JPH0141419Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、水道に連結された給水弁と、洗濯槽
内に注水する給水装置との間を水密に連通した洗
濯機に関する。

〔考案の技術的背景〕

近時洗濯機においては、洗濯槽上部の操作箱内
に配設した給水弁の吐出口と、洗濯槽に臨んで配
設され該洗濯槽内に注水する給水装置とを通水管
により水密に連通させ、前記給水装置に内設した
切換機構の操作により、該給水装置の下方に配設
した注水ケースを介して水圧を減じて洗濯槽内に
注水する状態と、水道の水圧を利用して水を洗濯
槽の内壁に向けて噴出させ洗濯槽内を洗浄する状
態とに切換え得るようにしたものが考えられてい
る。

〔背景技術の問題点〕

然しながら上記構成のものでは、給水弁が操作
箱内に設けられているため通水管の一部が操作箱
内に位置してしまうので、通水管にピンホールが
ある場合、又は冬季通水管内に残つた水が凍結し
て通水管が詰り、水圧で給水弁の吐出口と通水管
との結合が外れた場合には操作箱内に水が飛散し
て電装品を濡らしてその絶縁抵抗を低下させると
いう問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の事情に鑑みなされたもので、そ
の目的は通水管にピンホールがある場合や通水管
が外れた場合でも電装品に水が掛る虞れがなく、
その絶縁低下を未然に防止し得る洗濯機を提供す
るにある。

〔考案の概要〕

本考案は洗濯槽の上部に配設された操作箱と、
吐出口を前記操作箱から外方に突出させて配設さ
れた給水弁と、前記操作箱の外方に前記洗濯槽に
臨むよう配設された給水部材と、前記操作箱の外
方において前記給水弁の吐出口と前記給水部材と
を水密に連通させる通水管とを設けることによ
り、通水管を操作箱内に通さずとも済んで、たと
え水漏れが生じても水が操作箱内の電装品にかか
ることを防止できるようにするところに特徴を有
する。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。１は外箱、２及び３は外箱１内に併設し
た洗濯槽及び脱水槽、４はパルセータ、５は脱水
篭である。６は外箱１の上面後部に立設した操作
箱で、これの背壁部には給水弁７を配設し、この
給水弁７の給水口部７ａに水道の蛇口８に連結し
た給水ホース９を連結するようにしている。

