JPH0135052Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車用灯具、特にフオグランプな
どの灯具におけるフード取付構造に関するもので
ある。

（従来の技術） 従来、ハロゲン電球を用いたフオグランプなど
の灯具においては、一端が丸い円筒のフードによ
り電球が覆われる。そしてこのフードは、金属製
のソケツトホルダーに略環状のフードホルダーを
用いて取付けられており、具体的には、第４図に
示すように、フードａとソケツトホルダーｂとの
間に緩衝材となる環状の石綿ｃを介在させ、フー
ドホルダーｄをソケツトホルダーｂに加締固定し
てフードａをソケツトホルダーｂに取着したり、
また第５図に示すように、フードホルダーｄの爪
をソケツトホルダーｂの孔に押し込み、ソケツト
ホルダーｂの裏面に位置したコイルスプリングｅ
に前記フードホルダーｄの爪を加締め、フードａ
をソケツトホルダーｂに弾圧して取着していた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、耐熱性や透過性の点を考慮して
フードがガラスから形成されていることから、緩
衝材として石綿を介在させたものであつても、フ
ードホルダーをソケツトホルダーに加締め固定す
る際に過大な荷重がフードに加り、歪みが生じて
割れてしまう問題点があつた。またフードホルダ
ーの爪をソケツトホルダー裏面に位置するコイル
スプリングに加締めるものであつても、フードの
弾圧状態を維持しかつコイルスプリングの弾圧を
残すように加締めることは、加締め作業に精密さ
が要求され非常に複雑になる問題点があり、加締
め作業にてコイルスプリングがソケツトフード裏
面に密着状態になつたものでは、コイルスプリン
グの緩衝機能が働かず、不良品となつてしまうの
であつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記した従来の問題点を考慮してな
されたもので、フードホルダーに係止するフード
のフード開口周縁とソケツトホルダーとの間にコ
イルスプリングが介在し、前記フードホルダーに
設けた複数個のフツクが前記ソケツトホルダーに
着脱自在に係合して、フードをフードホルダーに
付勢状態で固定したことを特徴とすることから従
来の問題点を解消するものである。

（作用） 本考案においては、フード開口周縁とソケツト
ホルダーとの間にコイルスプリングを介在させ
て、フード開口周縁が係止する前記フードホルダ
ーをソケツトホルダーに係止させることにより、
フードをフードホルダーに弾圧するようにしたの
である。

（実施例） つぎに、本考案を第１図から第３図に示す一実
施例に基いて詳細に説明する。

図中１は略環状に形成されたフードホルダー
で、一方の開口周縁を段状にしてネツク部１０が
設けられているとともに、他方の開口周縁にＬ字
形状の３個のフツク１１が等間隔にして設けられ
ている。２は電球を覆うフードで、該フード２の
開口周縁が段状に形成されており、外方に張り出
た段部２０が設けられている。３はコイルスプリ
ングである。４は略円盤状に形成されたソケツト
ホルダーで、灯具のリフレクター（図示せず）に
取付けられ、中央に開設された開口部５に電球Ａ
が挿着固定されるのである。また前記ソケツトホ
ルダー４には孔６０と長孔６１とが一組となつた
取付部６が、前記フードホルダー１のフツク１１
に対応して３箇所に設けられており、フツク１１
それぞれを長孔６１に挿入してのち、孔６０側に
フードホルダー１を回転させフツク１１の爪部１
２を孔６０に引掛けることにより、フードホルダ
ー１がソケツトホルダー４に取着されるのであ
る。

フード２をソケツトホルダー４に取付けるにあ
たつては、ソケツトホルダー４の段部４０外周に
コイルスプリング３を位置させてフード２の段部
２０とソケツトホルダー１との間にコイルスプリ
ング３を介在させ、フードホルダー１をフード２
の上方から覆せたのちソケツトホルダー４側に押
圧して、フードホルダー１のフツク１１をソケツ
トホルダー４の取付部６に係止させるのである。
フードホルダー１のネツク部１０がフードの段部
２０に係止していて、第２図に示すように前記フ
ツク１１が取付部６に係止することによつて、コ
イルスプリング３がフード２をフードホルダー１
側に付勢し、段部２０がフードホルダー１のネツ
ク部１０に弾圧してフード２がソケツトホルダー
４に取着固定されるのであり、前記コイルスプリ
ング３が緩衝材の働きを果して、灯具に衝撃など
が加わつた場合においてコイルスプリング３が自
在に収縮して衝撃を吸収し、またフードの取付け
に際してもコイルスプリング３が自在に収縮して
フードに局部的にして過大な荷重を加えず割れを
防止できるのである。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、フード
の開口周縁とソケツトホルダーとの間にコイルス
プリングを介在させ、前記フードホルダーをソケ
ツトホルダーに着脱自在に係止することによりコ
イルスプリングがフードをフードホルダー側に付
勢状態で固定するので、フードホルダーの取付け
の際にコイルスプリングが自在に収縮してフード
へ過大な荷重を加わることがなくフードの割れを
防止でき、組立工程中で不良品の発生を抑えるこ
とができる、またコイルスプリングが緩衝材の役
割を果して振動などによる衝撃を吸収してフード
のガタ付きおよび割れを防止できる。さらにフー
ドホルダーをソケツトホルダーやコイルスプリン
グに加締める必要がなく、フードホルダーの取付
けが手作業で容易に行え加締めるための設備も不
要となつて組立工程が簡便になる。そしてフード
に加える荷重をフードホルダーの係止手段の長さ
で設定できるため、フードへの付勢荷重が均一な
製品が得られるなど、実用性にすぐれた効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車用灯具のフード取
付構造の一実施例を分解して示す説明図、第２図
は一実施例におけるフードホルダーの係止状態を
示す説明図、第３図は一実施例におけるフードの
取付状態を断面にて示す説明図、第４図は従来例
を示す説明図、第５図は同じく他の従来例を示す
説明図である。 １……フードホルダー、２……フード、３……
コイルスプリング、４……ソケツトホルダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フードホルダーに係止するフードのフード開口
   周縁とソケツトホルダーとの間にコイルスプリン
   グが介在し、前記フードホルダーに設けた複数個
   のフツクが前記ソケツトホルダーに着脱自在に係
   合して、フードをフードホルダーに付勢状態で固
   定したことを特徴とする車両用灯具のフード取付
   構造。