JPH0134742B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、カムシヤフトの取付装置に関する
ものである。

〔従来の技術〕

通常、エンジンの動弁系においては、シリンダ
ヘツドにカムシヤフトを取付け、該カムシヤフト
をエンジン出力によつて回転させて、そのカムに
よつて吸、排気弁を開閉するという方式が採用さ
れている。

そしてこのカムシヤフトをシリンダヘツドに取
り付ける場合、従来は、ジヤーナル径よりカム径
の方が大きいというカムシヤフト形状との関係
で、シリンダヘツドにカムキヤツプをボルト締め
して該カムキヤツプによりカムシヤフトを取り付
けるようにしていたが、この場合、取付作業が大
変煩雑であつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

また、最近、エンジンにおいては、カムシヤフ
トのカム径をジヤーナル径よりも若干小さくする
一方、シリンダヘツドにカム支持孔部を設け、カ
ムシヤフトをカム支持孔部に挿入して取付けると
いう方式が提案されており、かかる方式では、カ
ムキヤツプのボルト締め作業が不要であり、取付
作業を簡単化出来るという利点がある。

しかるに上述の方式においても、取付作業を手
作業で行なうようにすると、カムシヤフトの挿入
時にカムシヤフトとカム支持孔部とが干渉し、傷
や欠けが生じるという問題が生じ、又最近の各種
作業における自動化の傾向を考慮すると取付作業
性の面で依然として改善の余地があつた。

この発明は、かかる点に鑑み、カムシヤフトの
挿入時にカムシヤフトとカム支持孔部とを干渉さ
せることなく、カムシヤフトを自動組付できるカ
ムシヤフトの取付装置を提供せんとするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

そこでこの発明に係るカムシヤフトの取付装置
は、シリンダヘツド支持台と、案内ロツドを有し
これを回転及び前後移動させる案内ヘツドと、案
内ロツドとともにカムシヤフトを押圧保持しこれ
を前進させる後部支持台と、案内ロツドのカム支
持孔部挿入時にカム支持孔部内にオイルを噴出す
るオイル噴出装置とを設けたものである。

〔作用〕

この発明においては、シリンダヘツド支持台に
シリンダヘツドが載置され、案内ヘツドが後退す
ると、案内ロツドがシリンダヘツドのカム支持孔
部を挿通し、この挿通した案内ロツドと後部支持
台との間にカムシヤフトが挾持されると、案内ロ
ツドと後部支持台とが前進し、カムシヤフトはカ
ム支持孔部内に挿入され、その際案内ロツドがカ
ム支持孔部内を挿通する時に、オイル噴出装置に
よつてカム支持孔部内にオイルが噴出され、これ
によりカムシヤフトは滑らかにカム支持孔部内に
自動組付される。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図について説明する。

第１図ないし第４図は本発明の一実施例による
カムシヤフトの取付装置を示す。図において、１
は床面で、該床面１上にはテーブル２が固定さ
れ、該テーブル２上の略中央にはカム支持孔部３
ｂを有するシリンダヘツド３を載置するためのシ
リンダヘツド支持台４が配設され、該支持台４に
はシリンダヘツド３を位置決めするための位置決
め部材５が設けられるとともに、該シリンダヘツ
ド３を押圧保持する押圧保持部材６が回動自在に
設けられている。

また上記テーブル２上のシリンダヘツド支持台
４の後側にはカムシヤフト７を載置するためのカ
ム受け台８が配設され、該受け台８にはこれを上
下移動させる上下移動シリンダ９が設けられてい
る。さらにこのカム受け台８の後側には後部支持
台１０が配置され、該後部支持台１０はガイド１
１によつて前後移動可能に設けられ、又該後部支
持台１０にはこれを前後移動させる前後移動シリ
ンダ１２が設けられるとともに、カムシヤフト７
の後部を押圧する心押しセンタ１３が設けられて
いる。

