JPH0152314B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ この発明は、水平投影面において円弧状の搬送
路を有する曲線エスカレータに係り、特に搬送路
端部に形成される反転部の構造の改良に関するも
のである。

［従来技術］ 曲線エスカレータは、水平投影面において円弧
状をなす主枠が傾斜して配置されて主枠に無端状
の搬送路が構成され、平面が扇形をなす多数の踏
段が搬送路に連続して配置され、かつ外側チエー
ンおよび内側チエーンを介して連結されて搬送路
を循環運転される。

ところでこの種の曲線エスカレータにおいて、
外側チエーンは内側チエーンよりも大きい半径で
回転しその角速度が等しいように移動するため、
チエーンの絶対速度は外側が速く内側が遅い。し
たがつて、これらを同軸の鎖車に巻き掛けて駆動
する場合、鎖車の径は例えば第３図に示すように
外側がR₁で内側がR₂とする、R₁＞R₂となる。

また、隣接する踏段同志は、例えば第２図に示
すように相互に噛合しているため、R₁，R₂の径
の異なる鎖車にチエーンを巻き掛けるように踏段
の軸を傾けると、その噛合のために踏段のデマコ
ムまたはライザが破損してしまう。このため、反
転前に踏段間の噛合を外す必要である。

ところが従来の曲線エスカレータでは、踏段間
の噛合を外して反転させる機構が複雑となり、ま
た踏段の反転のため大きなスペースが必要となつ
て主枠が大形化し、曲線エスカレータの設置が制
約される等の欠点があつた。

［発明の概要］ この発明はかかる欠点を改善する目的でなされ
たもので、搬送路の水平部と反転部との間に追従
輪の少なくとも一方を案内する案内レールを設
け、外側追従輪を乗降部の床板下方位置において
第１のレールに対し離隔する方向に変位させて踏
段間の噛合を外し、もつて簡易な構成によつて踏
段を反転動作させ、また少ないスペースに設置可
能な曲線エスカレータを提供するものである。

［発明の実施例］ 第１図ないし第６図はこの発明の一実施例を示
すものであり、図において、１は水平投影面にお
いて円弧状をなし傾斜して配置された曲線エスカ
レータの主枠で、１ａはこれの上端部、１ｂは下
端部、２は主枠１に構成された搬送路で、主枠１
の上面側に往路２ａが、主枠１端部に反転部２ｂ
が、主枠１の底面側に帰路２ｃがそれぞれ形成さ
れて無端状をなすとともに、往路２ａ端部と反転
部２ｂの間、及び帰路２ｃ端部と反転部２ｂとの
間には水平部２ｄがそれぞれ形成されている。３
は平面が扇形をなし多数が連続して搬送路２に配
置された踏段で、３ａはこれら踏段３それぞれに
設けられて搬送路２長手に交差し主枠１の上端部
１ａ寄り縁部に配置され、両端が踏段３幅からそ
れぞれ突出した軸、３ｂは軸３ａの両端にそれぞ
れ枢持された駆動輪、３ｃは踏段３に枢持されて
反軸３ａ側の内側の縁部に配置された内側追従
輪、３ｄは踏段３に枢持されて反軸３ａ側の外側
の縁部に配置された外側追従輪、３ｅは踏段３の
追従輪３ｃ，３ｄ側に設けられたライザ、３ｆは
踏段３の軸３ａ側の端面に設けられて隣接した他
の踏段３のライザ３ｅと少なくとも往路２ａにお
いて噛合うデマコム、４は主枠１に固定されて搬
送路２に沿つて配置され第１レール４ａにより駆
動輪３ｂを、第２レール４ｂにより両追従輪３
ｃ，３ｄをそれぞれ案内し、往路２ａにおいて踏
段３を水平姿勢を保つて傾斜移動させ、水平部２
ｄにおいて水平移動させるレール装置、５は搬送
路２に沿つて無端状に配置され搬送路２円弧の内
側に設けられて軸３ａの一端部を連結した内側チ
エーン、６は搬送路２に沿つて無端状に配置され
て搬送路２円弧の外側に設けられて軸３ａの他端
部を連結した外側チエーン、７は主枠１の端部に
設けられて搬送路２の反転部２ｂを形成し、主枠
１に枢着されて内側チエーン５が巻き掛けられた
小鎖車７ａおよび外側チエーン６が巻き掛けられ
た大鎖車７ｂを主体に構成された反転機構、８は
主枠１に固定されてレール装置４の一部をなし搬
送路２の水平部２ｄと反転部２ｂの間に配置され
て外側追従輪３ｄを案内し、これの移動往路を第
３図に符号Ｂで示す寸法だけ第１のレールに対し
離隔する方向に変位させる案内レール、９は反転
部２ｂと水平部２ｄの両者の間に配置されて外側
追従輪３ｄを案内し上記両者を接続する傾斜レー
ル、１０は上記案内レール８の上方に位置する乗
降用の床板である。

しかして、踏段３は幅方向の両側から内側チエ
ーン５又は外側チエーン６によつて互いに連結さ
れて、図示が省略してあるが駆動装置によつて
内、外側チエーン５，６を介して搬送路２を循環
運転される。そして、レール装置４に駆動輪３
ｂ、および両追従輪３ｃ，３ｄが案内されて転動
し、搬送路２の少なくとも往路２ａでは踏段３が
水平姿勢を保つて傾斜移動し、水平部２ｄでは水
平移動し、また少なくとも往路２ａおよび往路２
ａに接続した水平部２ｄにおいて互いに隣接した
踏段３のライザ３ｅとデマコム３ｆとが噛合つて
移動する。そして踏段３は反転部２ｂにおいて反
転機構７によつて反転動作するが、このときに踏
段３は次に述べるように動作する。

