JPH0132818B2 - - Google Patents

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JPH0132818B2
JPH0132818B2 JP56014960A JP1496081A JPH0132818B2 JP H0132818 B2 JPH0132818 B2 JP H0132818B2 JP 56014960 A JP56014960 A JP 56014960A JP 1496081 A JP1496081 A JP 1496081A JP H0132818 B2 JPH0132818 B2 JP H0132818B2
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JP
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acetone cyanohydrin
acetone
hydrocyanic acid
cyanohydrin
crude
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JP56014960A
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Hiroaki Kai
Satoru Nezu
Hirohito Goto
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はアルカリ触媒の存在下に青酸とアセト
ンを反応させてアセトンシアンヒドリンを合成
し、次いで使用したアルカリ触媒を中和して得ら
れる、酸性不純物、未反応青酸、未反応アセトン
および水を含む粗アセトンシアンヒドリンを連続
的に精製し、これらの不純物を実質的に含まない
精製アセトンシアンヒドリンを効果的に製造する
方法に関する。 アセトンシアンヒドリンは一般にアルカリ触媒
の存在下に青酸とアセトンを反応させて製造す
る。かくして得られる粗アセトンシアンヒドリン
には、未反応の青酸およびアセトンのほかに、反
応原料および触媒に伴なわれて持ち込まれる水、
アルカリ触媒を中和する際に発生する水、青酸の
安定剤として用いられる酸性物質(例えば、リン
酸、硫酸などの高沸点物や亜硫酸ガスなどの低沸
点物を含む)、アセトンシアンヒドリン自体の安
定性を保つために過剰に加えられた酸性物および
中和に際して発生する塩等が含まれるため、粗ア
セトンシアンヒドリンの精製には様々な工夫が必
要とされている。 アセトンシアンヒドリンの精製法として、従
来、次のような方法が提案されている。 (1) アセトンと青酸を含む粗アセトンシアンヒド
リンをフラツシユ蒸留して青酸の大部分、それ
より低沸点の成分およびアセトンを留去し、次
いでアセトンシアンヒドリンを減圧蒸留して残
余の低沸点物を実質的に含まないアセトンシア
ンヒドリンを得、一方フラツシユ蒸留の留出物
から放散塔で低沸点物を追い出して青酸および
アセトンを得る方法(特公昭48−3824号公報参
照)。 (2) 青酸およびアセトンを含む粗アセトンシアン
ヒドリンを蒸留に付して前記低沸点不純物を除
去して精製アセトンシアンヒドリンを得るに当
り、留出する前記低沸点不純物の一部をアルカ
リ触媒含有粗アセトンシアンヒドリンと接触さ
せて吸収、反応させて精製する方法(特公昭48
−7619号公報参照)。 (3) 上記(1)および(2)の方法を組合せた方法(特公
昭48−12727号公報)。 (4) 粗アセトンシアンヒドリンを減圧蒸留して青
酸およびアセトンを留出させ合成反応器に回収
し、塔底からのアセトンシアンヒドリンを第2
蒸留塔に供給して塔頂から水分を除去し、塔底
から精製シアンヒドリンを得る方法(「Ind.
