JPH0142080Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は核燃料集合体の吊上げ装置に係るもので
ある。

従来この種の装置は第１図に示すように、クレ
ンから吊下げられる枠体ａに爪ｂがピンｃを介し
て回動自在に取付けられていて、枠体ａの下側周
縁に垂設された複数の案内ピンｄを核燃料集合体
のトツプノズルｅに穿設された案内孔ｆに挿入す
るとともに、同トツプノズルｅの開口部ｇ内に第
１図左半分に示すように爪ｂを閉縮した状態で挿
入し、ピストンその他の適宜機構によつて第１図
右半部に示すように爪ｂを拡開してその先端部を
前記開口部ｇの下側周縁部に係止して、トツプノ
ズルｅ、従つて核燃料集合体を掴持して吊上げる
ように構成されている。

しかしながら前記従来の装置では、核燃料集合
体の内挿物（図示せず）がトツプノズルｅ内に突
出しているので、同内挿物と前記爪ｂとの干渉が
問題になる。

本案はこのような問題点を除去するために提案
されたもので、吊上げ用枠体の下面より、核燃料
集合体のトツプノズルにおける開口部を挟んで配
設された一対の案内孔に嵌脱する一対の案内ピン
を垂設するとともに、同各案内ピンの空所に、前
記トツプノズルの開口部下側周縁に係脱する係止
爪を出没自在に枢着するとともに、同係止爪の開
閉機構を配設してなることを特徴とする核燃料集
合体の吊上げ装置に係るものである。

本案は前記のように構成されているので、前記
枠体の下面に垂設された一対の案内ピンを、同各
案内ピンの空所内に同空所に枢着された係止爪を
没入させた状態で核燃料集合体のトツプノズルに
おける開口部を挟んで配設された一対の案内孔に
係合して枠体の位置決めを行つたのち、前記係止
爪を前記開閉機構を介して拡開して前記案内ピン
より突出せしめてトツプノズルの開口部下側周縁
に係止せしめることによつて、同トツプノズル、
延いては核燃料集合体を掴持し、枠体を吊上げる
ことによつて核燃料集合体を吊上げるものであ
る。

このように本案によれば吊上げ用枠体の下面よ
り垂設された、核燃料集合体のトツプノズルにお
ける開口部を挟んで配設された一対の案内孔に係
脱する案内ピンの空所に係止爪を出没自在に内蔵
し、同案内ピンをトツプノズルに挿入する際は同
案内ピン内に係止爪を退入せしめ、同案内ピンが
トツプノズルに挿入され前記枠体の位置決めが行
なわれたのちに前記係止爪を案内ピンより突出せ
しめてトツプノズルの開口部下側周縁に係止して
同トツプノズルを掴持するようにしたので、係止
爪とトツプノズル内挿物との干渉がなくなり、両
者の干渉のチエツクが不要となり、工数が低減さ
れるものである。

また本案によれば、トツプノズルの開口部下側
周縁に係脱する係止爪を内蔵し、且つトツプノズ
ルの開口部を挟んで配設された一対の案内孔に嵌
脱する２本の案内ピンを吊下げ用枠体の下面に垂
設したことによつて、炉心に燃料集合体を順次隣
接して装荷する際、同集合体は方向性をもつて把
持されることとなるので、燃料集合体の位置決
め、干渉防止ができ、また燃料集合体の吊上げ、
移送時、同燃料集合体が鉛直軸まわりに回転する
ことがなく、更にまた燃料集合体中に制御棒等を
残したまま吊上げることができるものである。

以下本案を図示の実施例について説明する。

１は枠体、２はその下面周縁より垂設された一
対の案内ピンで、同各案内ピン２に設けられた空
所２ａ内にピン３を介して係止爪４が出没自在に
枢着されている。同係止爪４は枢着部を境として
屈折され、下端に核燃料集合体ｅにおける開口部
ｇの下側周縁に係脱する鉤部４ａが設けられてい
る。

５はピストンその他の駆動機構によつて昇降さ
れるように枠体１内に配置された操作桿で、その
下端に水平の操作レバー６が連結され、同レバー
６から前記枠体１の底部に穿設された縦貫孔１ａ
を貫通し、前記案内ピン２の空所２ａ内を昇降す
る連結桿７が垂設され、同連結桿７の下端には係
止爪４の背面に沿つて摺動押圧し、同係止爪４を
ピン３を中心として回動して前記空所２ａより出
没させるロツクボタン８が装着されていて、常時
は第２図の左半部に示すように、係止爪４のピン
３より上方部分背面を押圧して同係止爪４を前記
空所２内に退入せしめ、前記操作桿５を第２図右
半部に示すように下降せしめることにより、操作
レバー６、連結桿７を介してロツクボタン８を下
降せしめ、前記係止爪４におけるピン３より下方
部の背面を押圧することによつて、係止爪４を矢
印方向に回動せしめ、案内ピン２の空所２ａより
突出せしめるように構成されている。

なお前記操作桿５、操作レバー６、連結桿７及
びロツクボタン８が前記した係止爪の開閉機構を
構成するものである。

図示の実施例は前記したように構成されている
ので、係止爪４を第２図左半部に示す如く案内ピ
ン２の空所２ａ内に没入せしめた状態で、案内ピ
ン２を核燃料集合体ｅの案内孔ｆに挿入して枠体
１の位置決めを行つたのち、第２図右半部に示す
如く操作桿５を下降せしめることによつて係止爪
４をピン３を中心として回動せしめ、その先端鉤
部４ａをトツプノズルｅにおける開口部ｇの下側
周縁部に係合せしめることによつてトツプノズル
ｅを掴持し、枠体１をクレン等で吊上げることに
よつて核燃料集合体を吊上げるものである。

なお前記係合爪４は図示の実施例の他、任意の
方法で開閉されるものである。

なおトツプノズルの吊上げ時において、前記係
止爪４における先端鉤部４ａの付け根部分及びピ
ン３部分に最も大きな力がかかるので、この力に
耐えるように前記各部分の断面、材料を選定する
必要がある。

またこの際案内ピン２は前記係止爪４における
ピン３の取付部において同係止爪４の吊上げ荷重
による力がかかるので、この力に対抗しうるよう
に案内ピン２の断面、材料を選定する必要があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の核燃料集合体の吊上げ装置の正
面図、第２図は本案に係る核燃料集合体の吊上げ
装置の一実施例を示す縦断面図、第３図は第２図
の矢視−図である。 １……枠体、２……案内ピン、２ａ……空所、
３……ピン、４……係止爪、５……操作桿、６…
…操作レバー、７……連結桿、８……ロツクボタ
ン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吊上げ用枠体の下面より、核燃料集合体のトツ
   プノズルにおける開口部を挟んで配設された一対
   の案内孔に嵌脱する一対の案内ピンを垂設すると
   ともに、同各案内ピンの空所に、前記トツプノズ
   ルの開口部下側周縁に係脱する係止爪を出没自在
   に枢着するとともに、同係止爪の開閉機構を配設
   してなることを特徴とする核燃料集合体の吊上げ
   装置。