すなわち、水平部２ｄまで第２レール４ｂによ
り案内されてきた両追従輪３ｃ，３ｄのうち、外
側追従輪３ｄは第３図〜第６図に示すようにレー
ル装置４の一部をなす案内レール８および傾斜レ
ール９により引き続き案内されることになるが、
内側追従輪３ｃは第３図〜第５図に示すように往
路２ａ側の水平部２ｄを通過してから帰路２ｃ側
の水平部２ｄに至るまでの区間はいずれのレール
によつても全く案内されていない。したがつて、
この区間においては踏段３は内側追従輪３ｃを除
く他の３つのローラ、すなわち２つの駆動輪３ｂ
と外側追従輪３ｄとによりその姿勢が保たれるこ
とになる。なおここで、上記区間において内側追
従輪３ｃを案内するレールを省略しているのは、
この区間における内側追従輪３ｃの軌跡が複雑と
なるため、および床板１０内に踏段３が入つてし
まつているので踏段３上に人が乗ることがなく３
つのローラで踏段３を案内すれば充分その姿勢が
保たれるためである。

踏段３が３つのローラで案内された状態で外側
追従輪３ｄが案内レール８に差しかかると、第３
図に示すように案内レール８は水平部２ｄに対し
て第１のレールに対し離隔する方向に寸法Ｂだけ
変位しているので、踏段３は第６図に示すように
軸３ａを支点として反時計廻りに微小回転するこ
とになる。そしてこれにより、隣接する踏段３は
デマコム３ｆが上でライザ３ｅが下にくる状態で
噛合が外され、この噛合が外された状態で反転動
作することになる。

しかして、噛合を外す際に踏段３は微小の変位
で変化するだけであるので、第３図に符号Ａで示
す床板１０の高さを小さくすることができ、これ
により乗客の乗降時の安全性を高めることが可能
となる。また、第３図に符号Ｃで示す寸法も小さ
くできるので、エスカレータ深さが少なくなつて
少ないスペースに容易に設置することが可能とな
る。

［発明の効果］ この発明は以上説明したとおり、搬送路の水平
部と反転部との間に追従輪の少なくとも一方を案
内する案内レールを設け、追従輪の少なくとも一
方を乗降部の床板下方位置において第１のレール
に対し離隔する方向に変位させて踏段間の噛合を
外すようにしているので、ステツプの姿勢を微小
変化させるだけで踏段間の噛合を外すことがで
き、床板の高さを小さくして乗客の乗降時の安全
性を高めることができる。またエスカレータ深さ
を少なく抑えることができるので、少ないスペー
スにエスカレータを設置することができる等の効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による曲線エスカレータの一
実施例を示す正面図、第２図は踏段相互の噛合状
態を示す第１図の要部拡大平面図、第３図は搬送
路の反転部付近における踏段の挙動を示す説明
図、第４図は第３図の−線断面図、第５図は
第３図の−線断面図、第６図は踏段間の噛合
を外す方法を示す説明図である。 １……主枠、２……搬送路、２ａ……往路、２
ｂ……反転部、２ｃ……帰路、２ｄ……水平部、
３……踏段、３ａ……軸、３ｂ……駆動輪、３ｃ
……内側追従輪、３ｄ……外側追従輪、３ｅ……
ライザ、３ｆ……デマコム、４……レール装置、
５……内側チエーン、６……外側チエーン、７…
…反転機構、７ａ……小鎖車、７ｂ……大鎖車、
８……案内レール、１０……床板。なお、各図中
符号は同一または相当部分を示すものとする。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水平投影面において円弧状をなし傾斜して配
   置された主枠と、この主枠に構成されて上記主枠
   の上面側に傾斜した往路が上記主枠の端部に反転
   部が上記主枠の底面側に帰路がそれぞれ形成され
   て無端状をなすとともに少なくとも上記往路端部
   と上記反転部との間に水平部が形成された搬送路
   と、上記水平部の端部および上記反転部の上方に
   配された乗降用の床板と、上記搬送路に沿つて無
   端状に配置されて上記搬送路の描く円弧の外側お
   よび内側にそれぞれ位置する外側チエーンおよび
   内側チエーンと、平面が扇形をなし多数が連続し
   て上記搬送路に配置され上記両チエーンを介して
   上記搬送路を循環運転される踏段と、これらの踏
   段にそれぞれ設けられて上記搬送路長手方向に交
   差し上記主枠の上端寄り縁部に配置され両端がそ
   れぞれ上記各チエーンに連結されるとともに両端
   にそれぞれ駆動輪を枢持した軸と、上記踏段に枢
   持されて上記踏段の反上記軸側の両縁部にそれぞ
   れ配置された外側追従輪および内側追従輪と、上
   記主枠に固定されて上記搬送路に沿つて配置され
   て上記駆動輪を案内する第１レールおよび追従輪
   を案内する第２レールからなり上記踏段を上記往
   路において水平姿勢を保つて傾斜移動させ上記水
   平部において水平移動させるレール装置と、上記
   主枠の端部に設けられて上記反転部を形成し上記
   内側チエーンが巻き掛けられた小鎖車および上記
   外側チエーンが巻き掛けられた大鎖車を持ち円錐
   状面に沿う軌跡により上記踏段を反転動作させる
   反転機構と、上記主枠に固定され上記搬送路の水
   平部と反転部との間に設けられて上記踏段の追従
   輪の少なくとも一方を案内しこの追従輪を上記床
   板の下方位置において上記第１のレールに対し離
   隔する方向に変位させて隣接する踏段の噛合いを
   外す案内レールとを具備することを特徴とする曲
   線エスカレータ。