JPH0152485B2 - - Google Patents

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JPH0152485B2
JPH0152485B2 JP57075147A JP7514782A JPH0152485B2 JP H0152485 B2 JPH0152485 B2 JP H0152485B2 JP 57075147 A JP57075147 A JP 57075147A JP 7514782 A JP7514782 A JP 7514782A JP H0152485 B2 JPH0152485 B2 JP H0152485B2
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yarn
oil
spinning
groove
distance
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JP57075147A
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Futoshi Sasamoto
Kenichiro Oka
Masanori Mineo
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は改良された溶融紡糸方法に関する。さ
らに詳しくは溶融紡糸工程において、糸条に安定
して均一に油剤を付与するガイド給油方法に関す
る。 ポリエステルなどの熱可塑性合成繊維は、現在
広く衣料用途、産業用途に展開され、その利点価
値は非常に高いものであるため、これらの熱可塑
性合成繊維をより工程的なトラブルがなく安定し
て製造し、かつ均一な物性で部分的欠点のない繊
維を低コストで得ることは、工業的に有意義なこ
とである。一般にポリエステル繊維を製造するに
際しては、溶融したポリマーを紡糸口金から吐出
し、冷却固化させた後油剤を付与して巻取り、未
延伸糸または部分配向糸を得た後、後工程で延伸
して実用に耐える糸条を製造している。またこれ
らの2工程を直結した直接紡糸延伸法も一部で採
用されている。加えて近年では超高速紡糸により
紡糸工程のみで実用に耐える糸を製造しようとい
う思想も具体化されつつある。いずれの製造方法
を採用するにしても紡糸段階において糸条に油剤
を付与することは、製造上必須であり、この油剤
付与操作が適正でないと後工程でのトラブルの原
因となつたり繊維の不均一性や部分的欠陥の原因
となる。このため紡糸工程での油剤の均一付与方
法に関しては過去にも種々の提案がなされてい
る。 従来の紡糸工程における糸条への油剤付与方法
としては、周知の如く、回転ローラーによる油剤
付与装置を使用する方法と計量ポンプを用い、油
剤を計量しつつ油剤付与用ガイドから吐出し糸条
に付着させる方法に大別される。 しかしながら、前者の場合、回転ローラー表面
に付着した油剤が糸に付着するのであるが、ロー
ラー表面への油剤の付着状態がローラーの周方向
で不均一であるため、それが糸条の繊維軸方向の
油分付着斑の原因となつていた。そこで糸条への
油剤の均一付着を目的として後者の方法が採用さ
れ、油分付着斑はかなり低減されてきた。 しかしながら、近年の製品の多様化、特に単糸
デニールの多様化や紡糸速度の高速化に伴ない、
ガイド給油方法を採用しても紡糸張力が不安定に
なつたり、糸への損傷が大きく、毛羽や糸切れが
生じるなどの紡糸上のトラブルが発生するという
問題がある。これはガイド給油法でも、紡糸する
品種によつては安定した均一な糸条への油剤の付
与が困難になり、油剤の付着斑が発生したり、吐
出した油剤が全て糸に付着しないことの発生など
に起因するものである。 このような状況下では、糸条に所望の量の油剤
を付与できないという問題が生ずるのはいうまで
もないが、他にも、糸条の繊維軸方向および単糸
間の油分付着斑が存在するために糸条の油剤付着
量の低レベルの部分が巻取り途中の糸道などで擦
過され、毛羽や白粉の発生の原因となり糸条の品
質を下げたり、極端な場合は糸切れとなるという
問題が生ずる。 そこで本発明者らはより均一に糸条に油剤を付
与し、より均一な物性でかつ部分的欠点のない糸
条をトラブルなく製造する方法について鋭意研究
