JPH0133195Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は屎尿処理浄化槽、特にそのマンホール
部の改良に関する。

（従来の技術） 一般に、浄化槽は成形上の問題から、浄化槽本
体と、浄化槽本体のマンホール部に設けられるマ
ンホール蓋受枠とは別体に形成され、施工現場若
しくは工場で両者を組立てている。

そして、マンホール蓋受枠Ｃには種々の構造が
あるが、いずれも例えば第６図に示すように基体
５下面の平らな面を、浄化槽本体Ａのマンホール
１の開口上端縁に設けた受枠取付用のフランジ部
３上面に突き当てて該フランジ部３に取りつける
構造であるため、マンホール蓋受枠Ｃはフランジ
部３上面と同じ角度でしかマンホール１部に取り
付けられず、従つて浄化槽本体Ａがグランド面ａ
に水勾配がとつてある場所、例えば車庫等に埋設
される場合やグランド面ａが水平で浄化槽本体Ａ
も本来は水平になるように埋設すべき処、施工場
のミス等により浄化槽本体Ａが水平でなく傾いて
埋設された場合、第６図に示すような状態とな
り、マンホール蓋受枠Ｃ上端がグランド面ａと同
面にならず、グランド面ａよりとび出したり、へ
こんだりして安全性及び外観の面で大きな問題が
ある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案が解決しようとする問題は、施工事にお
いては浄化槽本体の受枠取付用のフランジ部上面
に対するマンホール蓋受枠の取付角度を可変でき
るようにすることである。

（問題を解決するための手段） 上記問題を解決するために本考案が講ずる技術
手段は、マンホール蓋受枠下面に、容易に切断可
能な調整用小突起を設け、浄化槽本体のマンホー
ルの開口上端縁に設けられる受枠取付用のフラン
ジ部に上記マンホール蓋受枠の調整用小突起に対
応する複数の小突起係合部を切欠状又は穴状に設
けるものである。

（作用） 而して本考案の上記構成によれば、小突起を
各々必要の長さに切断しその下端を、浄化槽本体
の受枠取付用のフランジ部上面に当接させること
により、上記フランジ部に対するマンホール蓋受
枠の取付け角度及び高さが可変され、また出荷輸
送時にマンホール蓋受枠の小突起を浄化槽本体の
受枠取付用フランジ部の切欠状又は穴状の小突起
係合部に係合させて両者を固定することが可能に
なる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。

図中Ａは浄化槽本体、Ｃはマンホール蓋受枠で
あり、上記浄化槽本体Ａは上面にマンホール１を
開設する。

マンホー１は、浄化槽本体Ａの上面に突出状に
開設され、その開口上端縁には受枠取付用フラン
ジ部３を内方に向かつて水平に突出形成する。

そして、上記受枠取付用フランジ部３にはマン
ホール蓋受枠Ｃの後述する調整用小突起２に対応
する小突起係合部４を形成する。

マンホール蓋受枠Ｃは、浄化槽本体Ａのマンホ
ール１より若干大径な外径と、受枠取付用フラン
ジ部３の内径と略同径若しくは若干小径な内径を
有する環状の基体５上面に、内周壁６と外周壁７
を起設し、下面には取付壁８と調整用小突起２を
垂設して形成する。

内周壁６は、基体５の内周縁に沿つて環状に形
成し、外周壁７は上記内周壁６の外側にこれとは
適宜間隔をおいて、内周壁６と同心でしかも内周
壁６より丈の高い環状に形成する。

而して、基体５上面には内外両周壁６，７に狭
まれて溝状を呈する環状のマンホール蓋係合部９
が形成される。

一方、取付壁８は、マンホール１の外周に嵌合
せしめ得るように基体５下面の幅方向中間部に上
記内外両周壁６，７と同心の環状に形成して下向
きに垂下し、調整用小突起２は、取付壁８の内側
でこれと適宜間隔を有する同心円上に、相互に適
宜間隔をおいて複数個設ける。

上記、調整用小突起２の各々は上下方向の長さ
が取付壁８のそれより若干短かい小片状に形成す
ると共に上下方向の任意の位置で容易に切断可能
に形成する。

尚、浄化槽本体Ａの受枠取付用フランジ部３に
形成する前述の小突起係合部４は、上記フランジ
部３の内周縁部を切欠いた切欠状に形成するか穴
状に形成し、調整用小突起２相互の間隔に相当す
る間隔をおいて小突起２の数だけ設ける。

