JPH0141690Y2

JPH0141690Y2 -

Info

Publication number: JPH0141690Y2
Application number: JP1984091733U
Authority: JP
Priority date: 1984-06-20
Filing date: 1984-06-20
Publication date: 1989-12-08
Also published as: JPS618615U

Description

【考案の詳細な説明】〔考案の利用分野〕本考案は、車両等のワークを移載するワーク移
載用ハンガーに関する。

〔考案の背景〕

従来例を第６図に基いて説明する。同図におい
て１はハンガーアームを示し、該ハンガーアーム
１は略コ字形状に形成され、上部先端がハンガー
フレーム２に回動自在に取り付けられ、下部先端
がワーク受部３として構成されている。４はキヤ
リア、５はレール、６はワークを示す。ところ
が、ワーク６をハンガーアーム１へ載荷及び脱荷
する際の当該ハンガーアーム１の回動支点７がハ
ンガーアーム１の上部先端に位置する構造である
ため、ワーク受部３と前記回動支点７が大きく離
れ、ワーク受部３の位置精度が出しにくいという
欠点があつた。また、精度を出すことができて
も、回動時及び搬送時の衝撃等の影響により精度
維持が難かしいという欠点があつた。これらの構
造的欠点から、ワーク移載不良が発生しやすく、
その結果、次のような問題があつた。

(1) ワーク受け部の位置精度出しに時間がかか
る。

(2) ワーク受け部の精度維持のため、頻繁にワー
ク受け部の位置精度確認を行なう必要がある。

(3) ワーク移載及び自動機による作業時、ワーク
位置決めのための別途装置が必要となる。

(4) 回動するハンガーアーム自体が大きいため、
該回動のための別途駆動機構が必要となる。

〔考案の目的〕

本考案は上記事情に鑑みなされたもので、ワー
ク受け部の位置精度を向上させることができると
共に、ハンガーアームの上下動作により自動的に
ワーク受け部材を回転させてワークの移載をする
ことのできるワーク移載用ハンガーを提供するの
が目的である。

〔考案の概要〕

本考案の特徴は、ワーク受部材の基端に円筒形
状の取付部を設け、該取付部の下端外側面に水平
軸のまわりに回転するローラを取り付けると共に
当該取付部の駆動手段により上下動するハンガー
アームの下端面に下方に付勢された状態で上下動
自在かつ最下点位置では回転を規制された状態で
被着し、ハンガーアームの軸芯線上の下方位置に
前記ハンガーアーム下端面が挿入する円筒形状の
カムを設けると共に該カムの上端面に前記ローラ
が当接して回転する傾斜面を有する切欠部を設け
ることにより、ハンガーアームが下動してその下
端がカムに到達するとワーク受部材の取付部はそ
のローラがカムの傾斜面に当接して下降を規制さ
れ、一方ハンガーアームは無規制で下降すること
から取付部の回転を規制するストツプ機構が解除
状態に移行すると共に該ローラが傾斜面を回転し
て移動し当該取付部が略90度回転され、これによ
りワーク受部材も同様に回転されるようにした点
にある。

〔考案の実施例〕

第１図は本考案に係るワーク移載用ハンガーの
一部切欠した側面図、第２図は第１図の−線
断面図、第３図は同要部分離斜視図を示す。図に
おいて８はハンガーアームを示し、該ハンガーア
ーム８は上端部が他部材（図示せず）に固定され
た状態で垂下されている。該他部材は駆動手段
（図示せず）により上下動する。９はワーク受部
材を示し、該ワーク受部材９は先端がワーク受部
１０として形成され、基端は他部材への取付部１
１として形成されている。該取付部１１は円筒形
状に形成されていると共に下端外側面に軸芯に対
して対称的に一対のローラ１２，１２が設けられ
ている。該ローラ１２，１２は水平軸１３のまわ
りに回転するよう形成されている。この取付部１
１は前記ハンガーアーム８の下端部にブツシユ１
４を介在することにより回転かつ上下動自在に被
着されている。該取付部１１の下端面とハンガー
アーム８の該取付部１１下方への突出部１５との
両対面部１６，１７に該両対面部１６，１７の当
接時に当該取付部１１の回転を規制するストツプ
機構１８が設けられている。該ストツプ機構１８
は、前記取付部１１の対面部１６に突設したＶ形
突起１９と前記突出部１５の対面部１７に凹設し
た前記Ｖ形突起１９が係止するＶ形溝２０とから
構成されている。Ｖ形突起１９は取付部１１の軸
芯に対して対称的に一対設けられている。また、
Ｖ形溝２０は円周方向に４等分された位置の４ケ
所に設けられている。尚、当該Ｖ形突起１９及び
Ｖ形溝２０の取付位置は前記と逆の配置であつて
もよいことは勿論である。Ｖ形突起１９がＶ形溝
２０に係止してストツプ機構１８を作動状態に保
持するために取付部１１上方のハンガーアーム８
にコイルスプリング２１が縮設被着されている。
該コイルスプリング２１の上端はハンガーアーム
８に設けた段部に圧接保持され、下端は取付部１
１の上端面に取り付けたスプリングホルダー２２
に圧接保持されている。該スプリングホルダー２
２と取付部１１の上端面との間にはベアリング２
３が介在されて前記コイルスプリング２１の付勢
力に対して当該取付部１１の回転を滑らかにして
いる。

ハンガーアーム８の軸芯線上の下方位置には円
筒形状のカム２４が固定されている。該カム２４
の内径及び外径は、ハンガーアーム８の前記突出
部１５が挿入する大きさで且つ前記ローラ１２，
１２が該カム２４の上端面２５に当接する大きさ
に形成されている。該上端面２５には前記ローラ
１２，１２が回転する傾斜面２６を有する切欠部
２７，２７が設けられている。該傾斜面２６の上
端の位置から下端の位置までローラ１２，１２が
回転移動すると当該取付部１１が略90度回転する
よう構成されている。