の結果、紡糸する品種と給油する位置と油剤付与
装置との間に密接な関係があり、これらを適正化
された条件内にコントロールすることが安定した
均一給油の実現に多大な効果のあることを見出し
本発明に至つたものである。 すなわち、本発明は熱可塑性合成繊維を溶融紡
糸するに際し、紡出糸条と接触し油剤を付与する
部分の溝の底面が実質的に平坦であり、かつ下記
式(1)を満足する溝幅W(mm)を有する油剤付与用
ガイドを用いて、糸条と接触し油剤を付与する部
分から口金面までの距離L(cm)が、糸条が室温
まで冷却するために必要な長さ以上であり、かつ
下記式(2)を満足する位置で給油した後、糸条を集
束させて引取ることを特徴とする溶融紡糸方法で
ある。 F×D≦W≦P×b/(L−S+b) …(1) 2.25×10-7・V1.39・D0.39F・L+2.25×10-7
V1.39・Dc0.39(L1−L)≦8×10-5V・DEN…(2) [式中、Fはフイラメント数、Dはフイラメン
トを構成する単糸の外接円の直径(cm)、Sは口
金面から口金下保温域出口までの距離(cm)、P
は口金プレートの中心から口金孔全てを包含する
最小の円の直径(cm)、bは糸条に接触し油剤を
付与する部分からその下流に設けられた糸条の集
束部分までの距離(cm)、Lは糸条に接触し油剤
を付与する部分から口金面までの距離(cm)、V
は紡糸引取速度(cm/sec)、DENはトータルデ
ニール、L1は口金面から最初の引取ローラまで
の距離(紡糸長cm)、Dcは全フイラメントが集束
した際の直径(cm)で、Dc=(0.94+√(−
3.7)/0.907)Dで求められた値、をそれぞれ示
す。] 前記した本発明の溶融紡糸方法においては、紡
糸引取速度を5000m/分以上とし、油剤付与用ガ
イドの接糸長l(cm)を0.2≦l≦0.5で表わされ
る(3)式とすることが本発明の効果をより発揮させ
るために好ましい。 以下本発明を詳述する。前述したとおり種々の
品種の糸条の溶融紡糸の際、品種や給油装置が変
化した場合に計量、吐出した油剤が糸条に全て均
一に付着しなくなるという問題点について検討し
た結果、かかる問題は油剤付与用ガイド上の糸条
と油剤の接触部において以下の望ましくない事態
が生じている時に現出することを本発明者らはつ
きとめた。 すなわち、 (1) 接糸部における油剤付与用ガイドの溝上の油
剤の流れが不均一である時、 (2) 接糸部における油剤付与用ガイドの溝上で単
糸群が重なりあつて走行する時、および/また
は前記溝上の油剤の流れ全体に単糸が適当な間
隔をもつて広がつていない時、 の2点である。 このため本発明者らは、前記した望ましくない
事態を回避し糸条に油剤を均一に付与するために
は、油剤付与用ガイドの形状として以下の点に留
意することが重要であることを見出した。 図面は本発明で使用する油剤付与用ガイドの好
ましい実施例を示し、第1図は正面図、第2図は
その溝部の接糸長を説明するための部分斜視図、
第3図は本発明の溶融紡糸工程の一例を示す図で
ある。 前記留意点の第1点は、糸条と油剤の接触部で
ある溝Aの底面を実質的に平坦にすることであ
る。 すなわち、従来のように溝底面に曲率がある
と、油剤の流れが中央部に集中したり、溝上を走
行する単糸群が中央部に集まろうとして前記(1),
(2)の望ましくない事態が発生する。 しかし、このような望ましくない事態は、前記
したように油剤付与用ガイドの溝の底面を実質的
に平坦とすることで解決することができる。ここ
で「実質的に平坦」とは、糸条が油剤付与用ガイ
ド接触面の曲率によつて集束しないということを
意味する。 前記留意点の第2点は、油剤付与用ガイドの溝
幅Wを特定化することである。前述したように、
溝底面を平坦にして油剤の流れや単糸群が溝の中
央に集まることを防止しても、溝幅が単糸が溝上
に一列に分布するための幅より狭いと単糸群が重
なりあつて、前記した(2)の好ましくない事態が発
生する。 したがつて、溝幅Wは単糸同志が重なり合わな
い幅、すなわち単糸群が少なくとも横一線に並ぶ
ことが可能なだけの幅であることが重要である。 すなわち、本発明者らは実験の結果W≧F・D
とする必要があり、W≧1.2F・Dとすることがよ
り好ましいことを見出した。 また、接糸部での油剤の流れ全体に単糸が分布
