JPH0141648B2 - - Google Patents

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JPH0141648B2
JPH0141648B2 JP56054188A JP5418881A JPH0141648B2 JP H0141648 B2 JPH0141648 B2 JP H0141648B2 JP 56054188 A JP56054188 A JP 56054188A JP 5418881 A JP5418881 A JP 5418881A JP H0141648 B2 JPH0141648 B2 JP H0141648B2
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rubber
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JP56054188A
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Kazunobu Tanaka
Hirotaka Myata
Tokuji Tanaka
Naoya Yabuchi
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、エラストマーにグラフトしたビニル
芳香族化合物と不飽和ジカルボン酸を主成分とす
る共重合体より成るスチレン系耐熱・耐衝撃性樹
脂の製造方法に関するものである。 一般にスチレン系樹脂は、安価で、機械的性質
に優れ、且つ、軽量その他便利な性質を有するの
で、プラスチツクス製品として多用されている。
しかしその欠点である耐熱性の低さを改良する為
に無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物
を共重合して耐熱性を向上せしめる技術が従来よ
り知られている。例えば、USP3418292(1968
年)、特公昭47−31118号及び特公昭54−19914号
等がその例である。更にスチレン―無水マレイン
酸共重合物の脆性を改良する為にゴム成分にグラ
フト共重合して耐熱・耐衝撃性樹脂を得る方法が
特公昭55−7849号において知られている。この方
法は、スチレン―無水マレイン酸共重合体の製造
において無水マレイン酸が比較的少量の状態に於
ても交互共重合性を示し、共重合反応性が高いた
め、反応の全期間無水マレイン酸を反応系に添加
して反応を均一化ならしめる方法と従来の高衝撃
性スチレン樹脂(ゴムグラフト化ポリスチレン)
やABS樹脂において知られているゴムグラフト
化の方法を組み合せたものである。しかしながら
本発明者らの検討の結果によれば、この方法では
充分なる耐衝撃性を有する樹脂を得る事が出来な
い。その理由は、ポリスチレンよりも耐熱性を有
する芳香族ビニルモノマーと不飽和ジカルボン酸
無水物の共重合系では、高分子主鎖が剛直とな
り、耐熱性を有する反面、衝撃エネルギーに対し
脆化し易い事、例えばスチレン―無水マレイン酸
―ジエン系エラストマーの系において無水マレイ
ン酸共重合量が10重量%を超える場合に耐衝撃性
が著しい低下を示す現象が見られ、且つグラフト
性エラストマーと不飽和ジカルボン酸無水物は反
応性に富み、事実、エラストマーのグラフト効率
はほゞ100%となつており、その為に、エラスト
マーの二次転移点が高温側にシフトして、本来の
エラストマーの衝撃エネルギー吸収力が相当に損
なわれている事等によるものである。従つてこの
系では従来の高衝撃性スチレン樹脂やABS樹脂
のゴム補強技術を適用するのみでは、充分な耐衝
撃性は得られないのである。 本発明者らは、かかる欠点を改良するため鋭意
研究の結果、遂に本発明に到達したのである。即
ち本発明は、ビニル芳香族単量体55〜98重量%及
び不飽和ジカルボン酸無水物2〜45重量%を主成
分とする単量体混合物を、混合物100重量部に対
しグラフト重合性エラストマー5〜30重量部の共
存下にグラフト共重合せしめて耐熱・耐衝撃性樹
脂を製造する方法において、使用するエラストマ
ー全量の20乃至80%を反応の当初に添加し、且つ
使用するエラストマー全量の80乃至20%を重合中
当初添加のエラストマーの転相後重合率が設定し
