JPH0147866B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は集積回路デバイス用の電気コネクタ
に関する。さらに詳しくは、この発明の集積回路
チツプを固定した支持体を装着するソケツトに関
する。

電子産業においても集積回路が重要であること
は説明するまでもない。ここ数年の間の集積回路
の進歩にはめざましいものがあり、電子工学の分
野に新しい方向性が与えられた。小型集積回路は
チツプとして製造され、これらチツプは通常支持
体に固定される。現在のリードレスチツプは、比
較的薄いプレート状をしており、そのプレートに
複数のリードを形成したものであり、高密度化す
るために二重インラインパツケージ等の支持体が
使用されている。これらのリードレスチツプに使
う支持体がプリント回路板上で占めるスペース
は、電子回路の高密度化に大きな影響を与える。

リードレスチツプ用のこうした支持体用はセラ
ミツクスで形成されているが、その熱膨張係数が
プリント回路板を形成するエポキシ樹脂／ガラス
材の熱膨張係数と差があるため直接使用すること
は適当とはいえない。そこで、これらの支持体を
利用するためには、支持体を装着する装置を使つ
て、プリント回路板に結合するのである。これら
の装着装置すなわちコネクタは、支持体とプリン
ト回路板の熱膨張差に合わせて設計される。ま
た、チツプを製品に使用する前の検査用支持体に
もコネクタは使用されるため、このような支持体
を装着してバーンイン試験等に供するコネクタが
開発されてきた。

米国特許第4220383号、第4130327号、第
3942854号には、支持体を固定するために、ヒン
ジ付のホールドダウン装置を設けた電気コネクタ
について開示されている。これらの特許における
コネクタでは、支持体を装着するためのホールド
ダウンすなわちクランプ機構が扱い難く、支持体
の着脱に通常両手を必要とする。また、一般的
に、クランプはコネクタから取りはずし可能な構
造となつているため、さらに取り扱いにくくなつ
ている。

この発明のコネクタは一対の回動可能なラツチ
を対向させて設けてあり、その中心部には開口部
を形成して、コネクタに支持体を容易に着脱でき
るようにしてある。ラツチを取り付けたコネクタ
のフレームの中心部にも開口部を設け、これら両
者の開口部があることによつて、このコネクタは
ヒートシンクや試用の好都合である。このラツチ
は回動可能な中心固定法を使つているので、片手
で開閉できると共に支持体の自動着脱装置も使用
できる。

この発明の目的は、集積回路チツプの支持体を
装着する電気コネクタであつて、簡便かつ確実な
操作ができるコネクタを提供することである。

この発明の別の目的は、集積回路チツプの支持
体を装着する電気コネクタであつて、自動着脱装
置に容易に適用できるコネクタを提供することで
ある。

この発明の別の目的は、リードレスチツプの支
持体用のソケツトであつて、回動式で操作が簡便
なソケツトを提供することである。

この発明の別の目的は、リードレスチツプの支
持体用のソケツトであつて、片手で着脱すること
ができるソケツトを提供することである。

この発明のさらに別の目的は、次の発明の詳細
な説明から明らかになるであろう。

次にこの発明の一実施例を図面に従つて説明す
る。コネクタ１０は４つの横部材１４を有するフ
レーム１２より成る。これは第２図にわかりやす
く図示してある。この実施例においては４つの横
部材はすべて長さが等しく、これらを結合する
と、正方形となり中心開口部１６が形成される。
コネクタ１０のフレーム１２の端部には一対のラ
ツチ１８が回動可能に取り付けてある。フレーム
１２の横部材１４の外部側壁に溝が形成してあ
り、この溝にコンタクト２０が挿入される。各コ
ンタクト２０には片持ばね２２が設けてある。こ
の片持ばね２２は横部材１４の上面上方に突出さ
せてあるため、支持体２６をコネクタ１０に装着
すると、前記片持ばね２２と支持体２６のリード
２４が電気的に接触する。横部材１４に配設する
コンタクト２０の数および位置は、支持体２６に
設置したチツプと接続されるリード２４の数およ
び位置によつて変わる。回路チツプ２８は支持体
２６の中央部に一体的に設置し、このチツプ２８
のリードは支持体２６のリード２４に適宜接続し
てある。

各ラツチ１８にはシヨルダ３０が形成してあ
り、このシヨルダ３０の両端には切欠部３２が設
けてある。同軸のピボツトピン３４が、シヨルダ
３０から切欠部３２を経て突出して設けてあり、
このピボツトピン３４がピントルの役目を果す。
シヨルダ３０にはタブ３６を離間して設けてレバ
ーを形成してある。各ラツチ１８のシヨルダ３０
の端部にはリツプ３３が形成してあり、このリツ
プ３３の内側が前記切欠部３２となつている。コ
ネクタ１０のフレーム１２に回動可能に取り付け
た各ラツチ１８のタブ３６の間には、開口部３８
が形成されるが、この開口部３８によつて、装着
した支持体２６の中央部が常に露出した状態とな
るため、試験をすることもヒートシンクを接続す
ることも、支持体２６を容易に取りはずすことも
可能である。

