JPH0142808Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えばビデオ．テープ．レコーダ
（以下VTRと称す）の音声信号録音再生または消
去等に使用される磁気ヘツドに関する。

この種の磁気ヘツドは、通常、巻線を施したフ
ロントコアとバツクコアとを一つのヘツドケース
内に収納し、樹脂で固定した構造となつている。
フロントコアは、例えば第１図に示すように、脚
部１ａ，２ａの一端側にポール部１ｂ，２ｂを有
する２つのコの字形のコア１，２を、前記ポール
部１ｂ及び２ｂの先端部間に磁気ギヤツプ３が形
成されるように互いに対向させて組立てるのが普
通である。

コア１，２の各ポール部１ｂ，２ｂは、磁気記
録媒体と接する側にあつて、磁気記録媒体の走行
方向に伸びている。各脚部１ａ，２ａは、ポール
部１ｂ，２ｂから連続して磁気記録媒体の走行方
向と交叉する方向に折曲つている。

ところが、上述のような構造であると、脚部１
ａ，２ａとボール部１ｂ，２ｂとの間にある肩部
１ｃ，２ｃの機械的強度が弱くなる。このため、
従来の磁気ヘツドは、研磨時または組立時等にこ
の肩部１ｃ，２ｃにクラツクが入つて、コアの閉
磁路の磁気抵抗値が大きくなり、所定の電磁変換
特性が得られなくなるという欠点を生じていた。
特に、VTR用磁気ヘツドは、耐摩耗性が良好で
高周波特性の良好ではあるが、機械的に脆いフエ
ライトコアを使用して構成するのが普通であつ
て、しかも高密度実装、高密度磁気記録再生の要
請から、非常に小さいものが要求される関係上、
断面積の小さいフロントコアを使用せざるを得
ず、必然的に機械的強度が低くなるため、この傾
向が大きかつた。

肩部１ｃ，２ｃ部分の機械的強度を増大させる
方法として、例えば断面積の大きいチツプコア
１，２を使用する方法が考えられるが、この場合
は、磁気ギヤツプ３の深さが所定値より大きくな
り、必要な磁気回路抵抗値が得られなくなる不具
合を生じる。また別の方法として、例えば第２図
に示すように、ポール部１ｂ，２ｂの断面積が肩
部１ｃ，２ｃに向う程大きくなるようにして、肩
部１ｃ，２ｃの機械的強度を増大させる方法も考
えられる。しかしこの場合は、ポール部１ｂ，２
ｂの長さＬが長くなつてしまうため、全体形状が
大型化し、高密度実装の要求に反すること、フロ
ントコア１，２に巻装されるコイル４と磁気ギヤ
ツプ３との間の距離がポール部１ｂ，２ｂの長さ
Ｌに従つて長くなるため、Ｓ／Ｎ比が劣化するこ
と等の欠点を生じる。

そこで本考案は上述する欠点を除去し、肩部の
機械的強度が大でクラツクや破損を生じ難く、し
かも小型で高密度実装の要求に合う磁気ヘツドを
提供することを目的とする。

この目的を達成するため、本考案は、２つのコ
アの組合せを含む磁気ヘツドであつて、 前記２つのコアは、ポール部と脚部とを有する
フエライトコアであり、 前記２つのコアの各ポール部は、磁気記録媒体
と接する側にあつて磁気記録媒体の走行方向に伸
び、先端面間に磁気ギヤツプが形成されるよう
に、前記先端面を互いに対向させてあり、 前記２つのコアの各脚部は、前記ポール部から
連続して磁気記録媒体の走行方向と交叉する方向
に折曲つており、 前記ポール部と前記脚部とを連続させる肩部の
内角部に、内側に突出する肉厚部を有しており、 前記肉厚部は、フエライトにより、前記ポール
部及び前記脚部と同体に形成されていること を特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し本考案の内容
を具体的に説明する。第３図は本考案に係る磁気
ヘツドの部分的な正面図である。図示するよう
に、この実施例では、脚部１ａ，２ａとポール部
１ｂ，２ｂとの連設部分となる肩部１ｃ及び２ｃ
の内角部に、適当な厚さと長さの肉厚部５，６を
肉盛りして突出させた構造となつている。肉厚部
５，６は、フエライトにより、ポール部１ｂ，２
ｂ及び脚部１ａ，２ａと同体に形成してある。

上述のような構造であると、肩部１ｃ，２ｃの
機械的強度が増大するので、研磨時または組立時
等にフロントコア１，２の肩部１ｃ，２ｃにクラ
ツクが入つたり或は破損したりするのを防止する
ことができる。

しかも、肩部１ｃ，２ｃの内角部は、磁気ギヤ
ツプ３の磁気特性に影響を与えないデツドスペー
スとなつているので、この部分に肉厚部５，６を
設けても、形状が大型化することもなく、磁気ヘ
ツドとしての特性に影響を与えることもない。

また、肉厚部５，６の厚さ及び長さを適当な値
に選定することにより、肉厚部５，６が巻線を施
す際の障害となるのを避け、Ｓ／Ｎ比が劣化する
のを防止することもできる。

更に、肉厚部５，６は、フエライトにより、ポ
ール部１ｂ，２ｂ及び脚部１ａ，２ａと同体に形
成してあるので、後で補助部材を付着する場合と
異なつて、肉厚部５，６が後で剥離するなどの問
題を生じることがなく、高信頼度である。しか
も、肉厚部５，６は、コア成形または加工時に、
脚部１ａ，２ａ及びポール部１ｂ，２ｂと同時に
形成できるので、製造、組立が容易である。

以上述べたように、本考案によれば、次のよう
な効果が得られる。

(a) フエライトコアのポール部と脚部とを連続さ
せる肩部の内角部に、内側に突出する肉厚部を
有しているので、肩部の機械的強度が大きく、
クラツクや破損を生じ難く、小型で高密度実装
の要求に合う磁気ヘツドを提供することができ
る。

(b) 肉厚部は、フエライトにより、ポール部及び
脚部と同体に形成されているので、後で補強部
材を付着する場合と異なつて、肉厚部が剥離す
る等の問題を生じることのない高信頼度の磁気
ヘツドを提供できる。

(c) 肉厚部は、フエライトにより、ポール部及び
脚部と同体に形成されているので、後で補強部
材を付着する場合と異なつて、製造、組立の容
易な磁気ヘツドを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁気ヘツドを示す図、第２図は
フロントコアの肩部の機械的強度増大方法を示す
図、第３図は本考案に係る磁気ヘツドの要部を部
分的に示す図である。 １，２……フロントコア、３……磁気ギヤツ
プ、１ａ，２ａ……脚部、１ｂ，２ｂ……ポール
部、１ｃ，２ｃ……肩部、５，６……肉厚部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ２つのコアの組合せを含む磁気ヘツドであつ
   て、 前記２つのコアは、ポール部と脚部とを有する
   フエライトコアであり、 前記２つのコアの各ポール部は、磁気記録媒体
   と接する側にあつて磁気記録媒体の走行方向に伸
   び、先端面間に磁気ギヤツプが形成されるよう
   に、前記先端面を互いに対向させてあり、 前記２つのコアの各脚部は、前記ポール部から
   連続して磁気記録媒体の走行方向と交叉する方向
   に折曲つており、 前記ポール部と前記脚部とを連続させる肩部の
   内角部に、内側に突出する肉厚部を有しており、 前記肉厚部は、フエライトにより、前記ポール
   部及び前記脚部と同体に形成されていることを特
   徴とする磁気ヘツド。