給水弁７は洗濯槽側及び脱水槽側の各給水弁７
ｂ，７ｃを備え、洗濯槽側給水弁７ｂの吐出口７
ｄは操作箱６の底壁部６ａから隆起して形成され
た中央底壁部６ｂを貫通して外方たる下方へ突出
しており、脱水槽側給水弁７ｃの吐出口は流出端
が脱水篭５の上方に臨む通水ケース１０に臨んで
いる。１１は例えばプラスチツクのブロー成形に
より形成された通水管で、これは一端部が洗濯槽
側給水弁７ｂの吐出口７ｄに連結され、他端部側
は操作箱６の外方、即ち底壁部６ａの下方に沿つ
て洗濯槽２の左側に向けて延長されている。そし
て、前記給水弁７は、操作箱６に設けた洗いタイ
マ１２及び脱水タイマ１３の各摘み１２ａ，１３
ａを操作することにより洗濯槽側及び脱水槽側の
各給水弁７ｂ，７ｃを各別に通断電制御し、もつ
て水道からの水を通水管１１及び通水ケース１０
に選択的に供給し得るようにしている。さて第２
図及び第３図において、１４は洗濯槽２の左側上
方に配設した分配器で、これは上面を開放した略
円筒容器状を成し、上部に蓋部材６ｃを嵌合して
例えば接着により固着しその開放上面を蓋部材６
ｃにより塞ぐようにしている。そして、この分配
器１４の周壁部には右方に向けて入水口体１４ａ
を突設し、この入水口体１４ａに前記通水管１１
の他端部を連結し、もつて分配器１４内を洗濯槽
側給水弁７ｂに水密に連結している。１５は分配
器１４の内底部に形成した略円弧状の凹部、１６
及び１７はこの凹部１５内底部の両側に位置して
形成した第１及び第２の吐出口、１８はこの第１
の吐出口１６に連通するよう分配器１４の底部に
一体に突設した第１の吐出口体である。１９は給
水部材たる略有底円筒状の第２の吐出口体で、こ
れは第２の吐出口１７に連通するよう分配器１４
の底部に一体に突設して成り、下端寄り部位の周
壁部に後部を残して略全周に周方向に延びるスリ
ツト２０を形成しといる。これにより、分配器１
４内の水を第２の吐出口１７及び第２の吐出口体
１９を介してスリツト２０から洗濯槽２の内壁部
の上部に向けて噴出させ得るようにしている。２
１は凹部１５内に嵌着したパツキン板で、これに
は第１及び第２の吐出口１６及び１７に夫々連通
する透孔２２，２２を形成している。２３は切換
機構で、これは分配器１４内に回動可能に枢設し
た切換軸２４にアーム２５を突設し、このアーム
２５の先端部に下向き半球状のボール保持部２６
を形成すると共に、このボール保持部２６に前記
パツキン板２１上を転動して左右に移動するガラ
スボール２７を保持させて成る。そして、操作箱
６の底部から上方に突出する切換軸２４の上端部
には切換レバー２８を取着し、この切換レバー２
８を左右に操作することによりガラスボール２７
を左右に移動させてパツキン板２１の透孔２２，
２２ひいては第１及び第２の吐出口１６及び１７
を選択的に開閉するようにしている。尚、２９は
切換軸２４の上端近傍に設けたシール用のＯリン
グである。斯様な分配器１４、第１及び第２の吐
出口体１８及び１９、切換機構２３により、水道
からの水を第１及び第２の吐出口体１８及び１９
を選択的に介して洗濯槽２側へ供給する給水装置
３０を構成している。３１は略矩形容器状の注水
ケースで、これは分配器１４の下方に位置するよ
うに操作箱６の外底部に取着され、前面下部に幅
広な注水口３２を形成している。これにより、分
配器１４内から第１の吐出口１６及び第１の吐出
口体１８を通つて流れ落ちる水を注水ケース３１
により一旦受け、水勢を弱め即ち、水圧を減して
注水口３２から洗濯槽２内に給水する所謂ソフト
給水を行うものである。３３は通水管１１の下方
及び側方を覆うように配設された樋状の水受部材
で、これは注水ケース３１の右方に一体に形成さ
れ且つ底部が注水ケース３１側に向けて下降傾斜
している。そしてこの注水ケース３１及び水受部
材３３は、水受部材３３の側壁上端部に形設した
複数の係合爪３３ａにより操作箱６の底壁部６ａ
に着脱可能に取着されている。

次に上記構成の作用を説明する。まず、洗濯槽
２において洗剤洗いを行うべく水を貯留するに
は、切換レバー２８を右側に回動させて第２の吐
出口１７を閉鎖し、洗いタイマの摘み１２ａを所
定位置に回動操作する。これにより、洗濯槽用切
換弁７ｂが開放して水道からの水が給水弁７から
通水管１１を通つて分配器１４内に流入して充満
し、第１の吐出口１６及び第１の吐出口体１８を
通つて注水ケース３１内に流入し、更に注水ケー
ス３１の注水口３２から洗濯槽２内に流れ落ち
る。このように、第１の吐出口体１８から流れ落
ちる水は、一旦注水ケース３１に受けられた後に
溢れ出るような形態で流れ落ちるから、水勢が十
分に弱められ、従つてほとんど水はねを生ずるこ
となく給水することができる。洗濯槽２内に所定
量の洗い水が貯留されると図示しない水位スイツ
チが作動して洗いタイマ１２の計時作動が開始さ
れると共にパルセータ４が回転して洗剤洗いが行
なわれる。このような洗剤洗い後、洗濯槽２内の
洗い水を排水すると共に、洗濯物を脱水篭５内に
移し替えて脱水すすぎを行う。

而して、洗濯槽２内の洗い水を排水した後に、
洗濯槽２の内壁部に泡やリントが付着して残るこ
とがある。この場合には、洗いタイマ１２の摘み
１２ａを回動操作し、切換レバー２８を左側に操
作して第２の吐出口１７を開放すると共に第１の
吐出口１６を閉鎖する。これにより、分配器１４
内の水が第２の吐出口体１９のスリツト２０から
薄い膜状となつて噴出し、洗濯槽２の内壁上部に
当つて内壁部の泡やリントを洗い流す。このと
き、第２の吐出口体１９内は分配器１４、通水管
１１及び給水弁７を順に介して水道に水密に連結
された形態となつているから、水道の水圧が第２
の吐出口体１９内の水に直接作用し、スリツト２
０から水が強い勢いで噴出する。従つて、この水
は途中で勢いを失うことなく洗濯槽２の内壁上部
に至り、洗濯槽２を十分に洗浄することができ
る。