一方、上記テーブル２上のシリンダヘツド支持
台４の前側には案内ヘツド１４が配置され、該案
内ヘツド１４はガイド１５によつて前後移動可能
に設けられ、又案内ヘツド１４にはこれを前後移
動させる前後移動シリンダ１６が設けられてい
る。また案内ヘツド１４には案内ロツド１７が後
側に向けて回転自在に設けられ、該案内ロツド１
７はベルトを介して駆動モータ１９に連結されて
いる。

この案内ロツド１７において、外筒部材２０内
には内筒部材２１が摺動自在に設けられ、該内筒
部材２１はばね部材２２によつて後側に向けて付
勢され、外筒部材２０の段部２０ａによつて抜け
止めされている。この内筒部材２１の一端部には
心押しセンタ２３が形成されるとともに、カムシ
ヤフト７のノツクピン７ａが係合する係合穴２４
が形成されている。また外筒部材２０内には内筒
部材２１の他端から所定の間隔をあけ、かつ内筒
部材２１と連通してパイプ２５が固定され、該パ
イプ２５の他端側は外筒部材２０から突設されて
いる。

そして上記パイプ２５、外筒部材２０、内筒部
材２１及び心押しセンタ２３にはオイル供給通路
２６が形成され、又心押しセンタ２３の一部には
オイル供給通路２６と連通して環状凹部２３ａが
形成され、又外筒部材２０には上記環状凹部２３
ａと連通するように３つのオイル供給通路２７が
形成され、各通路２７は該筒部材２０の端部の外
周に開口している。一方、上記パイプ２５の突出
部にはオイル供給部２８が回転自在に取付けら
れ、該供給部２８にはオイル供給管２９の一端が
接続され、該オイル供給管２９の他端側には制御
弁３０及びポンプ３１が設けられ、該制御弁３０
にはこれを開閉制御するリミツトスイツチ３２と
タイマ３３とが設けられ、上記リミツトスイツチ
３２はテーブル２に固定され、一方案内ヘツド１
４には案内ロツド１７の先端がシリンダヘツド３
の各ジヤーナル部３ａの位置に来た時にリミツト
スイツチ３２を作動させる複数のカム３４が固定
されており、以上のようにしてカム支持孔部３ｂ
挿入時に該支持孔部３ｂにオイルを噴出するオイ
ル噴出装置３５が構成されている。

次に動作について説明する。

シリンダヘツド３にカムシヤフト７を取付ける
場合、まず給油カバー（図示せず）を開くととも
に、押圧保持部材６を上方に回動させ、その状態
でシリンダヘツド支持台４にシリンダヘツド３を
載置し、これを位置決め部材５で位置決めした
後、押圧保持部材６を下方に回動させてシリンダ
ヘツド３を押圧保持させるとともに、給油カバー
を閉じ、起動釦を押す。すると案内ヘツド１４の
前後移動シリンダ１６が作動して案内ヘツド１４
が後退し、又案内ヘツド１４の案内ロツド１７は
駆動モータ１９によつて例えば20rpm程度で低速
回転される。

この案内ロツド１９の先端がシリンダヘツド３
のジヤーナル部３ａの位置に達すると、案内ヘツ
ド１４側部のカム３４によつてリミツトスイツチ
３２が倒され、タイマ３３が作動して所定時間の
間制御弁３０が開かれ、ポンプ３１からの油圧が
オイル供給管２９、オイル供給部２８、オイル供
給通路２６、間隙２３ａ及びオイル供給通路２７
の経路で供給され、これによりジヤーナル部３ａ
にオイルが噴出され、このような動作が繰り返さ
れて各ジヤーナル部３ａにはオイルが噴出され
る。

