JPH0159261B2 - - Google Patents

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JPH0159261B2
JPH0159261B2 JP60183879A JP18387985A JPH0159261B2 JP H0159261 B2 JPH0159261 B2 JP H0159261B2 JP 60183879 A JP60183879 A JP 60183879A JP 18387985 A JP18387985 A JP 18387985A JP H0159261 B2 JPH0159261 B2 JP H0159261B2
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JP
Japan
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reaction
isobutylene
methacrylic acid
acrylic acid
tert
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JP60183879A
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Hiroshi Yoshida
Hiroki Uchino
Shoichi Matsumoto
Atsushi Ookubo
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0159261B2 publication Critical patent/JPH0159261B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明はアクリル酸またはメタクリル酸とイソ
ブチレンとから強酸性イオン交換樹脂を触媒とし
て使用して高純度のアクリル酸ターシヤリーブチ
ルまたはメタクリル酸ターシヤリーブチルを高収
率で製造する方法に関する。詳しくは、アクリル
酸またはメタクリル酸に対するイソブチレンのモ
ル比が0.5〜2.0、アクリル酸またはメタクリル酸
に対する強酸性イオン交換樹脂存在量が5〜20重
量%、反応温度が0〜20℃、反応圧力が常圧〜
2.0Kg/cm2G、反応時間が3〜15時間の条件下で
反応させ、ついで減圧下で蒸留して未反応アクリ
ル酸またはメタクリル酸を分離・回収し、高収率
で高純度の製品をえるアクリル酸ターシヤリーブ
チルまたはメタクリル酸ターシヤリーブチルの製
造方法に関する。 アクリル酸ターシヤリーブチルまたはメタクリ
ル酸ターシヤリーブチル(以下、ATBまたは
MATBとする)は、他のモノマーとの共重合に
よつて塗料または成形材料にした場合、耐熱性や
エレクトレツト特性を向上させる改質材として用
いられる。 (従来の技術) カルボン酸とオレフインを共に液相中におい
て、例えば硫酸または強酸性イオン交換樹脂の様
な酸性触媒の存在のもとに反応させてエステルを
製造する方法は従来から種々の方法が提案されて
いるが、工程が複雑であるか、または収率が低
く、有利な工業的方法は未だ知られていない。 アクリル酸またはメタクリル酸とイソブチレン
から硫酸を触媒として用いてATBまたはMATB
を製造する方法は、例えば、特開昭53−65815号
公報に記載されている。この記載内容によればア
クリル酸またはメタクリル酸に対するイソブチレ
ンのモル比3〜6、アクリル酸またはメタクリル
酸に対する硫酸濃度(98重量%換算)8〜16重量
%、反応温度18〜50℃、反応圧力1.5〜7.0Kg/
cm2、反応時間2〜6時間の条件下に反応させ、え
られた生成物をアルカリ水溶液または無機塩を含
むアルカリ水溶液で中和した後、油層分を減圧下
に蒸留して、製品をえている。この方法は、高モ
ル比であるために、圧力が高くなり、未反応イソ
ブチレンの回収及び、中和時に水層中への生成物
の損失などの経済的欠点を有している。 また、一般に硫酸法では反応性が低いので、反
