JPH0149093B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は例えば射出成形に用いる成形型の交換
装置に関する。

（従来の技術） 一般に、射出成形にあつては型間に形成される
キヤビテイ内に、樹脂等の成形材料を注入し、所
定形状の製品を得るようにしている。そして、製
品の形状を変えるには型を交換するわけであるが
従来にあつては、型交換の都度、作業者が手作業
で型を交換している。

（発明が解決しようとする問題点） 従来の型交換は上述の如く、殆どを手作業によ
つて行つているため、型交換の頻度が少ない場合
にはそれ程問題とならないが、例えば、車両用シ
ートなどを製造する場合には、多機種少量生産で
あるため、型交換の頻度も大となり、作業効率が
大巾に低下する。特に他の工程と組合せる場合に
は型交換を手作業で行うことが、連続した工程で
製品を得ることの妨げとなり、極めて不利とな
る。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく本発明は、成形材料の
供給装置を備えた成形台に成形型を収納する成形
槽を移動自在に設け、また成形台に隣接した待機
装置内には交換用の成形型を保持する保持体を例
えば昇降動自在に配設し、更に成形部の近傍には
成形型の着脱機構を備えた昇降動装置を配置し、
連結機構にて前記成形槽と保持体とを連結した状
態で保持体を成形部まで引き出し、前記昇降装置
によつて引き出された保持体から交換用の新たな
成形型を取り出し、或いは使用済の成形型を保持
体内に収納するようにした。

（実施例） 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図は本発明に係る成形型の交換装置を適用
した車両用シートの製造装置の全体平面図であ
り、この製造装置は加熱部１、粉末樹脂供給部２
及び発泡成形部３から主なる部分が構成され、こ
れら各部分をフレーム４及びレール５等で連絡し
ている。

而して、その製造順の概略を説明すれば、先
ず、加熱炉６によつて金型７を加熱し、加熱した
金型７を搬送装置８にて保持し、この搬送装置８
をフレーム４に沿つて反転装置９の位置まで搬送
し、この反転装置のアーム１０，１０にて金型７
をクランプし、金型７をクランプしたままアーム
１０，１０を反転させ、金型７の開口部と粉末樹
脂充填槽１１の上部開口とを突合せ、この状態で
金型７と粉末樹脂充填槽１１とを一体的に回転し
て粉末樹脂充填槽１１内の粉末樹脂を金型７に移
行し、金型７の内側成形面に粉末樹脂を付着さ
せ、この付着した粉末樹脂を金型７の熱で溶融せ
しめ、金型の成形面に溶融樹脂層を形成する。

この後、アーム１０，１０で再び金型７をクラ
ンプし、アーム１０，１０を元の状態まで反転せ
しめ、レール５上に待機している成形槽１２内に
金型７を移し換える。そして、金型７を収納した
成形槽１２をレール５に沿つて移動し、左右いず
れかの発泡成形部３の位置まで金型７を搬送す
る。この後、発泡成形部３において、金型７の上
端開口部を成形型待機装置１３から取り出した発
泡成形型で覆い、金型成形面と発泡成形型の間に
形成される空間に発泡樹脂射出装置１４からの発
泡樹脂材料を充填する。

而して、発泡樹脂の表面が樹脂製表皮材で覆わ
れた車両用シートが得られる。

第２図は発泡成形部３の正面図、第３図は同発
泡成形部３の側面図であり、図中１５は成形台で
ある。この成形台１５内にはシリンダユニツト１
６が設けられ、このシリンダユニツト１６の作動
で前記成形槽１２を成形台１５の側方に配設した
成形型待機装置１３に対して接近動及び離反動可
能としている。また成形槽１２は前記金型７を収
納し得る大きさとされ、且つ成形槽１２内には冷
却水１７を供給可能とし、金型７内側面に形成し
た溶融樹脂層を冷却して表皮を形成するようにし
ている。

一方、成形部の後方（第３図中右方）には支持
台１８を立設し、この支持台１８上部に昇降装置
１９を設けている。この昇降装置１９は、シリン
ダユニツト２０によつて回動せしめられるヘツド
部２１と、このヘツド部２１の先部に摺動自在に
挿通されたロツド２２と、このロツド２２の先端
部に取付けられる成形型の着脱装置２３と、この
着脱装置２３をヘツド部２１に対して昇降せしめ
るシリンダユニツト２４からなる。而して、昇降
装置１９はシリンダユニツト２０を作動せしめる
ことで成形型２５ａを保持したまま図の想像線の
位置まで回動し、成形型２５ａを上方位置に待機
せしめる。そして、昇降装置１９の下方への回動
で金型７内に成形型２５ａを収めた後にシリンダ
ユニツト２４を作動させて型締めを行う。

また、前記支持台１８の側面にはシリンダユニ
ツト２６にて斜め下方に進退動をなす射出装置２
７を取付け、この射出装置２７を前進せしめ、そ
の先端部を成形型２５ａに設けた貫通孔に挿入
し、この貫通孔を介して射出装置２７から金型７
と成形型２５とによつて形成される空間Ｓ内に例
えば液状の発泡性樹脂材料を注入するようにして
いる。

