JPH0132650Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は変圧器等のブツシングの頭部に設けら
れた外部充電端子を囲む端子カバーの構造に係
り、その目的とするところは、取付が確実で、し
かも、着脱容易な端子カバーを得ることにある。

従来、変圧器等のブツシングに設けられた外部
充電端子を被覆する場合、例えば、第１図Ａに示
すように、変圧器のカバー１上にブツシング２全
体を覆つて硬質ビニール等からなる不透明な中空
筒状の端子カバー３を置いて絶縁するか、あるい
は、第１図Ｂに示す如く、変圧器のカバー１に固
定座４を取付け、ブツシング２を上記端子カバー
３により覆つてから、この端子カバー３と固定座
４とを取付金具５を介して取付ねじ６によつて固
定する等してブツシング２の外部充電端子７を覆
つていた。然るに、前者は筒状の端子カバー３を
カバー１上にブツシング２を囲つて乗載するだけ
であるため、端子カバー３は風の力により頻繁に
移動を繰返してブツシング２と衝接し、長年月の
間には亀裂が生じて破損する虞れがあり、また、
後者はカバー１に固定座４を取付けたり、取付金
具５および取付ねじ６を別に必要とするため、端
子カバーはその取付けのための費用が高くなると
共に、取付けに手間がかかる欠点があつた。又、
端子カバー３によりブツシング２全体を覆うの
で、ブツシング２の沿面距離に比べて端子カバー
３の沿面距離が低減する欠点もあつた。更に上記
端子カバー３は、不透明で、中空筒状となつてい
るため、ブツシング２の点検に際しては、端子カ
バー３自体を持ち上げたり、あるいは端子カバー
３の上からその内部を覗きこんで点検しなければ
ならないので、外部充電端子７と接触する機会が
多くなり、感電事故を誘発する虞れがあつた。

本考案は上述した従来の欠点を改良するもの
で、以下本考案の実施例を第２図乃至第５図によ
り説明すると、１１は変圧器の高圧側のブツシン
グ、１２はブツシング１１の外部充電端子、１３
は上記外部充電端子１２を覆う端子カバーで、こ
の端子カバー１３は第４図に示すように、アクリ
ル樹脂等の透明な樹脂材料からなる中空円筒状の
絶縁筒１４と、この絶縁筒１４の上側に被冠され
るエチレンプロピレンゴム等耐候性に優れたゴム
製の絶縁キヤツプ１５とによつて構成されてお
る。そして、絶縁筒１４には、その上方端の外側
に鍔状の受止部１４ａが周設されており、又、下
方端にはブツシング１１最上部の傘部１１ａに乗
載される突部１４ｂが複数個（本実施例では４
個）下方に突出して形成され、しかも、上記突部
１４ｂ，１４ｂ間には絶縁筒１４の長さ方向に所
要の長さ切欠いて切欠部１４ｃが上記突部１４ｂ
と一体に設けられて、この切欠部１４ｃとブツシ
ング１１最上部の傘部１１ａとの間に結露した水
分や外気の流通を行わせるための狭隘な水抜き用
の〓間１４を形成させる。又、絶縁キヤツプ１５
はほぼ漏斗状に形成されて、絶縁筒１４の上方端
と対向する下方端の大径な開口部の内側には、絶
縁筒１４の受止部１４ａに掛止される掛止部１５
ａが周設されており、更に、上記絶縁キヤツプ１
５の上部には、絶縁キヤツプ１５の中心から少し
はなれた偏心位置において、上方端を小径となし
て全体形状が先細状となつた外部導線挿通用の挿
通筒１５ｂが上方に突出して形成されており、こ
の絶縁キヤツプ１５を絶縁筒１４に被冠した際、
外部導線１６の芯線１６ａを固定する外部充電端
子１２の芯線取付部１２ａと、上記絶縁キヤツプ
１５の挿通筒１５ｂとを合致させることにより、
外部導線１６は端子カバー１３から垂直となつて
外部に導出することができる。１７は挿通筒１５
ｂの外周に、挿通筒１５ｂの長さ方向にかけて、
使用する外部導線１６の径寸法と同径寸法をなす
位置毎に刻設されたスケール目盛で、外部導線１
６が太い場合は、その外部導線１６の径寸法と対
応する径寸法の位置に設けた所要のスケール目盛
１７の位置において挿通筒１５ｂを切断すること
により、挿通筒１５ｂの高さは低くなるが、外部
導線１６は挿通筒１５ｂ先端の開口端内縁に密接
した状態で挿通筒１５ｂから引き出すことが可能
となる。

本考案は上述のように構成されており、端子カ
バー１３の取付けにあつては、先ず外部導線１６
の外径寸法と同径寸法を表示するスケール目盛１
７の位置において、絶縁キヤツプ１５の挿通筒１
５ｂをハサミ等により切断し、この挿通筒１５ｂ
に、その先細部先端の開口部に外部導線１６を密
接させた状態で挿通し、つづいて絶縁筒１４の上
方から同じく外部導線１６を通して、この外部導
線１６の芯線１６ａ部分の先端をブツシング１１
の外部充電端子１２の芯線取付部１２ａ固着す
る。外部導線１６の固着後、絶縁キヤツプ１５下
部の掛止部１５ａを絶縁筒１４上部の受止部１４
ａに嵌め込むことにより、絶縁キヤツプ１５は絶
縁筒１４の上側に蓋を被せたときと同じ状態で離
脱不能に被冠される。この絶縁キヤツプ１５の被
冠後、絶縁筒１４を、その下方端に設けた突部１
４ｂを利用してブツシング１１最上部の傘部１１
ａに乗載させることにより端子カバー１３の取付
けを完了する。