応温度を上げることによつて反応性があがるが、
副反応も同時に生じ、イソブチレンに対する収率
が低下し、同時に精製工程での負担が大きくなり
経済的に不利である。また、硫酸触媒を中和処理
する際における水層中への生成物の損失や、水溶
液などの廃水が多量に発生し、中和処理液から生
成物のATBまたはMATB及び未反応のアクリル
酸またはメタクリル酸のアルカリ塩からそれぞれ
アクリル酸またはメタクリル酸を回収するため、
工程が複雑である。また、硫酸を使用することに
よつて装置が材質面で限定される。 強酸性イオン交換樹脂を触媒としてMATBを
製造する方法は、例えば米国特許3037052号に記
載されている。この記載内容によれば、メタクリ
ル酸と触媒の混合物に−5℃で、10分間でイソブ
チレンを加えて、その後0〜1℃で反応させて、
MATBをえている。この場合、メタクリル酸と
イソブチレンの反応は発熱反応で、工業的にイソ
ブチレンを上記の条件で加えることは冷却面で経
済的に不利であり、また、メタクリル酸の融点が
14〜16℃であるので反応操作上の困難が予測され
る。しかも、未反応のメタクリル酸の処理及び生
成したMATBの工業的精製法は不明である。 (発明が解決しようとする問題点) 一般に、上記の如き従来技術は以下の如き問題
点を有することが示される。 ○イ 触媒に強酸性イオン交換樹脂を用いた場合、
未反応アクリル酸またはメタクリル酸は主生成
物のATBまたはMATBに対して沸点差が小さ
く、回収時にATBやMATBを含んでしまい反
応系にリサイクルされ、ここで触媒により分解
物を発生し易く収率低下と損失を招きやすい。 ○ロ 強酸性イオン交換樹脂で反応させた場合、反
応時に副生した高沸点化合物や重合防止剤によ
り強酸性イオン交換樹脂の活性の低下を招きや
すい。 ○ハ アクリル酸またはメタクリル酸に対してイソ
ブチレンのモル比が大きく、未反応または過剰
のイソブチレンの分離や回収のための装置が必
要となり、さらに用役費が多くなるなど経済的
に不利となる。 ○ニ 強酸性イオン交換樹脂の触媒としての活性は
硫酸に比べて強く、イソブチレンの副反応が多
くなる傾向がある。 ○ホ 反応温度を下げるにあたつて、反応液が凝固
し、反応が出来なくなる。 (問題点を解決するための手段) 本発明は上記問題点を低減せしめることを目的
とする。 すなわち、本発明は以下の如く特定されてな
る。 (1) アクリル酸またはメタクリル酸とイソブチレ
ンとから強酸性イオン交換樹脂を触媒として使
用してアクリル酸ターシヤリーブチルまたはメ
タクリル酸ターシヤリーブチルを製造する方法
において、アクリル酸またはメタクリル酸に対
するイソブチレンのモル比が0.5〜2.0、アクリ
ル酸またはメタクリル酸に対する強酸性イオン
交換樹脂存在量5〜20重量%、反応温度0〜20
℃、反応時間3〜15時間の条件下で反応させ、
ついで反応生成物から未反応イソブチレンを分
離した後、軽沸点化合物分離塔で不純物である
軽沸点化合物を分離し、さらに精留塔に供給し
塔頂より高純度のアクリル酸ターシヤリーブチ
ルまたはメタクリル酸ターシヤリーブチルをえ
ると同時に塔底からアクリル酸またはメタクリ
ル酸を分離回収することを特徴とするアクリル
酸ターシヤリーブチルまたはメタクリル酸ター
シヤリーブチルの製造方法。 (2) 反応温度を段階的に15〜20℃から0〜5℃ま
で下げることを特徴とする上記(1)記載の方法。 (3) アクリル酸またはメタクリル酸の分離・回収
の際に薄膜蒸発器を用いることを特徴とする上
記(1)または(2)記載の方法。 (4) 反応系で用いる重合防止剤として、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルお
よび2,4−ジメチル−6−ターシヤリーブチ
ルフエノールよりなる群から選ばれる少くとも
1種を用いることを特徴とする上記(1)、(2)また
は(3)記載の方法。 以下、本発明を具体的に説明する。 本発明において反応方法は特に限定されるもの
ではない。供給されるイソブチレンは液状、ガス
状のいずれでも良く、アクリル酸またはメタクリ
