JPH0152699B2 - - Google Patents

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JPH0152699B2
JPH0152699B2 JP54048081A JP4808179A JPH0152699B2 JP H0152699 B2 JPH0152699 B2 JP H0152699B2 JP 54048081 A JP54048081 A JP 54048081A JP 4808179 A JP4808179 A JP 4808179A JP H0152699 B2 JPH0152699 B2 JP H0152699B2
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cell
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Emu Shapiro Hawaado
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    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/5005Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells
    • G01N33/5008Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells for testing or evaluating the effect of chemical or biological compounds, e.g. drugs, cosmetics
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は細胞学的定量方法、特に或種の細胞外
物質(extracellular substances)に対する細胞
のレスポンスを検知し、測定する方法に関するも
のである。
かなり以前からよく知られているように、動植
物の細胞の内部は、外界電位を基準として負の電
位を有する。この電位差の値は一般に5−90mV
である。この電位差の大部分は、細胞膜を横切る
場所に存在する。
この細胞膜電位は、細胞の生理学的状態の変化
に応じて数種の変化態様で種々変化する。電位維
持のために若干量の物質代謝エネルギーを要する
から、傷ついた細胞または染色された細胞では、
膜を横切る部分の電位差(膜電位)の値が低くな
る。或特定のトランスメンブランレセプターに対
して比較的高い親和力を以て結合し得る種々の物
質またはリガンドと細胞との間にインターラクシ
ヨンが起つた場合には、数分ないし数十分以内に
膜電位の値が変化し、しかしてこの変化は比較的
特異な変化(すなわち、細胞の種類毎に異なる変
化)である。
上記のリガンドおよびレセプターについて説明
する。最近、細胞生物学が進歩し、その結果次の
ことが見出された。すなわち、多細胞生物(多細
胞生体系)における細胞相互間の「最も基本的な
連絡」は外来リガンドまたは化学的伝達物質(ケ
ミカルメツセンジヤー)を介して行われることが
見出されたのである。この化学的伝達物質には、
生体内の或特定の組織から生じたものと、外部供
給源から供給されたものとの2種類のものがあ
る。しかしてこれらの伝達物質の化学構造および
作用点は種々多様である。これは数百オングスト
ローム程度の寸法の微細な作用帯域(作用点)を
有するものであり(たとえば、神経―筋肉接合
物)、あるいは生体全体にわたつて作用帯域を有
するものであり得る(たとえば、血液中に分泌さ
れて生体内の各部に運ばれるホルモンの如き伝達
物質)。
この分野に関する最近の生物化学的研究によ
り、大抵の前記化学的伝達物質は、当該情報を受
取るべき細胞の外側に存在するレセプターに対し
選択的に結合(カツプリング)することにより、
該細胞の界面に接触し得るものであることが現在
定説になつている。このレセプターは前記化学的
伝達物質を、その立体化学的構造ないしその中の
荷電基または化学的活性基により認識できるので
あると思われる。これによつて、このようなリガ
ンドおよびレセプターは、「ロツク、アンド、キ
ー」の関係に似た結合態様で非共有結合により結
合するのである。この結合の結果として、細胞内
に生化学的変化または生物物理学的変化が起り、
そしてこの変化が、細胞内の或種の代謝または生
理学的プロセスを開始または停止させるのであ
る。リガンドの例には、次の物質またはそれを含
むものがあげられる;アセチルコリン、エピネフ
リン、ノルエピネフリン(神経伝達物質)、イン
シユリン、生長ホルモン、チロトロピン(ホルモ
ン)、ヒスタミン、抗原、免疫系蛋白質またはそ
の一部、ビールス、バクテリア、或種のトキシン
(毒素)、精子。これらの物質の大部分に対して
は、天然または合成拮抗物質が存在する。この拮
抗物質は、それに対応する「生理学的に作用する
物質」の生理学的作用を無効化し得る物質である
か、またはレセプターに結合することにより「細
胞への前記天然物質の結合」を妨害し得る物質で
ある。また、天然または合成アゴニストも知られ
ている。このアゴニストは、レセプターに結合し
て、天然リガンドへの細胞のレスポンスと同様な
生理学的レスポンスを細胞に発せしめる作用を行
うものである。現在医療のために常用されている
多くの薬品は、天然リガンドに対するアゴニスト
またはアンダゴニスト(拮抗筋ないし拮抗物質)
であると考えられる。
多くの場合において、或特定のレセプターにリ
ガンドが結合した後に細胞内で起り得る現象は、
他種物質を該レセプターに結合させて該他種物質
を細胞と反応させることにより追跡できる。たと
えば、弧立状態のレセプターに接した形で調製さ
れた抗体または或種の植物レクチンを細胞と反応
させることにより前記の追跡を行うことができ
る。また、リガンド―レセプターインターラクシ
ヨン(すなわち、リガンドとレセプターとのイン
ターラクシヨン)が起つた後に、それと同じ方向
に膜電位を変化させることができるような薬剤を
添加することにより、前記の種類の「細胞のレス
ポンス」を発せしめることも可能である。
リガンド―レセプターインターラクシヨンが細
胞内に与える影響(これを「細胞内効果」と称す
る)を迅速かつ確実に検知、測定する方法が開発
されたならば、この方法は、生物化学的研究およ
び診断用試験の分野において非常に有利に利用で
きるであろう。そしてこの測定方法によれば、理
想的条件下では個々の細胞に対する定量的測定を
も行い得るものと考えられる。なぜならば、レセ
プター特異性が一様でないことを除いて均質な細
胞個体群があり、かつ、多数の種類のケモタクチ
ツク剤(chemotactic agents)が利用できるか
らである。
リガンド―レセプターインターラクシヨンを直
接または間接的に測定するための種々の方法が当
業界で公知である。或1群の公知方法は、放射能
または螢光発生源を付加したリガンド(「付加リ
ガンド」と称する)を用いるものである。すなわ
ち、この1群の公知方法では、リガンドを細胞懸
濁液に入れてインキユベートし、未結合リガンド
の除去のために洗浄を行つた後に該細胞集合塊
(cell mass)の放射能または螢光を測定する操作
が行われるのである。この公知方法では前記の付
加リガンドについて厳しい条件が課せられるの
で、該方法はごく狭い分野でしか利用できない。
もう1つの公知検知方法は、リガンド―レセプタ
ーインターラクシヨンが起つた場合には細胞内で
のデオキシリボ核酸(DNA)の生成量が増加す
ることが多いという観察事実を基礎として開発さ
れたものである。たとえば或種の系では、リガン
ドをレセプターに結合させた後に、たとえばリン
パ球細胞を抗原またはミトゲン(mitogen)(た
とえばフイトヘマググルチニン)で刺戟した後
に、DNAの量を測定し、次いでこの量を、対照
細胞試料(リガンド―レセプターインターラクシ
ヨンの無いもの)におけるDNAの量と比較する
操作を行うことができる。上記の被検試料と対照
試料との両者におけるDNAの存在量の差の値は、
被検試料におけるリガンド―レセプターインター
ラクシヨンの量的割合を示す尺度として利用でき
るものである。しかしながら、この公知方法もま
たその利用分野が狭いものである。なぜならば、
リガンドが結合してからDNA生成量が検知でき
るようにまるまで一般にかなり長時間を要し、た
とえば数時間または数日間もかかるからである。
或種の型のリガンド―レセプターインターラク
シヨンを検知するためのさらにもう1つの公知方
法は、このインターラクシヨンのため起つた「細
胞原形質系マトリツクスのストラクチエアドネス
(structuredness)の変化」が、細胞内のフルオ
レセインから出る螢光による分極状態の測定によ
り定量的に測定できるという観察事実に基いて開
発されたものである。しかしながらこの公知方法
に従つて分析を行うことができる細胞は、フルオ
レセインジアセテートまたはそれに類似の化合物
