JPH0133994Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は複数本のベンド管を用いて熱媒流路
を形成するとともに、この熱媒流路に温度スイツ
チを取付けるようにした熱交換器に関する。

(ロ) 従来の技術 従来、例えば温水暖房用のフアンコンベクター
では実公昭58−25203号公報に開示されているよ
うに、複数本のベンド管を用いて熱媒流路を形成
した熱交換器と、フアンとを備え、ボイラで発生
した温水を熱交換器の熱媒流路に循環させた状態
でフアンを作動させることにより、室内に温風を
吹き出して暖房を行なうようにしている。また、
運転初期のように循環温水温度が所望の暖房温度
に達しないうちにフアンが作動され、冷風が吹き
出して居住者に不快感を与えるのを防止するた
め、熱媒流路に温度スイツチを設け、この温度ス
イツチでフアン駆動用のモータの通電を制御する
ようにしている。

ところで、温度スイツチは熱交換器の循環温水
温度を的確に検出するために、熱媒流路の中間部
のベンド管に取付けるのが望ましい。しかしなが
ら、この種のフアンコンベクターの熱交換器１は
第４図および第５図に示すように、熱媒管２がフ
イン３に対し複数列（図では２列）に配列され、
これらの熱媒管２を水抜き勾配をもたせたベンド
管４で連結して熱媒流路を形成しているため、ベ
ンド管相互の間隔が狭く、ベンド管に温度スイツ
チを取付けるのが困難である。そこで、上記公報
では熱交換器の温水入口管と温水出口管とに亘つ
て良熱伝導性取付け板を架設するとともに、その
取付け板の架設方向での中央部分に温度スイツチ
を付設し、温水入口管の温度と温水出口管の温度
の平均的温度を検出するようにしているが、この
ものでは熱交換器の近傍で温水入口管と温水出口
管とを揃えなければならず、配管に制約を受ける
問題があつた。また、温度スイツチを温水入口管
や温水出口管に付ける場合もあるが、前者の場合
は熱交換器が十分に温まらないうちにフアンが作
動して冷風が吹き出す欠点があり、後者の場合は
熱交換器が十分温まつているのに温風の吹き出し
が遅れる欠点があつた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 この考案の課題は配管に制約を受けることな
く、熱交換器の熱媒流路の熱媒温度を的確に検出
できるようにすることである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 上記の課題はこの考案によれば、互いに隣接す
る複数本のベンド管を用いて熱媒流路を形成した
熱交換器において、熱媒流路中間部に位置するベ
ンド管を他のベンド管より突出させ、このベンド
管の曲管部に合わせた形状の凹部を一片内壁に有
し、かつ、この一片と対峙する他片を平板状とし
たコ字型取付け板を前記ベンド管の曲管部に嵌合
し、コ字型取付け板の平板状他片の外壁に平坦な
取付け面を有する温度スイツチを設置し、この温
度スイツチを、温度スイツチ及びコ字型取付け板
を貫通するビスによりコ字型取付け板に固定する
ことにより解決される。

(ホ) 作用 熱媒流路中間部のベンド管を突出させることに
より、ベンド管の突出部分の周囲に温度スイツチ
の取付けスペースが確保される。このため、温度
スイツチをベンド管の突出部分に、隣接するベン
ド管や他の部品等に邪魔されることなく、簡単に
取付けることができる。また、突出させたベンド
管とコ字型取付け板の一片とを面接触させつつ、
コ字型取付け板の平板状他片と平坦な取付け面を
有する温度スイツチとを面接触させ、しかも、三
者がビスにて一体的に結合されるので、ベンド管
から温度スイツチへの熱伝達が良好に行われ、熱
交換器の中間部の熱媒温度が的確に検出されると
ともに、温度スイツチの取付けも簡単、かつ、確
実に行われる。

(ヘ) 実施例 以下、この考案を図面に示す実施例について説
明する。

第１図ないし第３図において、５はフアンコン
ベクター、６は空気吸込み口、７は空気吹出し
口、８は運転スイツチ、９は温度調節スイツチ、
１０はフアンコンベクター５に内蔵された熱交換
器、１１は空気吸込み口６から吸入した室内空気
を熱交換器１０と熱交換させた後、空気吹き出し
口７から室内に戻すフアン（図示せず）の駆動用
モータ、１２および１３はそれぞれ熱交換器１０
の温水入口管および温水出口管である。

