JPH061385Y2 - 表皮材成形装置 - Google Patents

表皮材成形装置

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JPH061385Y2
JPH061385Y2 JP3891589U JP3891589U JPH061385Y2 JP H061385 Y2 JPH061385 Y2 JP H061385Y2 JP 3891589 U JP3891589 U JP 3891589U JP 3891589 U JP3891589 U JP 3891589U JP H061385 Y2 JPH061385 Y2 JP H061385Y2
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powder box
mold
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慶三 篭谷
昭 春原
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日産車体株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、車両のシートやダッシュパネルなどに使用す
る樹脂製表皮材を成形するための装置に関するものであ
り、特に、2層成形に適した表皮材成形装置に係る。
[従来の技術] 従来、内装に使用する表皮材を成型する方法としては、
ゾル工法やVAC、パウダースラッシュ工法などが存在
している。このうちパウダースラッシュ工法は、加熱し
た成形型に熱可塑製樹脂の粉体を付着溶融する工法であ
り、他の工法に比べ、成型された表皮材の肉厚を薄くで
き、しなやかさを得られ、コスト、軽量化、品質の3点
において有利な工法であることから注目され、需要が拡
大している。
しかしながら、このパウダースラッシュ工法にて表皮材
を成形する場合、表皮材を薄くすると、現実には、ピン
ホールの発生、表皮切れなどの恐れがあるため、結局表
皮材の肉厚を、1.0〜1.5mmの範囲に設定しなけれ
ばならない。
これに対し、最近では、従来のソリッド材料で薄い基材
を形成し、この基材のバックアップとして発泡材料を重
ね合せて2層構造の表皮材を成形することにより、コス
ト、軽量化、品質の3点におけるパウダースラッシュ工
法本来の利点を引き出す方法が提案され、実施されてい
る。
このような方法として、例えば、第6図の(a)乃至
(e)に示すように、ガス加熱方式のパウダーフラッシ
ュ工法により、塩化ビニル樹脂と発泡塩化ビニル樹脂を
使用して2層構造の表皮材を成形する方法が存在してい
る。
この方法の工程を以下に説明する。
(a)第1の型加熱工程 まず、(a)に示すように、表皮材の成形型1として、
ニッケル或いはニッケルと銅の電鋳によって形成された
型を使用し、この成形型1を、加熱炉2内に搬入し、加
熱炉2内のヒータ3によって加熱して、塩化ビニル樹脂
の溶融温度よりも高い250゜Cに昇温させ、この温度で
さらに7〜8分加熱して蓄熱させた後、加熱炉2から取
出す。
(b)塩化ビニル樹脂付着・溶融工程 次に、(b)に示すように、塩化ビニル樹脂の粉体P
を収納した第1の粉体ボックス4を所定位置に配置し、
この第1の粉体ボックス4の開口部に、250゜Cに保た
れた成形型1を被せて粉体ボックス4を密閉し、両者を
クランプ状態で回転させることによって、塩化ビニル樹
脂の粉体Pを成形型1の型面に付着させると同時に溶
融させ、塩化ビニル樹脂層Lを形成する。
(c)発泡塩化ビニル樹脂付着・溶融工程 続いて、成形型1から第1の粉体ボックス4を取外し、
代りに発泡塩化ビニル樹脂の粉体Pを収納した第2の
粉体ボックス5を所定位置に配置する。そして、(c)
に示すように、この第2の粉体ボックス5の開口部に、
約210゜Cに降温した成形型1を被せて粉体ボックス5
を密閉し、両者をクランプ状態で回転させることによっ
て、発泡塩化ビニル樹脂の粉体Pを成形型1の型面に
付着させると同時に溶融させ、発泡塩化ビニル樹脂層L
を形成する。
(d)第2の型加熱工程(発泡工程) この後、(d)に示すように、成形型1を、再び加熱炉
2内に搬入し、加熱炉2内のヒータ3によって加熱し