の酵素学的加水分解によりフルオレセインを細胞
内で生成できる細胞だけである。かように、この
公知方法は技術的に実現困難な条件を含み、か
つ、この方法により得られる実験結果は解釈が難
しいものである。さらに、該方法では当該細胞に
より使用薬剤の代謝学的変性を行うことが必要で
ある。
神経原細胞や筋肉細胞の如き興奮性細胞の膜電
位は、該細胞が神経伝達物質により刺戟されたと
きに急速に変化するものであるが、このことはか
なり以前から既に公知である。しかしながら、生
理学的刺戟により膜電位が変化する細胞は、上記
の如き特定の細胞だけではないということが見出
されたのはごく最近のことである。非興奮性細胞
に微細電極を挿入して実験を行うことにより、研
究者は、該細胞においてリガンド―レセプターイ
ンターラクシヨンが起ると膜電位が変化すること
を見出したのである。非興奮性細胞においてリガ
ンドがレセプターに結合した後に該細胞内で起る
生理学的変化は、膜電位変改剤を、「リガンド―
レセプター結合の生ずる方向」と同じ方向におい
て当該細胞の懸濁液に添加することにより追跡で
きる場合があるということも実際に見出されてい
る。そして、この変化を観察する新規技術の開発
のために種々の研究が行われた。たとえば、大量
の細胞懸濁液中で膜電位の変化を測定するための
光学的測定方法がP.J.シム等によつて開発された
〔「バイオケミストリ」第13巻第16号(1974年)第
3315頁〕。この方法では、正の負荷を有しかつ細
胞膜のリピド層を透過し得るシアニン染料または
他の染料を細胞懸濁液に加えてインキユベートす
るのである。このとき、細胞内染料濃度と細胞外
染料濃度との比の値は細胞の膜電位の変化に応じ
て変化する。すなわち細胞が過分極状態になるに
つれて、換言すれば細胞内が一層大きく負に帯電
するにつれて、該細胞内に入る染料分子の量が一
層多くなるのである。シム等の方法では、細胞内
に入つた染料が無螢光型集合体を形成できるよう
な染料濃度で該染料を使用し、そして懸濁液媒質
中の遊離染料から出て螢光を、細胞のバツクグラ
ウンド(これは比較的暗い)のもとに観測するの
である。この螢光の強度は、細胞の過分極度が大
きくなるにつれて段々弱くなる。懸濁液中の細胞
のうちのごく一部分のみが所定のリガンドに対し
て敏感なものである場合には、膜電位が変化する
ものは上記の「一部分の細胞」のみである。この
場合には、前記媒質中の染料濃度は、認知できる
程度には変化せず、したがつて、細胞外に存在す
る染料からの螢光もあまり変化せず、すなわち、
検知できる程度の光量変化(すなわち螢光強度の
変化)は起らない。かように、この方法では、リ
ガンドに敏感な前記の個々の細胞を固定すること
は不可能である。
W.N.ローズ等〔「ジヤーナル、オブ、メンブラ
ン、バイオロジー」第33巻第141頁(1977年)〕
は、ヤリイカの神経系の巨大神経繊維中の細胞の
如き興奮性細胞の膜電位の急激な変化を測定する
ために、メロシアニン染料、オキソノール染料お
よびシアニン染料を使用することを提案してい
る。また、膜電位の変化に伴つて染料の吸収量、
螢光、二色性(ダイクロイズム)、複屈折が直線
的に変化することも見出されている。この測定の
ために最も適した染料はメロシアニンであるが、
これは負の電荷を有するので、これは細胞壁を容
易に透過し得ないものである。一般にこれらの染
料は、興奮性の神経細胞や筋肉細胞以外の細胞の
細胞壁には染着しない。一方、メロシアニン染料
は、或種の非興奮性細胞(たとえば未成熟な、ま
たは白血病にかかつた血液細胞)には染着する。
しかしながらこの染着は、細胞の膜電位の変化と
は無関係に起るものであることが既に知られてい
る。
本発明の目的は、個々の細胞の膜電位の変化を
非挿入的測定手段により測定することを包含する
生物学的定量方法を提供することである。もう1
つの目的は、リガンド―レセプターインターラク
シヨンに対する細胞のレスポンスを検知または予
知することを包含する迅速かつ高感度の、かつ利
用範囲の広い生物学的定量方法を提供することで
ある。さらにもう1つの目的は、個々の非興奮性
細胞におけるリガンド―レセプターインターラク
シヨンを検知することである。さらにもう1つの
目的は、潜在的活性を有する薬剤(医薬等)のス
クリーニングを行うための、あるいは生理学的機
能の悪い組織を診断するための、あるいはアレル
ギー性または組織学的融和性を検査するための新
規技術を提供することである。本発明におけるこ
れらの目的および他の目的、および構成ならびに
効果は、本発明の好ましい具体例について添付図
面参照下に記載された下記の詳細な説明により一
層明らかになるであろう。
本発明は、非興奮性細胞の細胞膜電位を検知す
るための、かつ、物理的または薬理学的または生
物学的または化学的手段(たとえば薬剤)による
変性作用に対する非興奮性細胞の生理学的レスポ
ンス(生理学的反応)を検知するための迅速かつ
高感度の、かつ非挿入型の検知方法を提供するも
のである。本発明の1具体例に従えば、リガンド
―リレセプターインターラクシヨンの形成により
膜電位を変化させる操作が行われるのである。一
方、もう1つの具体例では、細胞が傷ついたとき
等に起る非特異的な(non―specific)電位変化
が測定される。
前記の第1番目の具体例に従つて行われる操作
方法は次の観察事実に基いて開発されたものであ
る。所定の細胞が或特定のリガンドに結合したと
きの該細胞の生理学的レスポンスは、前記結合が
生じてから数時間ないし数日間経過した後でない
と発せられない場合が多く、また該レスポンスの
検知が困難または不可能である場合も多いけれど
も、前記細胞の膜を透過するイオン流の変化およ
びそれに伴う膜電位変化は短時間内に起り、一般
に1時間以内に起ることが見出され、この発見に
基いてこの操作方法が開発されたのである。本発
明におけるこの具体例では、個々の細胞の膜電位
の値を知るための尺度となり得る或特性値を測定
し、この特性値を対照試料の特性値(参照特性
値)と比較することにより両試料の膜電位の差を
検知し、ここで観察された変化を、リガンド―レ
セプターインターラクシヨンの形成を表わすマー
カーとして使用するのである。化学的伝達物質と
しての活性を有する物質は多数存在し、所定の細
胞個体群の中の個々の細胞に存在するレセプター
部位は各細胞毎に異なつており、かつ特定のリガ
ンドに対する個々の細胞の生理学的レスポンスは
各細胞毎に異なるものであるということからみ
て、本発明の重要な特徴は、リガンドに暴露され
た個々の細胞のレスポンス(細胞懸濁液全体のレ
スポンスではない)を検知することである。
すなわち本発明方法に従えば次の操作が実施で
きる:(1)或細胞個体群の中の全部または若干の細
胞に「所定のリガンドのための或特定のレセプタ
ー」が存在するか存在しないかを検知すること;
(2)所定の細胞個体群の中のメンバー(すなわち
個々の細胞)とのインターラクシヨンを行うこと
が知られている或特定のリガンドが「供試物質の
混合物」の中に存在するか存在しないかを検知す
ること;(3)細胞に対する「リガンドの組合わせ」
の累積効果を調べること;(4)所定の細胞個体群に
対する2種またはそれ以上のリガンドの影響を相
互に比較すること;(5)毒素または他の物質の懸濁
液に暴露した後の細胞個体群または個体亜群の生
理学的状態を示す「指標」を探し出すこと。膜電
位の変化を検知するための諸方法のうちの若干の
ものは非破壊的検知方法であるから、これらの方
法は、所望のレセプター特性を有する細胞に富む
細胞個体群を、細胞を生きたままの状態で保ちな
がら形成させるために、細胞分別方法と組合わせ
て実施できるものである。
本発明の1具体例に従えば次の操作が実施でき
る。すなわち、非興奮性細胞(好ましくは懸濁液
の形のもの)を、1種またはそれ以上の活性リガ
ンドを含有する溶液(または、含有すると思われ
る溶液)と接触させる。かくして得られた混合物
を適当な条件のもとでインキユベートして、相補
的な関係を有する細胞レセプターとリガンドとを
結合させ、これによつて、「この結合が生じた細
胞」の生理学的性質を変化させる。このインキユ
ベーシヨン操作の実施中またはその前もしくはそ
の後に、個々の細胞の細胞膜電位を表わす特性値
を検知する。検知された該特性値を参照特性値と
比較し、これによつて膜電位の変化を検知し、か
つ有用な情報を得るのである。
溶液中における所定のリガンドの存在の有無
は、次の方法により検知できる。当該リガンドの
ためのレセプターを含むことが既に判つている細
胞個体亜群を少なくとも含んでいる細胞個体群を
該溶液に加えてインキユベーシヨンを行い、前記
個体群を構成する細胞の各々の細胞膜電位の変化
を検知し、これらの細胞における膜電位変化量の
分布状態を参照特性値と比較する。この「参照特
性値」は当該リガンドを含む「検定済の試料」を
用いて同一定量法を実施することにより得られた
特然値である(この試験は、前記被験試料を用い
る試験と平行して行う)。未知のリガンド濃度を
表わす「指標」もこの技術により検知できる。
