JPH0137211B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、積層板にＶ状突起を加工し、このＶ
状突起を積層嵌合させて積層板を連結固着させる
回転電機鉄心において、スキユーを構成させる場
合の製造装置に関する。

（背景技術） 順送りプレスによつて回転電機鉄心の積層板を
打ち抜く工程において、積層板に両側が切断面で
あるＶ状の突起を形成し、このＶ状突起を重ね合
わせ、突起を打ち出したあとの孔に他の積層板の
突起を嵌合させて積層固着させる鉄心が提案され
ているが、回転電機鉄心にスキユーを設けるため
には、スキユーの傾きに応じてＶ状突起の打出方
向を傾斜させて重合させるか、Ｖ状突起の位置を
スロツトに対して順次スキユー量に応じてずらせ
るようにしている。

突起の打出方向を傾かせることは打抜型が面倒
になるので、順送りプレスのＶ状突起成形用のポ
ンチを回転可能に設け、ダイに円環状のポンチ溝
をそなえて、打ち抜きごとにポンチ位置を所定の
角度で回動させ、Ｖ状突起の位置をスロツトに対
してスキユーに応じて偏位させるようにした打抜
装置が採用され、たとえば実願昭54−6276号（実
開昭55−106527号）として提案されている。

（従来技術） 第１図は順送りプレスによる固定子鉄心の打抜
状態の例を示すもので、鋼板１にまず第１工程で
打ち抜かれたパイロツト孔２を基準にし、第２工
程でスロツト３が打ち抜かれ、第３工程で内径孔
４を打ち抜き、第４工程では回転ポンチによつて
Ｖ状の突起５を加工し、第５工程で外径のブラン
ク抜き６が行われる。前記Ｖ状突起５は回転ポン
チによる打ち抜きのたびに、スキユーに対応した
所定角度だけスロツト３との関係位置をずらせて
加工され、ブランク抜きされた打抜積層板７はポ
ンチによる打抜圧力によつてそのダイ内で先に打
ち抜かれた積層板上に積み重ねられるが、Ｖ状突
起は打ち抜きによる変形やバリを生じており、ま
たスキユーをつくるためのずれによつて完全なか
しめ状態にならず、半かしめ状態になつて１台分
ごとにダイから取り出される。このときの積層状
態は第３図のように、スロツト３の位置は第２工
程の打ち抜きで同じ位置に加工されて積層方向に
そろつており、Ｖ状突起５が順次に偏位し傾斜し
た重なりになつている。これをさらに積層方向に
強く押圧してＶ状突起を押し込むと、Ｖ状突起５
は矢印方向にずれながら積層板相互が密着するよ
うに嵌合され、スロツト３の位置がずれてスキユ
ーをもつた鉄心が得られる。

しかしながら、強い押圧力によりＶ状突起を斜
め方向に押し込むため、突起が変形しやすく、そ
の誤差によりスロツトのスキユー角度が正確に得
られない欠点があつた。

（本発明の目的） 本発明は上述の点にかんがみ、順送りプレスに
よる打抜装置において積層板に加工されるＶ状突
起の位置を回転ポンチによつて打ち抜きごとに回
転偏位させるとともに、最終工程のブランク抜き
のダイを、前記回転偏位に同期して同方向に回動
するように保持させることにより、ダイ内に積層
保持される打抜積層板のＶ状突起の位置を積層軸
方向に一致させるようにしたものである。

（実施例） これを第４図に示す実施例について説明する。

この実施例では、第１図における順送りプレス
の第４工程および第５工程に該当する部分を示し
ており、１１はラム、１２はポンチホルダ、１３
はＶ状突起を形成する回転ポンチでポンチホルダ
１２に軸受１４を介して回転可能に支持され、パ
ルスモータ１５によりタイミングベルト１６を介
してスキユーに必要な所要角度づつ回動される。
１７はブランク抜きのための外径ポンチ、１８は
ダイホルダ、１９はＶ状突起のダイで、円環状の
ポンチ溝２０をそなえている。２１はブランク抜
きのダイでダイホルダ１８にベアリング２２を介
して回転可能に支持され、パルスモータ２３によ
りタイミングベルト２４を介して回動される。２
５は積層板受けで打ち抜きに応じて下降する。