て、250゜Cに昇温させ、この温度でさらに1〜2分加
熱して発泡塩化ビニル樹脂を発泡させた後、加熱炉2か
ら取出す。
(e)冷却・脱型工程 最終的に、(e)に示すように、成形型1の裏面から冷
却ノズル6にて水を噴き付け、70゜C程度に冷却した
後、脱型する。
[考案が解決しようとする課題] しかしながら、以上のような従来の表皮材の成形方法に
おいては、次のような問題点が存在していた。
型加熱を2回繰り返す上、粉体ボックスの交換を行う
時間を要するため、1回の成形サイクルが長時間化し、
生産性が悪い。
成形型の耐久性は、型加熱・冷却の頻度により大きく
影響を受けるため、型加熱を繰り返す従来技術において
は、クラックの発生率が高くなるなどして成形型の寿命
が短くなる。
2個の粉体ボックスを使用することにより、一方の粉
体ボックスの使用中において、他方の粉体ボックスを準
備し、或いは収納しておくスペースが必要となる上、粉
体ボックスの交換を自動的に行うための手段などが必要
となるため、設備スペースが拡大してしまう。
本考案は、以上のような従来技術の課題を解決するため
に提案されたものであり、その目的は、成形サイクルの
短縮化による生産性の向上、成形型の寿命の長期化、お
よび設備スペースのコンパクト化に貢献できるような、
優れた表皮材成形装置を提供することである。
[課題を解決するための手段] 本考案による表皮材成形装置は、成形型を加熱するため
の加熱炉を設けると共に、粉体ボックスには、粉体ボッ
クスの外部から粉体を受容し、受容した粉体を、粉体ボ
ックスの内部からその開口部に向かって噴射する粉体噴
射手段を貫通配置し、さらに、この粉体噴射手段に熱可
塑性樹脂の粉体を供給する粉体供給手段を設け、加え
て、粉体噴射手段の受容口と粉体供給手段の供給口に
は、これらの手段を着脱可能に連結すると共に、これら
の手段の切離し時には、粉体噴射手段の受容口および粉
体供給手段の供給口を閉塞するエアージョイントを取付
けたことを特徴としている。
[作用] 以上のような構成を有する本考案においては、成形型内
部の蓄熱を利用し、1回の型加熱で、2層成形可能とな
る。加えて、粉体ボックスを貫通する粉体噴射手段を設
けたことにより、同じ粉体ボックスで複数種類の粉体を
成形型に供給できるため、粉体ボックスの交換が不要と
なる。従つて、1回の成形サイクルを短縮でき、生産性
を向上できる。
また、1回の成形サイクル内における型加熱の頻度が低
くなるため、クラックの発生率などが低下し、成形型の
寿命を向上できる。
さらに、1個の粉体ボックスを使用すれば足りるため、
交換用の粉体ボックスを準備し、或いは収納しておくス
ペースや、粉体ボックスの交換を自動的に行うための手
段などが不要となり、その分だけ設備スペースをコンパ
クト化できる。
なお、粉体噴射手段と粉体供給手段との連結を、着脱可
能で且つ切離した際には開口を閉塞するエアージョイン
トにて行っているため、成形型と粉体ボックスをクラン
プ状態で回転させて粉体を付着・溶融させる際には、エ
アージョイントを切離して粉体噴射手段の受容口および
粉体供給手段の供給口を閉塞できる。従って、粉体ボッ
クス内の粉体および粉体供給手段内の粉体が外部に流出
する恐れはない。
[実施例] 以下、本考案の実施例を図面を参照して具体的に説明す
る。なお、この実施例の説明にあたっては、自動車のイ
ンストルメントパネル用の表皮材を成形する場合を例示
する。
まず、本考案を適用した表皮材成型装置の構成を説明す
る。
実施例の成型装置は、第1図に示すように、成形型1
0、加熱炉20、遠赤外線ヒータ30、粉体ボックス4
0、スウィングアーム50、回転モータ60、粉体噴射
器70、粉体自動供給サイロ80、エアージョイント9
0、冷却器100を主要な構成としている。なお、図中
110は装置基部である。
成形型10は、ニッケル或いはニッケルと銅の電鋳によ
り形成された型であって、第1図に示すように、内面側
には、表皮材の型面11が形成されている。なお、この
成形型10としては、電鋳以外の彫りや鋳造やプレスな
どの他の手段で形成された型を使用することも勿論可能
である。
また、この成形型10は、第1図および第2図に示すよ
うに、装置基部110に対してスウィングアーム50に
より、粉体ボックス40上の位置fから加熱炉20内の