既知リガンドと反応し得る細胞が不均質細胞個
体群の中に存在している場合には、この細胞の存
在およびその割合(頻度)は、前記の方法と同様
な方法に従つて該個体群の各メンバー(細胞)に
ついて膜電位の変化量を相互に比較することによ
り検知できる。この技術を公知細胞ソーチング方
法と組合わせることによつて、或特定のリガンド
に対する感受性に関して比較的一様な感受性を有
する細胞からなる細胞個体群を収得することがで
きる。
本発明方法のもう1つの具体例に従えば、化学
的性質が互いに異なる2種またはそれ以上のリガ
ンドに暴露されたときの非興奮性細胞個体群の生
理学的レスポンスが次の方法により予知でき、か
つ相互に比較できる。すなわち、この細胞個体群
を複数の試料に分け、この複数の細胞試料の各々
に前記リガンドの各々をそれぞれ添加してインキ
ユベートし、これらの細胞試料中の個々の細胞の
膜電位の変化が起りつつ間にその方向、変化量な
いしその時間コース(time course)を看視し、
次いで各試料の測定結果を相互に比較することに
より前記レスポンスが予知でき、かつ相互に比較
できる。この技術を利用することにより、たとえ
ば天然リガンドに対してアゴニスト型作用または
拮抗作用を有すると予測される合成物質をスクリ
ーニング操作により選び出すことができ、あるい
は、機能または構造が互いに類似するリガンド類
に対する「互いに類似する細胞類」の細胞学的レ
スポンスの多様性を検知することができる。
本発明方法のもう1つの具体例に従えば、化学
的性質の相異なる2種またはそれ以上のリガンド
を非興奮性細胞個体群に暴露したときに生ずる累
積的効果が次の操作を行うことにより速やかに定
量できる。すなわち、該リガンドおよび細胞個体
群を一緒にしてインキユベートし、個々の細胞に
おける細胞膜電位の変化を検知し、検知された膜
電位の変化状態を、たとえば並行実験(個々のリ
ガンドを1種づつ用いて行なわれた実験)の効果
と比較し、あるいは既知の実験データー(1種ま
たはそれ以上の個々のリガンドに対する細胞のレ
スポンスに関する実験データー)と比較すること
により、前記累積的効果が速やかに定量的に評価
できる。この方法により、天然リガンドに対して
アゴニスト型作用または拮抗作用を有する薬剤お
よびその最適投与量を見出すことができる。
さらにもう1つの具体例に従えば、種々の薬剤
が細胞に及ぼす毒性作用が、該薬剤中に該細胞を
暴露した後に膜電位を測定することにより検知、
評価できる。損傷細胞の膜電位は、膜が破壊され
るような極限条件下ではゼロになる筈である。軽
度の細胞損傷は、その膜電位の値を非損傷細胞の
該値と比較することにより検知できる(損傷する
と膜電位の値が低下する)。
個々の非興奮性細胞の膜電位を検知、測定する
ために、若干種の非挿入型測定方法が利用でき
る。現在好ましいと思われている方法は、個々の
細胞に随伴しそして膜電位の変化に応答して変化
する検知可能な光学的性質を有す膜結合性染料ま
たは膜透過性染料の使用を包含する。かくして、
イオン性の細胞膜透過性染料を細胞と一緒にして
インキユベートしたときに、この染料は膜電位の
関数として、細胞膜の両面の間で速やかに平衡状
態に達する。次いで、細胞内染料濃度の指標とな
る性質を測定し、たとえば、個々の細胞の中の染
料の螢光発生量(螢光強度)を光学的測定手段に
より測定し、または吸収量(または吸光量)また
は他の光学的性質を測定し、かつ、前記の個々の
細胞の前記以外の特性(細胞内染料濃度を知るた
めに測定しなければならない特性、たとえば細胞
容積)をも測定する。相互に比較すべき複数の細
胞が一様な容積をもつものである場合には、細胞
内染料の存在量を表わす被計測値は、膜電位に比
例するであろう。前記の測光操作は、常用マイク
ロフオートメトリー方法またはフローシトメトリ
ー(flow cytometry)方法に従つて実施できる。
測定すべき光学的性質が螢光である場合には、前
記染料は、低極性溶媒(または無極性溶媒)の中
で高度の螢光量子効率を有する染料類のうちから
選ばれたものであることが好ましい。また、媒質
中の染料濃度は、「螢光発生量の少ない錯体」の
形成による細胞内螢光発生活性の無活性化を防止
できる程度の濃度であることが好ましい。好まし
い螢光染料は、3,3′―ジヘキシル―2,2′―オ
キサカルボシアニン〔略号「ジ―O―C6―(3)」〕
の如きカチオン性シアニン染料である。
好ましい具体例の記述 本発明方法は非興奮性細胞(すなわち筋肉およ
び神経組織の細胞以外の細胞)の使用を包含する
ものである。本発明方法に従つた分析操作に使用
される前記細胞は慣用技術によつて単離できるも
のであつて、これは、普通の細胞代謝物を担持し
得る媒質中に懸濁せしめられる。この媒質の例に
は、グルコースまたは他の栄養素を含みかつナト
リウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウ
ムの各イオンを大体生理学的濃度で含み、緩衝剤
によりPH7.2−7.6に調節されており、バランスさ
れており、かつオキシゲネートされた等張塩溶液
があげられる。この細胞は、下記の好適検知技術
に従つて膜電位の変化を検知するときに使用され
る型の染料に対して強い親和性を有する物質や外
来蛋白質(アルブミン等)を含まないものである
ことが好ましい。
試験を行う目的に応じて、この細胞は、生理学
的機能が比較的一様な細胞個体群からなるもの
(たとえばT―リンパ球細胞)であつてもよく、
あるいは、リガンドスペシフイチイに関して比較
的高度の一様性を示す細胞個体群からなるもの
(たとえばIgEアレルゲン錯体に対して敏感なマ
スト細胞)からなるものであつてよい。もし所望
ならば、この細胞液は複数の試料(アリコツト)
に分割でき、これによつて、複数の膜電位測定実
験が並行実験の形で実施できるようになる。各試
料を、たとえばそれぞれ別々のリガンド含有機
(これらの液はそれぞれ別々のリガンドを含むも
のであるか、または同一リガンドもそれぞれ別々
の濃度で含むものであつてよい;また、対照液と
して、リガンドを含まない液も使用できる)に暴
露し、次いで膜電位を測定し、そして各測定結果
を比較する。細胞を暴露すべき前記溶液は、試験
の目的に応じて種々の物質を含むことができ、た
とえば試料中の細胞に対して特定の挙動を示すリ
ガンドを含むと思われる未知物質を含有するもの
であつてもよく、あるいは、既知リガンドを既知
または未知の濃度値で含む検定済試料を含むもの
であつてもよく、不純なリガンド試料を含むもの
であつてもよく、あるいは、前記細胞またはその
個体亜群に対して毒性を示すと思われる物質を含
む溶液からなるものであつてもよい。
リガンド―レセプター結合の形成の検知の他
に、本発明方法は、次の種類の情報の確認のため
に利用できるものである。
(1) 或特定のリガンドに対して相補的関係にある
膜面レセプターを有する細胞個体亜群が懸濁液
中に存在すること; (2) 懸濁液中に存在する細胞またはその細胞個体
亜群上のレセプターと結合できる特定の型のリ
ガンドが或溶液(被験溶液)の中に存在するこ
と; (3) 或特定の細胞個体群に対してインターラクシ
ヨンを示す種々のリガンドの累積的効果; (4) 種々の型のリガンドに対する細胞個体群また
はその亜群のレスポンスを相互に比較するこ
と; (5) 種々の濃度の有毒物質が細胞の生存能力に及
ぼす影響; (6) 種々の濃度の栄養素(たとえばアミノ酸また
は砂糖)により細胞代謝に刺激を与えること。
リガンド―レセプターインターラクシヨンを含
む系では、前記の情報が次の方法に従つて得られ
る。すなわち、細胞をリガンド液の存在下に、適
当な温度(たとえば自然環境条件下における該細
胞における通常の温度)において充分な時間にわ
たつてインキユベートしてリガンド―レセプター
インターラクシヨンを形成させることにより、
「細胞膜を通過するイオンの流動量または流動状
態」を変化させる。しかして、懸濁液中の各細胞
(またはこの懸濁液を複数の試料に分けたときの
各試料中の各細胞)の膜電位を表わす特性値が、
所望に応じて適当な時間間隔毎に測定でき、かつ
これによつて、膜電位の経時的変化を示すデータ
ー(「プロフアイル」と称する)が作成できる。
次いで、測定された特性値を参照特性値(参照
特性値)と比較することによりリガンド―レセプ
ターインターラクシヨンの形成の有無が決定で
き、あるいは、このとき起る変化の方向、大きさ
または時間コースが、或既知リガンドに暴露され
たときの該細胞の中に誘起される変化に似た
(mimic)ものであるかまたはそれに拮抗するも
のであるかが決定でき、あるいは、2種またはそ
れ以上のリガンドが膜電位に及ぼす累積的影響
が、単一リガンドの場合の影響または種々のリガ
ンド混合物の場合の影響と異なるものであるかど
うかが決定できる。
参照特性値の種類は、個々の所望情報の種類に
応じて必然的に種々変わるであろう。既述の如く
これは、被験試料の定量試験に並行して行われる
1またはそれ以上の定量試験の結果を含むもので
