP 26890792 A JP26890792 A JP 26890792A JP 2905010 B2 JP2905010 B2 JP 2905010B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電式複写機やレーザ
ービームプリンタ等の、いわゆる電子写真法を利用した
画像形成装置において、トナーとともに2成分系の現像
剤に使用される電子写真用キャリヤに関するものであ
る。
ービームプリンタ等の、いわゆる電子写真法を利用した
画像形成装置において、トナーとともに2成分系の現像
剤に使用される電子写真用キャリヤに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】上記画像
形成装置においては、まず、感光体の表面を露光して、
当該感光体の表面に静電潜像を形成する。つぎに、この
感光体の表面に、現像装置によって現像剤を接触させ
る。そうすると、現像剤中に含まれる粉体トナーが静電
潜像に付着して、当該静電潜像がトナー像に顕像化され
る。このトナー像を感光体表面から紙の表面に転写して
定着させると、静電潜像に対応した画像が完成する。
形成装置においては、まず、感光体の表面を露光して、
当該感光体の表面に静電潜像を形成する。つぎに、この
感光体の表面に、現像装置によって現像剤を接触させ
る。そうすると、現像剤中に含まれる粉体トナーが静電
潜像に付着して、当該静電潜像がトナー像に顕像化され
る。このトナー像を感光体表面から紙の表面に転写して
定着させると、静電潜像に対応した画像が完成する。
【0003】現像剤としては、上記トナーと、このトナ
ーに摩擦帯電により電荷を付与すると同時に表面にトナ
ーを吸着した状態で上記静電潜像にトナーを供給するキ
ャリヤとを含む2成分系のものが一般に用いられる。キ
ャリヤとしては、鉄粉やフェライト粒子等の磁性粒子が
使用される。また、トナーの帯電量や極性の制御、湿度
依存性の改良、フィルミング防止、流動性向上等の目的
のため、上記磁性粒子をキャリヤ芯材として、その表面
に樹脂コート層を形成した、いわゆるコーティングキャ
リヤが一般に使用されている。
ーに摩擦帯電により電荷を付与すると同時に表面にトナ
ーを吸着した状態で上記静電潜像にトナーを供給するキ
ャリヤとを含む2成分系のものが一般に用いられる。キ
ャリヤとしては、鉄粉やフェライト粒子等の磁性粒子が
使用される。また、トナーの帯電量や極性の制御、湿度
依存性の改良、フィルミング防止、流動性向上等の目的
のため、上記磁性粒子をキャリヤ芯材として、その表面
に樹脂コート層を形成した、いわゆるコーティングキャ
リヤが一般に使用されている。
【0004】樹脂コート層としては、熱可塑性、熱硬化
性の種々の樹脂材料が使用されるが、中でもシリコーン
樹脂の硬化物が、上述した特性のうち、フィルミング、
すなわち粉砕されたトナー粒子等がスペントとしてキャ
リヤ表面に付着する現象の防止や流動性向上に優れるた
め、好適に使用される(特開昭60−186844号公
報等参照)。
性の種々の樹脂材料が使用されるが、中でもシリコーン
樹脂の硬化物が、上述した特性のうち、フィルミング、
すなわち粉砕されたトナー粒子等がスペントとしてキャ
リヤ表面に付着する現象の防止や流動性向上に優れるた
め、好適に使用される(特開昭60−186844号公
報等参照)。
【0005】また、上記シリコーン樹脂等の、各種の樹
脂材料からなる樹脂コート層中にメラミン樹脂を含有さ
せて、キャリヤの帯電性を適度な範囲に調整することも
提案されている(特公昭58−9946号公報、特開昭
62−262057号公報等参照)。しかし、従来のコ
ーティングキャリヤにおいては、シリコーン樹脂からな
る樹脂コート層を備えているにも拘らず、キャリヤ同士
の凝集等が発生して流動性が低下したり、スペントが発
生したりしやすいという問題があった。また、樹脂コー
ト層中にメラミン樹脂を含有させているにも拘らず、帯
電性の調整効果が十分に得られないという問題もあっ
た。
脂材料からなる樹脂コート層中にメラミン樹脂を含有さ
せて、キャリヤの帯電性を適度な範囲に調整することも
提案されている(特公昭58−9946号公報、特開昭
62−262057号公報等参照)。しかし、従来のコ
ーティングキャリヤにおいては、シリコーン樹脂からな
る樹脂コート層を備えているにも拘らず、キャリヤ同士
の凝集等が発生して流動性が低下したり、スペントが発
生したりしやすいという問題があった。また、樹脂コー
ト層中にメラミン樹脂を含有させているにも拘らず、帯
電性の調整効果が十分に得られないという問題もあっ
た。
【0006】一方、トナーは一般に結着樹脂に着色剤と
電荷制御剤とを混合して作製される。電荷制御剤は電子
供与性物質または電子吸引性物質からなり、トナーを負
または正に帯電させる。しかしながら、電荷制御剤は現
像過程におけるキャリヤとの摩擦によりトナーの表面か
ら脱落しやすいという問題がある。トナー表面から脱落
した電荷制御剤はキャリヤ表面を汚染し、キャリヤの帯
電能が低下する原因となる。また、電荷制御剤が表面か
ら脱落したトナーは帯電特性が悪くなる。また、電荷制
御剤は高価なものが多く、従ってトナーの製造コストを
高くする原因にもなっていた。さらに、電荷制御剤に
は、クロム等の金属を使用した金属キレート化合物のよ
うに、有害なものも少なくない。
電荷制御剤とを混合して作製される。電荷制御剤は電子
供与性物質または電子吸引性物質からなり、トナーを負
または正に帯電させる。しかしながら、電荷制御剤は現
像過程におけるキャリヤとの摩擦によりトナーの表面か
ら脱落しやすいという問題がある。トナー表面から脱落
した電荷制御剤はキャリヤ表面を汚染し、キャリヤの帯
電能が低下する原因となる。また、電荷制御剤が表面か
ら脱落したトナーは帯電特性が悪くなる。また、電荷制
御剤は高価なものが多く、従ってトナーの製造コストを
高くする原因にもなっていた。さらに、電荷制御剤に
は、クロム等の金属を使用した金属キレート化合物のよ
うに、有害なものも少なくない。
【0007】従って、従来より、電荷制御剤を含有しな
いトナーの開発が要望されていた。このようなトナーと
して、特開昭62−280758号公報には、着色剤と
結着樹脂とを主成分とする組成物に、酸基を有し酸価が
100より大きい重合体を含有させたトナーが開示され
ている。また、特開昭55−134861号公報には、
酸価が5〜100であるビニル系共重合体を含有するト
ナーが開示されている。この公報に記載の発明は、トナ
ーのオフセット防止を主目的としたものであるが、実施
例の記載から電荷制御剤を含有しないトナーであると考
えられる。
いトナーの開発が要望されていた。このようなトナーと
して、特開昭62−280758号公報には、着色剤と
結着樹脂とを主成分とする組成物に、酸基を有し酸価が
100より大きい重合体を含有させたトナーが開示され
ている。また、特開昭55−134861号公報には、
酸価が5〜100であるビニル系共重合体を含有するト
ナーが開示されている。この公報に記載の発明は、トナ
ーのオフセット防止を主目的としたものであるが、実施
例の記載から電荷制御剤を含有しないトナーであると考
えられる。
【0008】これらのトナーはトナーの製造コストや安
全性のうえからは好ましいものであるが、トナーの帯電
制御という点において充分に満足できるものではなかっ
た。その原因としては、トナーの帯電性に大きな影響を
及ぼすキャリヤとの関係が考慮されていないためであ
る。本発明の主たる目的は、流動性が低下したりスペン
トが発生したりせず、安定した帯電性を有する電子写真
用キャリヤを提供することである。
全性のうえからは好ましいものであるが、トナーの帯電
制御という点において充分に満足できるものではなかっ
た。その原因としては、トナーの帯電性に大きな影響を
及ぼすキャリヤとの関係が考慮されていないためであ
る。本発明の主たる目的は、流動性が低下したりスペン
トが発生したりせず、安定した帯電性を有する電子写真
用キャリヤを提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、とくに電荷制御剤を
含有しないトナーを用いて、帯電性、現像性を改善した
電子写真用現像剤を提供することである。
含有しないトナーを用いて、帯電性、現像性を改善した