位置gまで揺動可能に支持され、且つこのスウィングア
ーム50の先端に取付けられた回転モータ60およびこ
の回転モータ60に取付けられた支軸12により、スウ
ィングアーム50に対して回転可能に支持されている。
なお、スウィングアーム50は、スウィングアーム50
の下端に連結されたスウィング用シリンダ51の伸縮に
より駆動されるようになっている。
加熱炉20は、成形型10を加熱するものであるため、
成形型10を収納な大きさの寸法形状とされ、装置基部
100に支持されている。そして、加熱炉20の前面に
は、成形型10を搬入するための開口部21が設けら
れ、この開口部21は上下にスライドするシャッタ22
によって開閉可能とされている。また、加熱炉20の側
面には、成形型10を搬入する時に、成形型10の支軸
13との干渉を避けるための切欠き部23が形成され、
加熱炉20の天井面には、加熱炉20内の空気を循環さ
せるための送風ファン24が設けられている。
さらに、加熱炉20の背面側の壁面には遠赤外線ヒータ
30が多数設けられている。この遠赤外線ヒータ30と
しては、特に粉体材料の分子の振動波長とほぼ同波長の
遠赤外線を放射するものが使用されている。
粉体ボックス40は、表皮材の原料である熱可塑性樹脂
の粉体を収納しておくためのボックス形状の容器であ
り、ここでは、発泡塩化ビニル樹脂の粉体Pが収納さ
れている。この粉体ボックス40の上部には、開口部4
1が設けられ、この開口部41は、成形型10の片面1
1の縁部によって密閉可能な寸法形状とされている。
また、粉体ボックス40は第2図に示すように、昇降動
作するリフター42上に配設されている。
そして、粉体ボックス40の底部には、第3図に示すよ
うに、ボックスの壁面を貫通する粉体噴射器70が設け
られている。この粉体噴射器70は、第1図に示すよう
に、粉体ボックス40の内部に複数の噴射ノズル71を
有しており、噴射ノズル71によって、粉体ボックス4
0の内部側から上方の開口部41に向かって粉体を噴射
するものである。なお、噴射ノズル71の位置は、粉体
ボックス40の内周底面よりH寸法だけ高くされてい
る。即ち、粉体ボックス40内に発泡塩化ビニル樹脂の
粉体Pを充分な量だけ収納しても、噴射ノズル71が
その表面より突出し、その動作時において、発泡塩化ビ
ニル樹脂の粉体Pを噴き上げることなく、供給された
塩化ビニル樹脂の粉体Pだけを独立して噴射可能とな
っている。
また、粉体噴射器70は、第3図に示すように、粉体自
動供給サイロ80の粉体供給配管81と、エアージョイ
ント90を介して着脱可能に接続されている。ここで、
エアージョイント90は、粉体噴射器70の受容口と、
粉体供給配管81の供給口に取付けられ、両者を着脱可
能に連結すると共に、切離し時には、粉体噴射器70の
受容口および粉体供給配管81の供給口を閉塞するよう
になっている。なお、粉体供給配管81の供給口は、粉
体ボックス40を載置するリフター42の載置台に取付
けられている。
粉体自動供給サイロ80は、第4図に示すように、4個
用意され、それぞれに異なる色の塩化ビニル樹脂が収納
されている。そして、これらの粉体自動供給サイロ80
には、それぞれに、排出弁82を介して接続配管83が
接続され、各接続配管83は、色選択弁84を介して粉
体供給配管81に接続されている。ここで、色選択弁8
4は、選択モータ85によって駆動され、接続配管83
のいずれか1本を粉体供給配管81に連結するようにな
っている。
冷却器100は、複数の冷却ノズル101を有してお
り、加熱炉20の下方に配設され、装置基部110に対
して前後方向(第2図中左右方向)にスライド可能に設
けられた支持台車102に支持されている。この支持台
車102は、トラバース用シリンダ103の伸縮により
駆動されるようになっている。また、加熱炉20のシャ
ッタ22の前面下部には、予備冷却器104が設けられ
ており、複数の冷却ノズル105を有している。
次に、本実施例の作用を説明する。
(イ)型加熱工程 まず、第1図および第2図に示すように、加熱炉20の
シャッタ22を上昇させて加熱炉20の前面を開口し、
この状態で、スウィング用シリンダ51を作動させてス
ウィングアーム50を揺動させ、成形型10を加熱炉2