（動作） 図示していない打抜鋼板１が送られ、ラム１１
が下降すると、回転ポンチ１３はポンチ先端がダ
イ１９のポンチ溝２０に嵌合し、ポンチの内外周
で鋼板１を切断するとともにポンチ先端で山形に
屈曲させＶ状突起５を形成する。これと同時に外
径ポンチ１７は積層板７を打ち抜き、ダイ２１内
に保持された積層板上に押しつけて半嵌合状態に
積層する。この打抜動作が終るとラム１１は上昇
し、パルスモータ１５および２３はラム１１の上
昇に同期して図示しない制御装置によつて操作さ
れ、それぞれ回転ポンチ１３およびダイ２１をス
キユー量に応じて所定の角度だけ同方向に回動さ
せる。

したがつて、回転ポンチ１３によつて成形され
るＶ状突起５の位置が、スロツト３の打抜位置に
対して前記所定の角度だけ順次にずれても、外径
ポンチ１７でブランク抜きされる積層板のＶ状突
起の位置に、その前にブランク抜きされダイ２１
内に保持されている積層板７ａのＶ状突起５の位
置が回動されており、打抜方向に垂直に重ねるこ
とができる。このため第５図に示すように、ダイ
２１内で積層保持される積層板はＶ状突起５が垂
直に重なり合い、スロツト３が所定のスキユーで
偏位した状態で半嵌合されており、この積層状態
のまま１台分を取り出して強く押圧し完全な嵌合
状態にしても、Ｖ状突起５のずれや変形を生じな
い。

なお、回転ポンチ１３とダイ２１の回動は、図
に示すパルスモータによる駆動に限られず、プレ
スのストロークによつて動作されるリンク機構
や、エヤシリンダを利用するものでもよく、１台
分の積層板を打ち抜くたびに一方を余分に回動さ
せダイ２１内でのＶ状突起位置を嵌合しない状態
に偏位させて分離させるようにすることもでき
る。また、ダイ２１内で完全な嵌合状態に押圧さ
せる場合にも適用できる。

（本発明の効果） このように、本発明は順送りプレスによつてＶ
状突起を加工するポンチを、スキユー量に応じた
所定の角度で回動させ、スロツトに対して順次偏
位した位置にＶ状突起を加工させるとともに、ブ
ランク抜き工程のダイを前記Ｖ状突起のポンチと
同期して同じ角度だけ同方向に回動させるように
してあるから、ブランク抜きされる積層板と、ダ
イ内に保持され順次に半嵌合される積層板とのＶ
状突起の位置が打ち抜き方向に合致し垂直に重な
り合うので、押圧かしめ時にＶ状突起に変形やず
れを生じるおそれがなく、嵌合が正確かつ確実に
行われ、スロツトのスキユー精度を良好に保持す
ることができ、鉄心製作の歩留りを向上させ得る
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は順送りプレスによる積層板の打抜状態
の例を示す説明図、第２図はブランク抜きされた
積層板の平面図、第３図は従来の製造装置におけ
る半嵌合状態を示す説明図、第４図は本発明の実
施例を示す要部の側断面図、第５図は本発明によ
る半嵌合状態を示す説明図である。 １は打抜鋼板、３はスロツト、５はＶ状突起、
７は積層板、１３は回転ポンチ、１５はパルスモ
ータ、１７は外径ポンチ、１９はダイ、２０はポ
ンチ溝、２１はダイ、２２は軸受、２３はパルス
モータである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 順送りプレスによつて打ち抜かれる積層板に
   Ｖ状突起を加工し、ブランク抜き工程のダイ内で
   半嵌合状態または完全な嵌合状態に押圧積層させ
   る回転電機の積層鉄心を製造する装置において、
   前記Ｖ状突起を加工するポンチを、打ち抜きごと
   にスロツト位置に対しスキユー量に応じた所定角
   度づつ回動させるとともに、ブランク抜き工程の
   ダイを前記ポンチの回動と同期して、同じ角度で
   同方向に回動させるようにしたことを特徴とする
   スキユーを有する回転電機鉄心の製造装置。