JPH0141757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、変圧器等の電気装置を運搬車両等
に積み込む際に、クレーンを用いることなく簡易
に電気装置本体を昇降することが可能な電気装置
の移動用昇降装置に関するものである。

一般に、電気装置本体を含む電気装置をトラツ
ク等の運搬車両で移動させる場合は、レツカー車
による電気装置本体の吊り上げ及び吊り下し作業
が行なわれるが、このような作業においては、そ
の都度レツカー車の準備をしなければならず、ま
た、多くの労力、時間等を要するという難点があ
る。

そこで、複数の液圧シリンダを電気装置本体に
取付け、この液圧シリンダで電気装置本体を昇降
駆動させることが可能な移動用昇降装置により、
運搬車に対する吊り上げ及び吊り下しを行う方法
が近時考えられている。

ところが、このような移動用昇降装置を用いる
場合は、運搬車の荷台を互に対向する液圧シリン
ダの軸間にすべり込ませなければならないため、
液圧シリンダの軸間距離を長くした状態で電気装
置本体に取付けなければならない。しかし、液圧
シリンダの軸間距離を長くして取付けることは必
要とするスペースもそれだけ増大することを意味
し、移動用昇降装置自体を移動させる場合には非
常に不便になるという問題点があつた。

本考案はこのような問題点を除去するためにな
されたもので、本考案に係る電気装置の移動用昇
降装置は、複数の液圧シリンダと、折りたたまれ
て収納された複数のアームとから成り、この複数
のアームは液圧シリンダの昇降駆動時には電気装
置本体をはさんで互に対向する液圧シリンダの軸
間距離を拡大することができるようになつてい
る。そして、このアームは、電気装置本体を収容
するタンクの剛性を利用し、移動時ほぼ垂直面と
なる上記タンクの表面に形成された取付座に着脱
自在に取付けられている。

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。図において、１はタンクに収容された電気装
置本体、１ａはその取付座、２はピストン部２ａ
を有する複数（例えば４本）の液圧シリンダ、３
は液圧シリンダ２を作動させるための液圧ユニツ
ト、４は液圧シリンダ２を支持するための複数の
アームで、取付板５及びボルト６により取付座１
ａに着脱自在に取付けられている。

ここで、取付座１ａは移動時垂直面となるタン
ク側面に各液圧シリンダ２に対応した個数だけ形
成されている。

そして、アーム４はヒンジ４ａを有しており、
水平方向即ち床面GLに対して平行に回動自在と
なつている。換言すれば、複数のアーム４は液圧
シリンダ２の昇降駆動時には電気装置本体１をは
さんで互に対向する液圧シリンダ２の軸間距離l₁
を、l₂まで拡大することができるように折りたた
まれて収納されている。

次に、以上のように構成される電気装置の移動
用昇降装置を用いて、電気装置本体１を運搬車に
対して積み込みあるいは積み下しする場合につい
て説明する。

当初、複数のアーム４は折りたたまれて収納さ
れ、液圧シリンダ２の軸間距離は最小のl₁となつ
ている。そして、積み込みを行う場合は、折りた
たまれた複数のアーム４を拡げ、液圧シリンダ２
の軸間距離を最大のl₂とする。もちろん、この軸
間距離の値は運搬車の荷台の幅あるいは積み込み
場所のスペース等の条件に応じて、最小軸間距離
l₁から最大軸間距離l₂までの任意の値をとること
が可能である。

次いで、液圧シリンダ２の軸間距離をl₂とした
後、液圧ユニツト３により液圧シリンダ２を作動
させる。すると、ピストン部２ａが一点鎖線で示
すように伸長し、電気装置本体１が床面GLから
持ち上げられる。

そして、この状態において運搬車の荷台を電気
装置本体１の下方にすべり込ませた後液圧シリン
ダ２をやや下降させ、電気装置本体１を運搬車の
荷台上に載置する。

このようにして、積み込みが行なわれた後は、
液圧ユニツト３によりピストン部２ａを再び液圧
シリンダ２内に引き込み、当初の状態と同様に複
数のアーム４を折りたたんで収納することとす
る。

そして、運搬車が目的地に着いた後、電気装置
本体１の積み下しを行う場合は上記した手順とあ
らまし逆の手順により行えばよい。

ところで、本考案に係る移動用昇降装置におい
ては、取付板５及びボルト６等の部材によりアー
ム４が着脱自在となつているため、電気装置本体
１を運搬車に積み込んだ後に、アーム４を取り外
すことが可能である。したがつて、最小軸間距離
l₁をさらに縮小することが可能となり、積み込み
あるいは積み下しの際のスペース的な制限をより
少なくすることができる。

更に、アーム４は電気装置本体１を収容したタ
ンクの垂直な側面に直接形成された取付座１ａに
取付けられるのでそのタンク自体が強度メンバー
として利用でき、移動用に特別の補強や架台など
が不要となり、経済的かつ寸法の低減が図れる。

また、このようにアーム４が着脱自在となつて
いることから、運搬車に電気装置本体１を複数台
積み込む場合においても、本考案に係る移動用昇
降装置を１セツトのみ用いることで対処すること
ができる。

以上のように本考案によれば、液圧シリンダを
支持する複数のアームを、電気装置本体を収容す
るタンクの所定の表面に形成した取付座に着脱自
在に取付け、また、液圧シリンダの昇降駆動時に
は電気装置本体をはさんで互に対向する液圧シリ
ンダの軸間距離を拡大できるようにこの複数のア
ームを折りたたんで収納する構成としたので、従
来の装置よりも、積み込みあるいは積み下し作業
の際に受けるスペース的な制限をより少くするこ
とができ、これらの作業を一層容易に行うことが
可能となるとともに、タンクが強度メンバーとな
るので、移動用に特別の補強や架台が不要となり
経済的かつ寸法の低減が図れる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例による電気装置の移動
用昇降装置の概略構成を示す正面図である。 １……電気装置本体、１ａ……取付座、２……
液圧シリンダ、８……液圧ユニツト、４……アー
ム、４ａ……ヒンジ、l₁，l₂……軸間距離。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. タンクに収容された電気装置本体を昇降駆動す
   るための複数の液圧シリンダと、移動時ほぼ垂直
   面となる上記タンクの表面に形成された複数の取
   付座と、一端に上記液圧シリンダが夫々取付けら
   れた複数のアームと、水平方向に回動自在に上記
   アームの他端を上記取付座に夫々取付ける複数の
   ヒンジとから成る電気装置の移動用昇降装置。