JPH0141943Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、円板ブレーキ用円板に関する。或る
車輌の制動装置に使用される円板ブレーキの円板
では、該車輌の制動の際、非常に多量の熱を消散
することは、或る場合に必要である。これは、車
輌の大きな運動エネルギが制動の際に熱エネルギ
に変換されるためである。

出来るだけ迅速に円板から熱を除去すること
は、望ましい。これは、車輌ブレーキの摩擦パツ
ドが代表的に、有機樹脂結合のアスベスト複合物
であり、円板が過熱されゝば、これが有機樹脂結
合剤の急速な破損を生じさせ、従つてブレーキパ
ツドの急速な摩耗を生じ得るためである。

本実用新案出願人の出願した実開昭56−56940
号公報には競走用自動車のブレーキ円板が記載さ
れ、該円板は、螺旋形ないし半径方向のベーンで
連結され対向する背面を有する２つの離れた同心
状の環状部分を備え、該部分の対向する背面の
各々は、ベーン間で群をなして配置され該背面か
ら軸方向へ延びる円丘（ノブ）の配列を有してい
る。

該ノブは、１つの背面から他の部分の対向する
背面に向つて延びるが、該背面に接触しない。該
ノブの幾つかの異なる配置が記載され、例えば、
１つの部分のノブは、他の部分のノブに軸方向に
整合してもよく、他の部分のノブと相互に噛合つ
てもよい。

低速の車輌に対して、円板を通る空気流は、円
板の効率的な冷却に不充分であることが判明し
た。

本考案の目的は、競走用自動車とは異なり低速
の車輌、即ち、路面車輌（road vehicles）に一
層効率的な冷却を与えるベーン内のノブの配置を
提供することである。

従つて円板を横切りほゞ半径方向に延びるベー
ンで連結された対向する背面を有する２つの離れ
た同軸の環状部分を備え、前記背面の各々はその
上に他の背面に向つて軸線方向に延びるが該他の
背面には接触しない複数個のノブを有し、各背面
上の前記ノブは群をなして配列され、前記ノブの
群の各隣接する対はベーンの各１つによつて分離
され、各群内には異なる長さの隣接するノブがあ
ることを特徴とする円板ブレーキ用円板が提供さ
れる。

便利なものでは、等しい長さの短いノブと等し
い長さの長いノブとの２つの長さのノブだけがあ
る。

長いノブと、短いノブとを有する効果は、円板
を流通する冷却用空気に曲折した流路を提供する
ことであり、これは、一面のノブが、他面のノブ
に軸方向に整合して該ノブに向つて延び、一面の
長いノブが、他面の短いノブに向つて延びる如く
これ等のノブの間に間隙の存在する本考案の好適
実施例に対して特に然りである。

「ほゞ半径方向」の意味には、第１図に示され
る様な「螺旋形ベーン」を包含することが意図さ
れる。

本考案は、その実施例に関し添付図面を参照し
て下記に説明される。

第１図から第３図までを参照すると、自動車の
円板ブレーキ用鋳鉄ブレーキ円板は、対向する背
面１３，１４を夫々有する２つの離れた同心状の
環状部分１１，１２を備えている。１つの環状部
分１２は、円板を車輪ハブ（図示せず）に装着す
るための中央部分２０と一体である半径方向内方
へ突出る部分１５を有している。

２つの環状部分の背面１３，１４は、ほゞ半径
方向のベーン１７の形状で円板を横切り螺旋形状
に延びる横部材で連結される。該螺旋形状は、円
板を通る冷却空気をポンピングするために最も有
効であり、隣り合うベーン１７の間の円周方向の
重なりは円板を横切る亀裂の伝播を減ずることを
助ける。円板の周りには等角間隔に24枚のベーン
１７がある。

対向する背面１３および１４の各々はその上に
間隔を置いて軸方向に突出するノブ１６および１
９の配列をもつ。ノブは２つの長さだけがありノ
ブ１６はノブ１９より長い。ノブは背面の一方１
３または１４上のノブ１６および１９が二つの背
面の他方の上に反対方向に延びるノブ１６および
１９に向つて延びかつそれ等と整合するように配
置される。その配置は一背面上の各短かい方のノ
ブ１９が他の背面上の長い方のノブ１６に対向し
て整合するようになされる（第３図）。整合され
たノブ１６および１９は対向する背面にまたは互
に接触せずその間に頂面の上を空気が流れる十分
な間隙がある。

ノブ１６および１９は球形または丸い端部をも
つ円錐の形をしており、２つの背面の各各から延
びるノブの配列は数群に分割され、隣接する各１
対の群は各１つのベーン１７によつて分離され
る。ノブの各群は１つの長さの12個のノブと他の
長さの10個のノブから成り、一方の背面は12個の
長いノブ１６と10個の短いノブ１９とから成る群
をもち、他方の背面は12個の短いノブ１９と10個
の長いノブ１６から成る群をもつ。

各群におけるノブ１６および１９は円板の半径
方向内側端縁で交差する２つの螺旋形の列の形に
配列される。各螺旋形列のほゞ長さに沿つて長い
ノブ１６が短いノブ１９と交互に配列され、従つ
てベーンの間を流れる空気はノブを越えて曲折し
た流路をたどらねばならない。これは一層効果的
な冷却作用を与える撹乱空気流を円板内に生ず
る。

円板は一方の環状部分上の短いノブと長いノブ
が他方の環状部分上の他のノブと対向して整合す
るものとして記述されたが、一方の環状部分上の
短いノブと長いノブが他の環状部分上の短いノブ
と長いノブとに組み合わすことも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はベーンおよびノブを示すために環状部
分の一部を除去したブレーキ円板の部分図、第２
図は第１図の−線に沿う断面図、第３図は第
１図の−線に沿う断面図を示す。 １１，１２……環状部分、１３，１４……背
面、１６……長いノブ、１７……ベーン、１９…
…短いノブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 円板を横切りほぼ半径方向に延びるベーン１
   ７で連結された対向する背面１３，１４を有す
   る２つの離れた同軸の環状部分１１，１２を備
   え、前記背面の各々はその上に他の背面に向つ
   て軸線方向に延びるが該他の背面には接触しな
   い複数個のノブ１６，１９を有し、各背面上の
   前記ノブは群をなして配列され、前記ノブの群
   の各隣接する対はベーンの各１つによつて分離
   されている円板ブレーキ用円板において、各群
   内には２つの異なる長さの隣接するノブ、即ち
   長いノブ１６と短いノブ１９とが存在し、前記
   背面１３，１４の一方にある長いノブ１６は前
   記背面１３，１４の他方にある短いノブと軸線
   方向に整列していることを特徴とする円板。 (2) 各群のノブ１６，１９は円板の半径方向内側
   縁で交差する２つの螺旋状の列の形に配置され
   ていることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の円板。 (3) 前記螺旋状の列のほぼ長さに沿つて長いノブ
   １６が短いノブ１９と交互に配置されているこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第２項
   記載の円板。