而して、斯る浄化槽は浄化槽本体Ａのマンホー
ル１部にマンホール蓋受枠Ｃの取付壁８を外嵌す
ることにより、該部分にマンホール蓋受枠Ｃを取
付固定して使用に供されるが、出荷及び施工現場
への輸送に際しては、第４図、第５図に示すよう
にマンホール蓋受枠Ｃの調整用小突起２を、浄化
槽本体Ａの受枠取付用フランジ部３の小突起係合
部４に嵌込み係合させて、マンホール蓋受枠Ｃを
浄化槽本体Ａのマンホール１に外嵌し、取付壁８
をマンホール１部にボルト、ナツトあるいはプラ
スチツクリベツト等工事現場で比軽的容易に取り
外すことができる固定部材１０で固定する。

また、施工に際しては、浄化槽本体Ａを埋設し
たグランド面ａが水平でなく、勾配のある場合
や、万一施工上のミス等により浄化槽本体Ａが水
平でなく埋設された場合には、受枠Ｃの調整用小
突起２を係合部４から外ずして所要の位置で切断
し、その下端を受枠取付用フランジ３上面に当接
させてグランド面ａとマンホール面が同面となる
ように調整するか、浄化槽本体Ａの受枠取付用フ
ランジ３の傾きを調整してマンホール蓋受枠Ｃの
基体５上面が水平になるようにする。

尚、浄化槽本体Ａを埋設したグラン面ａが、水
平であり、かつ浄化槽本体Ａも水平に埋設されて
いるときには、マンホール蓋受枠Ｃは調整用小突
起２を切断せずにそのまま下端をフランジ部３に
当接せしめてマンホール１部に取りつけるか、必
要によつては上記小突起２を全て同じ長さに切断
して高さのみを調節する。

更に場合によつては調整用小突起２を小突起係
合部４に係合させた状態でマンホール蓋受枠Ｃを
浄化槽本体Ａに取付固定することも可能である。

尚、図中Ｂはマンホール蓋であり、周縁に沿つ
て下向きに突出する係合片１１をマンホール蓋受
枠Ｃ上面のマンホール蓋係合部９に係合させてマ
ンホール蓋受枠Ｃ上面に被せ、マンホール１の開
口部を塞ぐ。

（効果） (1) マンホール蓋受枠の下面に容易に切断可能な
調整用小突起を複数個設けたので、浄化槽本体
を埋設した場所のグランド面が傾斜していた
り、グランド面が水平であつても浄化槽本体が
施工ミス等により傾斜して埋設されたときで
も、上記調整用小突起を必要長さに切断するこ
とにより浄化槽のマンホール開口面をグランド
面の傾きに合致させて両面を同面とすることが
でき、またマンホール蓋受枠の取付部、即ち受
枠取付用フランジ部の傾きを調整してマンホー
ル開口面の水平確保ができる。

(2) 浄化槽本体の受枠取付用フランジ部にマンホ
ール蓋受枠の調整用小突起に対応する小突起係
合部を設けたので、出荷及び諭送に際しては、
調整用小突起と、小突起係合部とを係合させ、
受枠の基体下面を取付用フランジ部の上面に密
着させた状態で受枠を浄化槽本体のマンホール
部に嵌合装着することができ、調整用小突起を
設けたにもかかわらず従来の浄化槽同様ボル
ト、ナツトやプラスチツクリベツト等の固定部
材で両者を固定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す浄化槽の断面
図で設置状態を示してある。第２図は設置施工時
の状態を示す要部の拡大平面図で一部切欠して示
してある。第３図は同拡大断面図、第４図は出
荷、輸送時の状態を示す要部の拡大平面図で一部
切欠して示してある。第５図は同拡大断面図、第
６図は従来の浄化槽の一例を示す断面図で設置状
態を示してある。 Ａ：浄化槽本体、Ｂ：マンホール蓋、Ｃ：マン
ホール蓋受枠、１：マンホール、２：調整用小突
起、３：受枠取付用フランジ、４：小突起係合
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面にマンホールを開設した浄化槽本体と、浄
   化槽本体のマンホール部に装着されてマンホール
   蓋を係合支持する環状のマンホール蓋受枠とを備
   え、上記マンホール蓋受枠下面には容易に切断可
   能な調整用小突起を複数個設け、浄化槽本体のマ
   ンホールにはその開口上端縁に設けた受枠取付用
   フランジ部に上記マンホール蓋受枠の調整用小突
   起に対応する複数の小突起係合部を切欠又は穴状
   に設けてなる浄化槽。