JPH0149295B2 - - Google Patents

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JPH0149295B2
JPH0149295B2 JP58087151A JP8715183A JPH0149295B2 JP H0149295 B2 JPH0149295 B2 JP H0149295B2 JP 58087151 A JP58087151 A JP 58087151A JP 8715183 A JP8715183 A JP 8715183A JP H0149295 B2 JPH0149295 B2 JP H0149295B2
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JP
Japan
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syrup
reaction zone
methyl methacrylate
polymerization
temperature
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JP58087151A
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JPS59210911A (ja
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Yasuyuki Kato
Masahiro Yuyama
Masahiko Morya
Akira Sakuramoto
Hideaki Matsura
Tosha Urano
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は貯蔵安定性に優れたメチルメタクリレ
ート系シロツプを重合閉塞を起すことなく製造で
きる簡便な製造法に関する。
更に詳しくは、本発明はメチルメタクリレート
系単量体をラジカル重合開始剤の存在下に連続塊
状重合して得られる残留開始剤を含有する熱シロ
ツプを、外壁面が特定の温度に加熱された管状区
域を液相状態を保持して通過させることにより、
残留開始剤を消滅させ、重合閉塞を防止するメチ
ルメタクリレート系シロツプの連続製法である。
メチルメタクリレート系シロツプを重合開始剤
の存在下に、二枚のガラス板の間で重合させて製
板する回分式のセルキヤスト法、あるいは二つの
連続した移動バンド間で連続重合させて製板する
連続キヤスト法によるメチルメタクリレート系樹
脂板の製造法は公知である。また、メチルメタク
リレート系単量体を重合開始剤の存在下に予備重
合するメチルメタクリレート系シロツプの製造法
も公知である。このメチルメタクリレート系シロ
ツプに要求される特性としては、一般に、重合体
含有率が高く重合時間が短縮できると共に品質の
低下がないこと、適度な粘度を保有し作業性が良
いこと、残留開始剤濃度が低く貯蔵安定性が良好
であることなどが挙げられる。更に、ゴム変性シ
ロツプにおいてはゴム状重合体が所望の粒子径を
有する粒子状に安定に分散していることが要求さ
れる。このようなシロツプの製造においては、メ
チルメタクリレート系単量体の塊状重合の特性に
基づく特有の困難があり、ゲル効果あるいはトロ
ムスドルフ効果と呼ばれる重合速度の加速現象が
特に顕著であるために反応系が操作的に不安定に
なり易く、重合反応が暴走して内容物が急激に固
化してしまつたり、反応器の内壁面に重合体が付
着し徐々に成長すると共に不溶性の重合体に変化
して器内を閉塞させるに到るなどいずれも安定な
連続運転を不可能にする問題が発生する。
メチルメタクリレート系シロツプを管型反応器
を用いて製造する場合の閉塞を防止する改良方法
はこれまで種々開示されている(特公昭47−
13369、特公昭47−26672、特公昭48−35357、特
公昭49−10555)が、装置が特殊な構造であつた
り、煩雑な切換操作を必要としたり、重合転化率
が高々15重量%程度であるなどいずれも満足すべ
きものとは言い難い。
一方、本発明者らは先に、反応器の構成、およ
び反応器内における重合開始剤濃度、反応温度、
滞留時間などの反応条件を規定することにより前
述の要求特性に加えて操作的に安定に製造し得る
ことを開示した(特開昭54−54188、特開昭54−
54189、特開昭55−147514)が、これらに用いる