た最終重合率の4/5に到達するまでに後添加する
事を特徴とするスチレン系耐熱耐衝撃性樹脂の製
造方法に係わる。 即ち、従来の方法による、例えば回分式重合方
法においては、反応の初期に添加されたゴム成分
は当初重合系に溶解した状態であるが、重合の進
行に伴ない転相を起し、分散系となる。この結
果、分散ゴム系はその内部にプラスチツクス相を
内包した複雑なモルホロジーを呈する事が知られ
ている。この事は例えば、Sperling 著
「Polymer Blends&Composites」(PLENUM
PRESS社、1976年)第78頁;高分子機械材料委
員会編「ABS樹脂」(昭和45年)第78頁;
Encyclopedia of Polymer SCi.&Eng.「Styrene
Polymers」第400頁(Intersci.Publishers,1964
年)等に詳しく解説されている。芳香族ビニニル
モノマー、不飽和ジカルボン酸無水物とエラスト
マーのグラフト共重合系においては、状況が相当
異なり、本発明方法によらない、エラストマー全
量初期添加の場合には、プラスチツクス相を内包
した構造ではないエラストマー小粒分散集合体の
いわゆる“非サラミ構造”を示すのである。併し
ながら、本発明の方法に従い、例えば回分式重合
法によつてエラストマー成分をエラストマーの転
相後にも分割後添加する事により、驚くべき事
に、図面にも例示する如く本発明の方法によつて
得られる樹脂のモルホロジーは、プラスチツクス
相を内包した、いわゆる“サラミ構造”の安定し
たゴム分散層を与えるのである。この現象を説明
するのに、エラストマーの転相直後に生成した
“非サラミ構造”が、エラストマーの分割後添加
により、安定な“サラミ構造”に転換する等の過
程が想定されるが、確かな理由は未だ明らかにさ
れていない。又、本発明方法によれば、エラスト
マーのグラフト効率が従来法に比しかなり低いグ
ラフト体が得られる事も特徴的である。要する
に、分散ゴムのモルホロジーやグラフト効率の異
なるエラストマー等の相剰効果によつて著しく耐
衝撃性に秀れた耐熱性樹脂が得られるものと推定
される。又、連続式重合方法による場合も本発明
に従つてエラストマーを重合中に後添加する効果
は優れている。即ち従来の方法により、第1槽に
添加されたゴム成分は前記した回分式重合方法に
おけると同様の現象でプラスチツクス相の内包が
ない分散ゴムのモルホロジー(“非サラミ構造”)
を呈するが、重合が進行し、且つ撹拌力等装置特
性が第1槽と異なる第2槽以降に本発明方法によ
り分割後添加されたエラストマー成分は、第1槽
で得られるものと異なるモルホロジー(“サラミ
構造”)、グラフト効率及びゴム粒径を示す。従つ
てこれらの性質の異なるグラフト化エラストマー
の相剰効果によつて驚くべき事に著るしく耐衝撃
性に秀れた耐熱性樹脂を得る事が出来るものと推
定される。斯様に本発明は、関連の従来技術では
解決し得なかつた技術課題を緻密に検討した結
果、達成し得た新規技術に係るものであつて、そ
の効果は頗る顕著である。 本発明に於てビニル芳香族単量体としては、ス
チレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、
ハロ―スチレン類(例えばo―クロルスチレン、
p―クロルスチレン等)などおよびそれらの混合
物があげられる。 不飽和ジカルボン酸無水物としては無水マレイ
ン酸、クロロマレイン酸無水物、ジクロロマレイ
ン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無
水物、フエニルマレイン酸無水物、アコニツト酸
無水物などおよびそれらの混合物があげられる。 本発明においてビニル芳香族単量体と不飽和ジ
カルボン酸無水物の量比は、前者が55〜98重量%
に対し、後者が2〜45重量%の範囲に限定され
る。不飽和ジカルボン酸無水物が2重量%より少
ない場合は充分な耐熱性向上の効果が望めない。
又45重量%より多い場合は生成する共重合体が重
合系に不溶解のため析出して均一重合が行なえな
くなること、分子量が低くなること、耐水性が相
当低下すること、溶融流動性が悪くなること等プ
ラスチツクス製品としての欠点が多くなり、不都
合である。 ビニル芳香族単量体と不飽和ジカルボン酸無水
物を共重合するに当つては、前者が等モルより多