ル酸と触媒が撹拌されている反応液中へ供給され
ても、また反応熱の除熱が十分な様に、多管式の
熱交換器型式の装置に触媒を充填した状態で反応
液を循環させ、当該反応液中へ供給しても良い。 本発明で用いる触媒の強酸性イオン交換樹脂は
一般にスチレン−ジビニルベンゼン系のスルホン
酸型のもので、マクロポーラス型であれば特に限
定されるものではない。例えば商品名でダウエツ
クス88、アンバーリスト15、ダイヤイオン
PK、レバチツトSPC118等が有効である。 本発明の中で、反応温度の操作において温度を
下げる方がイソブチレンの反応の選択性の良い事
が公知となつている。しかし、反応開始時から0
℃という低温にすればアクリル酸の13℃またはメ
タクリル酸の16℃という融点を下回つて反応系が
凝固し、反応性や装置上に問題を生じる原因とな
る。 本発明者らの鋭意研究の結果、反応進行と共に
反応液組成が変化するので、それに合わせて反応
温度を下げることによつて選択性の向上をはか
り、さらには反応生成物中のATBまたはMATB
の分解を防止できることが知見された。すなわ
ち、反応の開始はアクリル酸またはメタクリル酸
の凝固を防止するため15〜20℃で始めて、最終的
には0〜5℃に調節すれば良いことを見い出し
た。 具体的には、反応進行とともに組成が変化し、
アクリル酸またはメタクリル酸が減少していき、
ATBまたはMATBが生成して凝固点を下げてい
く。すなわち、アクリル酸またはメタクリル酸が
5モル%反応するにしたがつて3〜6℃反応系の
融点が降下することが見い出されたのである。し
たがつて、凝固点を超える反応温度を維持しつ
つ、反応温度を低下させていけばよく、好ましく
は常に凝固点より1℃以上、とくに2〜5℃高温
の反応温度に調節することにより、反応速度も十
分に速くかつ選択的にすぐれた反応を遂行できる
ことが判明したのである。 本発明は、アクリル酸またはメタクリル酸にイ
ソブチレンを反応させるにあたつてアクリル酸ま
たはメタクリル酸に対してイソブチレンのモル比
を下げることによつて未反応のイソブチレンの回
収を実質的に不要とする経済的有利性を計つてい
るが、当然アクリル酸またはメタクリル酸の反応
率が低下する。しかしアクリル酸またはメタクリ
ル酸の回収はイソブチレンの回収よりも容易であ
るために、イソブチレンのモル比を従来法にくら
べ低い範囲、すなわち0.5〜2.0の範囲に設定し
た。 モル比が0.5未満の場合、反応速度が遅く、ア
クリル酸またはメタクリル酸の反応率が低く、反
応1回当りの生産量が少なくなり、また酸の回収
に負担がかかり、2.0を越える場合には反応速度
は速くなるが、反応液へのイソブチレンの濃度が
飽和溶解度以上になり、反応器がイソブチレンの
蒸気圧で高圧になり、設備面で高圧に対応したも
のが必要になり不利になる。また、イソブチレン
の回収で経済的に不利になる。 本発明において反応時のイソブチレンの供給に
要する時間は前述した様に反応による発熱と装置
での除熱能力のバランスを考慮した上で、反応時
間の調節が可能であれば限定されるものではない
が、通常2〜12時間程度が好ましい。 イソブチレンの供給停止後0〜5℃の範囲内で
温度を維持させることによつて、未反応のアクリ
ル酸またはメタクリル酸とイソブチレンがさらに
反応し、収率を上げることが出来る。反応開始か
らの時間は3〜15時間が適当で、3時間未満であ
れば効果は少なく、15時間を越える場合には用役
費が増すばかりでなく、生成したATBまたは
MATBが分解してイソブチレンの2量体や3量
体及びアクリル酸またはメタクリル酸になり、見
かけでは反応が平衡状態になつているが、イソブ
チレンの2量体や3量体が増加する原因になるの
で、上記範囲を維持することが好ましい。また本
発明にかかる反応圧力は常圧〜2Kg/cm2Gが通常
的に採用される。 本発明で反応方法が撹拌型式で行なう場合に用
いる触媒の添加量はアクリル酸またはメタクリル
酸に対して5〜20重量%が好ましい。5重量%未
満であれば反応速度が遅く、時間を要し、また20
重量%を超える量であれば反応器の容積に対して
触媒の占める割合が高くなり、生産性が低下する