反応器は後段の押し出し流れの達成される反応帯
域においても付着閉塞を防止するためには撹拌さ
れるのが通例であつた。しかし、これらの方法で
は前段の完全混合の達成される反応帯域と合わせ
て少くとも2つの撹拌軸を有するため反応器の構
成上に制約があり、また後段の管型反応器に撹拌
器を設置すること自体複雑な構造になることは避
け難いなど種々の機械的制約が加わつてスケール
アツプが困難である欠点を有していた。
また、重合体の付着閉塞を防止する方法として
は、重合禁止剤を添加する方法が公知であるが、
この方法は本発明のように重合開始剤が共存する
系においては相互に反応して消失するため所期の
効果が得られず、多量に用いると本来の重合反応
が阻害されその上着色が増加するなど欠点のみが
助長される結果となつて有効な方法とは言い難
い。
本発明者らはこれらの欠点を克服する方法につ
いて鋭意検討した結果、残留開始剤を含有する熱
シロツプを、内壁面が特定の温度に加熱された管
状区域を液相状態を保持して通過させる簡便な方
法により残留開始剤を効果的に消滅させ、かつ、
重合閉塞を防止できることを見出し本発明に到達
した。
すなわち、本発明はメチルメタクリレートを主
成分とする単量体100〜80重量%とゴム状重合体
0〜20重量%(但し、両者の合計は100重量%と
する)からなる原料液とラジカル開合開始剤と
を、実質的に完全混合が達成される反応区域(以
下前段の反応区域と称する)と実質的に押し出し
流れが達成される反応区域(以下後段の反応区域
と称する)とを順次通過させて連続的に重合して
メチルメタクリレート系シロツプを製造するに当
り、後段の反応区域の内壁面を150〜290℃であり
かつ前段の反応区域より流入するシロツプの温度
より低くない温度に加熱し、かつ該区域内のシロ
ツプを3〜20気圧の圧力条件下に維持して実質的
に液相状態で通過させることを特徴とするメチル
メタクリレート系シロツプの連続製法である。
次に本発明について詳細に説明する。
本発明の方法におけるシロツプの製造に用いら
れるメチルメタクリレートを主成分とする単量体
としては、メチルメタクリレートが単独で用いら
れる他、あるいはメチルメタクリレートと共重合
可能なエチレン性不飽和単量体を単量体の全量に
対して一般には40重量%以下、好ましくは20重量
%以下の範囲内において含有するメチルメタクリ
レート系単量体混合物が用いられる。
エチレン性不飽和単量体としてはメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、2−トビ
ロキシエチルアクリレート、アリルアクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレートなどのア
ルキルアクリレート類、エチルメタクリレート、
ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレートなどのアルキ
ルメタクリレート類、アクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどの不飽和ニトリル類、アクリル
アミド、ジアセトンアクリルアミドなどの不飽和
アミド類、アクリル類、メタクリル酸などの不飽
和カルボン酸類、スチレン、α−メチルスチレ
ン、核置換アルキルスチレン、核置換クロルスチ
レンなどのビニル芳香族化合物、無水マレイン
酸、N−アリールマレイミドおよび塩化ビニルな
どを挙げることができ、これらの1種または2種
以上が用いられる。これらのエチレン性不飽和化
合物はメチルメタクリレート系樹脂としての特徴
を損なわない範囲内で成形性、耐熱性、耐溶剤性
その他の種々の品質を改良するため、あるいはゴ
ム状重合体の添加により損われる透明性を回復す
るために前記範囲内の量が用いられる。
ゴム状重合体としてはポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、ポリイソブチレンなどの単独重合体、
ブタジエン/スチレン、ブタジエン/アクリロニ
トリル、ブタジエン/メチルメタクリレート、ブ
タジエン/アルキルアクリレートなどのジエン系
共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチ
レン/アルキルアクリレート(アルキル基の炭素
数1〜8個)共重合体、ゴム状ポリアルキルアク
リレートまたはその共重合体、ポリウレタン、塩
素化ポリエチレンおよびEPDMなどを挙げるこ