0内の位置gに搬入する。この後、シャッタ22を閉塞
し、遠赤外線ヒータ30によって成形型10の加熱を行
うと共に、送風ファン24を回転させて加熱炉20内の
空気を循環させる。
一定の加熱の後、加熱路20のシャッタ22を開き、ス
ウィングアーム50を揺動させ、成形型10を加熱路2
0外に搬出し、粉体ボックス40上の位置gまで移動さ
せる。また、搬出した時点で、再びシャッタ22を閉じ
る。この場合、粉体ボックス40は予め下降位置に待機
させておき、粉体ボックス40が定位置gまで移動した
時点でリフター42により上昇させ、この動作によって
成形型10を粉体ボックス40に被せる。
(ロ)第1層形成工程(塩化ビニル樹脂付着・溶融工
程) 次に、粉体ボックス40内に配置された複数の噴射ノズ
ル71にて、塩化ビニル樹脂の粉体を成形型10の型面
11に均一に噴き付けることにより、粉体を均一に溶融
させ、成形型10の片面11に均一な塩化ビニル樹脂層
を形成できる。なお、この工程にあたっては、第3図に
示すように、粉体噴射器70と粉体供給配管81とをエ
アージョイント90で連結しておき、色選択弁84によ
って4個の粉体自動供給サイロ80の接続配管83のう
ちの1本の粉体供給配管81に接続し、選択した粉体自
動供給サイロ80の排出弁82を開いて塩化ビニル樹脂
の粉体を供給する。
(ハ)第2層形成工程(発泡塩化ビニル樹脂付着・溶融
工程) 続いて、エアージョイント90を切離し、粉体ボックス
40の粉体噴射器70の受容口を閉塞すると同時に成形
型10と粉体ボックス40とをクランプし、この状態で
回転モータ60にて一体に回転させることにより、粉体
ボックス40内に収納されていた発泡塩化ビニル樹脂の
粉体Pを、成形型10の蓄熱にて、成形型10の型面
11に付着・溶融でき、さらに発泡させることができ
る。従つて、この工程により、塩化ビニル樹脂層の上に
発泡塩化ビニル樹脂層を形成することができる。
(ニ)冷却・脱型工程 さらに、スウィングアーム50の揺動および回転モータ
60により、成型型10と粉体ボックス40とを、第1
図および第2図に示すような初期の位置まで戻し、この
状態で、予備冷却器104の冷却ノズル105にて、成
形型10の裏面に水とエアーとを噴き付けて予備冷却を
行う。この後、両者のクランプを解き、リフター42を
作動させて、粉体ボックス40を所定の位置まで下降さ
せると共に、回転モータ60により成形型10を180
°回転させ、その裏面が下方を向く位置で停止させる。
続いて、トラバース用シリンダ103を作動させて、冷
却器100を前方(第2図中右方向)に移動し、成形型
10に対向する位置で停止させ、冷却ノズル101に
て、成形型10の裏面に水を噴き付け、70゜C程度に冷
却する。
最終的には、形成された表皮材を、作業者の手作業によ
り、成形型10から脱型し、その表面を清掃する。
以上のような構成・作用を有する本実施例にあっては、
以下に述べるような効果が得られる。
まず、従来の工法によってソリッド材である塩化ビニ
ル樹脂層Lのみの単層の表皮材を成形した場合には、
第5図(b)に示すように、表皮材S(L)の肉厚
は、1.0〜1.5mmの範囲にしか設定できなかった
が、本実施例において2層の表皮材を成形した場合に
は、第5図(a)に示すように、ソリッド材である塩化
ビニル樹脂層Lの肉厚を、0.5〜0.8mmと薄くで
きる。なお、本実施例において、発泡塩化ビニル樹脂層
の肉厚は、2.5〜3.0mmである。従つて、本実
施例においては、パウダースラッシュ工法本来の利点を
引出すことができ、即ち低コストにて、軽量化、高品質
の2層成形の表皮材を得られる。
2回の型加熱と、粉体ボックスの交換とが必要であっ
た従来技術に比べ、本実施例においては、1回の型加熱
で成形型を充分に蓄熱でき、2層成形できる上、同じ粉
体ボックスで複数種類の粉体を成形型に供給できるた
め、粉体ボックスの交換が不要となる。従って、1回の
成形サイクルを従来に比べて格段に短縮でき、生産性を
向上できる。
以上のように型加熱の頻度が低下する結果、クラック
の発生率などを低減できるため、従来に比べて、成形型
の寿命を著しく向上できる。
2層成形を行うために2個の粉体ボックスを使用して
いた従来技術においては、交換用の粉体ボックスを準備
し、或いは収納しておくとスペースや、粉体ボックスの
