JPH0138704Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は商品を収納し販売する自動販売機の商
品取出し機構に関するものである。

（従来の技術） 従来、第２図に示すように商品収納部１０の前
壁１１の下方の開口に第１の遮蔽板２０を設け、
該前壁１１の外面には箱形状をなし、前面側上方
を開口した商品販売口３１を設け、該商品販売口
３１の開口部には第２の遮蔽板３２を設けた自動
販売機の商品取出し機構が知られており、販売時
商品収納部１０より搬出された商品４０は前記第
１の遮蔽板２０を押し開き、商品販売口３１に落
下し、前記第２の遮蔽板３２を押しあけて取り出
されていた。

また、実公昭56−15647号の商品取出装置では、
商品の重量で取出口側へ回動するバケツトを商品
のシユート出口に設け、商品が取出されると戻り
ばねの作用でバケツトが元の位置に復帰するよう
になつている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、第２図における自動販売機の商品取出
し機構にあつては、販売口３１がかなり深いので
商品４０が落下する際の衝撃が大きく、双方が傷
つくおそれがあると共に大きな騒音を発生する欠
点がある。

また、実公昭56−15647号の商品取出装置にあ
つてもバケツトが商品と共に大きく回動するので
落下の衝撃が大きく、商品が重い場合にはバケツ
ト先端のストツパを越えて取出口の外に飛出すお
それがある。

更に第２図及び前述の商品取出装置は、外から
簡単に遮蔽板バケツトを開けられるので、取出口
の内部に異物や毒入り商品を容易に挿入できる欠
点がある。

本考案はかかる事情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、商品の落下による衝撃を有効に
緩和できると共に商品の取出しが容易で商品販売
箱内に異物を挿入し難い自動販売機の商品取出し
機構を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するため、前面扉の商
品流通口を開閉する回動自在な取手のない遮蔽板
と、底部を開口し該商品流通口に対向して前方に
突出させた商品販売箱と、前記遮蔽板を商品流通
口の閉鎖方向に付勢するばね部材とを設け、該ば
ね部材の付勢力は商品の押圧力よりも小さく形成
し、商品販売箱の底部開口を前記遮蔽板の回動軌
跡内に位置させると共に開放時の遮蔽板を商品の
シユータとほぼ一直線上に配置したことを特徴と
する。

（作用） これらの構成により、商品の販売時には、シユ
ータを通過した商品が商品流通口の遮蔽板を押し
開けるので、遮蔽板が回動して商品販売箱の底部
開口を閉鎖すると共に商品は大きな衝撃もなく商
品販売箱内で停止して遮蔽板上に載置される。次
いで蓋等を開けて商品が取出されると、遮蔽板は
ばね部材の付勢力によつて再び閉鎖され、商品販
売箱の底部開口が再び開放される。

（実施例） 第１図は本考案は第１の実施例を示し、従来例
との同一構成部分は同一符号にて表わす。即ち１
は自動販売機本体、１０はサーペンタイン式商品
収納部、１１は該商品収納部１０の断熱材が充填
された前壁、１２は該商品収納部１０の下部に前
方に下り勾配で設けられたシユータである。２０
は前壁１１の下部に設けられた方形の開口部１３
を遮蔽する第１の遮蔽板で、上端は軸２１を介し
て前壁１１に軸支され、下端の背面側を前記前壁
１１に設けられた当接片１４に当接されている。
２２は筒形の搬出通路で、一端は前記前壁１１の
開口部１３の周縁に取付けられ、他端は前面扉３
０と狭い間隙を有している。前記前面扉３０の下
部には商品流通口３０ａが設けられており、該流
通口３０ａの周縁には上部、底部及び背部を開口
した商品販売箱３１が取付けられている。該商品
販売箱３１の上部には蓋３１ａが取付けられてお
り、該蓋３１ａの一端は該商品販売箱３１の背部
に軸支され、他端は該商品販売箱３１の前部上端
に当接され、上部開口を閉鎖している。

