JPH0138980Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、AGCおよびMGC付き増幅器に関
し、特にAGCとMGCとの切換回路に関する。

従来のAGCおよびMGC付き増幅器には、例え
ば第１図に示すようなものがある。すなわち入力
端子１に供給された入力信号とパイロツト信号と
を増幅回路２、利得調整回路３、増幅回路４で順
に増幅し、１分岐器５を介して出力端子６に供給
し、１分岐器５の分岐出力をパイロツト信号判別
回路７に供給して、パイロツト信号の有無を判別
し、パイロツト信号が存在している場合には
AGC回路８に第１付勢信号９を供給してAGC回
路８を作動させてAGC電圧１０を利得調整回路
３に供給し、パイロツト信号が不存在の場合には
MGC回路に第２付勢信号１２を供給してMGC回
路１１を作動させてMGC電圧１３を利得調整回
路３に供給するものである。なお、１４はAGC
電圧１０を得るためにAGC回路８に供給するパ
イロツト信号である。このようなAGCおよび
MGC付き増幅器は共同聴視装置の一部としてケ
ーブルを介して多段接続して使用することが多
く、この増幅器のAGC電圧１０は気温等の変化
に応じてケーブルの減衰量が変化しても所定の出
力レベルが得られるように利得が変化するが、
MGC電圧１３はこの増幅器を設置したとき、あ
るいは点検時に設定されたままであり、気温等の
変化があつても一定値である。従つてAGCから
MGCに切換わつたとき、AGC電圧１０とMGC
電圧１３は一致しないことがあり、MGCに切換
わつたとき、この増幅器の利得が、これら増幅器
を接続しているケーブルの温度変化による減衰量
の変化分だけ増減し、後段に接続されている増幅
器のレベル変化が大きくなり、端末の画質にスノ
ーノイズ、相互変調、混変調等の障害が発生す
る。特に例えば冬季にMGC電圧１３を設定し、
夏季にAGCからMGCに切換わつたとすると、夏
季と冬季との温度差を30℃、ケーブルの温度変化
率を0.2％／℃とすると、ケーブル減衰量の変化
量は0.2×30＝６％となり、20dB／250MHzのケ
ーブルでは20×0.06＝1.2dBの変化となり、30段
縦続とすると、1.2×30＝36dBも変化することに
なる。

この考案は、AGC電圧とMGC電圧との差を小
さくし、AGCとMGCとを切換えても増幅器のレ
ベル変動を生じないようにしたAGCおよびMGC
付き増幅器を提供することを目的とする。

以下、この考案を第２図に示す１実施例に基づ
いて詳細に説明する。この実施例は、従来のもの
とはMGC回路１１を除去してＡ／Ｄ変換回路１
５、データ記憶回路１６、Ｄ／Ａ変換回路１７、
タイマ回路１８を設けた点が異なつている。従来
のものと同等部分には同一符号を付して、その説
明を省略する。

タイマ回路１８は、パイロツト信号判別回路７
がパイロツト信号が存在する場合に生成する第１
付勢信号９に応動して一定時間おきに例えば24時
間または12時間おきに第３付勢信号１９をＡ／Ｄ
変換回路１５およびデータ記憶回路１６に供給す
る。

第３付勢信号１９にＡ／Ｄ変換回路１５は応動
して、その時AGC回路８が生成しているAGC電
圧１０をデイジタル信号に変換する。このデイジ
タル信号をデータ記憶回路１６が第３付勢信号１
９に応動して記憶する。この記憶は第３付勢信号
１９が発生するごとにそのときのデイジタル信号
に更新される。すなわち、第１付勢信号１９が存
在する間、例えば24時間または12時間おきにデー
タ記憶回路１６の記憶値は更新される。

パイロツト信号判別回路７がパイロツト信号が
不存在であることにより生成する第２付勢信号１
２に応動してデータ記憶回路１６は、その記憶値
を読み出す。この読み出された記憶値をＤ／Ａ変
換回路１７がアナログ信号に変換し、これを
MGC電圧２０として利得調整回路３に供給する。

従つて、パイロツト信号が存在し、AGC回路
８が作動している間には一定時間おきにタイマ回
路１８が第３付勢信号１９を生成したときの
AGC電圧１０をデイジタル化したもののうち常
に最新のものが記憶されており、パイロツト信号
が不存在のときには、その最新のものが読み出さ
れ、Ｄ／Ａ変換されMGC電圧２０として利得調
整回路３に供給される。

このようなAGCおよびMGC付き増幅器では、
一定時間経過ごとにデータ記憶回路１６の記憶値
をそのときのAGC電圧をデイジタル化したもの
に更新することにより、データ記憶回路１６には
今までタイマ回路１８が第３付勢信号１９を発生
したときの各AGC電圧の中で最も最近のものを
デイジタル化したものが記憶されるように構成
し、パイロツト信号が不存在となりAGC回路８
が動作を停止したとき、第３付勢信号が発生した
ときの各AGC電圧の中で最も最近のものをデイ
ジタル化したものであるデータ記憶回路１６の記
憶値を読み出して、MGC電圧２０に変換して利
得調整回路３に供給しているので、このような増
幅器を多段接続するのに用いているケーブルの減
衰量が温度変化によつて変化していてもパイロツ
ト信号が不存在となるAGC電圧にほぼ等しい
MGC電圧２０を得られ、端末の画質にスノーノ
イズ、相互変調、混変調等の障害が生じることは
ない。

上記の実施例では、データ記憶回路１６を１つ
設けたが、これに代えてｎ個の番地を有するメモ
リを設け、タイマ回路１８が第３付勢信号１９を
発生するたびに一定時間のAGC電圧をｎ個のデ
イジタル信号に変換し、これらデイジタル信号を
順に１番地からｎ番地まで記憶させておき、第２
付勢信号が発生している間、メモリの１番地から
ｎ番地までの各デイジタル信号の読み出しを繰り
返し行なう構成としてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のAGCおよびMGC付き増幅器の
ブロツク図、第２図はこの考案によるAGCおよ
びMGC付き増幅器のブロツク図である。 １……入力端子、３……利得調整回路、６……
出力端子、７……パイロツト信号判別回路、８…
…AGC回路、９……第１付勢信号、１０……
AGC電圧、１２……第２付勢信号、１５……
Ａ／Ｄ変換回路、１６……データ記憶回路、１７
……Ｄ／Ａ変換回路、１８……タイマ回路、１９
……第３付勢信号、２０……MGC電圧。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入力信号のみまたは上記入力信号とパイロツト
   信号とが供給される入力端子と出力端子との間
   に、AGC電圧またはMGC電圧に応じて利得を調
   整する利得調整回路を有する増幅器であつて、上
   記出力端子に生じる信号に上記パイロツト信号が
   含まれているとき第１付勢信号を生成し上記パイ
   ロツト信号が含まれていないとき第２付勢信号を
   生成するパイロツト信号判別回路と、第１付勢信
   号が生成されている期間中上記AGC電圧を生成
   するAGC回路と、第１付勢信号が生成されてい
   る期間中所定時間経過ごとに第３付勢信号を生成
   するタイマ回路と、第３付勢信号が生成されるご
   とに上記AGC電圧をデイジタル信号に変換する
   Ａ／Ｄ変換回路と、第３付勢信号が生成されるご
   とに記憶値を上記デイジタル信号に更新し第２付
   勢信号が供給されている期間中上記記憶値を読み
   出すデータ記憶回路と、第３付勢信号が供給され
   ている期間中上記読み出した記憶値を上記MGC
   電圧に変換するＤ／Ａ変換器とを具備するAGC
   およびMGC付き増幅器。