交換を自動的に行うための手段などが必要であったのに
対し、交換用の粉体ボックスを要しない本実施例におい
ては、このようなスペースや手段が不要であるため、そ
の分だけ設備スペースをコンパクト化できる。
粉体噴射器と粉体供給配管とを単に着脱可能な連結具
で連結させた場合には、成形型と粉体ボックスを回転さ
せて粉体を付着・溶融させる工程において両者を切離し
た際に、両者の連結端に生ずる開口からの粉体の流出を
防止するために、各開口を閉塞する作業が必要となる
が、本実施例においては、粉体噴射器と粉体供給配管と
の連結を、着脱可能で且つ切離した際には開口を閉塞す
るエアージョイントにて行っているため、成形型と粉体
ボックスを回転させて粉体を付着・溶融させる際には、
エアージョイントを切離して粉体噴射器の受容口および
粉体供給配管の供給口を自動的に閉塞できる。従って、
粉体ボックス内の粉体および粉体供給配管内の粉体が外
部材に流出する恐れはない。
従来、異なる色の表皮材を成形する際には、色を変え
る毎に粉体ボックスを交換しなければならなかったが、
本実施例においては、色選択弁を作動させて粉体供給配
管と連結させる粉体自動供給サイロを切換え、選択した
粉体自動供給サイロの排出弁を開けるだけで容易に色変
えを行える。
以上、本考案の一実施例を説明してきたが、本考案の具
体的な構成は、前記実施例に限られるものではなく、以
下のような実施例も同様に可能である。
例えば、前記実施例では、自動車のインストルメントパ
ネルとして使用される表皮材を成形する場合を例示した
が、本考案は、シートなど他の部分に使用される表皮材
や、また、自動車以外の各種表皮材として使用される表
皮材一般を成形する場合の装置として適用可能である。
また、前記実施例では、熱可塑製樹脂として塩化ビニル
樹脂および発泡塩化ビニル樹脂を使用した場合を示した
が、本考案は、ウレタン樹脂など他の樹脂を使用して2
層成形する場合や、或いは1層のみの表皮材を成形する
場合にも適用可能である。さらに、前記実施例に使用し
たような色選択弁などの粉体切換え構成の応用により、
3層以上の表皮材の成形を行うことも可能である。
一方、本考案においては、前記実施例のような色選択弁
を設けずに、1個の粉体自動供給サイロのみを使用し、
噴射ノズルから噴射する粉体を1種類のみとする構成も
可能であり、この場合には、色変えが容易となる効果は
得られないものの、生産性の向上、成形型の寿命の向
上、設備スペースのコンパクト化といった重要な効果は
同様に得られる。
さらに、前記実施例においては、赤外線として波長の長
い遠赤外線を使用したが、この赤外線の波長は、粉体材
料の分子の振動波長に応じて適宜選択するものであり、
波長0.75〜1000μmの赤外線であれば、どの波
長を用いることも可能である。
[考案の効果] 以上説明したように、本考案においては、成形型を加熱
する加熱炉を設けると共に、粉体ボックス内に他の粉体
を放射可能な粉体噴射手段を設けるという簡単な構成の
改良により、低コストにて、軽量化、高品質の表皮材を
成形できるという効果が得られる。また、高頻度の型加
熱と粉体ボックスの交換とが必要であった従来技術に比
べ、型加熱の頻度を低減でき、且つ粉体ボックスの交換
が不要となるため、成形サイクルを従来に比べて格段に
短縮でき、生産性を向上できるという効果が得られる。
さらに、本考案においては、このように型加熱の頻度を
低減できる結果、クラックの発生率などを低減できるた
め、従来に比べて、成形型の寿命を著しく向上できると
いう効果が得られる。加えて、交換用の粉体ボックスを
準備し、或いは収納しておくスペースや、粉体ボックス
の交換を自動的に行うための手段などが必要であった従
来技術に対し、本考案においては、このようなスペース
や手段が不要である分だけ設備スペースをコンパクト化
できるという効果が得られる。ところで、本考案におい
ては、粉体噴射器と粉体供給配管との連結を、着脱可能
で且つ切離した際には開口を閉塞するエアージョイント
にて行っているため、成形型と粉体ボックスを回転させ
て粉体を付着・溶融させる際には、エアージョイントを
切離して粉体噴射器の受容口および粉体供給配管の供給
口を自動的に閉塞でき、粉体ボックス内の粉体および粉
