JPH0133015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は自動ひだ取り用オーバーロツクミシ
ンに関する。

従来技術と考案が解決しようとする問題点 ひだ取りは通常、主軸に連動して送り方向に往
復動するブレードによつて行われ、針が上下動し
て一縫い目形成される毎に一往復して一つのひだ
を形成するようになつている。そのため常に間隔
や大きさが一定の連続したひだが形成され、大き
さや間隔の変化したひだ取りを行うことはできな
かつた。

問題点を解決するための手段 この考案はひだの大きさや間隔が変化したひだ
取りを行うことができ、しかもその大きさや間隔
が簡単に変えられ、種々の変化に富むひだ取りが
容易に得られるようにしたもので、ブレードの往
復動を制御するソレノイドを有し、ソレノイドは
プログラム制御されるようになつていることを特
徴とする。

ここでソレノイドはブレードを直接作動させる
ようにすることもできるが、好ましくはアクチユ
エータを介してブレードを作動させるようにす
る。すなわちソレノイドはブレードに連結される
アクチユエータの切換弁を制御するようにされ
る。

作 用 制御装置に好みのプログラムをセツトしたのち
ミシン主軸の一回転毎に発する信号をカウント
し、それがプログラムされた所定のカウント数に
達したときソレノイドが励磁され、ブレードを前
進させてひだを形成する。

実施例 第１図は自動ひだ取り装置Ａとテープガイド１
を備えるとともに針落ちの前後に差動送り歯１６
ｂと主送り歯１６ａとを設け、差動送り歯１６ｂ
と協働して布を挟んで送り作用を行う上送り歯１
７を備えたオーバーロツクミシンを示すもので、
ひだ取り装置Ａは上下の布Ｂ及びＣ間に介在する
テープ地若しくは布地Ｔ（以下テープという）と
下布Ｃとの間に挿入され、押え金２下まで伸びて
テープＴと下布Ｃを上下に分離する分離ブレード
３と（第５図参照）、分離ブレード上で送り方向
に往復動し、分離ブレード上のテープＴにひだを
寄せる可動ブレード４よりなり、可動ブレード４
には図示しない切換弁の切換によつてエアーが切
換供給されるエアーシリンダー６と、該ピストン
ロツド７端にアーム８を連結した揺動動軸９と、
揺動軸他端に固着され、可動ブレード４を軸支す
るクランク１０と、可動ブレード４を図の反時計
方向に付勢し、分離ブレード３に弾接させるコイ
ルバネ１１とよりなる作動装置が連結され、上記
切換弁を制御するため設けられるソレノイド（図
示しない）は制御装置にセツトされたプログラム
に応じて励磁されるように、なわちミシン主軸の
一回転毎に発する信号をカウントし、それがプロ
グラムの所定のカウント数に達したとき発する出
力信号により励磁さるようにしてある。また上送
り歯１７は３列に分割され、押え金２に設けた３
列の孔２ａを貫通して上布Ｂを押圧した状態で送
るようにしている。

テープガイド１は先端が45゜傾斜し、これにテ
ープＴが第２，３図に示されるように、直角に折
り曲げて通され、分離ブレード３上を通つて押え
金下に送られるようになつている。

テープガイド１はまたエアーシリンダー１３の
ピストンロツド１４端に連結され、ピストンロツ
ド１４の出入に伴つて送り方向と直交する向きに
進退するようになつており、エアーシリンダー１
３は上記エアーシリンダー６と同様、プログラム
制御されるようにしてある。図中１５はテープガ
イド１が一方向に動くよう案内するために設けら
れる案内棒である。

本装置は以上のように構成され、その使用に際
しては先ず押え金２並びに分離ブレード３、可動
ブレード４を持ち上げ、下布Ｃを分離ブレード３
下に挿入して押え金及び各ブレードを下ろしたの
ち或いはこれを持ち上げたまゝの状態で下布Ｃの
挿入に前後してテープＴ及び上布Ｂをそれぞれ分
離ブレードと可動ブレードの間及び可動ブレード
上の所定の位置にセツトし、押え金及び各ブレー
ドを下ろした状態でミシンを駆動する。ミシン駆
動後下布Ｃは下送り歯１６により、上布Ｂは上送
り歯１７により、またテープＴはセツトされたプ
ログラムに応じて適宜往復動する可動ブレード４
によりそれぞれ送られ、可動ブレードの前進に伴
つて上下の布Ｂ，Ｃよりも大なる送り量で送られ
るテープＴには適宜ひだが寄せられながら針落ち
に送られ、上下の布とともに縁かゞり縫いにより
縫合される。なおこの場合、可動ブレード４は、
上送り歯１７が上布Ｂに作用して送り動作を開始
する時、好ましくはその開始直後まで前進位置を
保つて、ひだ寄せしたテープＴをそのひだ形状を
崩さないように上布Ｂを介して上送り歯１７に確
実に受渡しできるようにする。以上のようにして
テープＴにはセツトされたプログラムに応じて間
隔が変化したひだが形成されるが、これに併せて
テープガイド１を随時動かせば、第４図に示され
るようにひだ取りされたテープの巾を広くしたり
狭くしたり或いはまたテープのない部分を作つた
りして変化に富んだひだ取りを行うことができる
ようになる（なお布よりはみ出したテープＴはオ
ーバーロツクミシンに通常設けられる布切断用の
メスによつて針落ち直前に布とともに切断され切
り揃えられる）。上記実施例には上下の布間に介
在するテープにひだを寄せて縫い付けるものを示
したが、布上にテープを縫い付ける場合でも同様
にテープにひだ取りをすることができる。

考案の効果 本案によれば以上のように、可動ブレードを制
御装置にセツトされたプログラムに応じて適宜動
かすことによつて大きさや間隔の変化したひだを
寄せることができる。また制御装置にセツトされ
るプログラムは他のものに変えるのが比較的容易
であり、ひだの間隔を簡単に変化させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るひだ取り装置を備えたオ
ーバーロツクミシンの要部斜視図、第２図は布及
びテープをセツトした時の状態を示す斜視図、第
３図はひだ取り時の斜視図、第４図はひだ取りさ
れるテープの巾を変化させた斜視図、第５図はひ
だ取り時の要部断面図である。 １……テープガイド、２……押え金、３……分
離ブレード、４……可動ブレード、６……エアー
シリンダー、１３……エアーシリンダー、１６
ａ，１６ｂ……下送り歯、１７……上送り歯。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 重ね合わせた布間に挿入され、布を上下に分
   離する分離ブレードと、分離ブレード上で送り
   方向に往復動し、分離ブレード上の被縫合物に
   ひだを寄せる可動ブレードと、主軸の回転数に
   対応して制御装置にセツトされたプログラムに
   より制御され、可動ブレードの往復動を制御す
   るソレノイドとを有する自動ひだ取り用オーバ
   ーロツクミシン。 (2) 可動ブレードはソレノイドによつて制御され
   る切換弁を備えたアクチユエータに連結される
   登録請求の範囲第１項記載の自動ひだ取り用オ
   ーバーロツクミシン。 (3) 針落ちの前後に作動送り歯と主送り歯とを設
   け、作動送り歯と協働して布を挟んで送り作用
   を行う上送り歯を備え、可動ブレードによりひ
   だ寄せした布をその上送り歯に受け渡すように
   した登録請求の範囲第１項及び又は２項記載の
   自動ひだ取り用オーバーロツクミシン。