JPH0132781Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電気機器における引出し装置に関す
る。

そして、本考案の目的は、引出し部が圧縮スプ
リングの弾発力によつて突出し、その圧縮スプリ
ングの着脱が容易でしかもその圧縮スプリングが
完全にかつ安定して取り付けられるようにした引
出し装置を提供することである。

以下、本考案の実施例をテレビ受信機の操作・
調整部の引出し装置に適用した例について説明す
る。第１図はそのテレビ受信機Ａを示すものであ
り、引出し部としての操作・調整部Ｂは下側の突
起１ａを上方に押すことより内部の係止が解除さ
れて後記する圧縮スプリングの弾発力によつて前
方に突出し、また手で完全に押し込むことにより
その係止が働いて押し込んだ状態がロツクされる
ようになつている。

この操作・調整部Ｂの前面パネル２には、第２
図に示すように、右側にチヤンネル表示部３が、
また左側には各種の受信モード（ステレオ、モノ
ラル、主音声、副音声、主・副音声等）の表示部
４が設けられ、更に上面の左側には、第４図に示
すように、色相、彩度、輝度、その他を調整する
ための調整部５が、右側にはチヤンネル・プリセ
ツト部６が設けられている。従つて、この操作・
調整部Ｂを引き出すことにより、操作部５および
調整部６が露出するので、その操作や調整を行う
ことができる。

この操作・調整部Ｂはテレビ受信機Ａ側の底に
固定される底板Ｃに対して進退するようになつて
おり、そのガイドは、底板Ｃの上面に取り付けら
れたガイド板７（第４図）と操作・調整部Ｂの下
面に取り付けられたガイド板８（第５図）とが、
ベアリング機構９によつて挾持・ガイドされるこ
とにより、行なわれるようになつている。そし
て、このガイド板７，８とベアリング機構９とに
よつて、操作・調整部Ｂの最大引出し量が規制さ
れている。

上記した突起１ａは、操作・調整部Ｂの中央の
前端において下方向に圧縮スプリング１０の弾発
力を受けて突出するロツク部材１に形成され（第
５図および第６図）、そのロツク部材１には、操
作・調整部Ｂの底に形成された２個の窓１１から
各々突出する係止爪１ｂが形成されている。そし
て、この操作・調整部Ｂを押し込むことにより、
そのロツク部材１の係止爪１ｂが底板Ｃの先端に
当接して一端上方に後退してから底板Ｃに形成さ
れた２個の穴１２内に突出するので、その２個の
穴１２に各々係止して、操作・調整部Ｂの押し込
み状態が保持されるようになつている。

操作・調整部Ｂの底に形成された２個の突条１
３（第５図、第６図および第８図）は、押し込み
時の補助ガイド用であり、その奥側には、押し込
み時に、後記する圧縮スプリングを押圧する各々
２個の突起１４が形成されている。

底板Ｃは、その両側に上記操作・調整部Ｂの突
条１３および突起１４が案内される溝１５が各々
形成され、その溝１５内には、中央から立ち上が
つて後方に伸びる挿入杆１６が形成され、またそ
の挿入杆１６の先端に対向するストツプ用の壁１
７の部分には、上側にくさび形状のガイド突起１
８が２個対称的に形成され、またそのガイド突起
１８に囲まれるように爪１９が形成されている。
この爪１９は下側から上側にかけて順次突出する
形状となつている。そして、そのガイド突起１８
と爪１９で囲まれる溝２０が圧縮スプリング２１
の円形端部のガイド部として働くようになつてい
る。また、上記挿入杆１６の底と上記挿入杆１６
の先端から上記壁１７までの底は除去されて、そ
こには奥側が広くなつた穴２２が形成されてい
る。

圧縮スプリング２１の取り付けは、第８図に示
すように、底板Ｃの溝１５に形成した穴２２に矢
印ａの方向から先端を挿入して挿入杆１６に挿入
し、その後他端を若干押さえてから、その他端を
矢印ｂ方向に押し上げることにより、その他端が
壁１７の爪１９を乗り上げて、その爪１８とガイ
ド突起１８とで囲まれる溝２０に係合する。