と同時に、撹拌方式で行なつても高粘度のスラリ
ーと化し撹拌が困難になる。 一方、本発明を多管式熱交換器型式で行なう場
合に用いる触媒の使用量はアクリル酸またはメタ
クリル酸に対して5重量%以上であれば良く、反
応時間および反応温度の制御も容易である。反応
後の生成物には未反応のイソブチレンが含まれて
おり、次工程でイソブチレンの気化による操作不
良を防ぐためイソブチレンを分離するとよい。 すなわち反応終了後、多管式熱交換器型式で行
つた場合の生成物はそのままの状態で、また撹拌
型式で行なつた場合には反応器に内蔵されたフイ
ルターによつて触媒と分離され、生成物は撹拌機
付の加温装置に導入され、内温を30〜60℃に加温
しながら酸素濃度1.0容量%以上を含む不活性ガ
スまたは空気を液中へ吹込んで供給ガスに同伴さ
せてイソブチレンを分離するものである。 本発明において反応後のイソブチレンの分離操
作は不活性ガスによる放散またはイソブチレンの
損失を最小限にするための回収によつて容易かつ
安全に行なうことが出来る。 不活性ガスに含まれるイソブチレンはガスを圧
縮・冷却することによつて容易に液化し、不活性
ガスと分離させ、反応に再使用することも可能で
あり、回収不可能な微量のイソブチレンは吸収・
水和させて安全なものにするか、燃焼による処理
をすることも出来る。 本発明で未反応のアクリル酸またはメタクリル
酸を回収する手段として精留塔を用いる蒸留法で
行なうと、反応で副生した不純物等の分離も平行
して行なえるので、えられる製品も高純度なもの
となる。 反応中に副生する不純物はイソブチレンの2量
体または3量体がほとんどで、それぞれジイソブ
チレンまたはトリイソブチレンである。その内ジ
イソブチレンはATBまたはMATBより沸点が低
くかつ製品の純度に大きく影響するだけの量含ま
れるので、分離する必要がある。分離に際しては
前述した様に操作圧力を50〜100mmHgにして効率
良く分離するために、精留塔による蒸留を行な
い、反応時に用いたと同じ重合防止剤やフエノチ
アジン、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の一般
的なものを塔頂部より投入し、底部より微量の空
気または酸素を供給して塔頂部から軽沸点化合物
を留出除去せしめる。 さらに、ATBまたはMATBよりも高沸点のも
のとして未反応のアクリル酸またはメタクリル酸
及び前記したトリイソブチレンやその他の高沸点
化合物及び過剰の重合防止剤が含まれるので、前
記と同様の装置と条件で操作し、今度は塔頂部か
ら高純度のATBまたはMATBをえればよい。 本発明に用いる触媒を長期間使用するための条
件で満足させるためには、弊害となる要因とし
て、塔底残部であるアクリル酸またはメタクリル
酸及び高沸点化合物と挙動を共にする不純物の存
在が明らかになつた。しかし、そのままの状態で
系外へ除去すれば、アクリル酸またはメタクリル
酸の損失になるので、その成分からアクリル酸ま
たはメタクリル酸を回収するために蒸発という手
段が有効であるが、これらは沸点が高いので減圧
下において操作し、かつ経済的に無理のない条件
でアクリル酸またはメタクリル酸の様に熱によつ
て重合し易いものを扱う必要性が生じる。その手
段として薄膜蒸発器を用いて、高沸点化合物を含
む液を短時間に処理させるとよい。さらにその場
合、その液を全量処理する必要は無く、一部を抜
出して、各部の組成中の高沸点化合物が高濃度に
ならない様にするだけでも良い。 そして、重合防止を維持させるために30〜80mm
Hgの減圧下に操作することによつて、操作温度
が低くなり、工業的に実施される。 本発明の触媒の寿命を長くする手段としては前
述したことの他に、重合防止剤の選択もある。例
えば、強酸性イオン交換樹脂に対して不活性な重
合防止剤の選択であり、好ましくはハイドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,4
−ジメチル−6−ターシヤリーブチルフエノール
等のフエノール系のものを各組成液に対して0.01
〜1.5重量%程度を用いると良く、アミン系や金
