JP3247526B2 - オーディオ信号のレベル調整装置 - Google Patents

オーディオ信号のレベル調整装置

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  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばテープレコー
ダ等のオーディオ機器に適用して好適なオーディオ信号
のレベル調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ライン入力端子およびマイク入力
端子を有するテープレコーダ等のオーディオ機器におい
ては、ライン入力端子に供給されるオーディオ信号(以
下「ライン信号」という)に対してマイクロホンよりマ
イク入力端子に供給されるオーディオ信号(以下「マイ
ク信号」という)のレベルが一般的に小さいことから、
マイク信号をマイクアンプで増幅してライン信号と同等
のレベルにする構成がとられていた。図4は従来のレベ
ル調整装置の構成例を示している。
【0003】図4において、1はマイク入力端子であ
り、このマイク入力端子1に供給されるマイク信号SM
はマイクアンプ2を介して切換スイッチ3のa側の固定
端子に供給される。マイクアンプ2には外部利得切換ス
イッチ4が接続され、このスイッチ4のオンオフによっ
てマイクアンプ2の利得切り換えが行なわれる。例え
ば、マイク入力端子1に供給されるマイク信号SMのレ
ベルが大きいときにはマイクアンプ2の利得が小さくさ
れて、出力信号レベルがマイクアンプ2のダイナミック
レンジ内に収まるようにされ、クリップ等による歪の発
生が防止される。
【0004】また、5はライン入力端子であり、このラ
イン入力端子5に供給されるライン信号SLは切換スイ
ッチ3のb側の固定端子に供給される。切換スイッチ3
がa側に接続されるときはマイクアンプ2で増幅された
マイク信号SMが選択され、一方切換スイッチ3がb側
に接続されるときは、ライン信号SLが選択される。
【0005】切換スイッチ3で選択されたオーディオ信
号は、レベル調整用のボリューム(可変抵抗器)6を介
してラインアンプ7に供給される。図示せずも、ライン
アンプ7で増幅されたオーディオ信号は記録系等の次段
回路に供給される。
【0006】ところで、このマイク信号SMの信号レベ
ルは一般に−70dBV〜−20dBV程度とレベル幅
が大きく、マイクアンプ2の利得およびマイク信号SM
の信号レベルが共に小さい場合には、マイクアンプ2の
出力信号レベルが小さくレベル調整用のボリューム6の
減衰量を最低にしても所望する出力信号を得られない。
また、マイクアンプ2の利得およびマイク信号SMの信
号レベルが共に大きい場合には、マイクアンプ2の出力
信号がクリップし歪率の悪化を招く等の問題点があっ
た。
【0007】そこで、外部利得切換スイッチ4によりマ
イク信号SMの信号レベルに合わせてマイクアンプ2の
利得を切り換えている。つまり、マイク信号SMの信号
レベルが小さい場合はマイクアンプ2の利得を大きいも
のとし、マイクアンプ2の出力信号を大きくすることで
ボリューム6より所望するレベルの出力信号が得られる
ようにする。また、マイク信号SMの信号レベルが大き
い場合には、マイクアンプ2の利得を小さいものとして
マイクアンプ2の出力信号がクリップすることを防止す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のレベル
調整装置においては、マイク入力端子1に供給されるマ
イク信号SMのレベルに応じて外部利得切換スイッチ4
をオンオフ操作してマイクアンプ2の利得を切り換える
必要があり、使用者にとって非常に煩わしいといった問
題点があった。
【0009】なお、マイクアンプ2のダイナミックレン
ジが大きければ、マイク信号SMの信号レベルが大きく
とも出力信号がダイナミックレンジ内に収まるので、マ
イクアンプ2の利得を小さい方に切り換える必要はな
い。しかし、ダイナミックレンジを大きくとるためには