体供給配管内の粉体が外部に流出する恐れはない。ま
た、本考案においては、基本的な構成に加えて、さら
に、粉体供給手段に色選択弁などの供給粉体の選択・切
換手段を設けることにより、異なる色の表皮材を成形す
る際に、色を変える毎に粉体ボックスを交換する必要が
なくなり、簡単な切換操作だけで容易に色変えを行える
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案による一実施例の表皮材成形装置を示す
斜視図、第2図は同実施例の装置を示す側面図、第3図
は第1図のA矢視断面図、第4図は同実施例における供
給粉体の選択・切換構成を示す正面図、第5図(a)は
同実施例の装置によって成形した表皮材を示す断面図、
第5図(b)は従来技術によって成形した表皮材を示す
断面図、第6図(a)乃至(e)は従来の表皮材成形方
法の工程を順次示す断面図である。 10…成形型、20…加熱炉、30…遠赤外線ヒータ、
40…粉体ボックス、50…スウィングアーム、60…
回転モータ、70…粉体噴射器、80…粉体自動供給サ
イロ、90…エアージョイント、100…冷却器、11
0…装置基部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】表皮材の成形型と、 開閉可能な開口部を有し、この開口部から表皮材の成形
    型が搬入され、搬入された成形型を加熱する加熱炉と、 粉体を収納可能なボックス形状をなし、その一面に、表
    皮材の成形型によって密閉される開口部を有する粉体ボ
    ックスと、 表皮材の成形型を支持して、加熱炉内および粉体ボック
    ス上に搬送する搬送手段と、 表皮材の成形型を粉体ボックスとのクランプ状態にて回
    転させる回転手段と、 粉体ボックスを貫通して設けられ、粉体ボックスの外部
    から粉体を受容する受容口と、受容した粉体を粉体ボッ
    クスの内部からその開口部に向かって噴射する噴射ノズ
    ルとを有する粉体噴射手段と、 熱可塑性樹脂の粉体を粉体噴射手段に供給する供給口を
    有する粉体供給手段と、 粉体噴射手段の受容口と粉体供給手段の供給口に取付け
    られ、これらの手段を着脱可能に連結すると共に、これ
    らの手段の切離し時には、粉体噴射手段の受容口および
    粉体供給手段の供給口を閉塞するエアージョイントと、 表皮材の成形型を冷却するための冷却手段とを備えたこ
    とを特徴とする表皮材成形装置。
JP3891589U 1989-03-31 1989-03-31 表皮材成形装置 Expired - Lifetime JPH061385Y2 (ja)

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JP3891589U JPH061385Y2 (ja) 1989-03-31 1989-03-31 表皮材成形装置

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JP3891589U JPH061385Y2 (ja) 1989-03-31 1989-03-31 表皮材成形装置

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JPH02127414U JPH02127414U (ja) 1990-10-19
JPH061385Y2 true JPH061385Y2 (ja) 1994-01-12

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JP3891589U Expired - Lifetime JPH061385Y2 (ja) 1989-03-31 1989-03-31 表皮材成形装置

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JP (1) JPH061385Y2 (ja)

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JPH02127414U (ja) 1990-10-19

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