JPH0134190Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は写真フイルムや印画紙等の写真感光材
料（以下「フイルム」と云う）を写真処理する装
置におけるフイルム処理ラツクに関する。

従来、この処理ラツクとしては、例えば、像露
光されたマイクロフイルムを連続的又は貯蔵後、
現像、定着、水洗等の写真処理を行い次いで乾燥
するようにしたカメラプロセサにおける処理ラツ
クがあげられる。

第１図はそのカメラプロセサの構造を示す概略
説明図であつて、処理槽１を、例えば３枚の仕切
板２，３，４によつて４つの室、すなわち現像室
Ａ定着室Ｂ、第１水洗室Ｃ、及び第２水洗室Ｄに
分け、夫々の室に所定の処理液を入れ、ここに処
理ラツク５，６，７，８を装着し、フイルムＦを
第１処理ラツク５から第４処理ラツク８を介して
搬送する間に処理を行うものである。ところでこ
の「処理ラツク」とは、２枚の側板の各内壁に後
述するフイルム搬送用の溝を有し、これら側板間
にフイルム搬送用の駆動ドラム９と該駆動ドラム
９外周面にフイルムＦを圧接させる複数個のニツ
プローラ１０及びフイルムＦの搬入側及び搬出側
に設けられた送りローラ１１，１２等を一体的に
組み込み処理槽１に着脱可能にユニツト化したも
のである。

従来、この処理ラツクは、製作上の便宜等のた
め、前記各室とも同一の構造のものとし、すなわ
ち同一構造の処理ラツクを４つの各処理室で用い
るのが一般であつた。しかしながら、この種フイ
ルムの処理においては、各処理室における処理時
間は必ずしも一致するものではなく、例えば現像
時間を充分にとれば、定着以降の処理は現像時間
より短時間でよい等の場合が度々あつた。従つて
処理ラツクの構造を定着処理に適するように定め
ると、この処理ラツクを現像工程に用いたときは
現像処理が不十分になり、又現像処理に適するよ
うに定めると、定着処理に無駄な時間を費すこと
になり、処理工程全体としてみると処理時間が長
くなると云う欠点があつた。

かゝる問題に対処するため、各処理ラツク毎に
構造、とくにフイルム搬送長あるいは搬送速度を
変える等して種類の異なる複数個の処理ラツクを
作ることが考えられるが、製作コストあるいはメ
ンテナンス等の面で、決して好ましいものではな
かつた。

本考案の目的は上記の如き従来技術における欠
点を解消したフイルム処理ラツクを提供すること
にある。

本考案の前記目的は、フイルム搬送用の駆動ド
ラムにフイルムを押圧せしめ、フイルム案内溝に
沿つて該フイルムを搬送する如く構成され、処理
液中に装着されて使用されるフイルム処理ラツク
において、前記駆動ドラムを１ラツク内に所定の
間隔をおいて２個設けることにより夫々第１及び
第２のフイルム搬送系を形成し、かつ該第１及び
第２のフイルム搬送系のフイルム搬送長さを異な
るように構成したことを特徴とするフイルム処理
ラツクによつて達成される。

以下、本考案の実施例を示す図面を参照しつつ
本考案を説明する。

第２図は本考案の１実施態様であるフイルム処
理ラツク正面図、第３図は第２図の−断面図
を示す。なお、第２図は説明の都合上、前方側板
１３を除去した状態を示している。本フイルム処
理ラツクは、図示するように、内壁にフイルム搬
送用溝１９を有する２枚の側板１３，１３間に所
定の間隔、すなわち現像槽Ａ、定着槽Ｂ、水洗槽
Ｃ，Ｄの各槽間距離に対応した間隔をもつて設け
られた２個の駆動ドラム１４，１４Ａとニツプロ
ーラ１５，１５Ａ、フイルム搬入用の送りローラ
１６，１６Ａを具備して成つている。こゝに駆動
ドラム１４及びこれに付随するニツプローラ１５
から成る搬送系を第１搬送系１８、駆動ドラム１
４Ａ及びこれに付随するニツプローラ１５Ａから
成る搬送系を第２搬送系１８Ａとすると、両者
は、第１図に示す如き処理槽１の仕切板２が挿入
可能に側板１３の略中央に設けられた空隙部１７
を介して左右に２分され、かつ、後述するように
第２搬送系１８Ａのフイルム搬送長は第１搬送系
１８のそれよりも幾分短く設定されている。送り
ローラ１６，１６Ａ及び駆動ドラム１４，１４Ａ
は図示しない駆動源の動力により駆動され、フイ
ルムＦを第１搬送系１８から第２搬送系１８Ａを
通して連続的に搬送するように構成されている。
すなわち、フイルムＦは第１搬送系１８の送りロ
ーラ１６から溝１９に沿つて駆動ドラム１４に送
られ、ニツプローラ１５により駆動ドラム１４の
周面に押圧され、駆動ドラム１４の回転によつて
搬送され、更に溝１９に沿つて送られ、以後送り
ローラ１６Ａから第２搬送系１８Ａに、前記同様
にして搬送される。