い組成を用い且つ両者は交互共重合性が強いため
後者の消費速度が早いので不飽和ジカルボン酸無
水物を重合系に少量ずつ添加して共重合組成物を
均一化する方法も採用し得る。又、意識的に共重
合組成を不均一にして不飽和ジカルボン酸無水物
のブロツクシーケンスを得る目的で、不飽和ジカ
ルボン酸無水物を重合系に重合期間中断続的に添
加する方法も採用し得る。しかしながら、使用す
る不飽和ジカルボン酸無水物を反応の初期に全量
添加する方法、不飽和ジカルボン酸無水物の組成
が10重量%以下の低い場合には採用出来るが、そ
れ以上不飽和ジカルボン酸無水物の多い組成で
は、重合の初期に反応が暴走し、重合系から不溶
の不飽和ジカルボン酸含量の多い交互共重合体に
近い組成の物が析出して来るので、これを避ける
為には極端に除熱能力の高い反応槽を用いたり、
溶剤を多量に用いる必要がある為、経済的に不利
である。 不飽和ジカルボン酸無水物を重合系に添加する
方法は、不飽和ジカルボン酸無水物のビニル芳香
族単量体溶液又はその他の溶剤による溶液を調製
して添加する方法、不飽和ジカルボン酸無水物を
溶融して添加する方法等いずれの方法も採用し得
る。 本発明の実施に当つてはビニル芳香族単量体と
不飽和ジカルボン酸無水物に共重合し得る他の単
量体を両者の100重量部に対し0〜20重量部の割
合で1種又は2種上用いて多元共重合を行なう事
も可能である。かかる他の単量体としては、メタ
クリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸2―ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸アリル、アクリル酸、メタクリル酸等の
アクリル化合物、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等の不飽和ニトリル化合物及びオレフイ
ン類、ジオレフイン類、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、酢酸ビニル等ビニル重合し得る単量体が含
まれる。 本発明にいうグラフト重合性エラストマーは、
単量体混合物100重量部に対し、5〜30重量部用
いられる。5重量部より少ない場合は、充分な耐
衝撃性の向上効果が望めないし、30重量部より多
い場合は、得られる樹脂が柔軟になりすぎて充分
な耐熱性向上効果が期待出来なくなると同時に重
合系が高粘度になり過ぎて適度な混合性を示さな
くなるので好ましくない。 グラフト重合性エラストマーの種類としては、
ビニルグラフト重合し得る、アリル基水素、不飽
和結合等を有するエラストマーがすべて含まれ、
実例としてはポリブタジエン(シス―1,4結合
が主体)、シンジオタクチツク―1,2―ポリブ
タジエン、スチレン―ブタジエンランダムコポリ
マー、SBS又はSB型スチレン―ブタジエンブロ
ツクコポリマー又はその部分水素添加物、ニトリ
ルゴム、マレイン化ゴム、ポリイソプレン、ポリ
クロロプレン、両末端官能性液状ポリブタジエ
ン、不飽和基含有アクリルゴム、ノルボルナジエ
ン又はシクロペンタジエン等を共重合した
EPDM等のエラストマーや、ABS、MBS、高衝
撃性スチレン樹脂等のゴムグラフト樹脂等があげ
られる。 本発明に於けるエラストマーの後添加の具体的
方法としては、例えば、回分式重合方法にあつて
は、使用するエラスマーの20〜80%を反応の初期
に添加し、且つ、重合反応が進行し、エラストマ
ーの転相が起つてから、(これは、重合系が透明
な状態から白濁した状態に変化する等の現象で確
認される。)エラストマーの残部即ち80〜20%を
重合系に添加する。この添加の方法は、エラスト
マーの転相直後から連続的に添加する方法、更に
数分割して時間間隔をおいて添加する方法及び転
相後の一時期に残部のエラストマーを添加する方
法等を選択する事が出来る。但し、重合率が最終
重合率(設定)の4/5に到達するまでに使用する
エラストマーの全部の添加を終了する事が望まし
く、さもなければ、重合の最終時期に重合系に添
加されるエラストマーの系への分散性が著るしく
悪くなる恐れがある。 又、例えば連続式重合方法にあつては、使用す
るエラストマーの20〜80%を第1槽に連続的に添
加し、且つ第2槽以降にエラストマーの残部即ち
