JPH0135620Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、上下に循環作動する植付爪に連動し
て一定範囲内で往復回動する横向き姿勢の回転軸
に、これの回転に伴なう下降作動により泥を植付
苗の機体進行方向直後方側に押圧移動させる土寄
せ具が取付けられている苗植付装置に関する。

上記構成の苗植付装置は、機体進行に伴ない植
付苗直後方の泥面に形成された植付爪移動溝跡を
前記土寄せ具による押し寄せ泥土によつて埋め戻
すことにより、前記溝跡の存在に起因する植付苗
の姿勢乱れや倒れを抑制することができるように
構成されたものであるが、従来の土寄せ具は、前
記回転軸に一体連設された剛性のものから構成さ
れていたため、次のような欠点があつた。

即ち、土寄せ具による土寄せ移動量及び土寄せ
圧力が常に一定であるため、植付苗脇に土塊や石
等が存在するとき、この土塊や石等を植付苗側に
無理矢理に押圧移動させるため、却つて植付苗の
姿勢を乱したり、押し倒したりし易く、その上、
土寄せ具の変形、破損も招来し易い欠点がある。

本考案は、上述のような従来欠点を土寄せ具の
簡単な改造をもつて改善する点に目的を有する。

かかる目的を達成するためになされた本考案に
よる苗植付装置の特徴構成は、前記土寄せ具がそ
れの土押え作用部に一定以上の力が作用したとき
上方に弾性変位可能なものに構成されている点に
あり、この特徴構成による作用、効果は次の通り
である。

〈作用〉 植付爪移動溝跡の埋め戻し時に、植付苗脇に石
や土塊等が存在する場合でも、この石や土塊等を
溝跡側に適度に押圧したときに土寄せ具を上方に
弾性的に逃げ変位させることができる。

〈効果〉 従つて、土寄せ具を上方に弾性変位可能に構成
するだけの簡単な改造をもつて、石や土塊等を無
理矢理に押圧移動させることに起因する植付苗へ
の悪影響を回避し乍ら植付爪移動溝跡を良好に埋
め戻し得るに至つた。

以下、本考案構成の実施例を図面に基づいて明
する。

第１図で示す歩行型田植機を構成するに、エン
ジン１に直結されたミツシヨンケース２に、左右
一対の走行車輪３，３を有する伝動ケース４，４
を取付け、前記ミツシヨンケース２から後方に延
出した筒状伝動ケース５の先端に、後傾姿勢の苗
のせ台６を備えた４条植えの苗植付装置７の植付
伝動ケース８を連設するとともに、前記走行車輪
３，３間の中央部及び走行車輪３，３の左右両横
外側部には夫々フロート９……を配設している。

前記苗植付装置７の植付伝動ケース８を構成す
るに、第２図で示す如く、入力軸１０を有するほ
ぼＴの字状のセンターケース部８Ａに、左右方向
姿勢の筒状ケース部８Ｂ，８Ｂを介してサイドケ
ース部８Ｃ，８Ｃを固定連結し、前記センターケ
ース部８Ａ及びサイドケース部８Ｃ，８Ｃの後部
に、４個の植付アーム１１……を各別に駆動する
クランク軸１２……を、中央のクランク軸１２，
１２の隣接端部においてはベアリング受け部１３
を共用する状態で架設するとともに、前記入力軸
１０にギア連動された左右方向姿勢の伝動軸１４
と前記各クランク軸１２……とを夫々伝動チエー
ン１５……を介して連動させている。

また、前記入力軸１０の途中に、前記各植付ア
ーム１１……に装着された植付爪１６……を上死
点又はその近くで停止可能な上限停止クラツチ１
７を介在するとともに、前記伝動軸１４の途中
に、左右外側に位置する植付爪１６から順次作動
停止自在な条クラツチ１８……を介在している。

前記条クラツチ１８……は夫々回転方向の一箇
所でのみ噛合い可能な同期構造に構成されてい
る。

また、第２図乃至第５図で示す如く、前記植付
伝動ケース８のサイドケース部８Ｃ，８Ｃに連設
したブラケツト１９，１９に亘つて一本の横向き
姿勢の軸２０を回転自在に架設し、この回転軸２
０の長手方向中央部に固着したブラケツト２１と
中央の一方のクランク軸１２に固着した駆動アー
ム２２とを連結アーム２３にて枢支連結し、もつ
て、植付爪１６の上下循環作動に連動して前記回
転軸２０を一定範囲内で往復回動させるべく構成
している。

前記回転軸２０の、前記各植付爪１６……の左
右両側部相当箇所に夫々、この回転軸２０の回転
に伴なう下降作動により泥土を植付苗の機体進行
方向直後方側に押圧移動させる土寄せ具２４を取
付けるとともに、前記回転軸２０の、前記走行車
輪３，３の後方に位置する軸部分２０ａ，２０ａ
を、走行車輪３，３により形成された盛上り泥土
と接触することがないようにクランク軸形状に形
成している。

前記土寄せ具２４は、前記回転軸２０に螺旋状
に外嵌可能で、かつ、平面視においてコの字状に
曲げ加工されたピアノ線利用のアーム部２４ａと
このアーム部２４ａの両遊端部に固定連結された
土押え作用部２４ｂ，２４ｂならびに前記アーム
部２４ａを回転軸２０に係止保持するべく該回転
軸２０に連設した舌片２４ｃとからなり、前記土
押え作用部２４ｂ，２４ｂに一定以上の力が作用
したときに上方に弾性変位可能なものに構成され
ている。

第６図は別の実施例を示し、これは、前記土寄
せ具２４のアーム部２４ａを、前記回転軸２０に
対して一定範囲内で上下揺動自在に外嵌し、この
土寄せ具２４のアーム部２４ａと回転軸２０との
間に、土寄せ具２４を下方に移動付勢するスプリ
ング２４ｄを介在したものである。

第７図は別の実施例を示し、これは、前記土寄
せ具２４のアーム部２４ａの途中をピアノ線等の
弾性体２４ｅから構成したものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る苗植付装置の実施例を示
し、第１図は歩行型田植機の全体側面図、第２
図、第３図は苗植付装置の展開図と側面図、第４
図、第５図は土寄せ具の斜視図とそれの作用図、
第６図、第７図は夫々別の実施例を示す土寄せ具
の平面図である。 １６……植付爪、２０……回転軸、２４……土
寄せ具、２４ｂ……土押え作用部、２４ｄ……ス
プリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上下に循環作動する植付爪１６に連動して一
   定範囲内で往復回動する横向き姿勢の回転軸２
   ０に、これの回転に伴なう下降作動により泥を
   植付苗の機体進行方向直後方側に押圧移動させ
   る土寄せ具２４が取付けられている苗植付装置
   において、前記土寄せ具２４がそれの土押え作
   用部２４ｂに一定以上の力が作用したとき上方
   に弾性変位可能なものに構成されている苗植付
   装置。 前記土寄せ具２４を上方に弾性変位可能に構
   成する手段が該土寄せ具２４の少なくともアー
   ム部２４ｂの一部を弾性体から構成する手段で
   ある実用新案登録請求の範囲第項に記載の苗
   植付装置。 前記土寄せ具２４を上方に弾性変位可能に構
   成する手段が前記回転軸２０とこれに一定範囲
   内で揺動自在に外嵌された土寄せ具２４との間
   に該土寄せ具２４を下方に弾性付勢するスプリ
   ング２４ｄを介在する手段である実用新案登録
   請求の範囲第項に記載の苗植付装置。