尚、洗濯槽２の洗浄時、洗いタイマ１２の摘み
１２ａを回動操作しても洗濯槽２内に水は貯留さ
れていないから水位スイツチは作動せず、従つて
パルセータ４が空回りする虞れはない。また、洗
浄が終了した時は洗いタイマ１２の摘み１２ａを
元位置まで逆に強制的に回動操作すれば洗濯槽用
給水弁７ｂが閉じて給水が停止される。

ところで通水管１１はブロー成形であるためピ
ンホールが発生し易いという事情にある。通水管
１１にピンホールがあると、通水管１１内には水
道の水圧がかかつているので、水はピンホールか
ら噴出する。然しながら水が通水管１１の上方へ
噴出したとしても、その水は操作箱６の底壁部６
ａ下面に当つて水受部材３３内に落下し、また水
が通水管１１の側方或は下方に噴出したとして
も、それらの水は水受部材３３の内側壁及び内底
壁に当つて水受部材３３の底部に集められ、結局
いずれの場合でも水受部材３３から注水ケース３
１内に流入し、注水ケース３１の給水口３２から
洗濯槽２内に流下する。また、冬季に万一通水管
１１や分配器１４内の水が凍結して閉塞状態にな
り、水圧で通水管１１が給水弁７の吐出口７ｄや
分配器１４の入水口体１４ａから外れたような場
合に、それに気付かず給水操作をしたとしても、
給水弁７から吐出される水は水受部材３３に直接
受けられて注水ケース３１に流れ、注水口３２か
ら洗濯槽２内に流下する。

上記実施例によれば、通水管１１にピンホール
があつたり、通水管１１が給水弁７の吐出口７ｄ
や分配器１４の入水口体１４ａから外れたりした
場合でも、操作箱６の内外を遮断している底壁部
６ａによつて水が内部へ侵入することを防止でき
るので、操作箱６内の給水弁７、洗い及び脱水タ
イマ１２及び１３等の電装品に水がかかつてそれ
らの絶縁を低下させる虞れはない。また、特に水
受部材３３を注水ケース３１に連通させたから万
一通水管１１から噴出したとしても、その水は水
受部材３３から注水ケース３１の注水口３２を経
て洗濯槽２内へ流下されるようになり、通常洗濯
槽２へ注水する時と同一形態をとるので、ピンホ
ール程度の軽微な漏水によつて使用者に対して不
安感を与える虞れはない。又水受部材３３を操作
箱６に対し着脱可能にしたから、通水管１１の補
修に際しては、水受部材３３を操作箱６から取外
すことにより操作箱６下方を解放して通水管１１
を露出させるようにでき、もつて従来のように操
作箱６内の狭溢な空間で通水管１１の交換作業を
せずとも済み、頗る好都合である。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案は給水
弁の吐出口と給水部材とを水密に連通させる通水
管を操作箱の外方に配設したので、万一通水管か
ら漏水が生じたとしても水が飛散して操作箱内の
電装品の絶縁抵抗を低下させてしまうことを未然
に防止できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は全体の縦断正面図、第２図は一部除去して示す
部分平面図、第３図は給水装置の拡大部分縦断面
図、第４図は操作箱下部の縦断正面図である。 図中、２は洗濯槽、６は操作箱、７は給水弁、
７ｄは吐出口、１１は通水管、１９は第２の吐出
口体（給水部材）、３０は給水装置、３１は注水
ケース、３３は水受部材を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯槽の上部に配設された操作箱と、吐出口を
   前記操作箱から外方に突出させて配設された給水
   弁と、前記操作箱の外方に前記洗濯槽に臨むよう
   配設された給水部材と、前記操作箱の外方におい
   て前記給水弁の吐出口と前記給水部材とを水密に
   連通させる通水管とを具備して成る洗濯機。