するためには、上述のとおり溝を平坦とするのに
加え、接糸部における糸条の広がり幅よりもガイ
ドの溝幅を小さくする必要がある。 かかる条件を満足しないと糸条の両側を通つて
油剤が全く糸条に接触せずに流れ落ちてしまうた
めである。接糸部における糸条の広がり幅は口金
下保温域を出た糸条が集束点に向かつて集中する
過程のどの位置に油剤付与ガイドの接糸部が存在
するかで決定されるものである。 口金下保温域内の糸条は高温溶融状態にあり、
ほとんど引取り部の影響を受けずほぼ垂直に落下
する。 したがつて、接糸部における糸条の広がり幅は
下記式によつて求められる。 糸条の広がり幅=P×b/(L−S+b) すなわち、溝幅W≦P×b/(L−S+b)と
する必要がある。 さらに溶融紡出糸条への均一給油のためには給
油位置、すなわち糸条と接触して油剤を付与する
部分から口金面までの距離を特定化することが必
要である。従来まで給油操作を行なう位置は、糸
条の固化後、すなわち紡出糸条がガラス転移温度
(ポリエチレンテレフタレートでは70〜80℃)以
下に冷却された後で良いとされていた。 しかしながら、本発明者らの検討の結果、ガラ
ス転移温度付近では糸条は未だ細化途中にあり、
この位置で給油操作を行なうと、変形途上の糸条
がガイドと接触して部分的に延伸されたり、急激
に冷却されるため、毛羽の発生などで糸物性の均
一性が低下するなどの部分的欠点が生じることが
わかつた。 このような欠点は糸の品質を低下させるので、
それを防ぐためには、糸条が完全に室温まで冷却
した後(単糸中央部と表面部の差は残るが平均温
度を試算して求め、その値が室温になつたとき)、
すなわち糸条の細化が完全に終了した後に油剤付
与をすることが好ましい。糸条温度が室温にまで
冷却される位置は紡糸速度、単糸デニール、冷却
条件などにより変化するが、一般には口金面から
1〜3m程度の範囲に存在する。 一方、糸条への油剤付与装置が口金面から遠く
なり過ぎると走行中の空気抵抗が増大し、その空
気抵抗のため糸条が冷延伸され糸の物性が変動す
る。 このような問題点を回避するためには糸条にか
かる空気抵抗を減少させれば良いが、このために
は、糸条に出来るだけ口金面から短かい距離で給
油操作を行ない、集束させて走行させることが大
切である。糸条が非集束で走行する場合および集
束状態で走行する場合の糸条にかかる空気抵抗
は、特公昭54−17051に示されているとおり、下
記式で算出できる。 非集束で走行する場合の空気抵抗 =2.25×10-7×V1.39×D0.39×F×L 集束して走行する場合の空気抵抗 =2.25×10-7×V1.39×Dc0.39×L 本発明者らの検討によると、紡糸における空気
抵抗が各紡糸引取速度V(cm/sec)で8×10-5×
V(g/d)を越えると、糸条の物性変化が生じ
るので好ましない。このため油剤付与位置Lを特
定の範囲に選し、紡糸張力(空気抵抗)を8×
10-5×V(g/d)以下とする必要がある。 すなわち、2.25×10-7×V1.39×D0.39×F×L+
2.25×10-7×V1.39×Dc0.39×(L1−L)≦8×
10-5V×DENなる式を満足せることが必要であ
る。 以上述べたように、油剤付与用ガイドの溝底面
を平坦とし、その溝幅、油剤付与位置および紡糸
張力を特定の範囲とすることによつて従来の方法
に比較して、種々の品種においても油剤の均一付
与が可能となり、毛羽などの発生を防いで安定し
た操業が可能となる。 さらに、本発明では使用する油剤付与用ガイド
の接糸部の溝の長さlを特定の範囲とすることに
より、高速紡糸時の均一給油効果が発揮される。
一般に油剤付与ガイドを用いて給油操作を行なう
場合、通常の紡糸引取速度1000〜3000m/分では
接糸部の溝の長さと糸条の毛羽の発生に明らかな
る相関が見られ、接糸部の長さが0.3cmを越える
と毛羽の発生が増加するため、一般には0.3cm以
下、好ましくは0.2cm以下の接糸長のガイドが使
用されている。 しかし、紡糸引取速度5000m/分以上の高速紡
糸域では前記接糸長が0.2cmを越えても全く毛羽
の発生が見られないのに対し、通常の紡糸引取速
度では好ましいとされる0.2cm以下である接糸長
の油剤付与ガイドは5000m/分以上の高速紡糸で
は糸条への油剤の均一付着性が低下することがわ