属塩系等の塩基性やイオン化合物等のものは一般
に使用する濃度では強酸性イオン交換樹脂と反応
して、酸性度が低下し、活性を劣化させるため好
ましいとはいえない。さらに重合防止を有効にす
るために分子状の酸素の共存が好ましい。 分子状酸素の使用は、精製の手段として用いる
各蒸留操作においても有効で、重合を起こすこと
もなく、長期にわたつて安定した運転が可能にな
るものである。 (作用及び発明の効果) 本発明において反応温度を上記知見に従い調節
することによつてアクリル酸またはメタクリル酸
の凝固による装置への悪影響を無くし、イソブチ
レンの副反応による副生物の発生が低レベルに押
えられると共に、生成したATBまたはMATBの
分解も最小限にとどめられ、精製工程での負担が
軽減され、ATBまたはMATBの収率が高くな
り、さらには容易に高純度のものを得ることが可
能となる。 精製工程で塔底液の全部または一部に対し薄膜
蒸発器を使用することにより高沸点化合物の凝縮
除去が可能となり、高沸点化合物と挙動を共にす
るアクリル酸またはメタクリル酸の損失が最小限
にとどまり、同時に触媒である強酸性イオン交換
樹脂に対して表面に吸着もしくは結合して、触媒
としての働きを悪くすると考えられる物質も効率
良く除去され触媒の活性低下が避けられ、長期の
くり返し使用が可能になり工業的、経済的に有利
なプロセスとなつた。 そして、触媒に対して不活性な重合防止剤の使
用によつても触媒としての強酸性イオン交換樹脂
の作用及び重合防止剤としての効果も高水準に維
持可能であり、重合トラブルも十分に防止され
た。 (装置の簡単な説明) 次に、第1図に示す本発明を実施する1つの態
様例を示すフロシートによつて、本発明を説明す
る。 反応器101へライン1から新たなアクリル酸
またはメタクリル酸、及びライン2から回収され
たアクリル酸またはメタクリル酸のそれぞれが混
合されてライン3で仕込まれて後、ライン4から
イソブチレンを供給する。反応後の生成物はライ
ン5でイソブチレン分離器102へ導入し、ライ
ン6から不活性ガスまたは空気を吹込み、ライン
7でイソブチレンと不活性ガスを系外へ排出す
る。イソブチレンが分離された粗製物はシーブト
レー型式の軽沸点化合物分離塔103へライン8
で連続的に供給し、ライン9から軽沸点化合物を
留出させる。軽沸点化合物が分離された粗製物は
ライン10で連続的にシーブトレー型式の精留塔
104へ供給し、ライン11から製品のATBま
たはMATBを留出させる。ATBまたはMATB
の除かれた高沸点化合物を含むアクリル酸または
メタクリル酸はライン12から抜出され、その一
部がライン13で薄膜蒸発器型式の高沸点化合物
濃縮器105へ送り、ライン15から濃縮された
高沸点化合物を抜出し、高沸点化合物の少ないア
クリル酸またはメタクリル酸をライン14から留
出させライン12に戻し、回収使用する。 (実施例) 以下、本発明を実施例をもつて更に具体的に説
明する。 実施例 1 第1図に示すフローに従つて製造した。 ジヤケツトを有するステンレス鋼製の8m3の撹
拌機付の反応器101に強酸性イオン交換樹脂
(ロームアンドハース社製アンバーリスト15)250
Kgを投入し、回収メタクリル酸1256Kg
(MATB137Kg、高沸点化合物280Kgおよびハイド
ロキノンモノメチルエーテル5Kgを含む。)をラ
イン2から、次いでライン1からメタクリル酸
1666Kgをそれぞれ投入した。内部の温度を20℃に
調節し、ライン4からイソブチレン1629Kgを12時
間で液中へ供給する様に設定し、順次メタクリル
酸が反応し、MATBが生成するにしたがつて融
点降下を生じるので、反応液の組成にしたがつて
凝固しない温度に下げ、第1表に示す凝固点より
2〜5℃高温に調節し、5時間後から0℃とし
た。 実際には約4時間で融点が0℃を下回るので0
℃に設定しても凝固すること無く、反応が持続可
能である。イソブチレン供給終了後同温度でさら
に10時間熟成させると、生成物4551Kg中、
MATBが2862Kg含まれていた。この場合、