電源電圧を高くすることが必要となり、電池を電源とす
るポータブル機器に適用することは困難である。
【0010】そこで、この発明ではポータブル機器にも
容易に適用できると共に、使用者の操作性を向上させた
オーディオ信号のレベル調整装置を提供するものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、入力オーデ
ィオ信号を増幅すると共にその利得を複数段階に切り換
えることができる増幅手段と、この増幅手段より出力さ
れるオーディオ信号を減衰させて出力オーディオ信号を
得ると共にその減衰量を複数段階に切り換えることがで
きる減衰手段と、上記減衰手段の減衰量を可変する操作
を行うための操作手段と、上記増幅手段の利得を切り換
え制御すると共に上記操作手段の出力に基づいて上記減
衰手段の減衰量を切り換え制御する制御手段とを備え、
上記制御手段は、上記操作手段での操作によって上記減
衰手段の減衰量が所定量を越えたとき、上記増幅手段の
利得を切り換えると共に上記減衰手段の減衰量を所定の
に切り換えるものとして、上記出力オーディオ信号の
信号レベルを上記操作手段での操作に応じて連続して可
変するものである。
【0012】
【作用】この発明において、入力されるオーディオ信号
に対し所望レベルの出力オーディオ信号を得ようと減衰
手段の減衰量を切り換える場合、減衰量が所定値を越え
たときに増幅手段の利得が切り換えられると共に減衰手
段の減衰量が一定値に切り換えられるものであり、入力
オーディオ信号のレベルに適するよう増幅手段の利得が
自動的に切り換えられる。
【0013】そのため、使用者は増幅手段の利得を切り
換える操作をする必要がなく、操作性を高めることが可
能となる。また、増幅手段のダイナミックレンジをそれ
程大きくする必要がなく、ポータブル機器にも容易に適
用し得る。
【0014】
【実施例】以下、図1を参照しながら、この発明に係る
オーディオ信号のレベル調整装置の一実施例について説
明する。この図1において、図4と対応する部分につい
ては同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0015】図1において、マイク入力端子1に供給さ
れるマイク信号SMは、利得を20dB・32dB・4
4dBの3段階に12dB間隔で切り換えできるマイク
アンプ8に供給される。マイクアンプ8で増幅されたマ
イク信号SMは切換スイッチ3のa側の固定端子に供給
される。また、切換スイッチ3で選択されたオーディオ
信号はレベル調整用のボリューム9に供給される。ここ
でボリューム9は、外部からの電気信号によって減衰量
が制御されるいわゆる電子ボリュームである。このボリ
ュームでは例えば0dBから−32dBまで0.5dB
間隔で減衰量が制御される。
【0016】ここで、0dBは入力信号を減衰すること
なく出力する状態である。また、−32dBは入力信号
を32dBだけ減衰させて出力する状態であって入力信
号をもっとも減衰させる状態である。
【0017】このボリューム9より出力されるオーディ
オ信号はラインアンプ7に供給される。
【0018】上述したボリューム9の減衰量は、マイク
ロコンピュータ(以下「マイコン」という)10によっ
て制御される。マイコン10には、減衰量を減少させる
操作を行なうアップキー11と減衰量を増加させる操作
を行なうダウンキー12が接続される。アップキー11
が押される毎にボリューム9の減衰量は0.5dBずつ
減少され、ダウンキー12が押される毎に減衰量は0.
5dBずつ増加される。
【0019】切換スイッチ3がa側に接続されてマイク
信号SMが選択される場合には、マイクアンプ8の利得
(以下「アンプゲイン」という)はボリューム9の減衰
量(以下「VR減衰量」という)に関連付けられてマイ
コン10により切り換えられる。
【0020】ここで、図2を参照して、ボリュームの減
衰量とアンプゲインとの関係を述べる。この場合、アン
プゲインが44dBで、VR減衰量が0dBとなるよう
