JPH0133067Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、本体フレーム上部のシート上によ
こたわる患者の体がその自重によつて前記本体フ
レーム内部のローラに圧接している状態で、この
ローラを往復動させることにより所定の加圧作用
を行なうローラ式加圧治療機に関するものであ
る。

従来、この種のローラ式加圧治療機はシートの
上、下動調整機構またはローラの上、下動調整機
構を装備していて、これらの調整機構によりシー
トとローラとの上、下方向の相対位置関係または
シートの張りの強さを可変し、このことによつて
患者の人体に対するローラの加圧力を適宜調整す
るように構成されている。

しかしながら、このような加圧力調整手段によ
れば、前記のような特別な調整機構を装備しなけ
ればならず、しかも複数のローラ群を有する加圧
治療機においては、各ローラ群毎に前記の調整機
構を装備しなければならなかつた。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
直立面内の１つの円軌道に沿つて循環移動する複
数のローラを適宜の移動位置で停止させる構成を
有することにより、単に前記ローラの停止位置を
変えるだけで加圧力の調整を極めて簡単に行なう
ことができて、複雑な加圧力調整専用の調整機構
を特別必要とせず、しかもマツサージ効果および
押圧効果が優れたローラ式加圧治療機を提供する
ことを目的とする。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

図中符号１は箱枠型の本体フレームを示し、そ
の上方の四角枠状部にはシート２がその四辺をも
つて張設されている。本体フレーム１の両側部に
おける図中左、右部分には、それぞれ対の第１縦
フレーム３、第２縦フレーム４が架設されてい
る。第１縦フレーム３の所定位置の相互間には、
１対のガイドレール５の一端側が回動自在に１点
支持されている。このガイドレール５はその他端
側が昇降操作機構６に連結されていて、その一端
側の１点支持部を支点とする適宜の傾斜状態に調
整されるようになつている。すなわち、昇降操作
機構６は第３図に示すように、本体フレーム１の
両側部に設けられた軸受７によつてシヤフト８が
回転自在に支持され、このシヤフト８の両側部に
設けた逆ねじ部８ａ，８ｂにナツト９がそれぞれ
螺じ合わされ、そして前記ガイドレール５の他端
部相互間に一体形成された接続体１０とナツト９
との間に連結体１１がピンによつて連結されてな
り、シヤフト８の一端に取付けたハンドル１２を
回わすことにより、接続体１０を水平状態のまま
昇降操作して、ガイドレール５の傾斜調整を行な
うようになつている。

ガイドレール５には、車輪１３を介して移動枠
１４が移動自在に載置されている。この移動枠１
４上の図中左方の両側部および図中右方の両側部
のそれぞれには対の軸受部材１５，１６が設けら
れている。左方の軸受部材１５の相互間には、両
端に第１の回転体１７を有する第１の軸１８が回
転自在に支持され、また右方の軸受部材１６の相
互間には、両端に第２の回転体１９を有する第２
の軸２０が回転自在に支持されている。したがつ
て、これら第１、第２の軸１８，２０は、本体フ
レーム１の長さ方向に所定距離離間し且つ本体フ
レーム１の幅方向に沿つて互いに平行な状態で支
持されている。第１の回転体１７は、中心角120゜
ずつ離間した３箇所から放射方向に延出する部分
を有するいわゆる３叉状とされていて、対応する
対の突出部分の相互間に複数のローラ２１が３つ
の軸２２を介して回転自在に保持されている。第
２の回転体１９は、中心角180゜ずつ離間した２箇
所から放射方向に延出する部分を有するいわゆる
２叉状とされていて、対応する対の突出部分の相
互間に複数のローラ２１が２つの軸２２を介して
回転自在に保持されている。

前記第１、第２の軸１８，２０は、それぞれ個
別の駆動機構２３，２４によつて回転駆動されか
つ適宜の回転位置で停止固定されるようになつて
いる。すなわち、両駆動機構２３，２４は、移動
枠１４上に架設された横フレーム２５，２６にお
いて同様に構成されていて、それぞれモータ２７
の回転をベルト２８、ウオーム減速機２９、チエ
ーン３０を介して対応する軸１８，２０のスプロ
ケツト３１に伝達するようになされている。各モ
ータ２７はそれぞれ対応する軸１８，２０の一端
側に装備された回転位置検出器（図示せず）に接
続されている。これらの検出器は、例えば軸１
８，２０の一端側にギヤを介して回転板がそれぞ
れ連結され、そしてこれらの回転体の周方向に沿
つた所定箇所に複数のマグネツトが取付けられる
と共に、これらの回転体と対向する軸受部材１
５，１６の所定箇所にリレーが取付けられてな
り、回転体が所定の回転状態のとき、リレーに対
向するマグネツトがそのリレーを作動させること
により、第１の軸１８側のリレーが少なくとも第
４図ａ、第４図ｂ、第４図ｃに示すような第１の
回転体１７の３つの回転位置を検出し、第２の軸
２０側のリレーが少なくとも第５図ａ、第５図
ｂ、第５図ｃに示すような第２の回転体１９の３
つの回転位置を検出するようになされている。そ
して、各リレーが第１、第２の回転体１７，１９
の上記３つの回転位置を検出したとき、対応する
駆動機構２３，２４を制御して、第１、第２の回
転体１７，１９を停止できるようになつている。
なお、ウオーム減速機２９は停止時にその出力軸
の自由回転が阻止されており、回転体１７，１９
が適宜の回転位置で停止された状態においてロー
ラ２１に上方からの負荷が加わつても回転体１
７，１９が空回りして回転停止位置がズレてしま
うことはない。