MATBの生成率は66モル%であつた。 未反応イソブチレン約5重量%を含む反応生成
物を触媒を分離するためのフイルター(日揮ユニ
バーサル社製のジヨンソンストレーナー)を有す
るノズルから反応器の残圧でライン5で、加熱用
コイルを有する8m3の撹拌機付のイソブチレン分
離器102へ導入し、温度を徐々に上げながら酸
素7容量%を含む窒素ガスを最初4時間は20m3
Hrで、さらに55m3/Hrで4時間それぞれ液中へ
吹込んだ。そして温度が35℃となつたとき液中の
イソブチレン濃度は0.1重量%になつた。 内径300mmのシーブトレイ35段の多管式熱交換
器方式のリボイラーを有する軽沸点化合物分離塔
103の塔頂圧75mmHgの圧力下において塔頂部
から15段目に粗製物をライン8で連続的に205
/Hrの流量で供給し、環流比12において軽
沸点化合物は留出液として12/Hrでライン9
から排出され、塔底部からライン10によつて軽
沸点化合物の除かれた粗製物が194/Hrの流量
で抜出され次の工程へ送られた。 内径400mmのシーブトレイ23段で多管式熱交換
器方式のリボイラーを有する軽沸点化合物分離塔
104の塔頂圧60mmHgの圧力下において塔頂部
から18段目にライン10によつて粗製物を前記流
量で供給し、還流比4において製品のMATBを
ライン11から127/Hrで留出させ、塔底部か
らライン12によつてメタクリル酸及び高沸点化
合物を含む液を65/Hrで抜出した。ライン1
2から一部22/Hrで抜出し、ライン13によ
つて回転羽根方式の薄膜蒸発器105へ導き、圧
力45mmHgで蒸発させ、メタクリル酸を回収し、
ライン14から15/Hrで留出させ、ライン1
2に再びもどし、蒸発残分はライン15から抜出
したが、成分は主に高沸点化合物と、重合防止剤
であつた。ライン12の液は再びライン2によつ
て反応に供せられた。 蒸留塔103及び104を運転するにあたつ
て、塔内の重合を防止するために、重合防止剤と
してハイドロキノンモノメチルエーテルを使用
し、塔底部に分子状の酸素として空気を吹込ん
だ。 この一連の工程によつて得られたMATBは純
度が99%以上であり、使用したメタクリル酸に対
しての収率は96.5%であつた。 そして、触媒の強酸性イオン交換樹脂は35回の
反応に使用したが、活性の低下は認められず、ま
たプロセスの各部分での重合等による問題は無
く、工程をさらに続けるのに充分可能であつた。 実施例 2 実施例1と同装置で反応器101に強酸性イオ
ン交換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーリ
スト15)を240Kg投入し、回収アクリル酸788Kg
(ATB178Kg、高沸点化合物203Kg及びハイドロキ
ノンモノメチルエーテル6Kgを含む。)をライン
2から、次いでライン1からアクリル酸2000Kgを
それぞれ投入した。 内部の温度を15℃に調節し、ライン4からイソ
ブチレン1870Kgを10時間で液中へ供給する様に設
定し、順次アクリル酸が反応し、ATBが生成す
るにしたがつて融点降下に生じるので、反応液の
組成にしたがつて凝固しない温度に下げ、第2表
に示す温度以下にならない様にその凝固点より2
〜5℃高温に調節し、4時間後に0℃とした。 実際には約2時間で融点が0℃を下回るので、
0℃に設定しても凝固することなく、反応が持続
可能である。イソブチレン供給終了後同温度でさ
らに7時間熟成させたところ、生成物4658Kg中
MTBが3720Kg含まれていた。この場合、ATBの
生成率は83モル%であつた。 未反応イソブチレン約2重量%を含む反応性成
物を実施例1と同じ方法で触媒を分離し、ライン
5でイソブチレン分離器102へ導入し、温度を
徐々に上げながら、酸素7容量%を含む窒素ガス
を最初2時間は20m3/Hrで、さらに55m3/Hrで
5時間それぞれ液中へ吹込んだ。温度を30℃にま
で上昇させた時、液中のイソブチレン濃度は0.1
重量%になつた。 軽沸点化合物103の塔頂圧80mmHgの圧力下
において塔頂部から15段目に粗製物をライン8で
連続的に220/Hrの流量で供給し、還流比12