80〜20%を連続的に添加する。この添加方法は、
第2槽以降の各槽に連続的に添加する方法や第2
槽以降の選択された1個以上の槽にのみ連続的に
添加する方法やピストンフローを示す連続横型反
応槽に1点又は多点に連続的に添加する方法その
他が採用される。重合反応の温度は、50℃〜180
℃の範囲が適当で、それ以下では重合速度が遅す
ぎて反応に長時間かゝり過ぎるし、それ以上では
重合速度が早すぎて、暴走反応を起し易く危険で
ある。重合温度が120℃以上の高温では、無触媒
でスチレンの熱ラジカル開始によるいわゆる熱グ
ラフト重合も行ない得るが、ベンゾイルパーオキ
シド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオ
キシドの如き過酸化物触媒やアゾイソブチロニト
リルの如きラジカル開始剤を用いて通常のラジカ
ルグラフト重合を行なう事も勿論可能である。 グラフト重合反応は、無溶剤で塊状でも行ない
得るし、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチル
エチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、クロロホルム又は四塩化炭素等の適当な溶媒
を用いた溶液重合も可能であるし、乳化重合、懸
濁重合の如き、水系分散重合又は石油エーテル、
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、デカリン
その他の非溶剤媒体中で、分散剤を使用した非水
系分散重合も採用し得るし、又これらを組合せ
た、例えば塊状懸濁重合、溶液懸濁重合、乳化懸
濁重合等も可能である。 又重合プロセスは竪型重合槽等を一段又は多段
で用いた回分式プロセス、或は竪型又は横型重合
装置を一段又は多段に連結した連続式プロセスの
いずれも採用し得る。必要に応じて、抗酸化剤、
紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤及び着色剤等の添加
物を重合前、重合中又は重合後に適宜添加する事
が出来る。 本発明の方法により得られる樹脂材料は、耐衝
撃性、耐熱性に優れ、成形性その他実用上要求さ
れる諸性質を兼備しているので、射出成形、押出
成形その他の加熱賦形方法によりプラスチツクス
成形品を製造する為の材料としてその用途に有利
に供され得る。 以下に実施例を掲げて本発明を説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。 実施例 1 ダブルヘリカルリボン翼を持つ撹拌装置、冷却
管、2ケの原料仕込口、重合温度検出装置、加熱
ジヤケツト及び底部にサンプリングバルブ等を付
したSUS304製の40L竪型重合装置に室温にてス
チレンモノマー11.26Kgを仕込み、顆粒状の無水
マレイン酸114gを撹拌下に加えて溶解した。而
る後、細片状に切つたシス―1,4―ポリブタジ
エン(旭化成(株)製ジエンNF35AS(商品名)、数平
均分子量107500)0.65Kgを撹拌しながら徐々に加
え、充分時間をかけて完全に溶解した。その後重
合装置をN2置換して85℃に昇温し、ジラウロイ
ルパーオキシド23gを0.5Kgのスチレンモノマー
に溶解した溶液を瞬時に加え、グラフト重合反応
を開始した。10分後より無水マレイン酸690gを
スチレン1.61Kgに溶解した溶液を2時間30分かけ
て定量的に重合系に添加した。この無水マレイン
酸の添加が終了した時点で重合装置底部よりサン
プルAを迅速に採取した。サンプルAは固型分率
40.6%、従つて見掛け重合率37.9%で、85℃での
粘度は425poiseであつた。サンプルAを溶媒分別
法でキヤラクタリゼーシヨンしたところ、未グラ
フトスチレン―無水マレイン酸共重合体中の無水
マレイン酸共重合量は14.8重量%で、30℃、メチ
ルエチルケトン(MEK)溶液で測定した粘度は
ηsp/C=0.84dl/gであつた。一方、グラフト
物/ゴム混合物中よりキシレンで未グラフトゴム
を抽出してゴムのグラフト効率を求めたところ、
98.6%という高値を示した。サンプリング後、直
ぐに重合系に約10分かけて、初期添加と同種のポ
リブタジエン0.65Kg及びジラウロイルパーオキサ
イド50gをスチレンモノマー3.64Kgに溶解した別