コネクタ１０のフレーム１２は４つのコーナー
ポスト４０を有し、構造上２つのコーナーポスト
対４０ａ，４０ｂとなつている。各コーナーポス
ト４０は同じ構造であるが、フレーム１２および
後述する支持体位置決め部材を挾んで対向する方
向は異なる。各コーナーポスト４０の内側にはカ
ム面４４を形成してあり、また外側のガイド部４
６には、カム面４４にそつて一定の長さの弓形の
スロツト４８を形成してある。このスロツト４８
は上向きで、かつフレーム１２の対向する端部に
向つて延出する。ラツチ１８は各コーナーポスト
対４０ａ，４０ｂの回動可能に支持されるが、こ
れはガイド部４６に形成されたスロツト４８は通
したピボツトピン３４およびカム面４４の間に差
し渡されたシヨルダ３０とによつて行なわれる。
組立てを容易にするために、コーナーポスト４０
のガイド部４６は、螺子あるいはピンを使つて、
カム面を形成した本体に取り付け可能である。従
つて、組立時あるいはラツチ１８を設置し直す場
合に、ガイド部４６を取りはずして、フレーム１
２に固定し直すことが可能である。

コーナーポスト４０のスロツト４８に通したピ
ン、すなわちラツチ１８に設けたピボツトピン３
４は、カム面４４と接触する。従つて、カム面４
４はシヨルダ３０に設けた切欠部３２で覆われた
状態となる。

ラツチ１８によつて、コネクタ１０のフレーム
１２内に、支持体２６が固定される様子は、第６
図ないし第８図において明確に示される。これら
の図は連続する操作順序を示すもので、この順序
に従つて支持体２６はフレーム１２内に固定され
る。各ラツチ１８はスロツト４８にそつて移動可
能であり、その移動範囲は、垂直位置すなわち第
２図および第６図に示すように全開位置から、閉
じた位置すなわち第５図および第８図に示すよう
に締着した位置のまでである。ラツチ１８が全開
位置にある場合、ラツチ１８に設けたピボツトピ
ン３４はコーナーポスト４０に設けたスロツト４
８の末端に位置し、ラツチ１８に形成したシヨル
ダ３０は外側に十分開いた状態となるため、支持
体２６をフレーム１２の中央部に装着して片持ば
ね２２と接触させることができる。この場合、支
持体２６はラツチ１８のどの部分とも接触してい
ない。支持体２６をフレーム１２内のこの位置に
装着して、コンタクト２０と接触させてから、タ
ブ３６を使つて、ラツチ１８を全開位置から内側
に回動する。各ラツチ１８を第７図に示す位置ま
で内側に回動させると、ピボツトピン３４はコー
ナーポスト４０のカム面４４にそつて上方へ移動
する。ラツチ１８のシヨルダ３０が、支持体２６
の端部５０と接触した時点で、ラツチ１８は上方
へ押し上げられ、ピボツトピン３４はコーナーポ
スト４０のガイド部４６のスロツト４８の上面５
２と接触する。ラツチ１８がさらに回動して閉じ
た位置に近づくと、ラツチのシヨルダ３０は支持
体２６の端部５０上に載置された状態となり、リ
ツプ３３はカム面４４と接触しつつスライドする
ため、支持体２６はコンタクト２０の片持ばね２
２の耐力圧に逆つて下方に押し下げられる。各ラ
ツチ１８が第７図の中間位置から、第８図の閉じ
た位置まで移動する間、ラツチ１８のピボツトピ
ン３４はコーナーポスト４０に形成したスロツト
４８の上面と接触し、ラツチ１８自体と接触し、
ラツチ１８自体はフレーム１２に対して内側に向
つて横方向に移動する。各ラツチ１８のシヨルダ
３０が支持体２６の端部５０に載置され、ラツチ
１８のリツプ３３がカム面４４上に接動すると、
ピボツトピン３４は中心より上方に移動し、シヨ
ルダ３０の平坦面３１は支持体２６の上面５４上
に載置され、第８図に示すようにラツチ１８は閉
じた位置すなわち締着した位置となる。支持体２
６の対向面にコンタクト２０を押し付けているば
ねの力によつて、各ラツチ１８は閉じた位置で保
持されるが、ラツチ１８を外側に回動させれば開
放される。

前記のように、ラツチ１８のタブ３６の間に中
心開口部１６を形成したため、支持体２６をコネ
クタ１０のフレーム１２内に固定した場合、支持
体２６の中心部は露出した状態となる。これは第
１図および第５図にわかり易く示してある。ラツ
チ１８は同時に閉じる必要はなく、全開の位置か
ら閉じた位置まで片手を使つて別々に回動するこ
とができる。