とができ、これらの1種または2種以上が用いら
れる。ゴム状重合体は樹脂に耐衝撃性を付与する
ために用いられるが、その添加量は原料液の全量
に対して0〜20重量%に選ばれる。この範囲より
多いときはメチルメタクリレート系樹脂の熱的性
質、耐候性などが損われて好ましくない。
ラジカル重合開始剤の種類としては特に制限は
ないが、90〜200℃、好ましくは110〜180℃にお
いて比較的急速にラジカルを発生するものが用い
られ、半減期が5秒以下となる温度が180℃以下
であるラジカル重合開始剤が適し、例えば、アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、アゾビス−(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビ
スシクロヘキサンカルボニトリルなどのアゾ化合
物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、デカノイルパーオキサイド、アセチ
ルパーオキサイド、イソブタノイルパーオキサイ
ド、カプリルパーオキサイド、2,4−ジクロル
ベンゾイルパーオキサイド、アセチルシクロヘキ
シルスルホニルパーオキサイド、ターシヤリーブ
チルパーオキシピバレート、ターシヤリーブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、イソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパ
ーオキシジカーボネート、セカンダリーブチルパ
ーオキシジカーボネート、ノルマルブチルパーオ
キシジカーボネート、2−エチルヘキシルパーオ
キシジカーボネート、ジシクロヘキシルパーオキ
シジカーボネート、ビス−(4−ターシヤリーブ
チルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネー
ト、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネー
ト、ジノルマルブトキシエチルパーオキシジカー
ボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジ
カーボネートなどの過酸化物を挙げることがで
き、これらの1種または2種以上が用いられる。
重合開始剤の量は原料液100重量部に対して通常
0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部で
ある。
前段の反応区域としては実質的に完全混合が達
成される限りいかなる反応装置あるいは撹拌方法
を用いてもよいが、例えばダブルヘリカルリボン
撹拌翼またはMIG型撹拌翼を備えた連続撹拌槽
型反応器がこの目的に使用される。この反応区域
は1個であつてもよく、2〜5個を直列に配列し
て反応帯域を形成してもよい。また反応温度はラ
ジカル重合開始剤の種類によつて適宜設定すれば
よいが一般に90〜200℃、好ましくは110〜180℃
である。
後段の反応区域は実質的に押し出し流れが達成
され、かつ、内壁面を規定の温度範囲内に加熱す
る機能を有していればいかなる装置形状であつて
もよいが、例えば無撹拌の細長い管状であり、外
部に熱媒の流路が設けられた二重管が適する。管
状区域のL/Dは通常5以上、好ましくは10以上
に選ばれ、また該区域内を流れるシロツプの平均
線速度は通常10cm/分以上、好ましくは50cm/分
以上に選ばれる。この範囲より遅いときは内壁面
に重合体が付着成長し易い欠点が表われる。後段
の反応区域におけるシロツプの平均滞留時間は通
常0.2〜30分である。この範囲より短いときは前
段の反応区域より流入する残留開始剤を十分に減
少させることができず、一方、この範囲より長い
ときはシロツプが余分な熱履歴を受けて変質、劣
化するおそれがありいずれも好ましくない。
後段の反応区域の内壁面は150〜290℃、好まし
くは180〜250℃であり、かつ、前段の反応区域よ
り流入するシロツプの温度より低くなく、好まし
くは残留開始剤の半減期が5秒以下となる温度に
加熱される。内壁面の温度がこの範囲より低いと
きは後段の反応区域の内壁面に重合体が付着し、
徐々に成長すると共に不溶性の重合体に変化して
該区域内を閉塞させ、一方、この範囲より高いと
きは熱による分解、着色が生じてシロツプを変
質、劣化させる欠点を有している。また、該反応
区域の内壁面の温度が流入するシロツプの温度よ
