JPH0140765Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はボデイーサイドトリム等の自動車の
インナーパネルの側面に添設される内装材の改良
に関する。

自動車用内装材、特にボデイーサイドトリム等
のトリムメンバーにあつては、第１図に示すよう
にインナーパネル１の各部の面形状にトリムされ
た内装材２，２……をクリツプ等を介してワンタ
ツチで固着している。またこのように各面形状に
沿つて形成されるトリムメンバーにあつては、室
内衝撃に対する乗員保護などの目的でこれを発泡
品で構成するものが多い。

そして、このような内装材２をインナーパネル
１に取付けるに当り、インナーパネル１と内装材
間に多少の間隙が生じたりあるいはクリツプの嵌
め込みが堅くなかつたりした場合には、自動車の
振動などでその内装材がガタついたり、いわゆる
ビビリ音を発生する原因となるため、これら内装
材に、第２図に示すように内装材２を構成する芯
材３の背面にフエルトあるいは発泡ポリウレタン
スラブ材の如きクツシヨン材４をステツプル５に
よつて固定するようにしたものがある。

しかして、このような内装材２を取付けた場合
には上記クツシヨン材４によつてインナーパネル
の振動等が減衰され、取付誤差等によるガタつき
もなくなるという利点を有する。

しかしながらこのようなクツシヨン材４を芯材
３の裏面に裏打ちした内装材にあつては、上述の
ようにステツプル５によつて固定するためにその
取付工数が大となるとともに、上記クツシヨン材
または芯材が厚いものである場合にはステツプル
５の爪が芯材３に喰い込まなくなつてしまつて使
用ができない等の欠点が指摘されていた。

そこで本考案は上記の如き発泡品からなる自動
車用内装材においてその背面に設けられるクツシ
ヨン材の取付を発泡成形時において同時に一体化
した自動車用内装材を提供するものである。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第３図、第４図においてこの考案に係る自動車
用内装材１０は、その周縁を裏面側に向けて湾曲
するとともに、上述のインナーパネル１の形状に
沿つてその外周を適宜の形状にトリムカツトされ
た芯材１１と、この芯材１１の表面側に形成され
た発泡層１２と、この表面を覆うスプレースキン
層１３とからなり、かつ上記芯材１１の裏面には
フエルトあるいはウレタン発泡体からなる連続気
泡性のクツシヨン材１４が設けられている。そし
て、上記芯材１１の適宜位置には、透孔１１ａ，
１１ａ……が穿設されており、上記発泡層１２は
上記透孔１１ａを通じて上記クツシヨン材１４の
裏面側に含浸され、その状態で硬化し、これによ
つてアンカー部１２ａ，１２ａ……を形成し、こ
のアンカー部１２ａの投錨効果によつて上記クツ
シヨン材１４を芯材１１の裏面に固定している。

以上のように構成された内装材１０の成形方法
について説明すると、先ず、第５図は内装材の成
形用金型を示すもので、このものは下型２０と、
この下型の２０一側部にヒンジ２１を介して係合
可能な上型２２とからなり、上記下型２０にはシ
リコンライナ２３が嵌合され、かつこのシリコン
ライナ２３の内面を型面としている。そして上記
上型２０に上述の芯材が装着されるとともに、そ
の芯材１１の背面には上述のクツシヨン材１４が
配置されている。上記シリコンライナ２３の内面
にはスプレースキン層がスプレーによつて形成さ
れている。このスプレースキン層、すなわち上述
の表皮層１３はウレタンエラストマからなる強靭
な皮膜を形成するものであつて、上記下型２０に
上型２２を嵌合した状態では上述の発泡層１２に
対応するキヤビテイが形成されるようになつてい
る。このキヤビテイ内には発泡性樹脂液が注入さ
れ、両金型２２，２３を係合した状態でこれに形
成されたキヤビテイ内で発泡し空隙内に充満され
るようになつており、またこの発泡圧によつて芯
材１１に形成された透孔１１ａを介して上述のク
ツシヨン材１４側の裏面に浸透するようになつて
いる。従つて図に示す状態から発泡性樹脂液が発
泡開始し、これによつて上記発泡性樹脂液は透孔
１１ａを通じて上記クツシヨン材１４内に浸透し
この状態で固化する。これによつて同第３図に示
す如きアンカー部１２ａを形成して芯材１１の裏
面にクツシヨン材１４を固定することになる。な
お、同第５図において符号２５で示すものは上記
上型２２の下面に突設されて上記芯材１１の裏面
に当接され、これによつて発泡圧による芯材１１
の反りあるいは撓み等を防止するためのセツトピ
ンである。

従つて本考案にあつては上述の発泡層の投錨効
果によつてクツシヨン材を貼り合わせるようにし
たために、後工程によつてクツシヨン材を貼り合
せることが不要になり、コスト的に低減しまたク
ツシヨン材として厚みの厚いものが使用可能であ
り、更にその芯材が薄いものでも厚いものであつ
てもその固着効果には変わりがないので何れの材
料を持つてしても上述のように簡単にクツシヨン
材を貼り合せることができる。

またこの考案にあつては、発泡成形時において
発生するガスの一部がクツシヨン材の空隙内に移
行して一種のガス抜き効果が生じ、このために生
成するウレタン発泡体のセル形状が良好となり、
良好な形成が行なえる等の効果も奏することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車のボデイーサイドおよびそのボ
デイーサイドの面形状に合せて貼着されるボデイ
ーサイドトリムを示す部分斜視図、第２図は第１
図におけるＡ−Ａ線断面図、第３図はこの考案に
よる内装材の断面図、第４図同分解斜視図、第５
図は同内装材の成形方法を示す金型の断面図であ
る。 １０……内装材、１１……芯材、１１ａ……透
孔、１２……発泡層、１３……表皮層、１４……
クツシヨン材、１２ａ……アンカー部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のインナーパネルの面形状に合せてその
   外形をトリムされた芯材と、該芯材表面を覆う表
   皮材間に発泡性樹脂液を注入し、発泡させること
   によつて三者を一体化し、かつ上記芯材裏面にク
   ツシヨン材を介在してインナーパネルに添設する
   ようにした内装材において、上記芯材の適宜位置
   に透孔を穿設するとともに、芯材の裏面にクツシ
   ヨン材を配設し、かつ上記発泡性樹脂液を透孔を
   通じてクツシヨン材に含浸硬化せしめることによ
   りクツシヨン材を芯材裏面に固着するようにした
   自動車用内装材。