Eng.Chem.」1959、Vol51、No.10、1236〜1238
頁および「Oil and Gas J.」1966、6、20号、
187〜188頁参照)。 これらの方法は、いずれも特定の問題を解決す
る提案としてそれなりに有意義なものであるが、
それぞれ、依然として以下のような多くの問題が
残されている。 すなわち(1)の方法には、以下のような問題があ
る。 (i) 粗アセトンシアンヒドリンを精製して酸性不
純物および水を除去し、青酸およびアセトンを
回収するために4本の蒸留塔が必要であり、し
かもそのうちの3本は減圧蒸留塔で極めて複雑
であり設備費が嵩むという問題があり、また青
酸、アセトンシアンヒドリンといつた毒、劇物
を取扱うため危険性が高いという問題がある。 (ii) 水分を含むと極めて分解しやすくなるアセト
ンシアンヒドリンを精製工程の最終塔で脱水す
るために、それ以前のフラツシユ塔および蒸留
塔の工程においてアセトンシアンヒドリンが分
解することが多く、分解を押えるためには高真
空による低温蒸留を実施するとか、滞留時間を
短縮するための特別の配慮が必要になつたりす
るという問題がある。 (iii) 本発明者等の研究によればアセトンシアンヒ
ドリンの分解に係わる最も重要な因子は液のPH
であるが、このPHに対する配慮が何らなされて
いないため、粗アセトンシアンヒドリンのPHに
帰因する複雑な分解現象を抑制することができ
ていない。 次に前記(2)の方法には以下のような問題があ
る。 (i) 粗アセトンシアンヒドリンに含まれている酸
性不純物ガスがアルカリ性アセトンシアンヒド
リンに吸収されてしまうので、反応工程に反送
した際、好適な反応条件を維持するためにアル
カリ触媒の追加添加が必要となり、このことは
更に中和用酸の使用増→中和塩の増加→別操
作量の増加→過器再生の際発生する廃水水質
の悪化及び有用成分損失量の増大という問題を
惹き起す。また、溶解酸性物質の増加によつて
蒸留塔塔頂から留出する酸性物質が増加し、こ
れは前記吸収操作により再び合成反応工程に反
送され、系内に順次リサイクルされて次第に蓄
積していくという問題がある。 (ii) 粗アセトンシアンヒドリンを減圧系で不凝縮
ガスと接触させるため粗アセトンシアンヒドリ
ンに含まれるアセトン及び青酸が不凝縮ガスに
伴なわれて解放され、アセトン及び青酸の損失
量が回収量に較べて無視できない量になるおそ
れがある。 また前記(3)の方法には上記した(1)及び(2)の両方
法における問題点がそのままあらわれる。 更に、前記(4)の方法においても、最初の減圧蒸
留における留分を直接合成反応器に反送するた
め、青酸に安定剤として一般に含まれている酸性
ガス(例えば亜硫酸ガス)がそのまま合成反応器
に返送されるため前記(2)−(i)と同様、アルカリ触
媒が浪費され、中和用酸量が増加し、中和塩の増
加などの問題がある。 以上のように、従来提案されているアセトンシ
アンヒドリンの精製方法には実用上いくつかの問
題があり、前記不純物を含む粗アセトンシアンヒ
ドリンを精製するに際し、それ自体の分解を防ぎ
つつ、不純物の系内への蓄積による妨害をなく
し、有用成分を効果的に回収し、かつ、実質的に
不純物を含まない精製アセトンシアンヒドリンを
得ることが強く望まれている。 かかる現状に鑑み、本発明者等は前述した従来
のアセトンシアンヒドリンの精製方法の問題点を
解決すべく鋭意研究を進めた結果、PH及び水分、
更に温度がアセトンシアンヒドリンの分解に極め
て大きく関与していることを見出し、これらの要
因を好ましい条件に設定することによつてアセト
ンシアンヒドリンを効果的に精製することができ
ることを見出し本発明をするに至つた。 本発明に従えば、先ず、アルカリ触媒の存在下
に青酸とアセトンを反応させてアセトンシアンヒ
ドリンを合成し、次いで使用したアルカリ触媒を
中和して得られる、酸性不純物、未反応青酸、未
反応アセトンおよび水を含む粗アセトンシアンヒ
ドリンを精製してアセトンシアンヒドリンを製造
するにあたり、予め粗アセトンシアンヒドリン中
の水含量を2.5重量%以下に維持すると共に、精
留塔塔底から採取される精製アセトンシアンヒド
リンの10体積%水溶液のPHが3.2〜4.5の領域にな
るように水含量を前記値に調整した粗アセトンシ