電子写真用現像剤を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のキ
ャリヤにおいて、流動性が低下したりスペントが発生す
る原因について検討を行った。その結果、キャリヤの樹
脂コート層として使用されるシリコーン樹脂中にメラミ
ン樹脂を含有させたものでは、両樹脂の相溶性が極端に
悪いため、樹脂コート層表面の均一性が低下するのが原
因で、上記の問題が発生することが見出された。
ャリヤにおいて、流動性が低下したりスペントが発生す
る原因について検討を行った。その結果、キャリヤの樹
脂コート層として使用されるシリコーン樹脂中にメラミ
ン樹脂を含有させたものでは、両樹脂の相溶性が極端に
悪いため、樹脂コート層表面の均一性が低下するのが原
因で、上記の問題が発生することが見出された。
【0011】すなわち、従来の樹脂コート層は、両樹脂
の相溶性が悪いため均一な相を形成せず、シリコーン樹
脂中にメラミン樹脂の粒塊が分散した構造を有してお
り、しかも、このメラミン樹脂の粒塊はシリコーン樹脂
よりも柔らかいため、現像装置内で繰り返し攪拌される
と樹脂コート層から脱落して、樹脂コート層表面の均一
性が低下しやすい。
の相溶性が悪いため均一な相を形成せず、シリコーン樹
脂中にメラミン樹脂の粒塊が分散した構造を有してお
り、しかも、このメラミン樹脂の粒塊はシリコーン樹脂
よりも柔らかいため、現像装置内で繰り返し攪拌される
と樹脂コート層から脱落して、樹脂コート層表面の均一
性が低下しやすい。
【0012】樹脂コート層表面の均一性が低下すれば、
表面エネルギーが高くなって、凝集やスペントが発生し
やすくなる上、メラミン樹脂の粒塊が脱落した樹脂コー
ト層は、当然のことながら帯電性も安定しないのであ
る。また、本発明者らは、シリコーン樹脂自体にも、上
記の問題を生じる原因があることを見出した。
表面エネルギーが高くなって、凝集やスペントが発生し
やすくなる上、メラミン樹脂の粒塊が脱落した樹脂コー
ト層は、当然のことながら帯電性も安定しないのであ
る。また、本発明者らは、シリコーン樹脂自体にも、上
記の問題を生じる原因があることを見出した。
【0013】すなわち、シリコーン樹脂は、硬化により
形成される3次元網目状構造が緊密である程、表面の均
一性が向上して、凝集やスペントの防止効果に優れたも
のとなるが、従来使用されているシリコーン樹脂では、
硬化により十分な3次元網目状構造を形成できない場合
があり、その結果、樹脂コート層表面の均一性が低下し
て表面に粘着性を生じ、凝集やスペントが発生しやすく
なる。また、従来使用されているシリコーン樹脂は、メ
チルフェニルシリコーン樹脂におけるフェニル基のよう
に、凝集やスペントに寄与する基を分子中に有すること
も、上記問題が発生する原因の一つであると考えられ
る。
形成される3次元網目状構造が緊密である程、表面の均
一性が向上して、凝集やスペントの防止効果に優れたも
のとなるが、従来使用されているシリコーン樹脂では、
硬化により十分な3次元網目状構造を形成できない場合
があり、その結果、樹脂コート層表面の均一性が低下し
て表面に粘着性を生じ、凝集やスペントが発生しやすく
なる。また、従来使用されているシリコーン樹脂は、メ
チルフェニルシリコーン樹脂におけるフェニル基のよう
に、凝集やスペントに寄与する基を分子中に有すること
も、上記問題が発生する原因の一つであると考えられ
る。
【0014】そこで、本発明者らは、シリコーン樹脂自
体の特性と、含有させるメラミン樹脂の特性の2つの観
点から、樹脂コート層表面の均一性を向上させることを
検討した。シリコーン樹脂自体については、種々のシリ
コーン樹脂のうち、スペント発生に寄与するフェニル基
等を有さないメチルシリコーン樹脂を使用すればよいこ
と、また、このメチルシリコーン樹脂中に含まれるT単
位すなわち3官能性単位(R Si O1.5 )の量が多い
程、緻密な3次元網目状構造を有する硬化物を形成でき
ることを見出した。
体の特性と、含有させるメラミン樹脂の特性の2つの観
点から、樹脂コート層表面の均一性を向上させることを
検討した。シリコーン樹脂自体については、種々のシリ
コーン樹脂のうち、スペント発生に寄与するフェニル基
等を有さないメチルシリコーン樹脂を使用すればよいこ
と、また、このメチルシリコーン樹脂中に含まれるT単
位すなわち3官能性単位(R Si O1.5 )の量が多い
程、緻密な3次元網目状構造を有する硬化物を形成でき
ることを見出した。
【0015】一方、メラミン樹脂については、シリコー
ン樹脂の硬化物と同程度に硬度の高いものを使用すれ
ば、シリコーン樹脂との相溶性が悪く、シリコーン樹脂
中に粒塊として分散した構造であっても、当該粒塊が樹
脂コート層から脱落することがなく、樹脂コート層表面
の均一性が低下するのを防止できることを見出した。ま
た、上記のようにメラミン樹脂の硬度を高めるには、メ
ラミン樹脂の種類と分子量範囲を選択すればよいことも
判った。
ン樹脂の硬化物と同程度に硬度の高いものを使用すれ
ば、シリコーン樹脂との相溶性が悪く、シリコーン樹脂
中に粒塊として分散した構造であっても、当該粒塊が樹
脂コート層から脱落することがなく、樹脂コート層表面
の均一性が低下するのを防止できることを見出した。ま
た、上記のようにメラミン樹脂の硬度を高めるには、メ
ラミン樹脂の種類と分子量範囲を選択すればよいことも
判った。
【0016】そこで、メチルシリコーン樹脂ならびにメ
ラミン樹脂についてさらに検討を行った結果、本発明を
完成するに至った。したがって、本発明の電子写真用キ
ャリヤは、キャリヤ芯材の表面に、T単位を70%以上
含むメチルシリコーン樹脂と、分子量700以上のメチ
ル化メラミン樹脂との硬化物からなる樹脂コート層を有
することを特徴とする。
ラミン樹脂についてさらに検討を行った結果、本発明を
完成するに至った。したがって、本発明の電子写真用キ
ャリヤは、キャリヤ芯材の表面に、T単位を70%以上
含むメチルシリコーン樹脂と、分子量700以上のメチ
ル化メラミン樹脂との硬化物からなる樹脂コート層を有
することを特徴とする。
【0017】また、上記キャリヤを、電荷制御剤を含有
しないトナーと組み合わせて、2成分系の現像剤として
使用するときは、帯電性および現像性が著しく改善され
る。すなわち、前述のように、従来、電荷制御剤を含有
しないトナーを使用して高い画像濃度を得るために、前
述のように結着樹脂の有する酸基を調整する手段が専ら
検討されていた。これに対して、通常のキャリヤではス
ペント防止のためにシリコーン樹脂をコート層に使用し
ているため、帯電量が高くなる傾向にある。このような
キャリヤを、電荷制御剤を含有しないトナーと組み合わ
せると、帯電量が不安定になる。そこで、本発明者ら
は、鋭意研究を重ねた結果、着色剤と結着樹脂とを含有
し結着樹脂が3〜40の酸価を有するトナーと、上記キ
ャリヤとを組み合わせた現像剤を使用すると、電荷制御
剤を含有しないトナーを使用しているにもかかわらず、
帯電量が最適範囲内で安定化され、トナー飛散やカブリ
の発生が防止されるという新たな事実を見出したもので
ある。
しないトナーと組み合わせて、2成分系の現像剤として
使用するときは、帯電性および現像性が著しく改善され
る。すなわち、前述のように、従来、電荷制御剤を含有
しないトナーを使用して高い画像濃度を得るために、前
述のように結着樹脂の有する酸基を調整する手段が専ら
検討されていた。これに対して、通常のキャリヤではス
ペント防止のためにシリコーン樹脂をコート層に使用し
ているため、帯電量が高くなる傾向にある。このような
キャリヤを、電荷制御剤を含有しないトナーと組み合わ
せると、帯電量が不安定になる。そこで、本発明者ら
は、鋭意研究を重ねた結果、着色剤と結着樹脂とを含有
し結着樹脂が3〜40の酸価を有するトナーと、上記キ
ャリヤとを組み合わせた現像剤を使用すると、電荷制御
剤を含有しないトナーを使用しているにもかかわらず、
帯電量が最適範囲内で安定化され、トナー飛散やカブリ
の発生が防止されるという新たな事実を見出したもので
ある。
【0018】また、本発明の現像剤は、トナーの補給性
やスペントの発生を防止するうえでも有効である。本発
明におけるメチルシリコーン樹脂は、例えばメチルトリ
クロロシラン、トリメチルクロロシランおよびジメチル
ジクロロシランの混合物を加水分解して得られるシラノ
ール化合物を縮重合することによって得られるものであ
る。反応に使用するメチルトリクロロシラン、トリメチ