あつてよい。あるいはこれは、前記の如き定量試
験の記録物の形のものであつてもよく、その例に
は電位の大きさと、或特定の電位を有する細胞の
数との関係を示すグラフがあげられる。
一般にリガンドおよびその拮抗物質は、細胞膜
電位に対して互いに正反対の影響を与えるもので
ある。したがつて、或特定の組織の細胞に及ぼす
天然リガンドの影響を妨害しまたは無効化する物
質または類似の影響を与える物質の発見のために
研究を行う場合には、たとえば次の操作が実施で
きる。すなわち、該組織の細胞の試料の膜電位の
変化の方向、大きさないし時間コースを、天然リ
ガンドに該細胞を暴露した後に複数の測定操作を
行うことにより測定する。
其後にこの細胞懸濁液を複数の試料に分け、こ
れらの試料の各々にそれぞれ別々の種々の物質を
添加する。各試料において生じた膜電位の変化量
を相互に比較することにより、研究者はこれらの
試料のうちから有望な試料を選択でき、すなわ
ち、所望の生理学的効果に似た効果を有する特定
の物質が、今後さらに研究すでき有望な物質とし
て選択できる。一方、他の化合物は考慮外におい
てよい。また本発明方法を利用することにより、
「或与えられた濃度のアゴニストが或特定の型の
細胞の膜電位に及ぼす影響」を取除くために必要
な「拮抗物質の濃度」の如きパラメーターを決定
することも可能である。このような測定方法は、
薬理学的薬剤(医薬)としてのリガンドおよびそ
の拮抗物質の評価を行うときに有利に利用できる
ものである。
或場合には、或特定のリガンドのために適した
レセプター(または該リガンドのための特別なレ
セプター)が複数種存在するであろう。たとえ
ば、或種の細胞上のレセプターにリガンドが結合
した結果として過分極が起り、一方、同一リガン
ドが別の種類のレセプターに結合したときにはそ
の結果として脱分極が起ることがあり得る。本発
明方法に従えば、これらの2つの種類のインター
ラクシヨンが相互に区別できる。本発明方法と公
知の細胞ソーチング技術とを組合せることによ
り、不均質な細胞個体群から所望のレセプター特
性を有する細胞種(cell lines)を単離すること
ができる。本明細書に記載の方法を利用した場合
には、螢光発光物質を付加したリガンドを結合さ
せることを必須要件とする公知の細胞ソーチング
方法を利用した場合よりも、所望細胞が一層良好
な選択性をもつて選択的に分離できる。なぜなら
ば、生理学的作用およびリガンド結合作用の両者
を「選択条件」(selection criteria)の中に入れ
ることができるからである。さらに、光学的検知
手段を付加したリガンドの結合形成の直接測定
と、このリガンドの結合形成の後に起る膜電位変
化の検知操作とを組合わせることにより、スペシ
フイチイに関する新たな知見(追加的知見)が得
られる。
溶液中における或特定の型のリガンドの存在の
有無、または或特定のリガンド特異性を有する細
胞の有無に関する情報が所望情報である場合に
は、リガンドと細胞懸濁液とを混合する前および
後に膜電位を測定し、それらの測定結果を比較す
る操作を行うことができる。たとえば、或細胞懸
濁液を複数の試料(アリコツト)に分け、その
各々にたとえば次の各溶液を加えてインキユベー
シヨンを行うことができる;(1)所定のリガンドを
或濃度(未知)で含む溶液;(2)リガンドを含まな
い溶液;(3)該リガンドを既知濃度で含む溶液。イ
ンキユベーシヨン実施後に、各試料について細胞
膜電位を測定しそしてこれらの測定値を相互に比
較することにより、前記の未知リガンド濃度の値
を示す「指標値」を知ることができる。個々の細
胞の膜電位が検知されるので、或特定のリガンド
スペシフイシチイを有する細胞個体亜群(前記懸
濁液中に入つているもの)の同定が可能である。
本発明方法は、細胞の免疫学的レスポンスの検
知および定量的測定のために利用できるものであ
る。この場合には、抗原、抗体、ハプテン、アレ
ルゲンおよび補体の成分の如き物質に暴露した後
のリンパ球細胞、マクロフエージ
(macrophage)、または当該免疫系の他種細胞の
電位の変化を測定するのである。このような免疫
用蛋白質の例には抗原、抗体、ハプテン、アレル
ゲンがあげられる。一般にリンパ球細胞類は、或
特定の抗原に対する反応性の相異なる種々の種類
のリンパ球細胞からなる不均質細胞個体群として
存在するものであるから、この個体群における
「所定の抗原に対してレスポンスを発し得る細胞」
の存在割合が、免疫学的細胞レスポンスの大小を
示すための有用な尺度になる。レスポンスを発し
得る細胞の膜電位変化に関する「通常のパター
ン」からの「ずれ」は、免疫機能の欠陥の程度を
示唆するものとみなすことができる。
また、或人の血清を複数の試料に分け、これら
の血清試料の各々にそれぞれ別々のアレルゲンを
入れ、次いでこれらの試料を、ヒスタミン分泌物
中に含まれる細胞と一緒にしてインキユベーシヨ
ンを行うことにより得られる生成物は、種々のア
レルギー源物質に対するその人の感受性を知るた
めの非挿入性測定手段の被験試料として利用でき
るものである。
本発明方法においては、或特定のレセプター特
異性を有する細胞に結合し得る物質の検知のため
に、或特定の種類のリガンドの単離、およびリガ
ンドへの検知可能物質の付加(タギング)を行う
ことは不必要であるから、本発明方法を利用する
ことにより、不純なリガンド含有製剤のリガンド
活性が定量でき、かつまた、所望のリガンドを精
製または単離するための種々のプロセスにおいて
生じる種々の種類の不純なリガンド含有製剤
(種々の精製段階の該製剤)のリガンド活性を連
続的に測定(看視)することもできる。
さらに、本発明方法は、表面レセプターの化学
構造を決定するときの補助手段として利用できる
ものである。たとえば、細胞面上の結合部位に対
する特異性が既知である種々のリガンドの競合反
応の状態を実際に知ることができ、その結果が、
上記の化学構造の決定のための資料として利用で
きるのである。
さらに、細胞を種々の薬剤に暴露した後に膜電
位を測定する操作を逐次実施することにより、細
胞に対する種々の薬剤の毒性作用の評価を行うこ
とができる。プロピジウムアイオダイド(沃化プ
ロピジウム)の如き通常不透過性の染料の細胞内
侵入量を測定することにより細胞の生存能力を評
価する試験方法が、崩壊中の細胞のみを検知でき
るものにすぎないことは既に公知である。種々の
目的のために、たとえばガン治療薬の評価を行う
ために、細胞における将来の増殖能力がそこなわ
れるかどうかを決定すること、または、細胞膜の
一体性の欠損には達しない程度の損傷が生じたか
どうかを決定することは、非常に有用なことであ
る。損傷細胞の細胞膜が破れるという極限状態に
なつたときには、該細胞の電位はゼロになる筈で
ある。それより程度の低い細胞損傷は、当該細胞
の膜電位値の低下(非損傷細胞の膜電位値を基準
とする)により検知できる。リガンドおよび他の
物質に対するレスポンスの強度が低下し、または
該レスポンスが停止した場合には、一般に細胞膜
電位が変化するから、これはこの膜電位の測定に
より検知できる。
細胞膜の断面における透過性イオン化合物(た
とえば薬品)の分布状態は膜電位に左右されるも
のであるから、種々の型の細胞における該薬品吸
収量の差を予知するために、本発明方法が利用で
きる。また、種々の細胞内成分(たとえば核酸、
グリコサミノグリカン等)の定量のために生体染
色物として使用される種々の種類の浸透性のイオ
ン性染料(たとえばアクリジン)を細胞が吸収す
るときの染料吸収量は各染料毎に相異するが、こ
の吸収量の差異を膜電位の測定値の差異から予知
して、種々の染料における染料吸収量に関する補
正因子を算出する操作を行うために、本発明方法
を利用することができる。
前記のすべての操作は、膜電位の検知のため
の、あるいは細胞含有試料中の103ないし106個の
細胞の膜電位の測定のための、迅速な、かつ非挿
入型の、かつ好ましくは非破壊型の検知、測定手
段を必要とするものである。個々の細胞の内部へ
の微小電極の挿入は必然的に細胞膜の損傷をもた
らすから、この手段は、細胞懸濁液中の多数の細
胞の各々の膜電位の検知の場合には、実際上使用
不可能である。好ましい検知方法は、細胞のイン
キユベーシヨン実施中に細胞膜の両側の区域に、
膜電位の値に応じて分れて存在するようになるよ
うな細胞膜浸透性のカチオン性螢光染料を使用
し、そして細胞内染料濃度、または該濃度の変化
に比例して変化する物理量(パラメーター)を、
光学的技術を梨用してマイクロ測光計またはフロ
ーシトメーターを用いて測定することである。過
分極の場合には、染料に対する細胞内部の物質の
親和性が増大し、一方、脱分極の場合には、染料
に対する細胞内部の物質の親和性が低下する。
この技術のために適した染料の例にはカチオン
性シアニン染料があげられるが、その具体例とし
ては3,3′―ジ―n―ブチル―9―メチル―およ
び3,3′―ジエチル―チアカルボシアニン、3,
3′―ジエチル―2,2′―オキサカルボシアニン、
2,3,3,1′,3′,3′―ヘキサメチルインドカ
ルボシアニンおよび―ジカルボシアニン、3,