アンヒドリンに酸又はアルカリを添加して、粗ア
セトンシアンヒドリンを単一の蒸留塔を用いて精
留することから成るアセトンシアンヒドリンの製
造方法が提供される。 本発明に従えば、更にアルカリ触媒の存在下に
青酸とアセトンを反応させてアセトンシアンヒド
リンを合成し、次いで使用したアルカリ触媒を中
和して得られる、酸性不純物、未反応青酸、未反
応アセトンおよび水を含む粗アセトンシアンヒド
リンを精製してアセトンシアンヒドリンを製造す
るにあたり、予め粗アセトンシアンヒドリン中の
水含量を2.5重量%以下に維持すると共に、精留
塔塔底から採取される精製アセトンシアンヒドリ
ンの10体積%水溶液のPHが3.2〜4.5の領域になる
ように水含量を前記値に調整した粗アセトンシア
ンヒドリンに酸又はアルカリを添加して、粗アセ
トンシアンヒドリンを第一の蒸留塔で精留して精
製アセトンシアンヒドリンを取得すると共に、第
一のの蒸留塔の塔頂留出液を第二の蒸留塔へ送
り、その塔頂より亜硫酸ガスを主成分とする低沸
点成分を分離し、塔中段より青酸、アセトン及び
アセトンシアンヒドリンを抜出して青酸とアセト
ンとの反応系へ循環し、そして塔底より余剰水を
除去することから成るアセトンシアンヒドリンの
製造方法が提供される。 本発明方法を更に詳しく説明すると、アセトン
シアンヒドリンは一般には原料として、アセトン
と、酸性安定剤(例えば、硫酸、リン酸、亜硫酸
ガスなど)を含んだ青酸とを用い、これらをアル
カリ性の触媒水溶液(例えばアルカリ金属やアル
カリ土類金属の水酸化物水溶液)の存在下に液体
反応器内で反応させて合成される。この反応は発
熱反応であるので除熱し乍ら行い、反応収率を向
上させるためには反応温度を−20〜20℃の範囲と
するのが好ましい。この際青酸用の酸性安定剤は
殆んどすべてアルカリ触媒で中和されて反応液中
にとどまる。 反応完了後、生成した粗アセトンシアンヒドリ
ンを安定に保持するために硫酸やリン酸などの酸
で中和して合成反応液のPHを10体積%(vol%)
水溶液において2.5〜3.5の範囲になるように調整
する。かくすることによつて反応平衡が維持され
通常の温度においてはアセトンシアンヒドリンの
分解が無視できるようになる。この中和反応によ
つて塩が生成すると共に水が副生し、塩の大部分
は析出して懸濁状態にて液中に存在する。このよ
うにして酸性状態となつた粗アセトンシアンヒド
リンのPHは、安定剤としての添加した酸のほか
に、亜硫酸や未反応青酸の如き極めて揮発しやす
い酸によつても呈される値である。精製されたア
セトンシアンヒドリンにはこれらの揮発性酸は含
まれないので真に安定なアセトンシアンヒドリン
の示すPH値を予め粗アセトンシアンヒドリンの状
態で予測することは困難である。このため実用上
は、揮発性酸の含有量とPHの相関を実験的に或い
はプロセス上の経験から把握しておくことが重要
である。 更に、粗アセトンシアンヒドリン中に存在する
水分がアセトンシアンヒドリンを分解するという
知見に基づき、必要に応じて、加熱蒸留に付す前
に、予め粗アセトンシアンヒドリンを脱水処理し
て粗アセトンシアンヒドリン中の水分含量を2.5
重量%以下好ましくは1.0重量%以下にする。脱
水処理の方法としては様々な方法を適用すること
ができるが、例えば、120℃を超えない可能な限
り低い温度で中性又は酸性脱水剤(例えば
CaCl2、P2O5など)を添加して滞留時間をできる
だけ短かくして行なう。 次いで粗アセトンシアンヒドリン中に含まれる
中和塩および脱水剤の析出固形物を効果的に捕集
するために粗アセトンシアンヒドリンを、例えば
35〜50℃に温調して過器を通し、液を減圧蒸
留塔へ送入する。 減圧蒸留塔では塔底温度を低くして減圧蒸留し
た方がアセトンシアンヒドリンの分解を抑えるの
には有利であるが、そのためには高真空運転をす
る必要があるので蒸留塔塔径を大きくしなければ
ならず、塔頂成分の凝縮温度が低下するので冷媒
系に特別の方法を用いなければならないという問
題がある。このため、本発明方法においては、通
常、塔底温度130℃以下、好ましくは100〜125℃
及び塔底圧力50〜160Torrで減圧蒸留する。減圧
蒸留塔においては実質上全量の低沸点成分と少量