３２は前記前面扉３０の流通口３０ａを遮蔽す
る第２の遮蔽板で、下端は軸３２ａを介して前面
扉３０に軸支され、上端の背面側は前記商品販売
箱３１の背部に当接され、外から容易に開けられ
ないように取手は設けられていない。又該第２の
遮蔽板３２の下端には左右一対のばね取付片３２
ｂが取付けられ開放時の遮蔽板３２がシユータ１
２とほぼ同一線上に位置している。３３は一対の
コイルばねで、それぞれの一端は前記第２の遮蔽
板３２のばね取付片３２ｂに係着され、他端は前
記商品販売箱３１の前部に取付けられたばね取付
片３１ｂに係着され、該第２の遮蔽板３２は後方
へのばね付勢力が与られている。４０は販売され
る商品である。

本第１の実施例によれば、販売時には商品４０
は前記シユータ１２上に落下し、該シユータ１２
上を滑落して、前記第１の遮蔽板２０を押し開
け、搬出通路２２を通つて前記第２の遮蔽板３２
を押し開ける。該第２の遮蔽板３２は該商品４０
の押圧力により該商品４０と当接したままコイル
ばね３３のばね付勢力に抗して下端を中心にして
前方に回転し、上端は前記商品販売箱３１の前部
の受け部３１ｃに当接される。このため該商品販
売箱３１の底部は閉鎖され、一方商品４０は該第
２の遮蔽板３２上に載置される。又商品４０を該
商品販売箱３１より搬出すると、該第２の遮蔽板
３２は前記コイルばね３３の付勢力により後方に
回転し、先端は前記商品販売箱３１の背部に当接
され、該商品販売箱３１の底部は再び開口する。

本第１の実施例によれば、前記商品４０の前記
第２の遮蔽板への衝撃は前記コイルばね３３によ
り緩衝され、シユータ１２から商品販売箱３１ま
では大きな段差がないので、商品搬出時の騒音が
小さくなる。また、商品販売箱３１が前方に突出
しているので商品が取出し易く、蓋３１ａによつ
て商品販売箱３１内に塵埃が侵入することもな
い。

第３図は本考案の第２の実施例を示し、３０は
前面扉で下部には方形の開口部３０ａを有してい
る。３１は上部、背部及び底部を開口した商品販
売箱で、前記開口部３０ａの周縁に取付けられて
おり、背部の上面は下方向に突出して第２の遮蔽
板３２の上端が当接する当接部３１ｄを設けてい
る。前記第２の遮蔽板３２は下端を軸３２ａを介
して前記前面扉３０に軸支されている。

又遮蔽板３２の他端には後方に向かつて上り勾
配で延びる底板３４の一端が固着されており、該
底板３４の他端は商品収納部１０の前壁１１とは
狭い間〓を有している。

本第２の実施例によれば、前記底板３４が商品
搬出路となるため、従来の搬出路に比較して構造
が簡単となる。なお本第２の実施例にて説明を省
略したその他の構成、作用、効果は前記第１の実
施例と同様である。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案における自動販売
機の商品取出し機構によれば、商品落下時の衝撃
が緩和されて騒音も小さくなり、商品販売箱が前
方に突出しているので商品の取出しが容易になる
効果がある。また、商品販売箱は通常底部が開口
して遮蔽板も取手がないので簡単には異物を挿入
できない効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第３図は本考案にかかる実施例を示
し、第１図は本考案の第１の実施例を示す自動販
売機の下部側面断面図、第２図は従来例を示す自
動販売機の商品取出し機構の側面断面図、第３図
は本考案の第２の実施例を示す自動販売機の下部
側面断面図である。 図中、１……自動販売機本体、１０……商品収
納部、１１……前壁、１２……シユータ、２０…
…第１の遮蔽板、２２……搬出通路、３０……前
面扉、３１……商品販売箱、３２……第２の遮蔽
板、３３……コイルばね、３４……底板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面扉の商品流通口を開閉する回動自在な取手
   のない遮蔽板と、底部を開口し該商品流通口に対
   向して前方に突出させた商品販売箱と、前記遮蔽
   板を商品流通口の閉鎖方向に付勢するばね部材と
   を設け、該ばね部材の付勢力は商品の押圧力より
   も小さく形成し、商品販売箱の底部開口を前記遮
   蔽板の回動軌跡内に位置させると共に開放時の遮
   蔽板を商品のシユータとほぼ一直線上に配置した
   ことを特徴とする自動販売機の商品取出し機構。