かつた。 すなわち、紡糸引取速度5000m/分以上の高速
紡糸においては、通常の工程では毛羽が発生する
ため好ましくないとされていた接糸長0.2cm以上
の油剤付与ガイドを用いると、より安定した油剤
の均一付着が可能になるという事実を本発明者ら
は発見したのである。 すなわち、5000m/分以上の高速紡糸では油剤
付与用ガイドの接糸長l(cm)は0.2≦l≦0.5と
することが好ましい。5000m/分以上の高速紡糸
では油剤付与が行なわれる時点での糸条は結晶化
が進んでおり、擦過に対するタフネスがあり、通
常の紡糸速度では毛羽が発生する0.2cm以上の接
糸長の油剤付与ガイドでも毛羽を発生させないで
給油できるが、接糸長が0.5cmを越えるガイドで
はもはや擦過に耐えられず、毛羽の発生が増加す
るので好ましくない。 なお、以下の点に留意すると本発明の効果がよ
り一層向上する。 (1) 油剤付与用ガイドの溝Aの溝幅Wと、その上
流の油剤吐出孔Bの幅を等しくすると、溝上で
の油剤の流れが均一となり油剤の均一付着性が
向上する。さらに溝上で単糸が等間隔で並び、
油剤付着効率を向上させるためには紡糸口金を
工夫し、油剤付与ガイドとの接触面上で単糸群
が重なり合わず等間隙に並ぶ様に、例えば口金
を位置規制し、口金孔配列を千鳥配列とするこ
とが好ましい。 (2) 実際の紡糸工程において走行糸条の集束状態
が悪いとバラケた単糸に空気抵抗が集中し、そ
の単糸の物性変化を増長して単糸間の物性斑の
原因となる。このように単糸間で物性バラツキ
があると、後の延伸工程での毛羽や糸切れの発
生などの工程トラブルの原因となり好ましくな
い。 かかる問題点を回避するためには、糸条を完
全に集束させて走行させることが好ましいが、
このためには油剤付与を行なう際に油剤溶液の
水分率を高くすることが好ましい。この場合、
糸条に良好な集束性を与え、かつ油剤を付与し
た効果(例えばガイドとの摩擦係数の減少)を
失なわないような油剤溶液の濃度としては7.5
〜12%が好ましい。 本発明の溶融紡糸方法は、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリオレフインなどの熱可塑性合成繊維
の溶融紡糸に適用でき、特にポリエステル繊維の
溶融紡糸においてその効果が顕著に発揮される。
前記ポリエステル繊維はポリエチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とするものであるが、
少量の第3成分および/または添加剤を含有する
ものであつて良い。 以上詳述したように、本発明は操業可能な全て
の紡糸引取速度の範囲内において糸条への油剤の
均一付着を可能ならしめ、かつ物性の均一な糸条
を工程トラブルを発生させないで安定して得るこ
とのできる著しく改善された溶融紡糸方法であ
る。 以下に実施例をあげて本発明を詳述する。 実施例 1 ポリエチレンテレフタレートを紡糸温度290℃
で溶融して紡糸口金から吐出し、通常の方法で冷
却したのち紡糸引取速度1500m/分で引き取つ
た。この際口金孔数は36個、吐出量は41.25g/
分である。給油操作は口金下1.6mにおいて、油
剤付与用ガイドの溝幅、溝底面の形状を表−1の
如く変更して実施した。その際の油剤付着量およ
び付着斑の測定結果を合わせて表−1に示した。
なお、給油量は油剤濃度10%で5c.c./分と、全て
一定にした(理論付着量1.2%)。本実験における
(1)式の溝幅の範囲は0.97≦W≦2.23mmである。
(ρ=1.34g/cm3,P=5.9cm,S=20cm,b=5.5
cm) 本実験で、口金面から最初の引取ローラまでの
距離L1は5.8mであり、(2)式左辺の紡糸張力は7
gとなり、右辺の許容張力50gより小さく(2)式を
満足する。 表−1より明らかのように溝幅が本発明の範囲
内にあり溝底面も平坦であるNo.2,3,5におい
ては供給した油剤は斑なく糸条に付着し、紡糸延
伸とも全く毛羽、糸切れなどなく良好に操業でき
た。 しかしながら、溝幅が単糸を横一線に並べた幅
より狭いNo.1および給油位置における単糸群の広
がり幅より広いNo.4においては、供給した油剤も
全て糸条に付着せず、油剤の付着斑も本発明の水
準に比べ大きかつた。 また、紡糸時、延伸時での毛羽、白粉の発生な