に例えば電源オン時にイニシャライズされる。
【0021】まず、ボリューム9の出力信号のレベルが
小さくなるようにダウンキー12によってVR減衰量を
増加させる方向(ボリュームダウン方向)に操作した場
合について述べる。
【0022】例えば、アンプゲインが44dBに設定さ
れている場合で、VR減衰量を0dBから−12dBへ
とVR減衰量を順次増加させてもアンプゲインの切り換
えは行なわれないが、−12dBを越えるとアンプゲイ
ンは44dBから32dBに切り換えられると共に、ア
ンプゲインの切り換えにより生じる12dBのゲイン差
が補正されるようVR減衰量は−0.5dBに切り換え
られる。またアンプゲインが32dBに設定されている
場合も同様に、VR減衰量が−12dBを越えるとアン
プゲインは32dBから20dBに切り換えられると共
に、VR減衰量は−0.5dBに切り換えられる。
【0023】なお、アンプゲインとVR減衰量の切り換
えは、切り換えによってボリューム9からレベルの大き
いオーディオ信号が出力されないようアンプゲインの切
り換えが行なわれたあとにVR減衰量の切り換えが行な
われる。
【0024】アンプゲインが20dBに設定されている
場合には、アンプゲインが最小の段階に設定されている
ことからVR減衰量が−12dBを越えてもアンプゲイ
ンはそのままで、またVR減衰量は−0.5dBに設定
が変更されることなく−12.5dBから−32dBま
で引続き下げられる。
【0025】次に、ボリューム9の出力信号のレベルが
大きくなるようにアップキー11によってVR減衰量を
減少させる方向(ボリュームアップ方向)に操作した場
合について述べる。
【0026】例えば、アンプゲインが20dBに設定さ
れている場合は、VR減衰量を−32dBから−0.5
dBへとVR減衰量を順次減少させてもアンプゲインの
切り換えは行なわれないが、−0.5dBを越えるとア
ンプゲインは20dBから32dBに切り換えられると
共に、アンプゲインの切り換えにより生じる12dBの
ゲイン差が補正されるようVR減衰量は−12dBに切
り換えられる。またアンプゲインが32dBに設定され
ている場合も同様に、VR減衰量が−0.5dBを越え
るとアンプゲインは32dBから44dBに切り換えら
れると共に、VR減衰量は−12dBに切り換えられ
る。
【0027】なお、アンプゲインとVR減衰量の切り換
えは、切り換えによってボリューム9からレベルの大き
いオーディオ信号が出力されないようVR減衰量の切り
換えが行なわれたあとにアンプゲインの切り換えが行な
われる。
【0028】アンプゲインが44dBに設定されている
場合には、アンプゲインが最大に設定されていることか
らVR減衰量が−0.5dBを越えても−12dBに設
定が変更されることなく0dBとなる。
【0029】切換スイッチ3がb側に接続されてライン
信号SLが選択される場合には、VR減衰量はアンプゲ
インとは無関係に0dB〜−32dBの範囲で0.5d
B間隔で切り換えられる。
【0030】本例においては、切換スイッチ3がa側に
接続されてマイク信号SMが選択される場合、上述した
ようにアンプゲインはVR減衰量の切り換えに応じて自
動的に切り換えられる。図3には、アンプゲイン、VR
減衰量とマイク信号SMおよびボリューム出力信号のレ
ベル関係の一例を示している。
【0031】例えば、−56dBVのマイク信号SMが
入力された場合、アップキー11、ダウンキー12の操
作でアンプゲインが44dBでVR減衰量が−12dB
となるように切り換えられることで、ボリューム9から
−24dBVの出力信号が得られる。また、−55.5
dBVのマイク信号SMが入力された場合、アップキー
11、ダウンキー12の操作で、アンプゲインが32d
BでVR減衰量が−0.5dBとなるように切り換えら
れることで、ボリューム9から−24dBVの出力信号
が得られる。また、−43.5dBVのマイク信号SM
が入力された場合、アップキー11、ダウンキー12の
操作で、アンプゲインが20dBでVR減衰量が−0.