従つて、この溝１５に係合した圧縮スプリング
２１は、その先端が挿入杆１６の基部に当接し、
他端が溝２０にはまつて脱落不能に壁１７に当接
する。なお、この圧縮スプリング２１の取り外し
は、矢印ｃ方向から指を押し込むことにより、容
易に他端が溝２０から外れるので、その後は矢印
ａ方向と反対の方向に引き出せば良い。この圧縮
スプリング２１は、第４図および第５図では、溝
１５の一方については省略している。また、第７
図でも省略した。

以上から、テレビ受信機Ａの底に固定されてい
る底板Ｃに対して操作・調整部Ｂを押し込むと、
その操作・調整部Ｂがガイド板７，８およびベア
リング機構９にガイドされて後退し、操作・調整
部Ｂの両側で２個ずつ並んだ突起１４が、底板Ｃ
の両側の圧縮スプリング２１の各々の先端の両側
に当接すると、その圧縮スプリング２１の圧縮が
開始され、更に押し込むと、操作・調整部Ｂのロ
ツク部材１の係止爪１ｂが、若干引つ込んでから
底板Ｃの穴２１に係止する。よつて、この係止に
より、操作・調整部Ｂは押し込まれた状態を保持
される。

次に、ロツク部材１の突起１ａを押し上げる
と、係止爪１ｂが穴２１から外れるので、圧縮ス
プリング２１の弾発力によつて、操作・調整部Ｂ
が前方に突出する。

なお、以上の実施例はテレビ受信機Ａの操作・
調整部Ｂに適用した例につていであるが、これに
限られるものではない。。

以上から本考案によれば、電気機器の操作・調
整時のみ引き出す引出し装置に好適である。ま
た、圧縮スプリングの装着が極めて容易となり、
よつて組立作業が簡単となり、取り外しも簡単
で、しかも装着した圧縮スプリングは確実に長期
間安定して取り付けられる。つまり突出時や押し
込み時等にシヨツクを受けても、その圧縮スプリ
ングの取付状態が変化する虞れはない。

【図面の簡単な説明】

第１図はテレビ受信機の正面図、第２図は底板
に組み込んだ操作・調整部の正面図、第３図は背
面図、第４図は引出した状態の上面図、第５図は
同状態の底面図、第６図は同状態の側面図、第７
図は圧縮スプリングの装着部分の斜視図、第８図
は同部分の断面図である。 Ａ……テレビ受信機、Ｂ……操作・調整部、Ｃ
……底板、１……ロツク部材、１ａ……突起、１
ｂ……係止爪、２……前面パネル、３……チヤン
ネル表示部、４……受信モードの表示部、５……
調整部、６……プリセツト部、７，８……ガイド
板、９……ベアリング機構、１０……圧縮スプリ
ング、１１……窓、１２……穴、１３……突条、
１４……突起、１５……溝、１６……挿入杆、１
７……壁、１８……くさび条のガイド突起、１９
……爪、２０……溝、２１……圧縮スプリング、
２２……穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電気機器本体側に固定された底板と、該底板
   に対して直線的に押し込むことにより該底板側
   の圧縮スプリングを圧縮させると共に該底板側
   にロツクされ、該ロツクを解除することにより
   上記圧縮スプリングの弾発力によつて突出する
   引出し部とで構成され、 上記底板は、溝と、該溝の中央から立ち上が
   り、該溝に沿つて伸びる挿入杆と、該挿入杆の
   先端に対向するよう形成されたストツプ用の壁
   と、該壁に形成されたガイド突起と、該ガイド
   突起との間に若干の間隙を残すように上記壁に
   形成され、上記溝の底から上方向に沿つて順次
   突出する爪とを有し、かつ上記挿入杆の先端か
   ら上記壁までの上記溝における底が除去されて
   成り、 上記除去された底から上記圧縮スプリングを
   挿入して上記挿入杆に一端を挿入し、かつ他端
   を上記爪を昇らせて上記爪と上記ガイド突起と
   の間に係止できるようにしたことを特徴とする
   引出し装置。 (2) 上記ガイド突起と上記爪とにより、上記圧縮
   スプリングの円形の端部が位置する溝が形成さ
   るようにしたことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の引出し装置。 (3) 上記圧縮スプリングは、上記引出し部の裏面
   に形成されて上記上記底板の溝内を移動する突
   起により、上記挿入杆側の端部が押圧されて圧
   縮するようにしたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の引出し装置。