(好ましくは1%以下)の分解アセトンシアンヒ
ドリンが塔頂へ留出し、留出物のうちの亜硫酸ア
ルカリ塩の熱分解および溶解亜硫酸ガスの放散に
より減圧蒸留塔の塔頂部に集められた酸性ガスの
一部は真空系へ排出され、残りは他の留出物と共
に回収蒸留塔(回収塔)へ送られる。減圧蒸留塔
の塔底からは亜硫酸塩、青酸、アセトン及び水を
実質的に含まない精製アセトンシアンヒドリンが
得られる。一方、回収塔の塔頂部には亜硫酸ガス
が集められ、青酸及びアセトンから適当な分離方
法(例えば、分縮器を用いる方法1により分離さ
れる。更に回収塔の塔頂と液送入部との間の適当
な位置から青酸、アセトン及びアセトンシアンヒ
ドリンが回収される。また塔底からは余剰の水分
が除去される。このようにして回収された有効成
分にはもはやアルカリ触媒を浪費したり、中和酸
とその塩を増やし機器の閉塞や過負荷を増大さ
せたりするなどの妨害をひき起す亜硫酸ガスが含
まれておらず、またアセトンシアンヒドリンの分
解を促進する水分も除去されているので、反応系
に不都合をひき起すことなく好適に循環すること
ができる。前述の如く、本発明者らは、液のPH、
水分及び温度がアセトンシアンヒドリンの分解に
大きく関与していることを見出したが、後述の実
施例にも示したように、例えばアセトンシアンヒ
ドリンの分解速度定数K(mol%/mm)と蒸留温
度T(℃)との間には、水分濃度0.2%以下におい
て次の関係がある。 log(K×103)=A+B/C+T ……(1) 式中、A、B及びCは、PHによつて定まる定数
である。
【表】 一方、分解速度定数K(mol%/mm)と水分濃
度W(%)との間には次の関係がある。 K=aW2+bW+c ……(2) 式中、a、b及びcはPH及び温度によつて定ま
る定数であり、例えばPH=3.7〜3.9及び温度120
℃において以下の通りである。 a:7.8078×10-4 b:3.9079×10-3 c:2.8508×10-3 以下、本発明方法の好ましい実施態様につき添
付第1図を参照して説明する。 第1図のフローにおいて、酸性安定剤を含む青
酸1、アセトン2及びアルカリ触媒3をそれぞれ
配管を通してアセトンシアンヒドリン合成反応器
4に送入する。反応器4には反応熱を除去して反
応温度を一定に保つための温度調節手段が備えら
れている。また反応器4では反応収率を維持する
ために反応系を適正なPH(通常、直接測定値で
8.9〜9.0)に保つよう触媒量の調節を行なう。反
応器4は一槽或いは多槽のいずれともすることが
できまた連続式又は回分式のいずれの反応型式で
あつてもよい。反応器4からの反応液はそのまま
の温度で直ちに中和反応器6にて中和用酸5で中
和されて安定化される。酸5は過剰に添加して液
を好ましいPH値に保つよう調節される。好ましい
PH値は、10体積%水溶液中の測定値で精製品3.2
〜4.5、好ましくは3.4〜4.0である。 次に許容量(2.5重量%以下)より多い水分を
含む場合には、反応液は脱水処理工程7にて脱水
処理され、水分含量が許容値以下の粗アセトンシ
アンヒドリン8は温度調節器9で中和塩の析出量
が所望の量となる温度(通常、35〜50℃)にコン
トロールし、過器10で析出塩を別する。塩
が残存した状態で減圧蒸留すると、配管や機器の
閉塞をおこすと共に、熱分解により亜硫酸とアル
カリを生成し、亜硫酸は減圧蒸留塔塔頂へ出、ア
ルカリは塔底で安定剤酸を消費するなどの妨害を
するので好ましくない。 塩を除去した粗アセトンシアンヒドリンは熱交
換器11にて減圧蒸留塔12の塔底からの精製ア
セトンシアンヒドリン21と熱交換されて加熱さ
れ、減圧蒸留塔12に入る。減圧蒸留塔12内で
は前記亜硫酸塩の熱分解が起るほかに、溶解亜硫
酸ガスの放散及び青酸の放散が起り、塔底部に近
づくに従つて、これらの分解や放散が進み、液の
PH値はアルカリ側に近づいて行く、また水分の存
在によりアセトンシアンヒドリンの分解は避けら
れないが、本発明に従つて水分含有量を制御する
ことによつてアセトンシアンヒドリンの分解を許
容範囲に抑えることができる。なお、アセトン及
びアセトンシアンヒドリンの一部も塔頂へ放散さ
れる。塔頂成分は凝縮液として槽13に留り、一
部は塔12へ還流され、残りは留出液15として