本体フレーム１の下側に架設された横フレーム
３２，３３には、チエーン３４が架け渡された１
対のスプロケツト３５，３６が設けられており、
一方のスプロケツト３５は減速機３７を介してモ
ータ（図示せず）に連結されている。チエーン３
４の１箇所にはアタツチメントを介してベアリン
グ３８が取付けられ、そしてこのベアリング３８
は、前記移動枠１４に設けられた垂下板３９の縦
溝４０内に嵌め合わされている。したがつて、図
示しないモータによつてチエーン３４がスプロケ
ツト３５，３６間を移動すると、これに追従して
移動枠１４が前記ガイドレール５にガイドされつ
つ往復動するようになされている。

次に、上記構成の加圧治療機の作動について説
明する。

シート２上によこたわる患者の体は、その自重
によつて第１、第２の回転体１７，１９の上方位
置のローラ２１に圧接する。したがつて、この状
態において移動枠１４を往復動させると、上方位
置のローラ２１は患者の体をその下方から連続し
て加圧作用する。

また、駆動機構２３，２４によつて第１、第２
の回転体１７，１９を回転させながら、移動枠１
４を往復動させると、両回転体１７，１９の各ロ
ーラ２１は回転しながら加圧作用する。この場合
において、第６図ａに示すようにローラ２１の回
転方向とその進行方向が同じときはマツサージ効
果を奏し、また第６図ｂに示すようにローラ２１
の回転方向とその進行方向が逆のときは押圧効果
を奏する。

また、局部治療を行なう場合には、移動枠１４
を適宜位置に停止させた状態で、第１の回転体１
７または第２の回転体１９を回転させることによ
り、局部に対するローラ２１の集中加圧を行な
う。

次に、患者の人体に対するローラ２１の加圧力
を調整する場合、第１、第２の回転体１７，１９
が回転されるときは、昇降操作機構６によるガイ
ドレール５の傾斜度合の調整すなわち移動枠１４
の上、下動調整により行なう。また、第１、第２
の回転体１７，１９の回転が停止されるときは、
上記移動枠１４の上、下動調整とともに、第１、
第２の回転体１７，１９の回転停止位置の選定に
より行なう。すなわち、弱圧治療の際は、第４図
ａ、第５図ａに示すように各回転体１７，１９側
のそれぞれにおける２組のローラ２１が平行とな
るような停止状態として、これら合計４組のロー
ラ２１を低い高さl₁の位置から弱く加圧作用させ
る。中圧治療の際は、第４図ｂ、第５図ｂに示す
ように各回転体１７，１９側のそれぞれ１組のロ
ーラ２１が上方45゜に位置するような停止状態と
して、これら合計２組のローラ２１を中ぐらいの
高さl₂の位置から加圧作用させる。強圧治療の際
は、第４図ｃ、第５図ｃに示すように各回転体１
７，１９側のそれぞれ１組のローラ２１が真の上
方に位置するような停止状態として、これら合計
２組のローラ２１を高い高さl₃の位置から強く加
圧作用させる。

なお、移動枠１４を適宜位置に停止させた状態
で、前記の方法により単にローラ２１の加圧力を
大きくさせれば、患者の局部に対しいわゆる牽引
治療を行なうこともできる。

また、移動枠１４上に温熱ヒータを装備し、こ
の温熱ヒータが常にシート２を介して患者の体に
当たるようにすれば、移動枠１４の移動中は全身
に、またその停止時は局部的に効率の良い温熱効
果を施すことができる。

また、回転体１７，１９の形状は何ら２叉状ま
たは３叉状に限定されないが、２叉〜４叉状が適
当である。

以上詳細に説明したように、この考案に係るロ
ーラ式加圧治療機によれば、直立面内の１つの円
軌道に沿つて循環移動する複数のローラを適宜の
移動位置で停止固定させる構成を有するので、単
に前記ローラの停止位置を変えるだけで加圧力の
調整を極めて簡単に行なうことができ、この結
果、複雑な加圧力調整機構を特別必要とせず、し
かもローラが回転しつつ進行するので優れたマツ
サージ効果および押圧効果を奏する等種々の効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図はそ
の一部切欠平面図、第２図はその縦断側面図、第
３図は昇降操作機構の概略構成図、第４図ａ、第
４図ｂおよび第４図ｃは第１の回転体の各停止状
態を示す図、第５図ａ、第５図ｂおよび第５図ｃ
は第２の回転体の各停止状態を示す図、第６図ａ
と第６図ｂは１つの治療作用状態の説明図であ
る。 １……本体フレーム、２……シート、１４……
移動枠、１７……第１の回転体、１９……第２の
回転体、２１……ローラ、２３，２４……駆動機
構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面にシートを張設した本体フレームと、前記
   本体フレームにその長手方向に沿つて往復動自在
   に設けられた移動枠と、前記移動枠を往復動させ
   る駆動機構と、前記移動枠に前記本体フレームの
   幅方向の軸を中心として回転自在に保持された
   左、右１対の回転体と、前記１対の回転体におい
   て前記軸からずれた複数箇所の相互間に互いに平
   行な軸を中心として回転自在に保持された複数の
   ローラを有するローラ式加圧治療機において、前
   記回転体を回転させかつこの回転体を適宜の回転
   位置で停止固定可能な駆動機構を設け、該駆動機
   構により前記回転体の回転停止固定位置を変える
   ことで前記回転体の回転軸に対する前記ローラの
   高さの位置を変化せしめ、前記シート上によこた
   わる患者の体に対するローラの加圧力を可変する
   ようにしたことを特徴とするローラ式加圧治療
   機。