3′―ジエチルチアジカルボシアニン、および好ま
しくは3,3′―ジヘキシル―オキサカルボシアニ
ン〔ジ―O―C6―(3)〕があげられる。これらの
染料は、たとえばアキユレート、ケミカル、コン
パニーまたはイーストマン、コダツク社から市販
されている。
極性の低い溶媒中で高度の螢光量子効率を有す
る染料を選択して使用するのが有利であり、しか
してこの染料は、溶媒の極性の変化につれて該染
料の螢光発光極大値および吸収極大値がシフトす
るようなものであることが好ましい。溶液中に遊
離染料からなるバツクグラウンドが存在するなか
で、細胞内で膜に随伴して存在する染料の検知す
るときの選択度(すなわち検知精度)は、上記の
特性を有する染料を使用したときに最高値にな
る。さらに、染料集合塊の形成による細胞内染料
の螢光発光強度の低下を最小限に抑制するため
に、所定の螢光染料の濃度は充分に低くするのが
有利である。前記の好適シアニン染料であるジ―
O―C6―(3)の場合には、染料濃度は約3×10-7M
またはそれ以下の値であることが好ましい。
ジ―O―C6―(3)の特徴は、水溶液のときより
も、n―オクタノールに溶かして作つた溶液のと
きの方が、量子効率が約4.5単位大きいことであ
る。該染料のn―オクタノール溶液における吸収
極大および照射極大の値は、水溶液における該値
より約10nm高い。個々の細胞の中のジ―O―C6
―(3)の量は、約488nmにおける励起により504nm
の区域に出る螢光の測定により測定できる。一般
にシアニン染料類のうちでは、一般式R―
(CH)3―R′を有するカルボシアニン染料が、一般
式R―(CH)5―R′およびR―(CH)7―R′を有す
るジ―およびトリーカルボシアニンよりも、前記
量子効率に及びす所望溶媒効果が一層大である。
螢光測定のためにマイクロフルオロメーターが
使用できるが、フローシトメーターの使用により
一層迅速かつ正確に測定できる。フローシトメー
ターの使用法および細胞ソーチングの実施方法は
P.K.ホランおよびL.L.ホイーレス、ジユニアの論
文〔「サイエンス」第198巻第149頁−第157頁
(1977年)〕に記載されている。アルゴンイオンレ
ーザー光源を有するフローシトメーターもまた、
本発明方法に従つて測定を行うときに有利に使用
できるものである。このような器械は若干の製造
業者から販売されており、そして該器械を使用し
た場合には、強光強度、細胞寸法、螢光の波長、
吸収波長または吸収強度等の若干の設定条件を設
けることにより、細胞のソーチングが自動的に実
施できる。
研究または試験すべき細胞個体群が細胞の寸法
および内部構造に関して比較的不均質であり、そ
して或一定量の媒質の中の添加染料の濃度、およ
び該媒質中の懸濁細胞の数を比較的一定に保つた
場合には、所定の細胞の中に入つた染料の全量
(細胞から出た螢光の強度の測定値に基いて算出
できる)は、前記濃度に直接比例し、したがつて
膜電位にも直接比例する値になるであろう。しか
しながら、複数の細胞個体群が混在するか、また
は細胞ないし染料の濃度が種々変わる場合には、
追加の測定を行わなければならないであろう。細
胞内染料濃度は細胞内の染料の数を細胞容積で割
つた値に等しいから、所定の細胞の中の染料の濃
度に比例する「値」が、前記の方法により染料全
量を算出してこの全量を「細胞容積に比例する或
値」で割ることにより算出できる。細胞容積はフ
ローシトメーターにおいて細胞内螢光強度の値の
読取りと同時に算出でき、すなわち、細胞寸法を
電子的または光学的手段により測定し、たとえ
ば、照射軸の近辺に或角度で散乱される光散乱に
より測定された細胞断面の2/3乗の値として算出
できる。フローシトメーターを使用する測定技術
によれば、これらの情報を集め、これを電子的に
処理して自動的に表示することができるので、こ
のような技術を利用するのが有利である。このシ
トメーターは、螢光強度を表わす信号、細胞容積
を表わす第2信号を出し、次いでこれらの信号の
比を算出する。この比の値は、膜電位に比例する
値であり、そしてこれは細胞ソーチングのときの
設定条件値として利用でき、あるいは表示でき
る。
生物学的定量を行うべき細胞個体群が細胞容積
または染料結合物質の量に関して不均質なもので
ある場合には、細胞内成分に対する親和性が相異
なる2種の染料を使用することにより、「膜電位
に比例した値」の測定が可能になる。この場合に
は、両方の染料の細胞内螢光が測定できる。そし
てこの場合には、両方の染料に関する細胞内染料
含有量の比の値の増大または減少が膜電位の変化
に比例し、しかしてこの比の値は、細胞容積、お
よび細胞内の染料結合物質の含有量のバラツキと
は無関係である。
媒質中の細胞および染料の濃度の変化が細胞内
染料濃度に及ぼす影響は、化学理論に従つて算出
できるけれども、実際には、比較すべきすべての
試料において細胞および染料の各濃度が全部同じ
値になるように希釈量を調節することの方が一層
簡単であり、かつ好ましい。
細胞膜の一体性がもはや失われてしまつている
死滅細胞の細胞原形質に対する無差別的染色が行
われるために、上記の測光による膜電位測定操作
の精度が低下することがあり得る。エチジウムプ
ロマイドまたはプロビジウムアイオダイドの如き
通常不浸透性の染料を媒質に少量添加した場合に
は、これによつて、損傷膜を有する細胞の核は染
色されるが、該染料は生存細胞の中には入らない
であろう。膜電位測定のために使用される浸透性
染料の光学的性質が、損傷膜検知用不浸透性染料
の光学的性質と相異なるものである場合には、各
細胞の中の各染料の1種またはそれ以上の光学的
性質の相互関連性測定(correlation
measurements)を行い、かくして検知された損
傷細胞の影響を、其後に得られる分析データーか
ら取除くことができる。このとき使用された浸透
性染料がジ―O―C6―(3)(これは好ましい染料
である)であり、不浸透性染料がプロピジウムア
イオダイドである場合には、損傷細胞の核は、
488nmにおける励起により、610nmの区域におい
て赤色螢光を出すであろう。この螢光は観測者自
体により、あるいは測光学的方法により、ジ―O
―C6―(3)の緑色螢光とは容易に区別できる。
膜電位の光学的測定を、同一細胞に対する他の
測定操作と組合わせて行うことにより、本発明方
法による分析操作の効率を一層高めることができ
る。たとえば、或一定のリガンドに対する細胞周
期(セルサイクル)中の種々の段階の細胞の各レ
スポンスが、ジ―O―C6―(3)とDNA―フルオロ
クロム(たとえばヘキスト社製の「化合物No.
33342」)とによる同時的染色を行うことにより検
知できる。
個々の細胞の中の染料の存在量を示す「指標」
を得るために、螢光以外の光学的性質(たとえば
吸光値)を測定することも可能である。この場合
には、遊離状態の染料として存在するときの吸光
極大の波長値と異なる波長値のところで吸光極大
を示す細胞内染料集合体を形成できるような染料
を使用するのが好ましく、そしてこの染料を、細
胞ではその大部分が集合体の形で存在するように
充分高い濃度で使用するのが有利である。これに
よつて、溶液中の遊離状態の染料のバツクグラウ
ンド中における細胞内染料の検知精度(選択度と
を称する)を最高値にすることができる。3,
3,′―ジエチル―および3,3′―ジプロピルチ
アジカルボシアニンの如きチアカルボシアニン染
料が或条件下に上記の光学性を示す。前者の染料
は赤血球細胞と結合したときに約590nmの波長の
ところに新たな吸光ピークを示すが、多分これは
細胞内の該染料とヘモグロビンとの錯体形成によ
るものと思われる。したがつて、個々の細胞の中
の染料の量の測定のために、この波長において細
胞の吸光量を測定することができるのである。
カチオン性染料吸収量を光学的手段で測定する
ことは、膜電位の変化を測定するための好ましい
測定方法であるけれども、他の測定技術を用いる
ことも可能である。たとえば、非興奮性細胞の内
部の電位が負である場合(外部の電位基準)でさ
え、低極性溶媒に対して親和性を有するアニオン
性染料が使用できる。この場合には、該染料は、
細胞内成分の荷電状態に無関係に該細胞内成分に
対して親和性を有し、そして細胞内に吸収される
であろう。その濃度は細胞が過分極状態のときに
減少し、脱分極状態のときに増加するであろう。
膜電位を検知するための非光学的検知方法も本
発明の範囲内に入る。この場合には、膜電位の変
化は、炭素14またはトリチウムを添加した第4
級アンモニウム―またはホスホニウム塩の如き放
射能付加カチオン化合物を用いる公知測定手段に
より測定できる。この種の測定技術の詳細は、
H.R.カバツク編「メソツズ、オブ、エンザイモ
ロジー」、アカデミツク、プレス、1974年、第698
頁に記載されている。またH.M.コーチヤク等の
論文「チエンジズ、イン、ポテンシヤル、オブ、
ヒユーマン、グラニユロサイツ、アンテシード、
ザ、メタボリツク、レスポンス、ツウ、サーフエ
イス、スチムレーシヨン」〔「Proc.Natl.Acad.