ルクロロシランおよびジメチルジクロロシランの混合物
に配合するメチルトリクロロシラン(CH3Si Cl3 )の
量によってT単位は決定される。
やスペントの発生を防止するうえでも有効である。本発
明におけるメチルシリコーン樹脂は、例えばメチルトリ
クロロシラン、トリメチルクロロシランおよびジメチル
ジクロロシランの混合物を加水分解して得られるシラノ
ール化合物を縮重合することによって得られるものであ
る。反応に使用するメチルトリクロロシラン、トリメチ
ルクロロシランおよびジメチルジクロロシランの混合物
に配合するメチルトリクロロシラン(CH3Si Cl3 )の
量によってT単位は決定される。
【0019】すなわち、 硬化後のメチルシリコーン樹
脂中におけるT単位の割合を70%以上に調整するに
は、原料であるメチルクロロシラン類のうち、T単位の
元になるメチルトリクロロシランの配合割合を70%以
上にすればよい。本発明において、メチルシリコーン樹
脂中のT単位の割合は、緻密な3次元網目状構造を有す
る硬化物を形成するうえで、70%以上であるのが好ま
しい。これに対して、T単位の割合が70%未満では、
相対的に、架橋に寄与しないD単位すなわち2官能性単
位(R2Si O)や、分子量を低下させるM単位すなわち
1官能性単位(R3Si O0.5 )の割合が増加し緻密な3
次元網目状構造を形成できないため、凝集やスペントが
発生しやすくなってしまう。トナーとの関係では,上記
トナー粒子のスペントに伴い帯電量が低下し、カブリや
トナー飛散が多くなる。
脂中におけるT単位の割合を70%以上に調整するに
は、原料であるメチルクロロシラン類のうち、T単位の
元になるメチルトリクロロシランの配合割合を70%以
上にすればよい。本発明において、メチルシリコーン樹
脂中のT単位の割合は、緻密な3次元網目状構造を有す
る硬化物を形成するうえで、70%以上であるのが好ま
しい。これに対して、T単位の割合が70%未満では、
相対的に、架橋に寄与しないD単位すなわち2官能性単
位(R2Si O)や、分子量を低下させるM単位すなわち
1官能性単位(R3Si O0.5 )の割合が増加し緻密な3
次元網目状構造を形成できないため、凝集やスペントが
発生しやすくなってしまう。トナーとの関係では,上記
トナー粒子のスペントに伴い帯電量が低下し、カブリや
トナー飛散が多くなる。
【0020】T単位の割合の上限は特に限定されず、1
00%まで任意の範囲を選択することができる。また、
樹脂コート層にメチルシリコーン樹脂とともに含有され
るメラミン樹脂としては、分子量(重量平均分子量)が
700以上のメチル化メラミン樹脂が使用される。
00%まで任意の範囲を選択することができる。また、
樹脂コート層にメチルシリコーン樹脂とともに含有され
るメラミン樹脂としては、分子量(重量平均分子量)が
700以上のメチル化メラミン樹脂が使用される。
【0021】メチル化メラミン樹脂の分子量が700未
満であるときは、前述したように、メチルシリコーン樹
脂中に分散したメチル化メラミン樹脂の粒塊が十分な硬
度を有さない柔らかいものとなり、現像装置内で繰り返
し攪拌された際に樹脂コート層から脱落して、樹脂コー
ト層表面の均一性が低下し、凝集やスペントが発生しや
すくなる上、帯電性が低下すると共に、カブリやトナー
飛散が多くなる。
満であるときは、前述したように、メチルシリコーン樹
脂中に分散したメチル化メラミン樹脂の粒塊が十分な硬
度を有さない柔らかいものとなり、現像装置内で繰り返
し攪拌された際に樹脂コート層から脱落して、樹脂コー
ト層表面の均一性が低下し、凝集やスペントが発生しや
すくなる上、帯電性が低下すると共に、カブリやトナー
飛散が多くなる。
【0022】メチル化メラミン樹脂の分子量の上限につ
いては特に限定されないが、2000以下であることが
好ましい。メチル化メラミン樹脂は、メラミンとホルム
アルデヒドとを付加反応させ、得られたメチロール化物
をメタノールと反応させて、メチロール基の少なくとも
一部をエーテル化(メチル化)することによって得られ
るものである。反応に使用するメラミンとホルムアルデ
ヒドとの量比は、メラミン1モル当たり1.0〜8.0
モル、とくに2.0〜7.0モルの範囲が適当である。
メチロール化反応は、アルカリ金属やアルカリ土類金属
の水酸化物やアンモニアのようなアルカリ性触媒の存在
下に行われる。この反応に際して、メチロール化メラミ
ン同士の縮合、すなわちメチロール化メラミン同士がメ
チレン基を介して結合し、分子量の増大を生じる。この
とき、反応媒体中にメタノールが存在すると、メチロー
ル基とメタノールとの縮合によりエーテル化を生じる。
エーテル化(メチル化)の程度は10〜85モル%、と
くに20〜80モル%の範囲が適当である。
いては特に限定されないが、2000以下であることが
好ましい。メチル化メラミン樹脂は、メラミンとホルム
アルデヒドとを付加反応させ、得られたメチロール化物
をメタノールと反応させて、メチロール基の少なくとも
一部をエーテル化(メチル化)することによって得られ
るものである。反応に使用するメラミンとホルムアルデ
ヒドとの量比は、メラミン1モル当たり1.0〜8.0
モル、とくに2.0〜7.0モルの範囲が適当である。
メチロール化反応は、アルカリ金属やアルカリ土類金属
の水酸化物やアンモニアのようなアルカリ性触媒の存在
下に行われる。この反応に際して、メチロール化メラミ
ン同士の縮合、すなわちメチロール化メラミン同士がメ
チレン基を介して結合し、分子量の増大を生じる。この
とき、反応媒体中にメタノールが存在すると、メチロー
ル基とメタノールとの縮合によりエーテル化を生じる。
エーテル化(メチル化)の程度は10〜85モル%、と
くに20〜80モル%の範囲が適当である。
【0023】メチルシリコーン樹脂とメチル化メラミン
樹脂との硬化物からなる樹脂コート層中に占める、メチ
ル化メラミン樹脂の割合については、特に限定されない
が、5〜70重量%の範囲内であることが好ましい。メ
チル化メラミン樹脂の割合が5重量%未満では、当該メ
チル化メラミン樹脂の添加効果が十分でなく、キャリヤ
の帯電性が不安定化するおそれがある。逆に、メチル化
メラミン樹脂の割合が70重量%を超えると、メラミン
の自己架橋が多くなり、硬化時の反応性が低下して成膜
性が悪くなる上、硬化後の樹脂コート層が脆くなって、
キャリヤ芯材から剥離しやすいものとなるおそれがあ
る。
樹脂との硬化物からなる樹脂コート層中に占める、メチ
ル化メラミン樹脂の割合については、特に限定されない
が、5〜70重量%の範囲内であることが好ましい。メ
チル化メラミン樹脂の割合が5重量%未満では、当該メ
チル化メラミン樹脂の添加効果が十分でなく、キャリヤ
の帯電性が不安定化するおそれがある。逆に、メチル化
メラミン樹脂の割合が70重量%を超えると、メラミン
の自己架橋が多くなり、硬化時の反応性が低下して成膜
性が悪くなる上、硬化後の樹脂コート層が脆くなって、
キャリヤ芯材から剥離しやすいものとなるおそれがあ
る。
【0024】また、本発明においては、樹脂コート層
に、当該樹脂コート層の特性を低下させない範囲で、上
記メチルシリコーン樹脂、メチル化メラミン樹脂以外の
樹脂を含有させることもできる。上記以外の樹脂として
は、例えば、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重
合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフ
ィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポ
リプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂、メチルシリコーン樹脂以外
のシリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化
ビニリデン等)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、メチル化メ
ラミン樹脂以外のアミノ樹脂等の、コーティングキャリ
ヤ用として従来公知の、種々の樹脂があげられる。これ
らは単独で、あるいは2種以上混合して使用される。
に、当該樹脂コート層の特性を低下させない範囲で、上
記メチルシリコーン樹脂、メチル化メラミン樹脂以外の
