JPH0139944Y2

JPH0139944Y2 -

Info

Publication number: JPH0139944Y2
Application number: JP1981186875U
Authority: JP
Priority date: 1981-12-14
Filing date: 1981-12-14
Publication date: 1989-11-30
Also published as: JPS5891023U

Description

【考案の詳細な説明】〔考案の目的〕（産業上の利用分野）本考案は、クラツチデイスクに関する。

（従来技術）変速機は、回転力変換を速やかにかつ連続的に
行うために同期装置が設けられ、所定の回転が得
られるようになつている。しかし、この同期装置
には動力切断時に有する回転部分の慣性モーメン
トの大小が同期時間を短縮し速やかな変換ができ
るか否かの大きな要因となる。一般に回転部分の
慣性モーメントはクラツチデイスクの占める率が
他の回転部分より大きく、変速機内部に設けられ
ている同期装置の同期時間は殆どクラツチデイス
クの慣性モーメントにより決定される。

また、エンジン回転数の上昇に伴う高速領域で
の変換、例えば高速時のエンジンブレーキ等が必
要となり、変速時の同期時間の長短が致命的な原
因となるまでになり、クラツチデイスクの慣性モ
ーメントをより小さくすることが要望されてい
る。

更に、高速域での変換、特に減速変換時には異
常な回転となりクラツチデイスクの慣性アンバラ
ンスをも考慮する必要が生じている。

而して、バランスをとる場合、クツシヨンプレ
ートに形成されたリベツト取付孔にリベツト状バ
ランスピースを装着して行うのが普通である。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、このバランス修正は従来殆ど行
われていない。何故なら、一般的にクラツチデイ
スクにおいては、デイスクプレートの外周部にデ
イスクスプリング、リベツト、バランスピース等
が配置され、ダンパー窓の位置は半径方向に制限
を受ける。

本考案の目的は、上記従来の欠点を解消し、容
易にバランス修正が可能なクラツチデイスクを得
ることにある。

（課題を解決するための手段）本考案のクラツチデイスクは、クラツチハブの
ストツパ切欠部を利用してクツシヨンプレートに
形成されたリベツト孔にリベツト状バランスピー
スを挿入かしめ止めできるよう、サブプレートに
逃げ用切欠凹所を設けたことを特徴としている。

（実施例）以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

（実施例の構成）クラツチデイスクを示す第１図〜第３図におい
て、１０は回転軸（図示略）にスプライン嵌合さ
れ取付けられるクラツチハブで、その外周には複
数個（図面では６個）の窓孔１２ａ及び１２ｂを
有する円板状フランジ１１が一体的に形成されて
おり、これらの部材にて被駆動部材を構成する。

１３，１４はクラツチフエーシング、１５はこ
れらの中間に介在されたクツシヨンプレートで、
クラツチフエーシング１３，１４はクツシヨンプ
レート１５にリベツト１６によつて取付けられて
いる。このクツシヨンプレート１５は、前記フラ
ンジ１１の窓孔に対応する窓孔をそれぞれ有して
おり、その外周部分の複数箇所には、後述するバ
ランスピースが取付けられるリベツト孔１７が適
数個宛形成されている。

１８はデイスクプレートであり、前記フランジ
１１に形成された窓孔１２ａ及び１２ｂにそれぞ
れ対応した窓孔が形成されている。１９はサブプ
レートで、前記デイスクプレート１８と同様な窓
孔をそれぞれに有している。前記クラツチフエー
シング１３，１４を装着したクツシヨンプレート
１５、並びにデイスクプレート１８及びサブプレ
ート１９は、前記フランジ１１の両側に近接して
配置され、これらはストツパピン２０で共に一体
に結合されて駆動側部材を構成する。また、これ
らの両プレート１８，１９とフランジ１１の前記
各窓孔にはダンパー装置が介装されて、前記駆動
側部材と被駆動側部材は弾性的に連結されてお
り、相対運動ができるように構成されている。

尚、前記ダンパー装置は、それぞれ複数個のコ
イルスプリング２１及びゴム弾性体２２により形
成され、また、フランジ１１の外周部分には前記
両者の相対運動がある捩じり角変移に達したとき
に、フランジ１１が前記ストツパピン２０と係合
するようにストツパ切欠部２３が設けられてい
る。