に調製された溶液を充分混合状態を確認しながら
徐々に添加した。同時に無水マレイン酸2.57Kgの
スチレン6Kgの溶液をその後5時間かけてスチレ
ンの重合量に合わせて定量的に追加すべく重合系
へ添加を開始した。 無水マレイン酸の添加終了時に素早くサンプル
Bを採取した。サンプルBは固型分率66.7%、従
つて見掛け重合率65.0%で85℃での粘度は、
4750poiseであり、未グラフトスチレン―無水マ
レイン酸共重合体はηsp/C=0.81で無水マレイ
ン酸共重合量は15.2重量%であつた。ゴムのグラ
フト効率は64.5%と比較的低かつた。重合物はそ
の後約2Torr、240℃でフラツシユ蒸溜型真空薄
膜蒸発機に約20分かけて送り込まれモノマー脱揮
処理を行なつた。得られたペレツトにはスチレン
モノマーが820ppm含まれ、無水マレイン酸モノ
マーは検出されなかつた。このサンプルを熱プレ
スしてOsO4で染色し、その超薄切片の透過電子
顕微鏡写真をとつた。第1図にこの写真を示すが
安定な“サラミ構造”を有する分散ゴム粒子が観
察される。又ペレツトから物性測定試験片を調製
し、物性評価したところ熱変形温度(110℃8時
間アニール後、4.64Kg/cm2荷重)136℃;ノツチ
付きアイゾツト衝撃強度11.0Kg・cm/cm;破断強
度426Kg/cm2、破断伸度18.5%であつた。 比較例 1 実施例1においてゴムの途中添加を行なわない
で全量初期仕込として同じ装置でグラフト重合し
た。即ち、スチレンモノマー14.36Kgに無水マレ
イン酸146g及び実施例1と同種のポリブタジエ
ン1.3Kgを充分溶解した後、85℃でジラウロイル
パーオキシド23gを0.5Kgのスチレンモノマーに
溶解した溶液を瞬時に加えグラフト重合を開始し
た。10分後より溶融無水マレイン酸3.23Kgをスチ
レン7.61Kgに溶解した溶液を7時間30分で定量的
に連続添加した。又重合開始後2時間30分目にジ
ラウロイルパーオキシド50gのスチレン0.5Kgへ
の溶液を添加した。真空モノマー脱揮して得られ
た試料は見掛け重合率66.5%、未グラフトスチレ
ン―無水マレイン酸共重合体のηsp/C=0.78、
無水マレイン酸共重合量15.4重量%でゴムのグラ
フト効率は94.8%と高かつた。 物性はノツチ付きアイゾツト衝撃強度は8.2
Kg・cm/cmと実施例1のものより低く、熱変形温
度(110℃×8hrsアニール後、4.64Kg/cm2荷重)
135℃、破断強度410Kg/cm2、破断伸度12.0%であ
つた。試料超薄切片の電子顕微鏡写真を第2図に
示したが、実施例1のものと異なり、分散ゴム粒
子がサラミ構造をとらず不安定な小粒分散ゴムの
集合体となつていることがわかる。 比較例 2 比較例1においてグラフトせしめるゴム量を
0.65Kgと1/2にした以外はすべて比較例1と同様
にグラフト重合した。得られたペレツト10Kgにポ
リブタジエンゴム(実施例1と同様)0.4Kgを溶
融混練押出ししてペレツトを調製した。得られた
試料の物性は、ノツチ付きアイゾツト衝撃強度
5.8Kg・cm/cmと比較例1のものより低く、熱変
形温度(110℃×8hrs.アニール後、4.64Kg/cm2
重)132℃、破断強度2.88Kg/cm2、破断伸度22.5
であつた。試料のモルホロジー(第3図)はゴム
の機械的ブレンド物特有の異形状のゴムの分散と
グラフト重合物であるサラミ構造ゴムの併存が認
められる。この試料は成形条件により耐衝撃性等
品質が変動する欠点があつた。 実施例 2 第4図に於て第1槽として5Lの三段パドル翼
撹拌装置を有する予備重合槽1、第2槽として
5Lのダブルヘリカルリボン翼混合装置を有する
重合槽2についで、0.2m2の伝熱面積を有する真
空型薄膜蒸発機3が夫々ギヤポンプを介したポリ
マー輸送管で連結されている。A1,B1及びA2
B2は第1槽及び第2槽への各成分注入箇所、C1
C2,C3は夫々のポリマー輸送管のポリマー流れ、
4は回収モノマー取出口、5は製品取出口であ
る。第4図に示した如きプロセスフローにもとづ
いて、表1の物質収支による連続重合を行なつ
た。
【表】
【表】 即ち、第1槽1は120に設定され、第1槽には
A1として無水マレイン酸のスチレン溶液B1とし
て重合触媒ジクミルパーオキミド(CPO)を含