り低いときはシロツプの温度が前記範囲内であつ
ても重合閉塞の原因となり易い欠点を有する。加
熱されていない箇所への重合体の付着を回避する
ため加熱は該反応区域を画する器壁の実質的に全
面積に対して実施されるのが好ましい。従つて、
該反応区域が外部のみでなく内部にも隔壁を有す
る例えば三重管型熱交換器の構造を有する場合に
は該反応区域から見て内壁面に当る内管にも前記
温度の熱媒体が流通される。
後段の反応区域に流入するシロツプは通常110
〜180℃の温度を有しており、後段の反応区域で
はシロツプの変質・劣化を避けるためシロツプの
温度は通常200℃以下、好ましくは180℃以下に保
持される。また、該反応区域内におけるシロツプ
の蒸気圧は通常大気圧よりも高いので、該区域の
内壁面上における単量体の蒸発とこれに伴なう重
合体の器壁への付着を抑え、かつ、該区域におけ
るシロツプの平均滞留時間を所望の条件に維持す
る目的で、該シロツプが実質的に液相を保持する
に十分な圧力を加える必要があり、この圧力は通
常3〜20気圧、好ましくは4〜10気圧に維持され
る。
後段の反応区域は前述の機能を有していればよ
く、必ずしも別個の反応器としてこれを設置する
必要はないから、例えば後続する冷却工程への移
送配管を兼用することができ、反応工程と冷却工
程との配置上の制約が実質的に解除される利点を
有している。一方、これを反応工程のスケールア
ツプの観点から見ると後段の反応区域は撹拌機な
どの設置が不要であるから構造自体が極めて単純
となつて機械的制約はなく、また前段の反応区域
が撹拌軸を有する通常の場合も、従来の両反応区
域がそれぞれ撹拌軸を有するために生ずる反応器
構成上の制約がなくなつて、スケールアツプ上の
機械的制約は事実上解除される利点を有してい
る。
本発明の方法により製造されるシロツプ中の重
合体含有率は通常5〜40重量%、好ましくは10〜
30重量%であり、25℃における粘度は0.5〜500ポ
イズ、好ましくは1〜100ポイズであり、シロツ
プ中の重合体の数平均重合度は300〜6000、好ま
しくは400〜2000である。また、シロツプ中の残
留開始剤濃度は後段の反応区域に流入する通常1
〜1000ppm、好ましくは1〜200ppmのものが
0.1ppm以下、好ましくは0.01ppm以下の無視し
得る量にまで減じられ実質的に消滅させられる。
該反応区域で重合開始剤の分解に伴なつて多い場
合には数%に及ぶ無視できない量の重合体が生成
し、かつ、無撹拌状態であるにもかかわらず、該
反応区域の内壁面への重合体の付着を完全に防止
することができる。更に、原料液中にゴム状重合
体を含有する場合においても前段の反応区域で生
成した平均粒径0.1〜20μ、好ましくは0.2〜10μの
ゴム状重合体粒子が後段の反応区域においても安
定な分散状態を保持しており、ゴム状重合体粒子
同志の凝集や、後段の反応区域の内壁面へのゴム
状重合体および/または樹脂状重合体の付着が完
全に防止される。
すなわち、本発明の方法によれば、重合体含有
率が高く重合時間が短縮できると共に品質低下が
ないこと、適度な粘度を保有し作業性が良いこ
と、残留開始剤濃度が低く貯蔵安定性が良好であ
ること、および/またはゴム状重合体が粒子状に
安定に分散していることなどの要求性能を満足す
るシロツプを製造するに当り、効果的に残留開始
剤を消滅させ、かつ、重合閉塞を防止できて長時
間の連続運転に耐えると共に、スケールアツプ上
の制約のない簡便で効率的な製造法が提供され
る。
本発明の方法により製造されるシロツプは通常
一担冷却された後、重合開始剤を添加溶解して重
合性液状組成物となし、セルキヤスト法、連続キ
ヤスト法による樹脂板の製造や、ガラス繊維強化
樹脂板の製造に供され、更にゴム変性シロツプの
場合には、このほか重合性液状組成物を懸濁安定
剤の存在下に水性媒体中に撹拌下に分散させ加熱
して重合固化せしめて耐衝撃性の成形材料を製造
する懸濁重合法にも供される。シロツプの用途は
上記に限定されるものではなく、重合性接着剤ま
たは塗料の主剤成分として、あるいは樹脂コンク
リート組成物などポリマー含有組成物の原料とし
てなど予備重合体シロツプが用いられる用途一般
に広く用いることができる。
つぎに本発明を実施例によつて具体的に説明す
るが、本発明はこれらによつて限定されるもので
はない。なお、実施例中の%は重量%であり、部
は重量部である。また実施例中におけるシロツプ
の粘度はB型粘度計を用いて25℃で測定し、重合
転化率はガスクロマトグラフイーにより測定し