樹脂を含有させることもできる。上記以外の樹脂として
は、例えば、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重
合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフ
ィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポ
リプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂、メチルシリコーン樹脂以外
のシリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化
ビニリデン等)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、メチル化メ
ラミン樹脂以外のアミノ樹脂等の、コーティングキャリ
ヤ用として従来公知の、種々の樹脂があげられる。これ
らは単独で、あるいは2種以上混合して使用される。
【0025】また、上記樹脂コート層には、必要に応じ
て、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、脂肪酸金属
塩等の、樹脂コート層の特性を調整するための添加剤を
含有させることもできる。樹脂コート層の膜厚は従来と
同程度でよく、特に限定されないが、具体的には、キャ
リヤ芯材へのコート量で表して、キリャリヤ芯材に対し
て0.01〜10重量%、特に0.05〜5重量%コー
ト量であることが好ましい。
て、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、脂肪酸金属
塩等の、樹脂コート層の特性を調整するための添加剤を
含有させることもできる。樹脂コート層の膜厚は従来と
同程度でよく、特に限定されないが、具体的には、キャ
リヤ芯材へのコート量で表して、キリャリヤ芯材に対し
て0.01〜10重量%、特に0.05〜5重量%コー
ト量であることが好ましい。
【0026】表面に上記樹脂コート層が形成されるキャ
リヤ芯材としては、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタ
イト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト
等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニ
ウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバル
ト合金等の粒子、上記各種粒子を結着樹脂中に分散させ
た粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化
マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ
素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン
酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチ
ウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウ
ム(NH4 H2 PO4 )、リン酸二水素カリウム(KH
2 PO4 )、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子等、
従来公知の種々のキャリヤ芯材があげられる。
リヤ芯材としては、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタ
イト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト
等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニ
ウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバル
ト合金等の粒子、上記各種粒子を結着樹脂中に分散させ
た粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化
マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ
素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン
酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチ
ウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウ
ム(NH4 H2 PO4 )、リン酸二水素カリウム(KH
2 PO4 )、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子等、
従来公知の種々のキャリヤ芯材があげられる。
【0027】中でも、環境および経時変化による電気抵
抗の変化率が小さく、かつ、現像装置内において磁場を
かけられた際に、感光体表面と接触する柔らかい穂を形
成できるフェライト系粒子が好適に使用される。フェラ
イト系粒子としては、亜鉛系フェライト、ニッケル系フ
ェライト、銅系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライ
ト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネ
シウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マ
ンガン−銅−亜鉛系フェライト等の粒子があげられる。
特に、マンガン−銅−亜鉛系フェライトの粒子が好まし
い。
抗の変化率が小さく、かつ、現像装置内において磁場を
かけられた際に、感光体表面と接触する柔らかい穂を形
成できるフェライト系粒子が好適に使用される。フェラ
イト系粒子としては、亜鉛系フェライト、ニッケル系フ
ェライト、銅系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライ
ト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネ
シウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マ
ンガン−銅−亜鉛系フェライト等の粒子があげられる。
特に、マンガン−銅−亜鉛系フェライトの粒子が好まし
い。
【0028】キャリヤ芯材の粒径は、10〜200μm
の範囲内、特に30〜150μmの範囲内であることが
好ましい。また、上記キャリヤ芯材の飽和磁化は35〜
70emu /gの範囲内、特に40〜65emu /gの範囲
内であることが好ましい。本発明の電子写真用キャリヤ
は、従来同様に、メチルシリコーン樹脂オリゴマー、メ
チル化メラミン樹脂等の、樹脂コート層を構成する各成
分を適当な溶媒に溶解または分散してコーティング剤を
作製し、これを、キャリヤ芯材の表面にコーティングし
たのち、熱処理して樹脂を硬化させることで製造され
る。
の範囲内、特に30〜150μmの範囲内であることが
好ましい。また、上記キャリヤ芯材の飽和磁化は35〜
70emu /gの範囲内、特に40〜65emu /gの範囲
内であることが好ましい。本発明の電子写真用キャリヤ
は、従来同様に、メチルシリコーン樹脂オリゴマー、メ
チル化メラミン樹脂等の、樹脂コート層を構成する各成
分を適当な溶媒に溶解または分散してコーティング剤を
作製し、これを、キャリヤ芯材の表面にコーティングし
たのち、熱処理して樹脂を硬化させることで製造され
る。
【0029】キャリヤ芯材の表面にコーティング剤をコ
ーティングする方法としては、V型ブレンダー、ナウタ
ーミキサー等の、従来公知の混合機を用いて、キャリヤ
芯材とコーティング剤とを均一に混合する方法の他、浸
漬法、スプレー法、流動床法、転動層法等を採用するこ
ともできる。コーティング剤用の溶媒としては、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、トリクロロエチレ
ン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒド
ロフラン等の環状エーテル類、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類等があげ
られる。
ーティングする方法としては、V型ブレンダー、ナウタ
ーミキサー等の、従来公知の混合機を用いて、キャリヤ
芯材とコーティング剤とを均一に混合する方法の他、浸
漬法、スプレー法、流動床法、転動層法等を採用するこ
ともできる。コーティング剤用の溶媒としては、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、トリクロロエチレ
ン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒド
ロフラン等の環状エーテル類、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類等があげ
られる。
【0030】樹脂を硬化させるための熱処理温度は、実
質的にメチルシリコーン樹脂が硬化反応を開始する温度
以上であることが好ましく、詳細には80〜400℃の
範囲内、特に100〜300℃の範囲内であるのがより
好ましい。また、本発明におけるトナーは、着色剤と3
〜40の酸価を有する結着樹脂とから構成される。
質的にメチルシリコーン樹脂が硬化反応を開始する温度
以上であることが好ましく、詳細には80〜400℃の
範囲内、特に100〜300℃の範囲内であるのがより
好ましい。また、本発明におけるトナーは、着色剤と3
〜40の酸価を有する結着樹脂とから構成される。
【0031】前記着色剤としては、従来よりトナーに配
合されている着色剤がいずれも使用可能であり、例えば
カーボンブラックのほか、シアン、マゼンタ、イエロー
などの色の染料や顔料があげられる。着色剤の配合量
は、結着樹脂100重量部に対して1〜30重量部、好
ましくは1〜20重量部である。前記結着樹脂として
は、分子中に酸基を有する重合可能な単量体と、他の単
量体との共重合体があげられる。分子中に酸基を有する
重合可能な単量体としては、例えばアクリル酸、メタク
リル酸、α−クロルアクリル酸、α−ブロムアクリル
酸、α−アシルアミドアクリル酸、α−ベンズアミドア
クリル酸、α−フェニルアセトアミドアクリル酸、α−
エチルアクリル酸、クロトン酸などがあげられる。
合されている着色剤がいずれも使用可能であり、例えば
カーボンブラックのほか、シアン、マゼンタ、イエロー
などの色の染料や顔料があげられる。着色剤の配合量
は、結着樹脂100重量部に対して1〜30重量部、好
ましくは1〜20重量部である。前記結着樹脂として
は、分子中に酸基を有する重合可能な単量体と、他の単
量体との共重合体があげられる。分子中に酸基を有する
重合可能な単量体としては、例えばアクリル酸、メタク
リル酸、α−クロルアクリル酸、α−ブロムアクリル
酸、α−アシルアミドアクリル酸、α−ベンズアミドア
クリル酸、α−フェニルアセトアミドアクリル酸、α−
エチルアクリル酸、クロトン酸などがあげられる。
【0032】また、前記他の単量体としては、従来公知
の種々のビニル系単量体、例えばスチレン、クロルスチ
レン、α−メチルスチレンなどのスチレン類;メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリルn−ブチル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸2−クロルエチルなどのモノカルボ
ン酸エステル類;塩化ビニル、臭化ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル
などのビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくは
メタクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニル
エーテル類;ビニルナフタリン類;ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−
ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニル
インドール、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化
合物があげられる。これらの単量体は単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。
の種々のビニル系単量体、例えばスチレン、クロルスチ
レン、α−メチルスチレンなどのスチレン類;メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリルn−ブチル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸2−クロルエチルなどのモノカルボ
ン酸エステル類;塩化ビニル、臭化ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル
などのビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくは
メタクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニル
エーテル類;ビニルナフタリン類;ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−
ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニル
インドール、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化
合物があげられる。これらの単量体は単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。
【0033】1種または2種以上のビニル系単量体と、
酸基を有する重合可能な単量体とは、溶液重合、塊状重
合、懸濁重合、分散重合などにより共重合される。かく
して得られる結着樹脂に所定の酸価を付与するために
は、当該酸価になるように、ビニル系単量体と、酸基を
有する重合可能な単量体との配合比を決定すればよい。
例えばスチレン−アクリル共重合体では、アクリル酸の
配合量は全単量体に対して約1〜8モル%とすることに
より、酸価が3〜40の樹脂を得ることができる。
酸基を有する重合可能な単量体とは、溶液重合、塊状重
合、懸濁重合、分散重合などにより共重合される。かく
して得られる結着樹脂に所定の酸価を付与するために
は、当該酸価になるように、ビニル系単量体と、酸基を
有する重合可能な単量体との配合比を決定すればよい。
例えばスチレン−アクリル共重合体では、アクリル酸の
配合量は全単量体に対して約1〜8モル%とすることに
より、酸価が3〜40の樹脂を得ることができる。
【0034】得られる共重合体の分子量は、重量平均分
子量(Mw)で50000〜300000、数平均分子
量(Mn)で2000〜20000であるのが好まし
い。また、共重合体のガラス転移点は50〜70℃であ
るのが好ましい。また、本発明におけるトナーは、着色
剤および結着樹脂のほかに、例えば高分子量ポリエチレ
ン、低分子量ポリプロピレンなどの離型剤その他の成分
を配合してもよい。また、現像剤の流動性等を改善する
ため、シリカ、アルミナ、酸化スズ、酸化ストロンチウ
ム、各種樹脂粉等の従来公知の外部添加剤をトナーおよ
び/またはキャリヤに配合することもできる。
子量(Mw)で50000〜300000、数平均分子
量(Mn)で2000〜20000であるのが好まし
い。また、共重合体のガラス転移点は50〜70℃であ
るのが好ましい。また、本発明におけるトナーは、着色
剤および結着樹脂のほかに、例えば高分子量ポリエチレ
ン、低分子量ポリプロピレンなどの離型剤その他の成分
を配合してもよい。また、現像剤の流動性等を改善する
ため、シリカ、アルミナ、酸化スズ、酸化ストロンチウ
ム、各種樹脂粉等の従来公知の外部添加剤をトナーおよ
び/またはキャリヤに配合することもできる。
【0035】かくして製造されるトナーは、通常の電荷
制御剤含有トナーと同様の割合で上記キャリヤと混合し
て使用することができる。トナーとキャリヤとの混合割