有したSBSゴム(カリフレツクスTR1102、シエ
ル化学製、スチレン/ブタジエン28/72(重量
比)、分子量17万)のスチレン溶液の所定量が連
続的に注入された。ポリマー流れC1は流量1
Kg/時間にギヤポンプにより設定され、第1槽の
ホールドアツプ量は3Kgで平均滞溜時間は3時
間、重合収率38.5%、無水マレイン酸共重合量は
21.9重量%であつた。第2槽2は140に設定され、
A2として約70の無水マレイン酸溶融液が、又B2
としてSBSゴムのスチレン溶液が連続的に注入さ
れた。第2槽のホールドアツプ量は3Kgで平均滞
溜時間は1.85時間でありポリマー流れC2は1.62
Kg/時間で重合収率59.0%、無水マレイン酸共重
合量22.1重量%であつた。モノマー脱揮装置3の
運転条件は240℃、真空度2Torrで得られたグラ
フト共重合体中のスチレン残存モノマーは
550ppmあつた。得られた試料はゴム分を11.2重
量部含み、ゴムのグラフト効率は58.2%で、ノツ
チ付きアイゾツト衝撃強度14.8Kg・cm/cmで熱変
形温度(110℃×8hrs.アニール後、4.64Kg/cm2
重)146℃、破断強度405Kg/cm2、破断伸度22.5%
であつた。又サンプルのモルホロジーは第1図と
類似のものであつた。 比較例 3 実施例2において、B2のゴム溶液の注入をB1
と併合して第1槽に行ない、第2槽にはゴム溶液
の注入を行なわなかつた以外は実施例2と同様の
実験を試みた。 得られたポリマーは無水マレイン酸共重合量が
20.8重量%でゴム分11.4重量部であつて、ゴムの
グラフト効率は92.4%と実施例2より相当高く、
ノツチ付きアイゾツト衝撃強度は9.6Kg・cm/cm
と実施例2のものよりかなり低く、熱変形温度
145℃、破断強度420Kg/cm2、破断伸度20.8%であ
つた。サンプルのモルホロジーは第2図と類似の
ものであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の試料の透過型電子顕微鏡写
真、第2図は比較例1の試料の透過型電子顕微鏡
写真、第3図は比較例2の試料の透過型電子顕微
鏡写真、第4図は実施例に用いた連続重合装置の
略示図である。 1,2……槽、3……モノマー脱揮装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ビニル芳香族単量体55〜98重量%及び不飽和
    ジカルボン酸無水物2〜45重量%を主成分とする
    単量体混合物を、混合物100重量部に対しグラフ
    ト重合性エラストマー5〜30重量部の共存下にグ
    ラフト共重合せしめて耐熱・耐衝撃性樹脂を製造
    する方法において、使用するエラストマー全量の
    20乃至80%を反応の当初に添加し、且つ使用する
    エラストマー全量の80乃至20%を重合中当初添加
    のエラストマーの転相後重合率が設定した最終重
    合率の4/5に到達するまでに後添加する事を特徴
    とするスチレン系耐熱耐衝撃性樹脂の製造方法。
JP5418881A 1981-04-10 1981-04-10 Production of heat-resistant, impact-resistant styrene resin Granted JPS57168908A (en)

Priority Applications (1)

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JP5418881A JPS57168908A (en) 1981-04-10 1981-04-10 Production of heat-resistant, impact-resistant styrene resin

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JPS62112614A (ja) * 1985-11-12 1987-05-23 Sumitomo Chem Co Ltd 共重合体ゴムの変性方法
IN171050B (ja) * 1987-04-11 1992-07-04 Stamicarbon

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