た。
実施例 1 前段にダブルヘリカルリボン翼を設置した撹拌
槽型反応器、後段に管型反応器を配列してなる二
段式連続反応装置を使用した。槽型反応器の容積
は0.5で撹拌速度は800rpmであり、管型反応器
は内径13mm、長さ80cmで、外部に熱媒油を循環す
るジヤケツトを有する二重管式のものを用いた。
メチルメタクリレート単量体90部を約80℃に予熱
して槽型反応器に連続的に供給し、一方、アゾビ
スイソブチロニトリル0.047部をメチルメタクリ
レート単量体10重量部に溶解してなる20℃の重合
開始剤溶液を該反応器に連続的に供給し、反応混
合物の該反応器における平均滞留時間を147秒に
維持して満液状態で重合を行ない、次いで得られ
る反応混合物を管型反応器を通過させてシロツプ
中の重合体に関する限り反応を完結させた。槽型
反応器の内温は160℃に、管型反応器のジヤケツ
トに循環する熱媒油の温度は220℃に、また両反
応器内の圧力は6気圧に維持した。管型反応器を
流れるシロツプの平均線速度は160cm/分、平均
滞留時間は約30秒であり、シロツプの管型反応器
出口での温度は175℃であつた。管型反応器を出
た最終シロツプ中における単量体の重合転化率は
25.4%、25℃における粘度は13.5ポイズであり、
シロツプ中の重合体の数平均重合度は740で、残
留開始剤濃度は0.01ppm以下であり、60℃におい
て5時間静置加熱しても重合体含有率および粘度
には全く変化がなく、着色も全く認められなかつ
た。またこのシロツプの貯蔵安定性は極めて良好
で、室温で6ケ月間放置しても重合体含有率およ
び粘度は全く変化しなかつた。上記のシロツプ製
造条件で700時間連続運転を行なつたが、この間
反応温度は実質的に一定であり、また得られるシ
ロツプの重合体含有率および粘度にも実質的に変
化が認められず、極めて安定な操作ができ、従つ
てこのシロツプを用いて得られる樹脂板の品質も
良好で一定していた。また、連続運転を停止した
後、反応器を開放点検したところ、両反応器とも
重合体の付着は全く認められなかつた。
比較例 1 実施例1の二段式連続反応装置を使用し、管型
反応器のジヤケツトに循環する熱媒油の温度を
150℃としたほかは実施例1と同一の供給液組成
および反応条件で重合を行なつた。最終シロツプ
中における単量体の重合転化率は26.1%、25℃に
おける粘度は18.4ポイズであり、シロツプ中の重
合体の数平均重合度は745で、残留開始剤濃度は
0.01ppm以下であつて、シロツプの60℃における
熱安定性や、このシロツプを用いて得られる樹脂
板の品質には実施例1と比較して格別の差異は認
められなかつたが、この条件で連続運転を開始し
て15時間後より反応器前後の差圧が急速に増大し
て運転を継続することができなかつた。反応を停
止した後、反応器を開放点検したところ、管型反
応器の入口部付近の内壁面に環状に重合体が付着
し閉塞寸前の状態であつた。付着した重合体はク
ロロホルムに大部分不溶であり、可溶部の数平均
重合度も4300であつて、シロツプ中の重合体のそ
れとは全く異なる値であつた。
比較例 2 実施例1の二段式反応装置を使用し、両反応器
内の圧力を10気圧、管型反応器のジヤケツトに循
環する熱媒油の温度を320℃としたほかは実施例
1と同一の供給液組成および反応条件で重合を行
なつたところ、管型反応器出口でのシロツプの温
度は210℃であつた。最終シロツプ中における単
量体の重合転化率は25.3%、25℃における粘度は
12.9ポイズ、数平均重合度は730で実施例1に比
べてやや低い程度であつたが、シロツプが淡黄色
に着色しているほか熱安定性が劣り、60℃におい
て3時間静置加熱したところ、重合体含有率は
26.1%、25℃における粘度は44.8ポイズに増大し
た。なお、この条件で72時間連続運転した後、反
応器を開放点検したところ、重合体の付着は認め
られなかつた。
実施例 2 実施例1の二段式連続反応装置を使用した。ポ
リブタジエンゴム(旭化成工業製ジエン NF−
35A)5%、メチルメタクリレート79%およびス
チレン16%からなる原料液90部と、ベンゾイルパ
ーオキサイド0.1部をメチルメタクリレート10部
に溶解してなる開始剤溶液とを槽型反応器に連続
的に供給し、該反応器における平均滞留時間を
160秒、反応温度を160℃、圧力を6気圧に維持し
て重合を行ない、次いで、ジヤケツトに220℃の
熱媒が循環され、内圧が6気圧の条件下にある管