回収蒸留塔16へ送られる。一方未凝縮成分とし
て大部分を占める亜硫酸ガスと、系内への洩れ込
み空気は減圧用エゼクター14から排出される。 回収蒸留塔16では塔頂から最も低沸点成分で
ある残存亜硫酸ガス19の実質上全量が分縮器1
8を経て排出され、留出液15送入口と塔頂との
間の適当な位置から、水及び亜硫酸ガスを実質上
含まない、回集青酸、回収アセトン及びアセトン
シアンヒドリン液20を取り出し、反応器4へ循
環する(この液20はもはや亜硫酸ガスや水を含
まないので循環しても妨害反応を起らず、むしろ
経済的に有利である)。塔底に近い部分では温度
が100℃と高く、かつ水が十分に存在する条件と
なるため、水より高沸点物質であるアセントシア
ンヒドリンがほぼ完全に分解されて、より低沸点
の青酸及びアセトンになり塔底からは有効成分を
実質的に含まない水17が除去される。 以下、本発明の実施例を説明するが、本発明を
これらの実施例に限定するものでないことはいう
までもない。 実施例 1 遊離青酸0.024wt・%、水0.184wt・%、10vol
%水溶液のPH(以下、単に10%PHということがあ
る)3.7の通常得られる精製アセトンシアンヒド
リンをそれぞれ以下に記した水分濃度に調整した
あと、120℃にて60分間放置し、次の結果を得た。
【表】 上表の結果から初期10%PH3.7〜3.9、温度120
℃におけるアセトンシアンヒドリンの分解率
(mol%/Hr)と水分濃度W(wt・%)との関係
をグラフ図にプロツトすると第2図の通りであ
り、アセトンシアンヒドリンの分解速度走数K
(mol%/mm)とWとの関係は以下の式の通りで
ある。 K=7.8078×10-4W2+3.9079 ×10-3W+2.8508×10-3 この結果から、アセトンシアンヒドリンの分解
を抑えて経済的に有利に精製アセトンシアンヒド
リンを得るためには、水分含量を2.5重量%以下
にして蒸留するのが好ましいことが判明した。な
お水分含量2.5重量%の時の分解率は1時間当り
1mol%である。 実施例 2 遊離青酸2.54W%、水分0.78W%、10%PH2.69
の粗アセトンシアンヒドリン200mlをフラスコに
入れ、乾燥空気で液に含まれる青酸を放散して次
の結果を得た。10%PH 遊離青酸(W%) 2.69 2.54 2.92 2.15 3.02 1.94 3.20 1.53 3.53 0.90 3.90 0.20 この結果から10%PHvs遊離青酸(W%)の関係
をグラフ図にプロツトすると第3図の通りであ
り、10%PHと遊離青酸量の関係式は次の通りであ
る。 10%PH=0.899/log(遊離青酸W%)−0.909+4.46 実施例 3 実施例1と同じ精製アセトンシアンヒドリンを
濃硫酸と苛性カリを用いてPH調節し、それぞれの
10V%水溶液におけるPH値を2.5、3.0、4.0、4.5、
5.5および未調節3.7とした。ついでこの液を、そ
れぞれ、温度115℃、125℃および130℃において
30分間加熱・撹拌したあと、冷却後その一部を採
取し、硝酸銀滴定法により遊離青酸を定量し、ア
セトンシアンヒドリンの分解率を求めた。 なお加熱において青酸の放散を防ぐため冷却剤
による凝縮器を使用した。 結果を以下の表2に示す。
【表】
【表】 * 分解がはげしくほとんどすべてのア
セトンシアンヒドリンが青酸とアセト
ンに分解した。
この結果、分解速度と温度の関係は、PHによつ
て変り、以下の式で表わされることを確認した。 (a)PH3.0において log(K×103)=0.476−52.36/T−166.29 (b) PH=37.において log(K×103)=−1.153−143.26/T−184.16 (c) PH=4.5において log(K×103)=0.918−11.81/T−147.86 上の関係を第4図及び第5図に示す。 実施例 4 安定剤として亜硫酸ガス200ppmを含む液化青
酸を270Kg/H、アセトン581Kg/Hおよび、触媒
として、50wtKOH1.5Kg/Hを1000の、撹拌装
置および冷却装置を備えた第1反応器へ送入し
た。安定した時点で反応液のPH値は8.5を示した。
反応液温度は20℃に保つた。 約1時間後、この反応液を1000の同型第2反
応器に連続的に受入れ、温度を5℃に保つた。約