以上の構成は、従来公知のクラツチデイスクの
構成と同じであるが、この実施例においてはサブ
プレート１９に設けた工作用切欠凹所２５の構造
に特徴を有するものであつて、この切欠凹所２５
によつて必要に応じてクラツチデイスクにおける
バランス修正を行うための、バランスピースの装
着作業（かしめ止め）を容易に行わしめる構造に
なつている。

すなわち、切欠凹所２５は第１図に示すよう
に、サブプレート１９の外周部分にあつて前記ス
トツパピン２０の近傍一で、かつ複数個所（図面
では４個所）に形成されていて、前記クツシヨン
プレート１５の外周部に設けられたリベツト孔１
７にリベツト状バランスピース２４を挿入して、
これをプレス等の押圧手段にてかしめ止めされる
もので、第３図に示すようにクツシヨンプレート
１５とデイスクプレート１８とを結合するように
装着されるものである。

（実施例の作用、効果）本実施例にかかるクラツチデイスクでは、従来
のクラツチデイスクの構造を変更することなく、
サブプレート１９に設けた適数個の切欠凹所２３
により、リベツト状バランスピース２４の取付け
が簡単にできて、クラツチデイスクにおけるアン
バランスの修正が容易可能となる。また、サブプ
レート１９の半径を大きくでき、切欠凹所２５の
開口を利用してリベツト状バランスピース２４を
かしめ固着できる。このように本実施例では、サ
ブプレート１９の半径を極力大きくできるので、
そのぶん、ダンパー装置を構成するコイルスプリ
ング２１、ゴム弾性体２２の作用半径（つまり、
回転中心からダンパー装置までの距離）を大きく
確保することができる。故に、ダンパー装置を構
成するコイルスプリング２１、ゴム弾性体２２の
ばね定数が同じであつても、ダンパー装置のスト
ツパトルクを大にすることができ、ダンパー装置
によるダンパー機能を良好に発揮できる。

（考案の効果）以上、詳細に説明した如く、本考案にかかるク
ラツチデイスクでは、フランジ及びデイスクプレ
ート、サブプレート、サブプレート等の各プレー
ト上において、ダンパー装置の作用半径を最大限
大きくとることができ、従つてクラツチデイスク
の摩擦力を大きくとり、トルク伝達を小さくし
て、唸り共振によるこもり音の減少を期し、かつ
バランスをとることにより回転ムラによるこもり
音の発生を防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す一部切欠断面
平面図、第２図は第１図のＡ−Ｏ−Ａ断面図、第
３図は第１図のＢ−Ｏ−Ｂ断面図である。図の主要部分の説明、１０……クラツチハブ、
１１……フランジ、１２ａ，１２ｂ……窓孔、１
３，１４……フエーシング、１５……クツシヨン
スプリング、１６……リベツト、１７……リベツ
ト孔、１８……デイスクプレート、１９……サブ
プレート、２０……ストツパピン、２１……コイ
ルスプリング、２２……ゴム弾性体、２３……フ
ランジのストツパ切欠部、２４……リベツト状バ
ンスピース、２５……サブプレートに設けられた
切欠凹所。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

回転軸に嵌合されるクラツチハブと、このクラ
ツチハブの外周に固定され複数個の窓孔及び複数
個のストツパ切欠部を有するフランジと、このフ
ランジの両側に配置されこのフランジの前記窓孔
に対応した窓孔を各々有しストツパピンで結合さ
れるサブプレート、クツシヨンプレート及びデイ
スクプレートと、これらプレートと前記フランジ
の窓孔に介装され弾性的に連結するダンパー装置
と、前記クツシヨンプレートに装着したフエーシ
ングとを具備したクラツチデイスクにおいて、前
記フランジのストツパ切欠部を利用して前記クツ
シヨンプレートに形成されたリベツト孔にリベツ
ト状バランスピースを挿入かしめ止めできるよ
う、前記サブプレートに切欠凹所を設けたクラツ
チデイスク。