このようにして案内ヘツド１４が後退し、案内
ロツド１７が所定の位置に達すると、案内ヘツド
１４はその後退を停止し、又その際カム受け台８
の上下移動シリンダ９が作動してカム受け台８は
上昇しているので、このカム受け台８にカムシヤ
フト７を載置し、起動釦を押す。すると今度は後
部支持台１０の前後移動シリンダ１２が作動して
後部支持台１０が前進するとともに、案内ヘツド
１４の前後移動シリンダ１６が作動して案内ヘツ
ド１４が後退し、後部支持台１０及び案内ロツド
１７の心押しセンタ１３，２３はカム受け台８上
のカムシヤフト７の後端及び前端のセンタ穴に嵌
合し、同時にカムシヤフト７前端のノツクピン７
ａが案内ロツド１７の心押しセンタ２３の係合穴
２４に係合し、さらに後部支持台１０が前進する
とともに、案内ヘツド１４が後退し、案内ロツド
１７の内筒部材２１がばね部材２２のばね力に抗
して外筒部材２０内に没入し、これがリミツトス
イツチ等で検出されると、カム受け台８が下降
し、又後部支持台１０及び案内ヘツド１４がとも
に前進し、これによりカムシヤフト７は前後の心
押しセンタ１３，２３によつて押圧保持された状
態でシリンダヘツド３のカム支持孔部３ｂ内に挿
入される。またその際、案内ヘツド１４において
は、上述の後退時の場合と同様に案内ロツド１７
先端からカム支持孔部３ｂの各ジヤーナル部３ａ
にオイルが噴出されることとなる。

こうしてカムシヤフト７がシリンダヘツド３の
カム支持孔部３ｂ内に完全に挿入されて取付けら
れると、これがリミツトスイツチ等で検出され、
後部支持台１０は元の位置に後退し、次のカムシ
ヤフト３の取付を待機することとなる。

以上のような本実施例の装置では、案内ロツド
及び後部支持台の両心押しセンタでカムシヤフト
を挾持し、これを低速回転させながらシリンダヘ
ツドのカム支持孔部内に挿入して取りつけるよう
にしたので、シリンダヘツドにカムシヤフトを自
動組付けでき、取付作業性を大幅に改善できる。

また、本装置では、案内ロツドがシリンダヘツ
ドのカム支持孔部内に挿入される時に案内ロツド
先端からオイルを噴出させるようにしたので、カ
ム支持孔部へのカムシヤフトの挿入が非常に滑ら
かであり、傷や欠けが発生することもない。

なお上記実施例では案内ロツドの後退時及び前
進時の双方においてオイルを噴出するようにした
が、これはいずれか一方のみであつてもよい。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明によれば、案内ロツドと
後部支持台とでカムシヤフトを挾持し、これを低
速回転させながらシリンダヘツドのカム支持孔部
内に挿入し、その際案内ロツドの挿通時にカム支
持孔部内にオイルを噴出させるようにしたので、
カムシヤフトをシリンダヘツドに円滑に自動組付
けでき、作業性を大幅に改善できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例によるカムシヤフト
の取付装置の側面図、第２図は上記装置の側面
図、第３図は上記装置の一部拡大図、第４図はシ
リンダヘツドのカム支持孔部内にカムシヤフトを
挿入した状態を示す図である。 ３……シリンダヘツド、３ｂ……カム支持孔
部、４……シヘツド支持台、７……カムシヤフ
ト、１０……後部支持台、１４……案内ヘツド、
１７……案内ロツド、３５……オイル噴出装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カムシヤフトをシリンダヘツドのカム支持孔
   部に挿入して取り付ける装置であつて、 上記シリンダヘツドが位置決めして載置される
   シリンダヘツド支持台と、 上記シリンダヘツドのカム支持孔部を貫通可能
   な案内ロツドを有し、該案内ロツドを回転及び前
   後移動させる案内ヘツドと、 上記カムシヤフトの後部を押圧して上記案内ロ
   ツド先端との間で該カムシヤフトを保持し、該カ
   ムシヤフトを前進させて上記シリンダヘツドのカ
   ム支持孔部に挿入する後部支持台と、 上記案内ロツドに設けられ上記カム支持孔部挿
   入時に該カム支持孔部にオイルを噴出するオイル
   噴出装置とを備えたことを特徴とするカムシヤフ
   トの取付装置。