合は、通常、2:98〜10:90が適当である。本発
明の電子写真用キャリヤおよびこれを用いた現像剤は、
静電式複写機やレーザービームプリンタ等の画像形成装
置に好適に使用することができる。
制御剤含有トナーと同様の割合で上記キャリヤと混合し
て使用することができる。トナーとキャリヤとの混合割
合は、通常、2:98〜10:90が適当である。本発
明の電子写真用キャリヤおよびこれを用いた現像剤は、
静電式複写機やレーザービームプリンタ等の画像形成装
置に好適に使用することができる。
【0036】
【実施例】次に、本発明電子写真用キャリヤおよびこれ
を用いた現像剤を、実施例および比較例に基づいて説明
する。 実施例1 キャリヤ芯材としての、平均粒径80μmの球状フェラ
イト粒子1000重量部に、下記の各成分からなるコー
ティング剤510重量部を、流動床コーティング装置を
用いて噴霧コーティングしたのち、150℃で1時間の
熱処理を行い、電子写真用キャリヤを製造した。 *コーティング剤 メチルシリコーン樹脂オリゴマー(T単位の割合87%):7重量部 メチル化メラミン樹脂(分子量700) :3重量部 溶媒(トルエン) :500重量部 実施例2,3および比較例1 下記表1に示す分子量のメチル化メラミン樹脂3重量部
を使用したこと以外は、上記実施例1と同様にして、電
子写真用キャリヤを製造した。
を用いた現像剤を、実施例および比較例に基づいて説明
する。 実施例1 キャリヤ芯材としての、平均粒径80μmの球状フェラ
イト粒子1000重量部に、下記の各成分からなるコー
ティング剤510重量部を、流動床コーティング装置を
用いて噴霧コーティングしたのち、150℃で1時間の
熱処理を行い、電子写真用キャリヤを製造した。 *コーティング剤 メチルシリコーン樹脂オリゴマー(T単位の割合87%):7重量部 メチル化メラミン樹脂(分子量700) :3重量部 溶媒(トルエン) :500重量部 実施例2,3および比較例1 下記表1に示す分子量のメチル化メラミン樹脂3重量部
を使用したこと以外は、上記実施例1と同様にして、電
子写真用キャリヤを製造した。
【0037】比較例2および3 下記表1に示す分子量のブチル化メラミン樹脂3重量部
を使用したこと以外は、上記実施例1と同様にして、電
子写真用キャリヤを製造した。 比較例4 メチルシリコーン樹脂オリゴマーに代えて、メチルフェ
ニルシリコーン樹脂オリゴマー7重量部を使用したこと
以外は、上記実施例2と同様にして、電子写真用キャリ
ヤを製造した。
を使用したこと以外は、上記実施例1と同様にして、電
子写真用キャリヤを製造した。 比較例4 メチルシリコーン樹脂オリゴマーに代えて、メチルフェ
ニルシリコーン樹脂オリゴマー7重量部を使用したこと
以外は、上記実施例2と同様にして、電子写真用キャリ
ヤを製造した。
【0038】実施例4,5および比較例5,6 下記表1に示すT単位を有するメチルシリコーン樹脂オ
リゴマー7重量部を使用したこと以外は、上記実施例2
と同様にして、電子写真用キャリヤを製造した。 比較例7 メチル化メラミン樹脂を配合しなかったこと以外は、上
記実施例1と同様にして、電子写真用キャリヤを製造し
た。
リゴマー7重量部を使用したこと以外は、上記実施例2
と同様にして、電子写真用キャリヤを製造した。 比較例7 メチル化メラミン樹脂を配合しなかったこと以外は、上
記実施例1と同様にして、電子写真用キャリヤを製造し
た。
【0039】
【表1】
【0040】上記各電子写真用キャリヤ96.5重量部
を、下記の各成分からなるトナー(平均粒径11μm、
トナー100重量部に対し、0.2重量部の疎水性シリ
カで表面処理したもの)3.5重量部と攪拌混合して、
2成分系現像剤を作製した。 *トナー 定着用樹脂(スチレン−アクリル系共重合体):100
重量部 カーボンブラック(三菱化成社製の商品名MA−10
0):10重量部 電荷制御剤(含クロム染料):1.5重量部 そして、この現像剤を、静電式複写機(三田工業社製の
型番DC−7085)にスタート現像剤として使用する
とともに、同じトナーを補給用トナーとして使用して、
15万枚の連続複写を行い、下記の各試験法により、複
写開始1枚目と15万枚目における、複写画像の画像濃
度(I.D.)およびカブリ濃度(F.D.)、現像剤
の帯電量(μC/g)、ならびに、連続複写後におけ
る、トナーのキャリヤへのスペント率(%)を測定し
た。
を、下記の各成分からなるトナー(平均粒径11μm、
トナー100重量部に対し、0.2重量部の疎水性シリ
カで表面処理したもの)3.5重量部と攪拌混合して、
2成分系現像剤を作製した。 *トナー 定着用樹脂(スチレン−アクリル系共重合体):100
重量部 カーボンブラック(三菱化成社製の商品名MA−10
0):10重量部 電荷制御剤(含クロム染料):1.5重量部 そして、この現像剤を、静電式複写機(三田工業社製の
型番DC−7085)にスタート現像剤として使用する
とともに、同じトナーを補給用トナーとして使用して、
15万枚の連続複写を行い、下記の各試験法により、複
写開始1枚目と15万枚目における、複写画像の画像濃
度(I.D.)およびカブリ濃度(F.D.)、現像剤
の帯電量(μC/g)、ならびに、連続複写後におけ
る、トナーのキャリヤへのスペント率(%)を測定し
た。
【0041】画像濃度測定 反射濃度計(東京電色社製の型番TC−6D)を用い
て、複写画像の黒べた部の画像濃度(I.D.)を測定
した。カブリ濃度測定 上記反射濃度計を用いて、複写画像の余白部の濃度を測
定し、カブリ濃度(F.D.)とした。
て、複写画像の黒べた部の画像濃度(I.D.)を測定
した。カブリ濃度測定 上記反射濃度計を用いて、複写画像の余白部の濃度を測
定し、カブリ濃度(F.D.)とした。
【0042】現像剤の帯電量測定 東芝ケミカル社製のブローオフを用いて、現像剤のブロ
ーオフ帯電量(μC/g)を測定した。スペント率 15万枚の連続複写が終了した現像剤からトナーを吸引
除去した後、キャリヤ表面に残留しているトナー分の重
量をカーボンアナライザ(堀場社製)で測定して、キャ
リヤ重量に対する割合を、スペント率(%)として算出
した。
ーオフ帯電量(μC/g)を測定した。スペント率 15万枚の連続複写が終了した現像剤からトナーを吸引
除去した後、キャリヤ表面に残留しているトナー分の重
量をカーボンアナライザ(堀場社製)で測定して、キャ
リヤ重量に対する割合を、スペント率(%)として算出
した。
【0043】以上の結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2の結果より、分子量が700未満のメ
チル化メラミン樹脂を使用した比較例1、メチル化メラ
ミン樹脂に代えてブチル化メラミン樹脂を使用した比較
例2,3、および、シリコーン樹脂としてメチルフェニ
ルシリコーン樹脂を使用した比較例4の電子写真用キャ
リヤは、いずれも、15万枚の連続複写により多量のス
ペントが発生し、それに伴って、帯電量が著しく低下し
て、カブリが発生した。
チル化メラミン樹脂を使用した比較例1、メチル化メラ
ミン樹脂に代えてブチル化メラミン樹脂を使用した比較
例2,3、および、シリコーン樹脂としてメチルフェニ
ルシリコーン樹脂を使用した比較例4の電子写真用キャ
リヤは、いずれも、15万枚の連続複写により多量のス
ペントが発生し、それに伴って、帯電量が著しく低下し
て、カブリが発生した。
【0046】これに対し、実施例1〜3の電子写真用キ
ャリヤは、メラミン樹脂を含有しないため樹脂コート層
が均一な参考例と同様に、15万枚の連続複写によって
も多量のスペントが発生しなかった。また、上記実施例
1〜3の電子写真用キャリヤは、メチル化メラミン樹脂
を含有しない比較例7に比べて、画像形成開始時から終
了時まで、安定した帯電性を示した。このため、上記実
施例1〜3の電子写真用キャリヤによれば、15万枚の
連続複写完了まで、安定した画像形成を行うことができ
た。
ャリヤは、メラミン樹脂を含有しないため樹脂コート層
が均一な参考例と同様に、15万枚の連続複写によって
も多量のスペントが発生しなかった。また、上記実施例
1〜3の電子写真用キャリヤは、メチル化メラミン樹脂
を含有しない比較例7に比べて、画像形成開始時から終
了時まで、安定した帯電性を示した。このため、上記実
施例1〜3の電子写真用キャリヤによれば、15万枚の
連続複写完了まで、安定した画像形成を行うことができ
た。