熱交換器１０はフイン１４に対し熱媒管１５が
２列に配設され、これら熱媒管１５を水抜き勾配
をもつた複数本のベンド管１６，１６ａで連結し
て熱媒流路を形成し、熱媒流路の中間部のベンド
管１６ａを他のベンド管１６より直管部を長くし
て突出させてある。そしてベンド管１６ａの突出
部分（曲管部）には良熱伝導性のコ字型取付け板
１７が嵌合され、この取付け板１７には温度スイ
ツチ１８が２本のビス１９で固定されている。ま
た、取付け板１７にはベンド管１６ａの曲管部形
状に合わせた回り止め用の凹部２０が設けられて
いる。

本実施例によれば、温度スイツチ１８を熱交換
器１０の熱媒流路の中間部に位置するベンド管１
６ａに取付けたので、温度スイツチ１８は熱交換
器１０の平均的な熱媒温水温度を直接検出するこ
とが可能となり、フアンを適切に制御して冷風の
吹き出しや温風の吹き出し遅れを防止することが
できる。しかも、温度スイツチ１８を付設するベ
ンド管１６ａを他のベンド管１６より突出させて
あるため、ベンド管１６ａの突出部分の周囲に温
度スイツチ１８の取付けスペースおよび取付け作
業（例えばビス止め）のためのスペースが十分に
確保され、温度スイツチ１８の取付けを隣接する
ベンド管１６や他の部品に邪魔されることなく、
簡単に行うことができる。また、突出させたベン
ド管１６ａとコ字型取付け板１７の一片とが面接
触するばかりでなく、コ字型取付け板１７の平板
状他片と平坦な取付け面を有する温度スイツチ１
８とが面接触し、しかも、三者がビス１９にて一
体的に結合されているので、ベンド管１６ａから
温度スイツチ１８への熱伝達が良好に行われ、熱
交換器の中間部の熱媒温度が的確に検出すること
ができ、温度スイツチ８とコ字型取付け板１７の
凹部２０との嵌合により、温度スイツチ８の回り
止めが図られているなど、温度スイツチ８の取付
けも簡単、確実に行うことができる。

(ト) 考案の効果 この考案は以上のように構成されているので、
ベンド管が互いに近接して配列される場合でも、
熱媒流路中間部のベンド管への温度スイツチの取
付けを、隣接するベンド管や他の部品等に邪魔さ
れることなく、簡単に行うことができる。また、
突出させたベンド管とコ字型取付け板の一片とを
面接触させつつ、コ字型取付け板の平板状他片と
平坦な取付け面を有する温度スイツチとを面接触
させ、しかも、三者がビスにて一体的に結合され
るので、ベンド管から温度スイツチへの熱伝達が
良好に行われ、熱交換器の中間部の熱媒温度を的
確に検出できるとともに、温度スイツチの取付け
も簡単、かつ、確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の熱交換器を備え
たフアンコンベクターの一部切欠斜視図、第２図
は同じく熱交換器の要部拡大正面図、第３図は第
２図に示すＡ−A′線での断面図、第４図は従来
の熱交換器の要部を示す正面図、第５図は同じく
側面図である。 １０……熱交換器、１６，１６ａ……ベンド
管、１７……コ字型取付け板、１８……温度スイ
ツチ、１９……ビス、２０……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに隣接する複数本のベンド管を用いて熱媒
   流路を形成した熱交換器において、熱媒流路中間
   部に位置するベンド管を他のベンド管より突出さ
   せ、このベンド管の曲管部に合わせた形状の凹部
   を一片内壁に有し、かつ、この一片と対峙する他
   片を平板状としたコ字型取付け板を前記ベンド管
   の曲管部に嵌合し、前記コ字型取付け板の平板状
   他片の外壁に平坦な取付け面を有する温度スイツ
   チを設置し、この温度スイツチが前記温度スイツ
   チ及びコ字型取付け板を貫通するビスにより前記
   コ字型取付け板に固定されていることを特徴とす
   る熱交換器。