Sci.」第75巻第8号第3818頁―第3822頁(1978年
8月号)〕、およびシユールジナー等の論文〔「バ
イオケミストリ」14:25(1975年)〕も参照された
い。これらのカチオンの吸収量は前記のカチオン
性染料の場合と同様に、細胞膜の電位の関数であ
る。細胞内放射能は次の方法に測定できる。細胞
の洗浄後に、細胞が1列に並んだ層すなわちモノ
セルラー層をスライド(ガラス板)上に形成さ
せ、このスライドを写真乳剤に暴露する。さら
に、対照試料にも同様な処理を行い、かくして得
られたこれらの試料のオートラジオグラフ(放射
線透過写真)を比較検討する。この種の細胞膜電
位測定方法は実施可能ではあるが、好ましい方法
ではない。なぜならば写真乳剤への暴露のために
比較的長い時間を要し、かつ細胞が生存状態で維
持できないからである。
膜電位を測定するためのもう1つの非光学的測
定方法は、普通の電子セルカウンター操作技術を
多少変改した技術の使用を包含するものである。
すなわちこの電子セルカウンターにおいて、食塩
水中に懸濁させた個々の細胞を、1対の電極の間
に配置されたオリフイス中を通過させ、そしてこ
の電極により該懸濁液中に電流を通過させる。オ
リフイス中を通る細胞の通過量の変化によりこの
液の電導度が変化し、その結果として、検知可能
な電圧パルスが生ずる。このパルスの高さが細胞
容積を示す「指標」である。一般に細胞膜の電位
が異なるとイオン電導度も異なるから、該オリフ
イス中を通過する個々の細胞の膜のイオン電導度
の変化を示す情報を含む信号が、交流電流を用い
て得られるのである。その結果得られたデーター
はパルス高アナライザー等を用いて、解析でき、
これによつて個々の細胞の膜電位の相互比較を行
うことができる。
本発明を一層具体的に例示するために、次に実
施例を示す。しかしながら本発明の範囲は、決し
てこれらの実施例記載の範囲内のみに限定される
ものではない。
例 1 提供された血液の遠心分離をハイペークーフイ
コール式密度勾配遠心装置を用いて行い、末梢血
液リンパ球細胞を単離した。このリンパ球細胞試
料に細胞学的分析を行行うことにより、この試料
中の赤血球、単核白血球、顆粒白血球の存在割合
(%)を概算した。この分析は次の方法に従つて
行つた。すなわち、アクリジンオレンジで染料し
た試料(アリコツト)中の細胞の赤色および緑色
螢光信号を計測した。トリパンブルーエクスクル
ージヨン操作により細胞の生存能力を評価し、か
つ細胞の数を数えた。
ジ―O―C6―(3)を含む処理液は、エタノール
を溶媒とせる10-3Mまたは5×10-4ストツク液か
ら調製できた。「媒質199」(ギブコ社製)で希釈
された細胞1.0mlに染料液10mlを添加したときに、
最終染料濃度が10-8Mないし5×10-7Mになるよ
うに前記処理液の濃度を適宜調節すべきである。
リンパ球細胞を過分極し得る公知イオン透過担
体の1種であるバリノマイシン(シグマ、ケミカ
ル、コンパニー製のもの)をエタノールに溶か
し、濃度0.66mg/mlの溶液を調製した。また、リ
ンパ球細胞の脱分極を行い得る公知イオン透過担
体であるグラミシジン(ICN)もエタノールに溶
解して溶液を作つた(濃度0.4mg/ml)。フイトヘ
マググリチニン(「PHA」;ジフコ社製;2mg/
ml)およびコンカナバリン―A(「con―A」;シ
グマ社製;1mg/ml)を、ホスフエート緩衝剤を
含む塩水(saline)に溶解した。このPHAおよ
びCon―Aはいずれも、ヒトの末梢リンパ球細胞
に結合し得る公知レクチン(リガンド)である。
他の実験を行う前に、細胞の染料吸収性を動力
学的方法により測定した。細胞を1−2×10-5
個/mlの濃度で含む希薄な細胞懸濁液2mlに染料
液20mlを添加した。次いでフローチトメーターを
用いて細胞の螢光を計測した。螢光分布(デイス
トビユーシヨン)のピークの位置を調べ、そして
それが安定になるまでその位置を1分毎に記録し
た。ジ―O―C6―(3)を指示染料として使用した
場合には、前記のピークの安定化は一般に12分以
内に起つた。
其後の実験は下記の条件下に行つた。すなわち
染料とレクチン(またはイオン透過担体)を添加
時期と螢光測定時期との間の時間間隔を或一定の
時間に保つた。この時間間隔は、平衡到達所要時
間(測定値)よりも少し長い時間であることが好
ましい。ジ―O―C6―(3)を前記の濃度で使用す
る場合には、この時間間隔は15分または20分にす
るのが適当である。
ここで行われた実験のうちの1つは、5種(5
つのアリコツト)の細胞懸濁液について、それら
の螢光分布を相互に比較する実験であつた。
染料添加〔ジ―O―C6―(3)を含む処理液10μl
(細胞1ml当り)〕のときに、さらに次の液をそれ
ぞれ下記の処方通りに添加した。
a なし(対照試料) b PHA(処理液10ml;最終濃度20μg/ml) c Con―A(処理液10ml;最終濃度10μg/ml) d バリノマイシン(処理液10ml;最終濃度6×
10-6M) e グラミシジン(処理液10ml;最終濃度2×
10-5M) 試料添加のあい間にフローシトメーターの流動
系(流動装置)を洗浄する時間が確保できるよう
にするために、試料は3−6分毎に調製した。す
べての試料においてその螢光測定は、同一レーザ
ー出力のもとで、かつ同一ゲインセツト条件のも
とで行つた。各試料において大体同数の細胞につ
いて測定操作を行い、そして、すべての試料にお
いて、そこから出た螢光は、すべて同一スケール
のパルス高アナライザー上にデイスプレーさせて
螢光分布を調べた。
この実験の結果を第1図−第5図のグラフに示
す。染料およびレクチン(またはイオン透過担
体)を添加してから15分後に、細胞の螢光レスポ
ンスが測定されたが、この測定値がこれらのグラ
フにプロツトされた。ジ―O―C6―(3)は5×
10-8Mの最終濃度で使用した。第1図および他の
グラフ(対照試料)において、横軸(x軸)は螢
光レスポンスの強度を表わし、縦軸(y軸)は細
胞の数を表わす。第1図のグラフから、この細胞
個体群の細胞類におけるシアニン染料の細胞内存
在濃度の憤布状態が判るであろう。かように、こ
の細胞個体群の細胞類の膜電位は、刺激を与える
前は第1図のグラフの如くかなりバラツキのある
分布状態を示した。しかしながら、この膜電位分
布のピークが線Aのところにあり、そしてこのこ
とは、中程度の膜電位値を有する大形の細胞個体
亜群の存在を示すものである。
第2図は、脱分極作用を有するイオン透過担体
であるグラミシジンを添加したときの効果を示す
グラフである。このグラフに例示されているよう
に、(グラミシジンの脱分極作用により)螢光強
度の下がつた細胞の数がかなり多く、そのために
ピークがB点にシフトしたのである。これとは対
照的に、過分極作用を有するイオン透過担体であ
るバリノマイシンを添加した細胞試料は、第3図
記載の如く高度の螢光強度を有する細胞を高割合
で含むものであつた(ピークはC点)。
グラミシジンまたはバリノマイシンで処理され
た試料の螢光強度分布と、対照試料の螢光強度分
布との比較から、最大限の脱分極および過分極作
用により螢光信号がどう動くかということが具体
的に理解され得るであろう。かようにこの実施例
は、カチオン性シアニン染料が細胞膜電位の関数
としての集積量で、個々の細胞の膜の中に集積す
るものであることを例示したものである。
例 2 ヒトのリンパ球細胞に対するCon―Aの添加効
果を第4図のグラフに例示した。このグラフから
明らかなように、このリンパ球細胞懸濁液は、前
記レクチンに対するレスポンス特性に関して不均
質であつた。すなわちこの試料は、該レスポンス
特性が互いに相異なる細胞類を含むものであつ
た。一層詳細にいえば、これは、Con―Aと結合
せる過分極状態の細胞からなる細胞個体亜群と、
別の脱分極状態の細胞個体亜群とを含むものであ
つた。過分極状態の細胞は高い螢光強度を示し
(D点)、脱分極状態の細胞は低い螢光強度を示し
た〔これは、グラフ上の、弱いがしかしはつきり
したピー(D′点)により確認できた〕。過分極せ
る細胞個体群の寸法は、脱分極せる細胞個体群の
寸法よりもかなり大きい。
細胞へのPHAの添加の結果として、これらの
細胞は2つのグループに別れた。第5図記載の巾
広の2つのピークを有するグラフに例示されてい
るように、そのうちの1つの細胞個体亜群を構成
する細胞はPHAとの結合により脱分極し、その
ために、個々の細胞の螢光レスポンス強度はE点
まで低下したのであろう。第2番目の細胞個体亜
群は、E′点における一層低い螢光レスポンス強度
から明らかなように、一層顕著に脱分極したもの
であつた。
例 3 PHAのストツク液を、例1記載の方法により
調製されたリンパ球細胞の懸濁液に添加した。次
いでフローシトメーターを使用して、第5図中の
E点およびE′点のところの強度に対応する螢光強
度を有する細胞を分離する操作を行つた。15分間
にわたるインキユベーシヨンの後に、該懸濁液を
メータリング操作によりフローシトメーターに送
給し、そこで3種の細胞懸濁液に分けたが、その
うちの2種の懸濁液は、PHAとの結合時にその
生理学的レスポンス特性に関して均質性を有する
細胞に富むものであつた。
例 4 ロセツチング(rosetting、菊座化)によりB
―富化―およびT―富化リンパ細胞球個体群(純
度約85%)を得、そしてこれらのPHA―敏感性
を調べた。第6図は、レクチン添加前のT―細胞
の螢光レスポンス分布(すなわち、螢光レスポン
ス強度の分布状態)を示すグラフである。第7図
は、例1記載のPHAのストツク液に20分間暴露
した後の前記細胞の螢光レスポンス分布を示すグ
ラフである。これらのグラフから明らかなよう
に、このレクチン添加の結果としてT―リンパ球
細胞は一様に脱分極したのである。これとは反対
に、B―細胞では、PHA―レセプターインター
ラクシヨン(すなわちPHAと細胞上のレセプタ
ーとのインターラクシヨン)の結果として一様な
過分極が起るが、このことは第8図のグラフ(対
照)および第9図のグラフ(PHAを添加してか
ら25分後に測定されたもの)にはつきり示されて
いる。この実験結果から容易に理解され得るよう
に、本発明方法は、或特定のリガンドに対する
種々の型の細胞の生理学的レスポンスを相互に比
較するときに有利に利用できるものである。ま
た、種々の型の細胞は、リガンドに対するその生
理学的レスポンスに基いて相互に区別できるよう
になることも、前記実施例中に具体的に示されて
いる。
本発明は、その精神および範囲から逸脱するこ
となく種々の態様で実施できるものである。した
がつて、本明細書に具体的に開示された実施態様
以外の種々の態様も、本発明の範囲内に入るもの
であることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、5×10-8Mの濃度の3,3′―ジヘキ
シル―2,2′―オキサカルボシアニン〔ジ―O―
C6―(3)〕の存在下にインキユベートされたヒト
のリンパ球細胞懸濁液からなる第1試料の細胞螢
光強度分布を示すグラフである。なお、このグラ
フおよび以下のグラフにおいて横軸は螢光強度を
表わし、縦軸は、或特定の螢光強度を有する細胞
の数(すなわち、螢光強度が同一である細胞の
数)を表わす。第2図は、2×5-5M濃度のグラ
ミシジン(脱分極作用を有するイオン透過担体の
1種)と5×10-8M濃度のジ―O―C6―(3)とを同
時に存在させてインキユベートした細胞懸濁液で
ある第2試料の細胞螢光強度分布を示すグラフで
ある。第3図は6×10-6M濃度のバリノマイシン
(過分極作用を有するイオン透過担体の1種)と
5×10-8M濃度のジ―O―C6―(3)とを同時に存在
させてインキユベートした細胞懸濁液である第3
試料の細胞螢光強度分布を示すグラフである。第
4図は、10μg/mlの濃度のコンカナバリンA(リ
ガンド)溶液と5×10-8M濃度のジ―O―C6―(3)
とを同時に存在させてインキユベートした細胞懸
濁液である第4試料の細胞螢光強度分布を示すグ
ラフである。第5図は、20μg/mlの濃度のフイ
トヘマググルチニン(リガンド)溶液と5×
10-8M濃度のジ―O―C6―(3)とを同時に存在させ
てインキユベートした細胞懸濁液である第5試料
の細胞螢光強度分布を示すグラフである。第6図
は、5×10-8M濃度のジ―O―C6―(3)と平衡状態
になつたT―リンパ球細胞を含む試料の螢光強度
を「所定の螢光レスポンス」として、所定の数の
細胞の細胞螢光強度分布を示すグラフである。第
7図は、第6図記載のT―リンパ球細胞懸濁液に
フイトヘマググルチニンを、20μg/mlの濃度に
なるように添加してから20分後における細胞螢光
強度分布を示すグラフである。すなわちこのグラ
フは、T―細胞からなる細胞個体亜群に及ぼすこ
のレクチンの脱分極作用の強さを例示したもので
ある。第8図、5×10-8M濃度のジ―O―C6―(3)
と平衡状態になつたB―リンパ球細胞懸濁液の細
胞螢光強度分布を示すグラフである。第9図は、
第8図記載のB―細胞懸濁液にフイトヘマググル
チニンを20μg/mlの濃度で添加してから25分後
における、該細胞懸濁液に対するフイトヘマグク
ルチニンの過分極作用の大きさを例示したグラフ
である。なおこれらのグラフはすべて、パルス高
アナライザーに連結されたフローシトメーター
(オーソ、インストルーメンツ社製の「シトフル
オログラフ」)を用いて行われた測定実験の結果
に基いて作成されたものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 1種またはそれ以上の非興奮性細胞の生物学
    的定量方法において、 (A) 該細胞の個々の細胞に関しその膜電位の値を
    表わす特性値を非挿入型測定方法により測定
    し、そして (B) これら個々の細胞の膜電位の差異を検知する
    ために該細胞の前記特性値を参照特性値と比較
    する 主工程を包含し、しかも 該主工程Aが、 (i) 前記細胞を細胞膜浸透性イオン染料と一緒
    にインキユベートする副工程と、 (ii) 前記細胞の、細胞内染料含有量を表わす光
    学的性質を検知し、そしてこの光学的性質か
    ら前記の細胞特性値を定める副工程を含み、 また主工程Bは、このようにして測定された細
    胞の特性値を、該細胞のための前記参照特性値と
    比較し、そして該測定された細胞の特性値と前記
    参照特性値との差異を調べる工程を含み、しかし
    て該差異は、それに対応する細胞膜電位の差異を
    表わす、生物学的定量方法。 2 検知工程が、細胞内の染料濃度を検知する工
    程を含む、特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 参照特性値が、細胞について行なわれた並行
    定量実験の結果を含む、特許請求の範囲第1項ま
    たは2項記載の方法。 4 染料が蛍光染料であり、検知される光学的性
    質が蛍光である、特許請求の範囲第1項または2
    項記載の方法。 5 染料が、低極性溶媒中で高い蛍光量子効率を
    示すことを特徴とするカチオン蛍光染料よりなる
    群から選ばれる、特許請求の範囲第4項記載の方
    法。 6 細胞外溶液中の染料濃度が、蛍光発光性の弱
    い錯体の形成による細胞内蛍光消滅を最小限にし
    うるような濃度である、特許請求の範囲第4項記
    載の方法。 7 染料が、蛍光発光性のカチオンシアニン染料
    よりなる群から選ばれる、特許請求の範囲第1項
    または2項記載の方法。 8 染料が、3,3′―ジヘキシル―2,2′―オキ
    サカルボシアニンの塩である、特許請求の範囲第
    7項記載の方法。 9 測定される光学的性質が吸光である、特許請
    求の範囲第1項または2項記載の方法。 10 溶液中のリガンドの存在を検知するために
    実施される方法にして、更に、 前記リガンドに対して相補的な膜結合型レセプ
    ターを含むことが既知である1またはそれ以上の
    非興奮性細胞を、リガンドとレセプターとが結合
    する条件のもとで前記溶液と一緒にインキユベー
    トする工程を含み、しかして前記溶液中の前記リ
    ガンドの存在が、前記レセプターを有する前記細
    胞の膜電位の変化により検知できる、特許請求の
    範囲第1項または2項記載の方法。 11 検知された膜電位の変化と、既知濃度のリ
    ガンドを含む溶液について行なわれた並行定量実
    験により得られる参照特性値とを比較して、溶液
    中のリガンド濃度の尺度を得る、特許請求の範囲
    第10項記載の方法。 12 リガンドの特異性が一様でない複数細胞中
    に、或る特定のリガンドに対して相補的なレセプ
    ターを有する細胞が存在するかどうかを検知する
    ために実施される方法にして、更に 相補的な細胞レセプターとリガンドとが結合す
    る条件のもとで前記複数細胞を、前記特定のリガ
    ンドを含む溶液と一緒にインキユベートする工程
    を含み、しかして前記リガンドに対して相補的な
    レセプターを有する細胞の存在が、該細胞の膜電
    位の変化により検知できる、特許請求の範囲第1
    項または2項記載の方法。 13 所定のリガンドに対して敏感な細胞に富む
    細胞固体群を生成させるために、同じ程度の膜電
    位変化を示す細胞を分離する工程を更に含む、特
    許請求の範囲第12項記載の方法。 14 所定のリガンドに対し相補的なレセプター
    部位を有するが、それに対する生理学的レスポン
    スが互いに相異なる細胞類が或る細胞固体群中に
    存在することを検知するために実施される方法に
    して、更に 前記細胞固体群を、前記所定のリガンドを含む
    溶液と一緒にインキユベートして前記細胞類の膜
    電位を変化させ、そしてこの変化により、該細胞
    類の膜電位の値および方向を相互に区別し得るも
    のに変える工程を含む特許請求の範囲第1項また
    は2項記載の方法。 15 所定のリガンドに対して敏感な細胞に富む
    細胞群を生成させるために、同じ程度の膜電位変
    化を示す細胞を分離する工程を更に含む、特許請
    求の範囲第14項記載の方法。 16 化学的に相互に区別し得る複数リガンドに
    暴露されたときの細胞固体群の生理学的レスポン
    スを相互に比較するために実施される方法にし
    て、更に レセプターとリガンドとが結合する条件のもと
    で前記細胞固体群を各リガンドと一緒にインキユ
    ベートし、そして これら各細胞試料中の個々の細胞の膜電位の変
    化を監視する工程を含む、特許請求の範囲第16
    項記載の方法。 17 化学的に相異なる複数リガンドに細胞固体
    群を暴露したときこれらリガンドが該細胞固体群
    に及ぼす累積的影響を計測するために実施される
    方法にして、更に 相補的な細胞レセプターとリガンドとが結合す
    る条件のもとで前記リガンドを細胞固体群と一緒
    にインキユベートする工程を含む、特許請求の範
    囲第1項または2項記載の方法。 18 細胞毒に暴露された後の細胞固体群の生存
    能力を評価するために実施される方法にして、更
    に 前記細胞固体群を前記毒と一緒にインキユベー
    トする工程を含む、特許請求の範囲第1項または
    2項記載の方法。 19 細胞固体群中の細胞の膜電位測定のための
    複数操作を、毒への暴露後、或る間隔毎に実施す
    る、特許請求の範囲第16項記載の方法。 20 細胞固体群を細胞栄養素に暴露した後に、
    該細胞栄養素が該細胞固体群に及ぼす影響を評価
    するために実施される方法にして、更に 前記細胞固体群を前記栄養素と一緒にインキユ
    ベートする工程を含む、特許請求の範囲第1項ま
    たは2項記載の方法。 21 栄養素に暴露した後の細胞固体群中の細胞
    の膜電位測定を或る時間間隔毎に複数回実施す
    る、特許請求の範囲第18項記載の方法。 22 検知工程(ii)の前に、細胞を変性させる工程
    を更に含み、これによつて前記工程(ii)の前に細胞
    膜電位の変化を起こさせる、特許請求の範囲第2
    項記載の方法。 23 細胞変性が物理的である、特許請求の範囲
    第22項記載の方法。 24 細胞変性が薬理学的または化学的である、
    特許請求の範囲第22項記載の方法。 25 細胞変性が生物学的である、特許請求の範
    囲第22項記載の方法。 26 細胞変性を工程(i)の前に実施する、特許請
    求の範囲第22項記載の方法。 27 細胞変性を工程(i)の後に実施する、特許請
    求の範囲第22項記載の方法。 28 参照特性値が、前以て測定された濃度を表
    わす値であり、そして比較工程が検知された濃度
    値と前記前以て測定された濃度との差異を決定す
    る工程である、特許請求の範囲第22項、26項
    または27項記載の方法。 29 参照特性値が、前以て測定された濃度を表
    わす値であり、そして比較工程が検知された濃度
    値と前記前以て測定された濃度との差異の変化の