【0047】また、メチルシリコーン樹脂のT単位の割
合が70%未満である比較例5の電子写真キャリヤは1
5万枚の連続複写により多量のスペントが発生し、それ
に伴って帯電量が著しく低下してカブリが発生したう
え、トナー飛散が顕著であった。さらに、T単位の割合
が著しく低い比較例6の電子写真用キャリヤでは凝集が
発生して、画像形成に使用することができず、上記各特
性を測定できなかった。
合が70%未満である比較例5の電子写真キャリヤは1
5万枚の連続複写により多量のスペントが発生し、それ
に伴って帯電量が著しく低下してカブリが発生したう
え、トナー飛散が顕著であった。さらに、T単位の割合
が著しく低い比較例6の電子写真用キャリヤでは凝集が
発生して、画像形成に使用することができず、上記各特
性を測定できなかった。
【0048】これに対して、実施例4,5の電子写真キ
ャリヤは、15万枚の連続複写によっても多量のスペン
トが発生せず、連続複写完了まで、安定した画像形成を
行うことができた。
ャリヤは、15万枚の連続複写によっても多量のスペン
トが発生せず、連続複写完了まで、安定した画像形成を
行うことができた。
【0049】実施例6 (a)キャリヤ芯材として、平均粒径80μmの球状フェ
ライト粒子1000重量部に、下記の各成分からなるコ
ーティング剤510重量部を流動床コーティング装置を
用いて噴霧コーティングした後、200℃で1時間の熱
処理を行い、電子写真用キャリヤを製造した。 *コーティング剤 メチルシリコーン樹脂オリゴマー(T単位の割合87%):7重量部 メチル化メラミン樹脂(分子量1100) :3重量部 溶媒(トルエン) :500重量部 (b)下記のトナー成分を混合し、溶融混練後、冷却、粉
砕、分級を行って、平均粒径11μmの粒子を得た。こ
の粒子100重量部に対して0.2重量部の疎水性シリ
カで表面処理し、トナーを作製した。 *トナー成分 スチレン−アクリル共重合体(酸価:3) :100重量部 カーボンブラック :10重量部 (c)現像剤の作製 上記キャリヤ96.5重量部と上記トナー3.5重量部
とを攪拌混合して、2成分系現像剤を作製した。 実施例7 トナーの樹脂成分としてスチレン−アクリル共重合体
(酸価:25)を用いたほかは、実施例6と同様にして
2成分系現像剤を作製した。 実施例8 トナーの樹脂成分としてスチレン−アクリル共重合体
(酸価:40)を用いたほかは、実施例6と同様にして
2成分系現像剤を作製した。 実施例9 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤におけるメチルシリコーン樹脂としてT単位が7
5%のものを使用したほかは実施例6と同様にして2成
分系現像剤を作製した。 実施例10 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤におけるメチル化メラミン樹脂として分子量70
0のものを使用したほかは実施例6と同様にして2成分
系現像剤を作製した。 比較例8 トナーの樹脂成分としてスチレン−アクリル共重合体
(酸価:0)を用いたほかは、実施例6と同様にして2
成分系現像剤を作製した。 比較例9 トナーの樹脂成分としてスチレン−アクリル共重合体
(酸価:60)を用いたほかは、実施例6と同様にして
2成分系現像剤を作製した。 比較例10 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤におけるメチルシリコーン樹脂に代えてメチルフ
ェニルシリコーン樹脂を使用したほかは実施例6と同様
にして2成分系現像剤を作製した。 比較例11 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤におけるメチルシリコーン樹脂に代えてスチレン
−アクリル共重合体樹脂を使用したほかは実施例6と同
様にして2成分系現像剤を作製した。 比較例12 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤におけるメチルシリコーン樹脂としてT単位が6
0%のものを使用したほかは実施例6と同様にして2成
分系現像剤を作製した。 比較例13 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤におけるメチル化メラミン樹脂として分子量が6
00のものを使用したほかは実施例6と同様にして2成
分系現像剤を作製した。 比較例14 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤としてメチルシリコーン樹脂を単独で使用したほ
かは実施例6と同様にして2成分系現像剤を作製した。
ライト粒子1000重量部に、下記の各成分からなるコ
ーティング剤510重量部を流動床コーティング装置を
用いて噴霧コーティングした後、200℃で1時間の熱
処理を行い、電子写真用キャリヤを製造した。 *コーティング剤 メチルシリコーン樹脂オリゴマー(T単位の割合87%):7重量部 メチル化メラミン樹脂(分子量1100) :3重量部 溶媒(トルエン) :500重量部 (b)下記のトナー成分を混合し、溶融混練後、冷却、粉
砕、分級を行って、平均粒径11μmの粒子を得た。こ
の粒子100重量部に対して0.2重量部の疎水性シリ
カで表面処理し、トナーを作製した。 *トナー成分 スチレン−アクリル共重合体(酸価:3) :100重量部 カーボンブラック :10重量部 (c)現像剤の作製 上記キャリヤ96.5重量部と上記トナー3.5重量部
とを攪拌混合して、2成分系現像剤を作製した。 実施例7 トナーの樹脂成分としてスチレン−アクリル共重合体
(酸価:25)を用いたほかは、実施例6と同様にして
2成分系現像剤を作製した。 実施例8 トナーの樹脂成分としてスチレン−アクリル共重合体
(酸価:40)を用いたほかは、実施例6と同様にして
2成分系現像剤を作製した。 実施例9 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤におけるメチルシリコーン樹脂としてT単位が7
5%のものを使用したほかは実施例6と同様にして2成
分系現像剤を作製した。 実施例10 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤におけるメチル化メラミン樹脂として分子量70
0のものを使用したほかは実施例6と同様にして2成分
系現像剤を作製した。 比較例8 トナーの樹脂成分としてスチレン−アクリル共重合体
(酸価:0)を用いたほかは、実施例6と同様にして2
成分系現像剤を作製した。 比較例9 トナーの樹脂成分としてスチレン−アクリル共重合体
(酸価:60)を用いたほかは、実施例6と同様にして
2成分系現像剤を作製した。 比較例10 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤におけるメチルシリコーン樹脂に代えてメチルフ
ェニルシリコーン樹脂を使用したほかは実施例6と同様
にして2成分系現像剤を作製した。 比較例11 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤におけるメチルシリコーン樹脂に代えてスチレン
−アクリル共重合体樹脂を使用したほかは実施例6と同
様にして2成分系現像剤を作製した。 比較例12 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤におけるメチルシリコーン樹脂としてT単位が6
0%のものを使用したほかは実施例6と同様にして2成
分系現像剤を作製した。 比較例13 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤におけるメチル化メラミン樹脂として分子量が6
00のものを使用したほかは実施例6と同様にして2成
分系現像剤を作製した。 比較例14 実施例7で用いたトナーを使用し、キャリヤのコーティ
ング剤としてメチルシリコーン樹脂を単独で使用したほ
かは実施例6と同様にして2成分系現像剤を作製した。
【0050】実施例6〜実施例10および比較例8〜1
4で使用したトナーに含有される結着樹脂の酸価および
キャリヤのコーティング剤に使用した樹脂の内容をそれ
ぞれ表3に示す。
4で使用したトナーに含有される結着樹脂の酸価および
キャリヤのコーティング剤に使用した樹脂の内容をそれ