ど操業上問題があつた。また、溝幅は本発明の範
囲内にあるが溝底面に曲率のあるNo.6では油分付
着斑が大きく、紡糸時の毛羽発生、延伸時の糸切
れ発生など特に問題が多かつた。
【表】 実施例 2 実施例1と同一の条件で紡糸引取速度3000m/
分、吐出量45g/分で紡糸を行なつた。なお、給
油操作は口金下1.8mにて実施した。 本条件では、P=6.4cm,b=5.3cm,S=20
cm,ρ=1.342g/cm3で本発明の溝幅Wの範囲は、
0.71≦W(mm)≦2.0である。 本実験では、(2)式左辺の紡糸張力は20gとな
り、右辺の許容張力54gより小さく(2)式を満足す
る。 表−2の如く給油ガイド形状を変更して給油操
作を行ない、その際の油分付着量および付着斑を
合わせて表−2に示した。 表−2より明らかなように、溝幅、溝底面形状
とも本発明の条件を満たすNo.8,10では吐出した
油剤は全て糸条に付着し、また油分付着斑も低い
レベルであり、紡糸性、延伸性とも良好であつ
た。 しかしながら、溝幅が本発明の範囲から外れる
実施例No.7,11および溝底面形状に曲率のある実
施例No.9においては、吐出した油剤が全て糸に付
着せず油分付着量レベルが低いばかりでなく、油
分付着斑も大きく、紡糸、延伸の際毛羽、糸切れ
が発生し、本発明の効果は発揮されなかつた。
【表】 実施例 3 実施例2と同一の条件で紡糸し、給油位置を表
−3の如く変更してテストを実施した。 なお、油剤付与用ガイドは各給油位置で適正な
ものに変更しつつ実験した。各給油位置での糸温
度および紡糸張力(g/d)を合わせて表−3に
示し、かつ製糸性、糸物性(紡糸の巻取り糸の単
糸の伸度とその単糸間バラツキ)と比較表示し
た。 なお、本実験における各定数は、b=7.0cm,
P=6.4cm,S=20cm,ρ=1.342g/cm3,L1
580cm、である。また、紡糸室の室温は20℃であ
つた。
【表】 〓○ 良好であつた 〓
表−3より明らかなように糸温度が室温までに
下がる以前に給油されたNo.12,13,14では紡糸、
延伸時の毛羽が発生し、得られた部分配向糸(ポ
リマー)も伸度が低下し、伸度のバラツキ(R)
が大きい。 また、紡糸張力が(2)式の範囲より高くなる実施
例No.17ではポリマーの物性が変化し、延伸性も本
発明の条件を満足するNo.15,16に比べ劣つてい
る。 実施例 4 紡糸温度300℃でポリエステルを溶融し孔数36
コの口金から50g/分で吐出して紡糸引取速度
6000m/分で引取つた。 このとき表−4の如く接糸長2.5mmで溝底面が
平坦で溝幅の異なる油剤付与ガイドを用い、給油
位置を変更して10%の油剤濃度で8c.c./分の量を
給油した。この際の各定数は、P=6.4cm,b=
5.5cm,S=20cm,ρ=1.38g/cm3であつた。表
−4より明らかなように各給油位置で溝幅の範囲
F×D≦W≦P×b/(L−S+b)を外れるガ
イドにおいては付着効率が低下し、吐出した油剤
が全て糸に付着しなかつた。
【表】 〓 あつた

続いて溝幅0.7mmの油剤付与用ガイドを用い、
口金下1.7mの給油位置で接糸長を表−5の如く
変更して給油した。その際の油剤付着量および毛
羽発生数を表−5に合わせて示した。
【表】 表−5より明らかなように接糸長が1.8mmと短
いNo.18の場合、吐出した油剤が全て糸に付着せ
ず、巻取り中に毛羽が発生した。 また、接糸長が5.2mmのNo.22の場合、所望量の
油剤は糸条に付着したが巻取中の毛羽が多発し
た。 続いて表−4の溝幅0.7mm、接糸長2.5mmの油剤
付与用ガイドで給油位置を表−4と同じ条件で変
更して給油した際の紡糸性および単糸の伸度バラ
ツキを各給油位置での糸温度、紡糸張力と合わせ
て表−6に示した。なお、紡糸長L1は580cmであ
つた。
【表】 〓○ 良好 〓
表−6より明らかなように糸温度が室温まで冷
却される以前に給油したNo.23,24では紡糸時の毛
羽、糸切れが発生し、安定操業できなかつただけ
でなく、巻き取つた糸の伸度も低下し、また単糸
間の伸度斑も大きかつた。 また、紡糸張力が本発明の(2)式の範囲を越える
No.26,27,28では得られた糸の伸度低下が大き
く、また紡糸張力が非常に高くなるNo.27,28にお
いては、紡糸操業性も本発明の条件を満足するNo.