支持体２６をはずすには、フレーム１２内に支
持体２６を取り付ける場合の手順と逆の手順、す
なわちラツチ１８を閉じた位置から全開の位置へ
回動させるだけでよい。この場合も、各ラツチ１
８は片手で別々に開くことができる。ラツチ１８
にタブ３６を設けたことおよび支持体２６の上部
にこのタブ３６が位置することによつて、支持体
２６の取りはずしが容易になると共に、コネクタ
１０を自動的に着脱することも可能となつた。支
持体２６をコネクタ１０のフレーム１２に装着し
て固定すると、コネクタ１０のコンタクト２０に
よつて、冷却効果が得られると共に所望の電気的
検査装置に接続することができる。また、コネク
タ１０のフレーム１２およびラツチ１８は非金属
製であるが、コーナーポスト４０のガイド部４６
およびピボツトピン３４は金属製であるので、ヒ
ートシンク容器として使用できる。

フレーム１２内において支持体２６の向きを正
しく定めるために、支持体２６の３つのコーナー
にノツチを設けて、コーナーポスト４０のカム面
４４の間に適合できるようにしてある。支持体２
６の残りのコーナーにはノツチを設けずに支持体
２６が１つのコーナーポスト４０に設けた相手側
の係合面６０と係合して、所定の向きとなるよう
にした。

この発明は前記実施例のみに制限されるもので
はなく、特許請求の範囲内においては様々に変更
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は支持体を固定したコネクタの斜視図、
第２図は支持体を取りはずして開放状態にしたコ
ネクタの斜視図、第３図は説明のためにコネクタ
のフレームから取りはずした場合のラツチの部分
斜視図、第４図はコネクタのフレームに取り付け
たラツチであつて、支持体を固定する前の開放状
態における部分斜視図、第５図は支持体を固定し
たコネクタの側面図、第６図は全開状態にある片
方のラツチであつて、支持体をコネクタのフレー
ムに固定する前の状態における部分断面図、第７
図は中間の位置、すなわち第６図に続く位置にあ
るラツチであつて、コネクタのフレーム内の支持
体とラツチが初めて接触する位置における部分断
面図、第８図は完全に閉じた状態、すなわち第７
図に続く位置にあるラツチであつて、支持体を固
定した位置における部分断面図である。 １０……コネクタ、１２……フレーム、１８…
…ラツチ、２０……コンタクト、２４……リー
ド、２６……支持体、３０……シヨルダ、３２…
…切欠部、３４……ピボツトピン、３３……リツ
プ、４０……コーナーポスト、４０ａ，４０ｂ…
…コーナーポスト対、４４……カム面、４６……
ガイド部、４８……スロツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上面と底面を有し、その底面にリードを形成
   した集積回路支持体用の電気コネクタであつて、
   フレームと一対のラツチとから成り、前記フレー
   ムにはコンタクトを支持して設け、前記フレーム
   の４つの角にはそれぞれ上方に延出させてコーナ
   ーポストを設け、各コーナーポストはガイド部を
   有し、前記隣接する角に設けられた２つのコーナ
   ーポストが第１のコーナーポスト対を形成し、残
   りの２つのコーナーポストが前記第１のコーナー
   ポスト対と対向して位置する第２のコーナーポス
   ト対を形成し、各コーナーポスト対のうち一方の
   コーナーポストに設けたガイド部と他方のコーナ
   ーポストに設けたガイド部は相互に離間して対向
   し、また、前記ラツチはそれぞれシヨルダとピボ
   ツトピンを有し、各ガイド部にはその末端から他
   端にかけて、上向きかつ対向するコーナーポスト
   対に向つて弓形の通路を形成し、前記ラツチはピ
   ボツトピンの端部をコーナーポスト対のガイド部
   に軸支することによつて各コーナーポスト対の間
   に取り付けられ、各ラツチは前記ガイド部内で回
   動および移動することができ、各ラツチが開いた
   位置すなわち前記ガイド部の末端がシヨルダと隣
   接してラツチが垂直になつた位置では、前記支持
   体をフレーム内に装着したりフレームから取りは
   ずすことができ、一方各ラツチが閉じた位置すな
   わち前記ガイド部の他端がシヨルダと隣接してラ
   ツチが水平になつた位置では、前記支持体の上面
   とラツチは接触し、前記フレーム内に装着した支
   持体に設けたリードとコンタクトを接触させるこ
   とを特徴とするコネクタ。 ２ 各コーナーポストには前記ガイド部から下方
   に段差をつけてカム面を形成し、各ラツチにはピ
   ボツトピンの端部に隣接した位置に離間したリツ
   プを設け、各ラツチを対をなすコーナーポスト間
   に取り付けた場合に前記各リツプはカム面上に位
   置し、各リツプは、前記ラツチが閉じた位置に移
   されると、前記カム面と接触して、ラツチのピボ
   ツトピンの端部を前記支持体の中心より上方に移
   す作用をすることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載のコネクタ。 ３ 前記リツプは前記シヨルダの両端を横方向に
   切欠いて形成し、このリツプはこれに隣接するピ
   ボツトピンの端部より前方に延出していることを
   特徴とする特許請求の範囲第２項記載のコネク
   タ。 ４ 各ガイド部の弓形の通路がスロツトで、前記
   ピボツトピンがこのスロツト内に軸支されること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載のコネク
   タ。