前記フイルム処理ラツクを使用する場合には、
例えば第１図に示す如き処理槽１の現像室Ａ及び
定着室Ｂにそれぞれ第１搬送系１８及び第２搬送
系１８Ａが対応するように仕切板２を境にして装
着し、またそれぞれ同一構造を有する他の処理ラ
ツクを、同様にして仕切板４を境にして第１水洗
室Ｃ及び第２水洗室Ｄに対応するようにして装着
される。ところで、前述したように、本フイルム
処理ラツクは、第１フイルム搬送系１８と第２フ
イルム搬送系１８Ａとのフイルム搬送長さが異な
るように構成されている。このように構成するに
は、例えば、第１フイルム搬送系１８の駆動ドラ
ム１４に比し第２フイルム搬送系１８Ａの駆動ド
ラム１４Ａの径を小さくしてもよいが、フイルム
Ｆを連続的に搬送する関係上、第１搬送系１８及
び第２搬送系１８Ａのフイルム送り速度を一致さ
せる必要があり、このため、駆動系の設計が面倒
である。そこで本実施例では第２図に示すよう
に、両駆動ドラム１４，１４Ａを同一径とし、第
１の駆動ドラム１４の設定位置より第２の駆動ド
ラム１４Ａの設定位置が上方にあるように設定さ
れている。

こゝに両者のフイルム搬送長をいかに設定する
かは、処理するべきフイルムＦの種類や処理液特
性等により異なるが、通常のフイルム処理の場
合、処理時間にして第２搬送系が５〜50％速めら
れる。

本フイルム処理ラツクはこのように構成されて
いるので両駆動ドラム１４，１４Ａ、両送りロー
ラ１６，１６Ａを同一速度で駆動することができ
るので駆動系をシンプルにすることができる。更
にまたこのように同一構造とすることにより第１
搬送系、第２搬送系の互換性ができ、メンテナン
スや製作コストの面で有利である。

以上、一実施例で詳述した如く、本考案のフイ
ルム処理ラツクを第１図に示すようなフイルム処
理槽１の現像室Ａ及び定着室Ｂに第１及び第２の
フイルム搬送系１８，１８Ａがそれぞれ対応する
ように設置すれば、現像室Ａにおける現像時間を
長くし、定着室Ｂにおける定着時間を短かくする
ことができる。従つて本考案によれば従来の処理
ラツクを用いた場合に生ずる現像処理上のトラブ
ルや、処理時間の浪費を防止することができる。
また、本考案のフイルム処理ラツクは前述したよ
うに、水洗処理工程にもそのまゝ適用できるの
で、メンテナンスが容易となり、かつ装置全体と
しての組立てが容易になると云う実用上の効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフイルム処理ラツクの使用状態
を示す説明図、第２図は本考案のフイルム処理ラ
ツクの１例を示す正面図、第３図は第２図の−
断面図である。 １……処理槽、２，３，４……仕切板、５，
６，７，８，１３……処理ラツク、９，１４，１
４Ａ……駆動ドラム、１５，１５Ａ……ニツプロ
ーラ、１３……側板、１９……溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ フイルム搬送用の駆動ドラムにフイルムを押
   圧せしめ、フイルム案内溝に沿つて該フイルム
   を搬送する如く構成され、処理液中に装着され
   て使用されるフイルム処理ラツクにおいて、前
   記駆動ドラムを１ラツク内に所定の間隔をおい
   て２個設けることにより夫々第１及び第２のフ
   イルム搬送系を形成し、かつ該第１及び第２の
   フイルム搬送系のフイルム搬送長さを異なるよ
   うに構成したことを特徴とするフイルム処理ラ
   ツク。 ２ 前記第１及び第２のフイルム搬送系における
   駆動ドラムの径を同一となし、かつ前記第１の
   フイルム搬送系における駆動ドラムの位置を前
   記第２のフイルム搬送系における駆動ドラムの
   位置より下方に位置する如く設けたことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第(1)項記載のフ
   イルム処理ラツク。