において、軽沸点化合物は留出液として10/
Hrでライン9から排出され、塔底部からライン
10によつて軽沸点化合物の除かれた粗製物が
210/Hrの流量で抜出され、次の工程へ送られ
た。 高沸点化合物分離塔104の塔頂圧70mmHgの
圧力下において、塔頂部から18段目にライン10
によつて粗製物を前記流量で供給し、還流比4に
おいて製品のATBがライン11から165/Hr
で留出させ、塔底部からライン12によつてアク
リル酸及び高沸点化合物を含む液を41/Hrで
抜出した。ライン12から一部14/Hrで抜出
し、ライン13によつて薄膜蒸発器105へ導き
圧力50mmHgで蒸発させ、アクリル酸を回収し、
ライン14から9/Hrで留出させ、ライン1
2に再びもどし、蒸発残分はライン15から抜出
したが、成分は主に高沸点化合物と重合防止剤で
あつた。ライン12の液は再びライン2によつて
反応に供せられた。 蒸留塔103及び104を運転するにあたつて
塔内の重合を防止するため、重合防止剤としてハ
イドロキノンモノメチルエーテルを使用し、塔底
部に分子状の酸素として空気を吹き込んだ。 この一連の工程によつて得られたATBは純度
が99%以上であり、使用したアクリル酸に対して
の収率は97%であつた。 そして、触媒の強酸性イオン交換樹脂は30回反
応に使用したが、活性の低下は認められず、また
プロセスの各部分での重合等による問題は無く、
工程をさらに続けるのに充分可能であつた。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法をプロセス化した1例を
表わすフローシートである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アクリル酸またはメタクリル酸とイソブチレ
    ンとから強酸性イオン交換樹脂を触媒として使用
    してアクリル酸ターシヤリーブチルまたはメタク
    リル酸ターシヤリーブチルを製造する方法におい
    て、アクリル酸またはメタクリル酸に対するイソ
    ブチレンのモル比が0.5〜2.0、アクリル酸または
    メタクリル酸に対する強酸性イオン交換樹脂存在
    量5〜20重量%、反応温度0〜20℃、反応時間3
    〜15時間の条件下で反応させ、ついで反応生成物
    から未反応イソブチレンを分離した後、軽沸点化
    合物分離塔で不純物である軽沸点化合物を分離
    し、さらに精留塔に供給し塔頂より高純度のアク
    リル酸ターシヤリーブチルまたはメタクリル酸タ
    ーシヤリーブチルをえると同時に塔底からアクリ
    ル酸またはメタクリル酸を分離回収することを特
    徴とするアクリル酸ターシヤリーブチルまたはメ
    タクリル酸ターシヤリーブチルの製造方法。 2 反応温度を段階的に15〜20℃から0〜5℃ま
    で下げることを特徴とする特許請求の範囲1記載
    の方法。 3 アクリル酸またはメタクリル酸の分離・回収
    の際に薄膜蒸発器を用いることを特徴とする特許
    請求の範囲1または2記載の方法。 4 反応系で用いる重合防止剤として、ハイドロ
    キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルおよ
    び2,4−ジメチル−6−ターシヤリーブチルフ
    エノールよりなる群から選ばれる少くとも1種を
    用いることを特徴とする特許請求の範囲1,2ま
    たは3記載の方法。
JP60183879A 1985-08-23 1985-08-23 アクリル酸またはメタクリル酸のタ−シヤリ−ブチルエステルの製造方法 Granted JPS6263544A (ja)

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CN101155771B (zh) 2005-02-07 2010-12-22 三菱丽阳株式会社 (甲基)丙烯酸叔丁酯的合成方法
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