以上のように、本考案は、絶縁キヤツプの挿通
筒開口端に密接させた状態で外部導線を外部に引
き出し、絶縁キヤツプはゴムの弾性力を利用して
絶縁筒に掛止されて被冠し、しかも、上記絶縁筒
はその下方端に設けた複数の突部を利用してブツ
シングの上部に乗載させることによつて、ブツシ
ングの外部充電端子を被覆するように端子カバー
が構成されているので、次に示すような効果を有
する。

本考案の端子カバーは、ブツシングの外部充
電端子を囲繞する絶縁筒上に被冠されるゴム製
の絶縁キヤツプに形成した外部導線挿通用の挿
通筒が外周面にスケール目盛を刻設して、ブツ
シングの外部充電端子の芯線取付部と対応する
位置に設けられており、外部導線の挿通に際し
ては、外部導線と同径をなすスケール目盛の位
置で上記挿通筒を横切して外部導線を挿通筒に
密着させて挿通することができるように設けら
れているので、端子カバーは外部導線の線径に
応じて準備する必要は全くなく、一種類だけ用
意すればよいため、生産性に優れ安価に製作で
き、かつ、その保管も容易に行なえる。

しかも、外部導線のブツシングへの取付けに
当たつては、挿通筒が外部充電端子の芯線取付
部と対応して設けられているので、上記挿通筒
を外部導線の線径と同径位置でカツトして外部
導線を挿通するだけで、外部導線は線径の大小
を問うことなく端子カバーから垂直に引き出す
ことが可能となり、外部導線のブツシングへの
接続作業を迅速容易に行うことができる。

又、本考案の端子カバーは、外部導線を挿通
する絶縁キヤツプを上部に取付けた絶縁筒の下
方端に、上記端子カバーをブツシング最上部に
傘部に乗載した際、傘部との間において狭隘な
水抜き用の〓間を形成させるべく突部が、下方
に向けて複数個突設されており、この突部によ
つて端子カバーの下方端は、ブツシング最上部
の傘部との間で狭隘な水抜き用の〓間を形成す
ることができるので、外気温の変化により端子
カバー内が結露しても水分は上記〓間から容易
に排出させることが可能となり、この結果、端
子カバー内が結露することによつてブツシング
の外部充電端子に悪影響を与えることが全くな
くなり、しかも、水抜き用の〓間を利用しての
端子カバー内外における外気の流通が円滑とな
り、上記外部充電端子の冷却を良好に行うこと
ができる。

又、本案の端子カバーに設けた水抜き用の〓
間は、結露した水分の排出、あるいは、外気が
流通できる程度の狭隘に形成されているため、
この〓間から小動物が端子カバー内に浸入する
ことがないので、小動物の侵入に伴う短絡等の
事故を皆無とすることができる。その上、本考
案の端子カバーは、ブツシングの充電部のみを
覆うことができるよう、下方端に突設した突部
をブツシング上に載置し、上方端は絶縁キヤツ
プの挿通筒に外部導線を密着した状態で挿通支
持するように構成されているので、例えば、ゴ
ム製の絶縁キヤツプが経年変化によつて外部導
線との密着度が軽減されても、本案端子カバー
は、その下方端に設けた突部と偏心位置に形成
された外部導線挿通用の挿通筒とによつて、水
抜き用の〓間を変化させたり、ブツシング上を
揺動したりすることがないため、ブツシングの
外部充電端子を長年月にわたり安定した状態で
被覆することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは従来の端子カバー取付状態をそ
れぞれ縦断して示す正面図、第２図は本考案の端
子カバーの取付状態を示す縦断正面図、第３図は
本案端子カバーの平面図、第４図は本案端子カバ
ーを構成する絶縁キヤツプと挿通筒とをそれぞれ
縦断して示す正面図、第５図は本案端子カバーの
他の使用例を示す縦断正面図である。 １１・ブツシング、１２・外部充電端子、１
３・端子カバー、１４・絶縁筒、１５・絶縁キヤ
ツプ、１５ｂ・挿通筒、１６・外部導線、１７・
スケール目盛。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブツシング１１頭部の外部充電端子１２を囲繞
   する端子カバー１３において、上記端子カバー１
   ３は、アクリル樹脂等透明な樹脂材料により中空
   円筒上に形成されて、その上方端の外側に鍔状の
   受止部１４ａを周設し、ブツシング１１の傘部１
   １ａに乗載される下方端には、その周方向に上記
   傘部１１ａとの間において狭隘な水抜き用の〓間
   １４ｄを形成させるための突部１４ｂを下方に複
   数個突設した絶縁筒１４と、耐候性のゴム材料に
   よりほぼ漏斗状に形成されて、絶縁筒１４の上方
   端と対向する大径な開口部内側には、絶縁筒１４
   の受止部１４ａに掛止される掛止部１５ａを周設
   し、上記大径な開口部上方には、上方端を小径と
   なした先細状の外部導線挿通用の挿通筒１５ｂ
   を、外部充電端子１２の芯線取付部１２ａと同一
   線上の位置において上記大径な開口部と一体に形
   成した絶縁キヤツプ１５とからなり、更に、上記
   絶縁キヤツプ１５の挿通筒１５ｂ外周には、外部
   導線１６の径寸法と同径となる位置毎にスケール
   目盛１７を高さ方向にかけて刻設し、上記絶縁筒
   １４に着脱自在に取付けた絶縁キヤツプ１５の挿
   通筒１５ｂを、使用する外部導線１６の径寸法と
   同径のスケール目盛１７の位置で切断し、この挿
   通筒１５ｂに外部導線１６を挿通させて端子カバ
   ー１３をブツシング１１上に外部充電端子１２を
   囲繞して載置するようにしたことを特徴とするブ
   ツシングの端子カバー。