また、成形台１５の側方に隣接した成形型待機
装置１３は、床上に支柱２８…を立設し、この支
柱によつて区画される空間にワイヤー２９を垂ら
し、このワイヤー２９に板体３０ａ，３０ｂを上
下方向に離間して結着し、該ワイヤー２９を支柱
２８の側方に固設したシリンダユニツト３１にプ
ーリ３２を介して固着し、更に板体３０ａ，３０
ｂ上には保持体３３ａ，３３ｂを載置している。
そして、保持体３３ａには前記成形型２５ａを、
保持体３３ｂには成形型２５ｂを収めるものとす
る。尚、第２図の状態にあつては、成形型２５ａ
は成形に使用されており、保持体３３ａ内に収め
られていない。

また、前記成形槽１２には連結装置３４を付設
し、成形槽１２と交換位置つまり中段位置にある
保持体３３ａとを連結可能としている。この連結
装置３４は成形槽１２に付設せず、前記シリンダ
ユニツト１６に設けてもよく、或いは保持体３３
ａ，３３ｂに設けてもよい。

次に、成形型２５ａ，２５ｂの交換手順を説明
する。

先ず、第２図に示す状態を基準状態と仮定す
る。この状態では、保持体３３ａ内には成形型２
５ａはなく、成形型２５ａは昇降装置１９に保持
され、成形に利用されており、成形型２５ａと交
換する他の成形型２５ｂは下段の保持体３３ｂに
保持されている。

斯る状態から昇降装置１９のシリンダユニツト
２０，２４を作動させ、成形型２５ａを成形槽１
２の上方まで引き上げる。

次いで連結装置３４にて成形槽１２と空の保持
体３３ａとを連結し、第４図に示す如くシリンダ
ユニツト１６を駆動して成形槽１２及び保持体３
３ａを図中左方へ一体的に移動し、保持体３３ａ
を昇降装置１９の下方、即ち成形部に位置せしめ
る。

この後、昇降装置１９を降下せしめ、成形型２
５ａを保持板３３ａ内に収納し、昇降装置１９の
着脱装置２３による成形型２５ａの保持状態を解
除し、再び昇降装置１９を上昇せしめる。そし
て、第５図に示す如くシリンダユニツト１６に突
出動をなさしめ、成形槽１２を昇降装置１９の下
方に、成形型２５ａを収納した保持体３３ａを成
形型待機装置１３内にそれぞれ移動せしめる。

而る後、連結装置３４による成形槽１２と保持
体３３ａとの連結状態を解除し、第６図に示す如
く、シリンダユニツト３１を作動させ、保持体３
３ａを上段に、保持体３３ｂを交換位置である中
段にそれぞれ位置せしめる。

この後、連結装置によて成形槽１２と保持体３
３ｂとを連続し、第７図に示す如く、シリンダユ
ニツト１６を作動させ、成形槽１２と保持体３３
ｂを一体的に図中左方へ移動せしめ、成形型２５
ｂを収納した保持体３３ｂを昇降装置１９の下方
に位置せしめる。

そして、昇降装置１９を降下させて昇降装置１
９の着脱装置２３にて成形型２５ｂを保持し、こ
の成形型２５ｂを保持したまま昇降装置１９を上
昇させ、再びシリンダユニツト１６を作動させ、
成形槽１２を昇降装置１９の下方に、保持体３３
ｂを待機装置１３内にそれぞれ移動せしめ、次い
で昇降装置１９を降下させて成形型２５ｂを成形
槽１２内に入れ、金型７と成形型２５ｂとの間で
成形用の空間Ｓを形成する。而して、成形型２５
ａと２５ｂの交換が終了したこととなる。

尚、以上は本発明の実施例の一例を示したもの
であり、実施例にあつては、１つの待機装置１３
内に待機させ得る成形型の数を２つとしたが、成
形型の数は任意である。また、待機装置１３内に
おいて、保持体３３ａ，３３ｂは昇降動すること
で交換位置（中段）に位置するようにしたが、複
数の保持体を水平方向に離間して配置し、これら
保持体を例えば図の紙面垂直方向に移動せしめる
ことで、任意の保持体を交換位置に位置させるよ
うにしてもよい。更に、本発明に係る交換装置は
発泡成形型の交換に限らず、各種型の交換に適用
することができる。

（発明の効果） 以上に説明した如く本発明によれば、成形型の
交換を人手を煩わすことなく自動的にしかも短時
間で行うことができ、作業効率を大巾に向上する
ことができ、特に車両用シートなどの多機種少量
生産の成形品を得るのに極めて有効であり、他の
工程と組合せて例えば金型の加熱から成形までを
一連の工程にて行うことができる等多くの効果を
発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る成形型の交換装置を適用
した車両用シートの製造装置の全体平面図、第２
図は同製造装置の発泡成形部の正面図、第３図は
同発泡成形部の側面図、第４図乃至第７図は成形
型の交換手順を示す第２図と同様の正面図であ
る。 尚、図面中１は加熱部、２は粉末樹脂供給部、
３は発泡成形部、７は金型、１２は成形槽、１３
は成形型の待機装置、１４は成形材料の供給装
置、１５は成形台、１９は昇降装置、２５ａ，２
５ｂは成形型、３３ａ，３３ｂは成形型保持体、
３４は連結装置である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 樹脂等の成形材料の供給装置を備えた成形台
   と、この成形台に隣設される成形型の待機装置
   と、この待機装置に対し接離動可能となるように
   成形台上に設けられた成形槽と、前記待機装置内
   に移動可能に配設される成形型保持体と、この成
   形型保持体と前記成形槽とを連結し、成形槽の移
   動に伴ない成形型保持体を成形部と待機装置との
   間で移動せしめる連結機構と、前記成形部の近傍
   に配設され且つ成形型の着脱機構を備えた昇降装
   置とからなる成形型の交換装置。