25に比べはるかに劣つていた。 実施例 5 紡糸温度300℃でポリエステルを溶融し、吐出
量を随時変更し、孔数36コの口金から吐出して紡
糸引取速度を3000〜6000m/分で変更しつつ75D
−36Fの糸条を得た。この際給油操作は、各紡糸
速度で糸条が十分に冷却された位置でかつ紡糸張
力が本発明の(2)式を満足する位置で、かつ溝幅が
本発明の(1)式を満足する油剤付与用ガイドを用
い、ガイドの接糸長を変更して給油した。なお、
溝底面は全て平坦のガイドを用いた。 また、給油量は理論付着量で1.5%であつた。
その際の油分の実測値および毛羽の発生状況を下
記の表−7に示した。
【表】 表−7より明らかなように紡糸引取速度5000
m/分以上においては、それ以下の紡糸速度で毛
羽が発生していた2mm以上の接糸長を有するガイ
ドでも毛羽が発生せず良好であること、また接糸
長が5mmを越えた場合紡糸引取速度5000m/分以
上でも毛羽が発生すること、および紡糸引取速度
5000m/分以上ではそれ以下の紡糸引取速度で良
好とされた2mm以下の接糸長のガイドでは油分付
着効率が低下することがわかる。 実施例 6 紡糸温度300℃でポリエステルを溶融し、吐出
量50g/分で孔数36コの口金から吐出して紡糸速
度6000m/分で引取つた。このとき、口金下1.7
mの給油位置で溝幅1.5mm、接糸長2.5mmの油剤付
与ガイドを用いて油剤濃度を表−8の如く変更し
て給油した。ただし、給油量は理論油分付着量が
1.5%となるよう各油剤濃度で変更した。表−8
に引取り点での張力とその変動幅および毛羽観察
結果を合わせて示した。
【表】 表−8より明らかなとおり油剤濃度が7.5%以
下であるNo.29では巻取り中に毛羽が多発し問題で
あつた。 また、油剤濃度が12%より高いNo.33では紡糸張
力変動が大きく糸条が走行する際の集束状態が悪
いことがうかがわれた。これに対し油剤濃度が
7.5〜12%の間にあるNo.30〜32では張力変動、毛
羽とも問題ないレベルであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で使用する油剤付与用ガイドの
好ましい一例の正面図、第2図は前記ガイの溝部
の接糸長を説明するための部分斜視図、第3図は
本発明の溶融紡糸工程の一例を示す工程図であ
る。 1……パツク、2……スピンブロツク、3……
チムニー、4……油剤付与用ガイド、5……集束
用ガイド、6,7……引取ローラー、A……溝、
B……油剤吐出孔、W……溝幅、l……接糸長。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性合成繊維を溶融紡糸するに際し、紡
    出糸条と接触し油剤を付与する部分の溝の底面が
    実質的に平坦であり、かつ下記式(1)を満足する溝
    幅W(mm)を有する油剤付与用ガイドを用いて、
    糸条と接触し油剤を付与する部分から口金面まで
    の距離L(cm)が、糸条が室温まで冷却するため
    に必要な長さ以上であり、かつ下記式(2)を満足す
    る位置で給油した後、糸条を集束させて引取るこ
    とを特徴とする溶融紡糸方法。 F×D≦W≦P×b/(L−S+b) …(1) 2.25×10-7・V1.39・D0.39F・L+2.25×10-7
    V1.39・Dc0.39(L1−L)≦8×10-5V・DEN…(2) [式中、Fはフイラメント数、Dはフイラメン
    トを構成する単糸の外接円の直径(cm)、Sは口
    金面から口金下保温域出口までの距離(cm)、P
    は口金プレートの中心から口金孔全てを包含する
    最小の円の直径(cm)、bは糸条に接触し油剤を
    付与する部分からその下流に設けられた糸条の集
    束部分までの距離(cm)、Lは糸条に接触し油剤
    を付与する部分から口金面までの距離(cm)、V
    は紡糸引取速度(cm/sec)、DENはトータルデ
    ニール、L1は口金面から最初の引取ローラまで
    の距離(紡糸長cm)、Dcは全フイラメントが集束
    した際の直径(cm)で、Dc=(0.94+√(−
    3.7)/0.907)Dで求められた値、をそれぞれ示
    す。] 2 紡糸引取速度が5000m/分以上であり油剤付
    与用ガイドの接糸長l(cm)が下記式(3)を満足す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    溶融紡糸方法。 0.2≦l≦0.5 …(3)
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