    方向を決定する、特許請求の範囲第22項、26
    項または27項記載の方法。 30 参照特性値が、前以て測定された濃度時間
    コースを表わす1組の値であり、そして比較工程
    が検知された濃度値と前記前以て測定された濃度
    時間コースの値との差異を決定する、特許請求の
    範囲第22項、26項または27項記載の方法。 31 1種またはそれ以上の対照細胞(比較用細
    胞)のために工程AおよびBを実施し、そして該
    対照細胞中の染料の濃度を表わす前もつて決定さ
    れた値を定める諸工程により参照特性値を決定す
    るための工程を更に含む、特許請求の範囲第28
    項記載の方法。 32 1種またはそれ以上の対照細胞のために工
    程AおよびBを実施し、そして該対照細胞中の染
    料の濃度を表わす前もつて決定された値を定める
    諸工程により参照特性値を決定するための工程を
    更に含む、特許請求の範囲第29項記載の方法。 33 1種またはそれ以上の対照細胞のために工
    程AおよびBを実施し、そして該対照細胞中の染
    料の濃度の時間コースを表わす1組の値を定める
    工程により参照特性値を決定するための工程を更
    に含む、特許請求の範囲第30項記載の方法。 34 検知工程(ii)が、 1つの細胞内の染料の量を検知し、 該1つの細胞の容積を測定し、 前記検知量および前記容積の測定値から、前記
    1つの細胞内の染料濃度を算出する工程を含む、
    特許請求の範囲第2項記載の方法。 35 検知工程(ii)が、 1つの細胞内の染料の量を表わす第1信号を発
    信させ、 1つの細胞の容積を表わす第2信号を発信さ
    せ、そして 前記第1信号と第2信号との比を表わす第3信
    号を発信させる工程を含み、しかしてこの第3信
    号が、前記1つの細胞内の染料濃度を表わす、特
    許請求の範囲第2項記載の方法。 36 変性工程が、相補的な細胞レセプターとリ
    ガンドとが結合する条件のもとで細胞をリガンド
    溶液中でインキユベートすることを包含する、特
    許請求の範囲第22項記載の方法。 37 リガンドが抗原、抗体、ハプテン、アレル
    ゲンおよび補対の成分を含み、細胞が免疫系の細
    胞を含む、特許請求の範囲第36項記載の方法。 38 リガンドが、ホルモン、およびその天然ま
    たは合成アゴニストまたは拮抗物質からなる群の
    中の1種またはそれ以上の物質を含む、特許請求
    の範囲第36項記載の方法。 39 リガンドが薬理学的薬剤、およびその天然
    又は合成アゴニストまたは拮抗物質からなる群の
    中の1種またはそれ以上の物質を含む、特許請求
    の範囲第36項記載の方法。 40 染料が蛍光染料であり、染料検知工程が、
    細胞の個々の細胞1またはそれ以上から出た蛍光
    を検知する工程を含む、特許請求の範囲第34項
    または35項記載の方法。 41 染料が蛍光染料であり、染料検知工程が、
    細胞の個々の細胞1またはそれ以上の蛍光のスペ
    クトル的シフトを検知する工程を含む、特許請求
    の範囲第34項または35項記載の方法。 42 染料検知工程が細胞の1またはそれ以上の
    個々の細胞に関する光学的吸収スペクトル(吸光
    値)検知工程を含む、特許請求の範囲第34項ま
    たは35項記載の方法。 43 染料検知工程が染料の凝集後に細胞の1ま
    たはそれ以上の個々の細胞の光学的スペクトルの
    スペクトル的シフトを検知する工程を含む、特許
    請求の範囲第34項または35項記載の方法。 44 工程(A)の副工程(i)が更に、細胞を細胞膜透
    過性イオン染料2種以上の中でインキユベートす
    ることを含む特許請求の範囲第1項記載の方法。 45 1種またはそれ以上の非興奮性細胞の生物
    学的定量方法において、 (A) 該細胞の個々の細胞に関しその膜電位の値を
    表わす特性値を非挿入型測定方法により測定
    し、そして (B) これら個々の細胞の膜電位の差異を検知する
    ために該細胞の前記特性値を参照特性値と比較
    する 主工程を包含し、しかも 該主工程Aが、 (a) 細胞を個々の細胞と結合する染料と一緒に
    インキユベートする副工程と、 (b) 個々の細胞と結合する染料の光学的特性値
    を検知する副工程を含み、しかして前記検知
    された光学的特性値が前記測定の目的値に対
    応し且つ個々の細胞の細胞膜電位を表わす、
    生物学的定量方法。 46 参照特性値が、細胞について行なわれた並
    行定量実験の結果を含む、特許請求の範囲第45
    項記載の方法。 47 参照特性値が、前以て測定された膜電位を
    表わす特性値であり、そして比較工程が検知され
    た電位値と前記参照特性値に対応する電位の値と
    の量的差異を計測する工程である、特許請求の範
    囲第45項記載の方法。 48 参照特性値が、前以て測定された膜電位を
    表わす特性値であり、そして比較工程が検知され
    た電位値と前記参照特性値に対応する電位との変
    化の方向を計測する工程である、特許請求の範囲
    第45項記載の方法。 49 細胞の膜電位の変化を誘起させる物質を該
    細胞に加えてインキユベートする工程を含み、参
    照特性値が、前以て決定された時間コース中の対
    照細胞の膜電位の変化を表わす複数の測定値を含
    み、前記細胞類について光学的特性値測定操作を
    複数回行ない、比較工程が、前記細胞類と前記対
    照細胞との間の、時間コース中の電位の変化の差
    を計測する工程である、特許請求の範囲第45項
    記載の方法。 50 相補的な細胞レセプターとリガンドとが結
    合する条件のもとで細胞をリガンド含有液中に入
    れてインキユベートすることからなる追加的工程
    を含み、しかして前記リガンドが神経伝達物質、
    ホルモン、薬理学的薬剤、そのアゴニストおよび
    拮抗物質、免疫系用蛋白質およびそれらの組み合
    わせよりなる群から選ばれる、特許請求の範囲第
    45項記載の方法。 51 溶液中のリガンドの存在を検知するために
    実施される方法にして、更に 前記リガンドに対し相補的な膜結合型レセプタ
    ーを含むことが既知である1またはそれ以上の非
    興奮性細胞を、リガンドとレセプターとが結合す
    る条件のもとで前記溶液と一緒にインキユベート
    する工程を含み、しかして前記溶液中の前記リガ
    ンドの存在は、前記レセプターを有する前記細胞
    の膜電位の変化により検知できる、特許請求の範
    囲第45項記載の方法。 52 検知された膜電位の変化と、既知濃度のリ
    ガンドを含む溶液について行なわれた並行定量実
    験により得られた参照特性値とを比較して、溶液
    中のリガンド濃度の尺度を得る、特許請求の範囲
    第51項記載の方法。 53 リガンドの特異性が一様でない複数細胞中
    に或る特定のリガンドに対して相補的なレセプタ
    ーを有する細胞が存在するかどうかを検知するた
    めに実施される方法にして、更に 相補的細胞レセプターとリガンドとが結合する
    条件のもとで前記複数細胞を、前記特定のリガン
    ドを含む溶液と一緒にインキユベートする工程を
    含み、しかして前記リガンドに対して相補的なレ
    セプターを有する細胞の存在は、該細胞の膜電位
    の変化により検知できる、特許請求の範囲第45
    項記載の方法。 54 所定のリガンドに対して敏感な細胞に富む
    細胞固体群を生成させるために、同じ程度の膜電
    位変化を示す細胞を分離する工程を更に含む、特
    許請求の範囲第53項記載の方法。 55 所定のリガンドに対して相補的なレセプタ
    ー部位を有するが、それに対する生理学的レスポ
    ンスが互いに相異なる細胞類が或る細胞固体群中
    に存在することを検知するために実施される方法
    にして、更に 前記細胞固体群に、前記所定のリガンドを含む
    溶液と一緒にインキユベートして前記細胞類の膜
    電位を変化させ、そしてこの変化により、該細胞
    類の膜電位の値および方向を相互に区別し得るも
    のに変える工程を含む特許請求の範囲第45項記
    載の方法。 56 所定のリガンドに対して敏感な細胞に富む
    細胞群を生成させるために、同じ程度の膜電位変
    化を示す細胞を分離する工程を更に含む特許請求
    の範囲第55項記載の方法。 57 化学的に相互に区別し得る複数リガンドに
    暴露されたときの細胞固体群の生理学的レスポン
    スを相互に比較するために実施される方法にし
    て、更に レセプターとリガンドとが結合する条件のもと
    で前記細胞固体群を各リガンドと一緒にインキユ
    ベートし、そして これら各細胞試料中の個々の細胞の膜電位の変
    化を監視する工程を含む、特許請求の範囲第45
    項記載の方法。 58 化学的に相異なる複数リガンドに細胞固体
    群を暴露したときこれらリガンドが該細胞固体群
    に及ぼす累積的影響を計測するために実施される
    方法にして、更に 相補的な細胞レセプターとリガンドとが結合す
    る条件のもとで前記リガンドを細胞固体群と一緒
    にインキユベートする工程を含む、特許請求の範
    囲第45項記載の方法。 59 細胞毒に暴露された後の細胞固体群の生存
    能力を評価するために実施される方法にして、更
    に 前記細胞固体群を前記毒と一緒にインキユベー
    トする工程を含む、特許請求の範囲第45項記載
    の方法。 60 細胞固体群中の細胞の膜電位の複数回測定
    を、毒への暴露後、或る間隔毎に実施する、特許
    請求の範囲第57項記載の方法。 61 細胞固体群を細胞栄養素に暴露した後に、
    該細胞栄養素が該細胞固体群に及ぼす影響を評価
    するために実施される方法にして、更に 前記細胞固体群を前記栄養素と一緒にインキユ
    ベートする工程を含む、特許請求の範囲第45項
    記載の方法。 62 栄養素に暴露した後の細胞固体群中の細胞
    の膜電位測定を或る時間間隔毎に複数回実施す
    る、特許請求の範囲第59項記載の方法。
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