型反応器を通過させて残留開始剤を消滅させた。
最終シロツプの重合転化率は26.6%、25℃におけ
る粘度は24.9ポイズで、分散ゴム粒子の平均粒径
は0.5μであり、このシロツプを60℃において5時
間静置加熱しても重合体含有率および粘度には全
く変化がなく、ゴム状重合体粒子も良好な分散状
態を保持していた。この条件で500時間連続運転
した後、反応器を開放点検したところ、両反応器
ともゴム状重合体も含めて重合体の付着は全く認
められなかつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 メチルメタクリレートを主成分とする単量体
    100〜80重量%とゴム状重合体0〜20重量%(但
    し、両者の合計は100重量%とする)からなる原
    料液とラジカル重合開始剤とを、実質的に完全混
    合が達成される反応区域(以下前段の反応区域と
    称する)と実質的に押し出し流れが達成される反
    応区域(以下後段の反応区域と称する)とを順次
    通過させて連続的に重合してメチルメタクリレー
    ト系シロツプを製造するに当り、後段の反応区域
    の内壁面を150〜290℃でありかつ前段の反応区域
    より流入するシロツプの温度より低くない温度に
    加熱し、かつ該区域内のシロツプを3〜20気圧の
    圧力条件下に維持して実質的に液相状態で通過さ
    せることを特徴とするメチルメタクリレート系シ
    ロツプの連続製法。 2 後段の反応区域がL/Dが5以上の管状路で
    あり、かつ、該区域内のシロツプの平均線速度が
    10cm/分以上である特許請求の範囲第1項に記載
    の方法。 3 後段の反応区域におけるシロツプの平均滞留
    時間が0.2〜30分である特許請求の範囲第1項に
    記載の方法。
JP8715183A 1983-05-17 1983-05-17 メチルメタクリレ−ト系シロツプの連続製法 Granted JPS59210911A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8715183A JPS59210911A (ja) 1983-05-17 1983-05-17 メチルメタクリレ−ト系シロツプの連続製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8715183A JPS59210911A (ja) 1983-05-17 1983-05-17 メチルメタクリレ−ト系シロツプの連続製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS59210911A JPS59210911A (ja) 1984-11-29
JPH0149295B2 true JPH0149295B2 (ja) 1989-10-24

Family

ID=13906975

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JP8715183A Granted JPS59210911A (ja) 1983-05-17 1983-05-17 メチルメタクリレ−ト系シロツプの連続製法

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DE19609715C2 (de) 1996-03-13 1998-10-08 Roehm Gmbh Mehrstufiges Verfahren zur Herstellung von hochwärmeformbeständigen Polymethacrylat-Formmassen

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JPS5454188A (en) * 1977-10-06 1979-04-28 Sumitomo Chem Co Ltd Continuous preparation of methyl methacrylate syrup
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JPS5887153A (ja) * 1981-10-26 1983-05-24 シ−トン・カンパニ− 透湿性貼付シ−ト材料およびその製造方法

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