1時間後、この反応液を200の撹拌装置付き反
応器へ受入れ9.8W%、濃硫酸で中和し、10W%
水溶液のPH値を2.8に保つた。中和後の液の分析
値は次の通りであつた。 10%PH 2.7 遊離青酸 2.5W% アセトン 5.4W% 水 分 0.38W% 塩 0.15W% アセトンシアンヒドリン 91.5W% つぎに、この粗アセトンシアンヒドリンを40℃
に加温し3時間滞留したあと、10ミクロン網目
過器を通し液を850Kg/Hで、26棚段からなる
減圧蒸留塔へ送つた。液は塔底液と熱交換され
て75℃で下から16段の棚へ送入した。塔内圧力は
塔頂部80Torrに保ち、塔底温度は125℃であつ
た。安定時の塔内温度は下記の通りであつた。 塔 頂 25℃ 下から22段 54℃ 下から16段 86℃ 下から10段 89℃ 下から4段 101℃ 塔 底 125℃ 凝縮液 −8℃ 塔底から、以下の組成の精製アセトンシアンヒ
ドリン776Kg/Hを得た。 10%PH 3.6 水 分 0.056W% 遊離青酸 0.042W% アセトン 0.195W% 純 度 99.7W% 塔頂からは、真空排気へ亜硫酸ガス0.02Kg/H
を排出し、留出液147.96Kg/Hを得その半量を塔
頂へ戻し残りの半量を蒸留塔へ送つた。真空蒸留
塔におけるアセトンシアンヒドリンの分解率は
0.52%であつた。 蒸留塔は全段40段の棚段からなり、その下から
16段目に留出液を73.98Kg/Hで送入した。塔内
はほぼ大気圧で運転し、塔頂温度は22℃、塔底温
度は102℃であつた。塔頂は分縮器を備えており
主成分は亜硫酸ガスである。下から21段目の棚か
らは青酸、アセトンおよびアセトンシアンヒドリ
ンを回収し、塔底からは余剰水を除去した。それ
ぞれの流量および組成は以下の通りであつた。
【表】
【表】 留出液 ガス 収液 抜き

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルカリ触媒の存在下に青酸とアセトンを反
    応させてアセトンシアンヒドリンを合成し、次い
    で使用したアルカリ触媒を中和して得られる、酸
    性不純物、未反応青酸、未反応アセトンおよび水
    を含む粗アセトンシアンヒドリンを精製してアセ
    トンシアンヒドリンを製造するにあたり、予め粗
    アセトンシアンヒドリン中の水含量を2.5重量%
    以下に維持すると共に、精留塔塔底から採取され
    る精製アセトンシアンヒドリンの10体積%水溶液
    のPHが3.2〜4.5の領域になるように水含量を前記
    値に調整した粗アセトンシアンヒドリンに酸又は
    アルカリを添加して、粗アセトンシアンヒドリン
    を単一の蒸留塔を用いて精留することを特徴とす
    るアセトンシアンヒドリンの製造方法。 2 精留を130℃以下で行う特許請求の範囲第1
    項記載の方法。 3 アルカリ触媒の存在下に青酸とアセトンを反
    応させてアセトンシアンヒドリンを合成し、次い
    で使用したアルカリ触媒を中和して得られる、酸
    性不純物、未反応青酸、未反応アセトンおよび水
    を含む粗アセトンシアンヒドリンを精製してアセ
    トンシアンヒドリンを製造するにあたり、予め粗
    アセトンシアンヒドリン中の水含量を2.5重量%
    以下に維持すると共に、精留塔塔底から採取され
    る精製アセトンシアンヒドリンの10体積%水溶液
    のPHが3.2〜4.5の領域になるように水含量を前記
    値に調整した粗アセトンシアンヒドリンに酸又は
    アルカリを添加して、粗アセトンシアンヒドリン
    を第一の蒸留塔で精留して精製アセトンシアンヒ
    ドリンを取得すると共に、第一の蒸留塔の塔頂留
    出液を第二の蒸留塔へ送り、その塔頂より亜硫酸
    ガスを主成分とする低沸点成分を分離し、塔中段
    より青酸、アセトン及びアセトンシアンヒドリン
    を抜出して青酸とアセトンとの反応系へ循環し、
    そして塔底より余剰水を除去することを特徴とす
    るアセトンシアンヒドリンの製造方法。
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