次に作用を説明する。ハンガーアーム８が駆動
手段（図示せず）により下動して、その下端の突
出部１５がカム２４内に到達するとワーク受部材
９の取付部１１は、そのローラ１２，１２がカム
２４の傾斜面２６の上端に当接して下降を規制さ
れ、一方ハンガーアーム８はそのまま無規制で下
降することから取付部１１の回転を規制するスト
ツプ機構１８が解除状態に移行する。すなわち、
Ｖ形突起１９がＶ形溝２０から抜け出ることによ
り取付部１１が回転可能な状態となる。この状態
でハンガーアーム８が更に下動するとローラ１
２，１２は傾斜面２６を下端に向つて回転下降
し、これにより取付部１１が略90度回転して停止
する。次にハンガーアーム８が上動すると、先ず
ハンガーアーム８だけが上昇し取付部１１はコイ
ルスプリング２１により下方に付勢されているた
め、その位置に保持される。そして、前記Ｖ形溝
２０と隣接する他のＶ形溝２０にＶ形突起１９が
係止すると一体となつて上昇する。すなわち、ワ
ーク受部材９は当初と90度回転された状態で上昇
する。

次に、第４図及び第５図に基いて、自動車ボデ
ーをワーク６として実際に移載する装置について
説明する。ハンガーアーム８の上端は水平なハン
ガーフレーム２８に固定され、該ハンガーフレー
ム２８はキヤリア４を介して昇降レール２９に吊
下されている。３０は固定レール、３１は床面を
示す。ワーク６を脱荷した後再び載荷する工程を
説明すると、先ずワーク受部材９が昇降レール２
９と直交方向に向いてワーク６を載荷している状
態から、駆動手段（図示せず）により昇降レール
２９を下降させるとハンガーアーム８が下動す
る。そして、ワーク６を図示されていないワーク
受台で受けた後、該ハンガーアーム８の下端突出
部１５がカム２４内に到達し、前述の如くワーク
受部材９が略90度回転し、すなわち、ワーク受部
材９が昇降レール２９と平行になつた後、昇降レ
ール２９を上昇させる。これにより脱荷が完了す
る。その後、キヤリア４によりハンガーアーム８
全体を固定レール３０に沿つて移動させ、他の載
荷場所に到達した後、再び昇降レール２９を下降
させる。ハンガーアーム８の下端突出部１５が、
傾斜面２６の傾斜角度が前記脱荷場所の角度と反
対の傾きを以つて形成されている傾斜面２６を有
するカム２４内に到達することにより、前記と同
様で且つ逆方向にワーク受部材９が回転する。こ
の後、昇降レール２９を上昇させれば載荷をする
ことができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、ハンガーアームが下動して、
その下端がカムに到達すると、ワーク受部材の取
付部は、そのローラがカムの傾斜面に当接して下
降を規制され、一方、ハンガーアームはそのまま
無規制で下降することから、ストツプ機構が解除
状態に移行すると共に、該ローラが傾斜面を回転
して移動し、これにより当該取付部が略90度回転
されることによりワーク受部材を回転させるよう
に構成したので、ハンガーアームの上下動作によ
り自動的にワーク受部材を回転させることがで
き、従来のような別途駆動源が不要となり構造的
に単純にすることができる。また、ストツプ機構
により回転位置を決めているため、位置精度を向
上させることができる。特に前記Ｖ字形突起と対
応するＶ字形溝との係止によりストツパ機構を構
成すれば一層その位置精度を向上させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るワーク移載用ハンガーの
一部切欠の側面図、第２図は第１図の−線断
面図、第３図は同要部分解斜視図、第４図は本考
案を実際に車両移載装置に適用した場合の正面
図、第５図は同側面図、第６図は従来例の正面図
を示す。６……ワーク、８……ハンガーアーム、９……
ワーク受部材、１１……取付部、１２……ロー
ラ、１５……突出部、１６，１７……対面部、１
８……ストツプ機構、１９……Ｖ形突起、２０…
…Ｖ形溝、２１……コイルスプリング（付勢手
段）、２４……カム、２５……上端面、２６……
傾斜面、２７……切欠部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) ワーク受部材の基端に円筒形状の取付部を設
け、該取付部の下端外側面に水平軸のまわりに
回転するローラを取り付けると共に当該取付部
を駆動手段により上下動するハンガーアームの
下端部に回転かつ上下動自在に被着し、該取付
部の下端面と前記ハンガーアームの該取付部下
方への突出部との両対面部に該両対面部の当接
時に当該取付部の回転を規制するストツプ機構
を設けると共に当該取付部を下方に付勢して前
記ストツプ機構を作動状態に保持させる付勢手
段を設け、前記ハンガーアームの軸芯線上の下
方位置にハンガーアーム下端の前記突出部が挿
入する円筒形状のカムを前記ハンガーアームと
別体に設けると共に該カムの上端面にハンガー
アームの下動により前記突出部がカム内に挿入
した時にローラが当接して回転し当該取付部を
略90度回転させる傾斜面を有する切欠部を設け
たことを特徴とするワーク移載用ハンガー。 (2) 前記ストツプ機構を前記取付部の下端面とハ
ンガーアーム下端の前記突出部との両対面部の
一方に突設したＶ形突起と、他方に凹設した前
記Ｖ形突起が係止するＶ形溝とから構成したこ
とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
記載のワーク移載用ハンガー。