ぞれ表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】現像剤の評価 実施例6〜10および比較例8〜14で得た現像剤を、
静電式複写機(三田工業(株)製の型番DC−708
5)にスタート剤として使用すると共に同じトナーを補
給用トナーとして使用して、15万枚の連続複写を行
い、複写開始1枚目と15万枚目における複写画像の画
像濃度(I.D.)およびカブリ濃度(F.D.)、現
像剤の帯電量(μc/g)、並びに連続複写後における
トナーのキャリヤへのスペント率(%)を前記と同様に
して測定した。
静電式複写機(三田工業(株)製の型番DC−708
5)にスタート剤として使用すると共に同じトナーを補
給用トナーとして使用して、15万枚の連続複写を行
い、複写開始1枚目と15万枚目における複写画像の画
像濃度(I.D.)およびカブリ濃度(F.D.)、現
像剤の帯電量(μc/g)、並びに連続複写後における
トナーのキャリヤへのスペント率(%)を前記と同様に
して測定した。
【0053】これらの試験結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】なお、比較例9はトナーのブロッキングが
発生し、トナー補給性が悪いため、画像濃度、カブリ濃
度等の評価を行うことができなかった。また、比較例1
1はトナー飛散が多いため、連続複写は5万枚で終了さ
せた。表4の測定結果から、電荷制御剤を含有しないト
ナーを使用する場合、比較例8のように、トナー中の樹
脂の酸価が0であるときは、連続複写後の現像剤の帯電
量が高くなり、画像濃度が低下する。一方、比較例9の
ようにトナー中の樹脂の酸価が高い場合には、吸湿性が
大となってトナー同士のブロッキングが発生し、トナー
の補給が円滑に行われなくなる。
発生し、トナー補給性が悪いため、画像濃度、カブリ濃
度等の評価を行うことができなかった。また、比較例1
1はトナー飛散が多いため、連続複写は5万枚で終了さ
せた。表4の測定結果から、電荷制御剤を含有しないト
ナーを使用する場合、比較例8のように、トナー中の樹
脂の酸価が0であるときは、連続複写後の現像剤の帯電
量が高くなり、画像濃度が低下する。一方、比較例9の
ようにトナー中の樹脂の酸価が高い場合には、吸湿性が
大となってトナー同士のブロッキングが発生し、トナー
の補給が円滑に行われなくなる。
【0056】また、トナー中の樹脂の酸価が適切であっ
ても、キャリヤのコーティング剤がメチルシリコーン樹
脂以外のシリコーン樹脂を使用した場合などには、スペ
ント率の増大とそれに伴うトナー飛散やカブリが発生す
るという不都合がある。これに対して、実施例6〜10
の現像剤は、トナー補給性が良好であり、スペントの発
生も抑制されており、帯電量も最適範囲で安定化してい
るため、高い画像濃度が得られ、カブリやトナー飛散も
殆ど認められなかった。
ても、キャリヤのコーティング剤がメチルシリコーン樹
脂以外のシリコーン樹脂を使用した場合などには、スペ
ント率の増大とそれに伴うトナー飛散やカブリが発生す
るという不都合がある。これに対して、実施例6〜10
の現像剤は、トナー補給性が良好であり、スペントの発
生も抑制されており、帯電量も最適範囲で安定化してい
るため、高い画像濃度が得られ、カブリやトナー飛散も
殆ど認められなかった。
【0057】
【発明の効果】本発明の電子写真用キャリヤは、以上の
ように構成されているため、流動性が低下したりスペン
トが発生したりせず、かつ、安定した帯電性を有してお
り、連続画像形成時に安定した画像形成を行うことがで
きる。また、本発明のキャリヤは、とくに電荷制御剤を
含有しないトナーとの組み合わせに最適であり、得られ
る現像剤は安定した帯電性を有しており、連続画像形成
時に安定した画像形成を行うことができる。
ように構成されているため、流動性が低下したりスペン
トが発生したりせず、かつ、安定した帯電性を有してお
り、連続画像形成時に安定した画像形成を行うことがで
きる。また、本発明のキャリヤは、とくに電荷制御剤を
含有しないトナーとの組み合わせに最適であり、得られ
る現像剤は安定した帯電性を有しており、連続画像形成
時に安定した画像形成を行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−31860(JP,A) 特開 平3−7956(JP,A) 特開 平1−204062(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/113 G03G 9/087
Claims (2)
- 【請求項1】キャリヤ芯材の表面に、T単位を70%以
上含むメチルシリコーン樹脂と、分子量700以上のメ
チル化メラミン樹脂との硬化物からなる樹脂コート層を
有することを特徴とする電子写真用キャリヤ。 - 【請求項2】着色剤と結着樹脂とを含有し結着樹脂が3
〜40の酸価を有するトナーと、T単位を70%以上含
むメチルシリコーン樹脂および分子量700以上のメチ
ル化メラミン樹脂の硬化物からなる樹脂コート層をキャ
リヤ芯材の表面に有するキャリヤとからなる現像剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4268907A JP2905010B2 (ja) | 1992-10-07 | 1992-10-07 | 電子写真用キャリヤおよびこれを用いた現像剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4268907A JP2905010B2 (ja) | 1992-10-07 | 1992-10-07 | 電子写真用キャリヤおよびこれを用いた現像剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06118724A JPH06118724A (ja) | 1994-04-28 |
JP2905010B2 true JP2905010B2 (ja) | 1999-06-14 |
Family
ID=17464928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4268907A Expired - Fee Related JP2905010B2 (ja) | 1992-10-07 | 1992-10-07 | 電子写真用キャリヤおよびこれを用いた現像剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2905010B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5821023A (en) * | 1996-05-27 | 1998-10-13 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Developer of electrostatic latent image, carrier therefor, method for forming image and image forming apparatus thereby |
JP3508392B2 (ja) * | 1996-05-29 | 2004-03-22 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電潜像現像剤用キャリア、静電潜像現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 |
JPH11133672A (ja) * | 1997-10-29 | 1999-05-21 | Konica Corp | キャリア及び現像剤と画像形成方法 |
JP3998141B2 (ja) * | 2003-03-13 | 2007-10-24 | 株式会社リコー | 静電潜像現像用キャリアおよびそれを用いた静電潜像現像剤並びにプロセスカートリッジ |
-
1992
- 1992-10-07 JP JP4268907A patent/JP2905010B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06118724A (ja) | 1994-04-28 |
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