5dBとなるよう切り換えられることで、ボリューム9
から−24dBVの出力信号が得られる。さらに、−4
4dBVのマイク信号SMが入力された場合、アップキ
ー11、ダウンキー12の操作で、アンプゲインが32
dBでVR減衰量が−12dBとなるよう切り換えこと
で、ボリューム9から−24dBVの出力信号が得られ
る。
【0032】このように本例においては、アップキー1
1、ダウンキー12を操作することでボリューム9の出
力レベルをほぼ一定にすることができる。そして、この
ようにボリューム9の出力信号のレベルを一定にした場
合、図3で明かなようにアンプゲインは入力されるマイ
ク信号SMのレベルに応じたものとなる。つまり、マイ
ク信号SMのレベルが大きいときはアンプゲインは小さ
くされ、一方マイク信号SMのレベルが小さいときはア
ンプゲインは大きくされる。
【0033】したがって本例によれば、切換スイッチ3
がa側に接続されてマイク信号SMが選択される場合に
は、入力されるマイク信号SMのレベルに適するように
アンプゲインが自動的に切り換えられるので、使用者の
操作性の向上を図ることができる。
【0034】また、入力されるマイク信号SMのレベル
に応じてアンプゲインが切り換えられるものであり、マ
イクアンプ8のダイナミックレンジをそれ程大きくする
必要がなく電池を電源とするポータブル機器にも容易に
適用することができる。
【0035】なお、上述実施例においては、マイコン1
0に接続されたアップキー11およびダウンキー12で
VR減衰量を手動で切り換え制御しているが、図1にお
いて破線で示すようにボリューム9からの出力信号を平
滑回路13にて平滑したのちA/D変換器14でデジタ
ル量に変換してマイコン10に供給し、マイコン10で
ボリューム9の出力信号のレベルが一定となるようにV
R減衰量を自動的に制御するようにしてもよい。VR減
衰量の制御を手動で行なうかあるいは自動で行なうかを
手動/自動切換スイッチ15で選択できるようにしても
よい。
【0036】また、上述実施例では、アンプゲインを3
段階とし、VR減衰量が−12dBを越えて増加した場
合にアンプゲインを下げると共にVR減衰量を切り換
え、VR減衰量が0.5dBを越えて減少した場合にア
ンプゲインを上げると共にVR減衰量を切り換えるもの
であるが、アンプゲインをさらに細かい段階に分けるこ
とができる。その場合には、アンプゲインの切り換えに
より生ずるゲイン差を補正するようにVR減衰量が切り
換えられることとなる。
【0037】
【発明の効果】この発明によれば、入力されるオーディ
オ信号に対し所望レベルの出力オーディオ信号を得よう
と減衰手段の減衰量を切り換えることで、入力オーディ
オ信号のレベルに適するよう増幅手段の利得が自動的に
切り換えられるので、使用者は増幅手段の利得を切り換
える操作をする必要がなく、操作性を高めることができ
る。また、増幅手段のダイナミックレンジをそれ程大き
くする必要がなく、ポータブル機器にも容易に適用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わるオーディオ信号のレベル調整
装置の一実施例の構成を示す図である。
【図2】VR減衰量とアンプゲインの関係の一例を示す
図である。
【図3】アンプゲイン、VR減衰量とマイク信号SMお
よびボリュームの出力信号のレベル関係の一例を示す図
である。
【図4】従来例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 マイク入力端子 2 ライン入力端子 3 切換スイッチ 7 ラインアンプ 8 マイクアンプ 9 電子ボリューム 10 マイクロコンピュータ 11 アップキー 12 ダウンキー 13 平滑回路 14 A/D変換器 15 手動/自動切換スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03G 3/00 - 3/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力オーディオ信号を増幅すると共にそ
    の利得を複数段階に切り換えることができる増幅手段
    と、 この増幅手段より出力されるオーディオ信号を減衰させ
    て出力オーディオ信号を得ると共にその減衰量を複数段
    階に切り換えることができる減衰手段と、上記減衰手段の減衰量を可変する操作を行うための操作
    手段と 、 上記増幅手段の利得を切り換え制御すると共に上記操作
    手段の出力に基づいて上記減衰手段の減衰量を切り換え
    制御する制御手段とを備え、 上記制御手段は、上記操作手段での操作によって上記減
    衰手段の減衰量が所定量を越えたとき、上記増幅手段の
    利得を切り換えると共に上記減衰手段の減衰量を所定の
    に切り換えるものとして、上記出力オーディオ信号の
    信号レベルを上記操作手段での操作に応じて連続して可
    変することを特徴とするオーディオ信号のレベル調整装
    置。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、上記操作手段で出力オ
    ーディオ信号の信号レベルを小さくする操作によって上
    記減衰手段の減衰量が所定量を越えたとき、上記増幅手
    段の利得を切り換えてから上記減衰手段の減衰量を所定
    の値に切り換えることを特徴とする請求項1記載のオー
    ディオ信号のレベル調整装置。
  3. 【請求項3】 上記制御手段は、上記操作手段で出力オ
    ーディオ信号の信号レベルを大きくする操作によって上
    記減衰手段の減衰量が所定量を越えたとき、上記減衰手
    段の減衰量を所定の値に切り換えてから上記増幅手段の
    利得を切り換え切り換えることを特徴とする請求項1記
    載のオーディオ信号のレベル調整装置。
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