JPH0132311Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、架橋化ポリエチレン絶縁電力ケーブ
ル等のプラスチツク絶縁電力ケーブルの接続に有
用なケーブル接続部押出型モールド用金型に関す
るものである。

この種電力ケーブルの超高圧化系統への適用に
伴い、その接続部を構成する絶縁部には、信頼性
の観点から主として電力ケーブルに適用された絶
縁材と同材質の絶縁材を押出機により金型内に押
出し成形加工してなるものが用いられている。

ところが、これまでのこの種接続部において
は、信頼性の高いものを得るためには押出し成形
時における加熱を長時間にわたつて行わなければ
ならず、結果として製品コストが高騰してしまう
という難点があり、上記時間の短縮が希求されて
いた。

従つて、本考案の目的は、前記した従来技術の
難点を解決し、押出し成形時における加熱を効率
良くしかも高速で行えるようにすることで前記時
間の短縮を図つたケーブル接続部押出型モールド
用金型を提供することにある。

即ち、本考案の要旨は、高周波誘導コイルを備
え且つ径方向への変形が可能なように構成された
加熱内筒と、その外側に配設される金属製金型
と、一端を加熱内筒に接続し他端にラム装置を設
けたオーバーフロー用筒と、加熱内筒内及び加熱
内筒と金属製金型で囲まれる空間の一方若しくは
両方を調節自在に加圧できるガス発生装置により
構成した点にある。

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

一対の架橋化ポリエチレン絶縁電力ケーブル
（以下「CVケーブル」という。）１及び１は、対
向端部が周知の手段によりペンシリング加工され
た状態でケーブル導体同士が導体接続管で接続さ
れ、さらにその周上に半導電性部材による半導電
性被覆層が成形された接続部２により導体相互間
の接続が行われている。なお、図中２０はそれぞ
れ接続部近傍のCVケーブル１周上に設けられた
ケーブル変形防止フインにして、これは後述する
金型Ｄから外気中に突出するような長さを有し、
そして全体が軸方向二つ割りで構成されている。
さらに詳しくは、これは加熱時にCVケーブル１
の絶縁体が変形してしまうのを防止するために設
けられ、図示の如く金型Ｄとの間にオーバーフロ
ー口として機能する間〓１９を有して当該金型Ｄ
とCVケーブル１の間に介在されている。

このように処理されたCVケーブル１の接続部
２の回りにモールド接続部３を押出し成形加工す
るための金型Ｄは、次に説明する各部材から構成
される。

［金属製金型９］ これは、ケーブル変形防止フイン２０を備えた
CVケーブル１の接続部２を囲むようにしてその
両側を変形防止フイン２０を介してCVケーブル
１周上に宛がうことで設けられ、且つ後述する加
熱内筒７を内部の所定位置に配置せしめると共
に、当該加熱内筒７との間に所定形体の実質的に
気密な空間８を画定するように設けられる。そし
てこれは、全体が軸方向二つ割りで構成されてい
ると共に、側壁９１と周壁９２が分割できるよう
に構成されている。これにより、全体がCVケー
ブル１の接続部２の回りに対し着脱自在となつて
いると共に、両側壁９１をケーブル変形防止フイ
ン２０周上に取り付けたままで加熱内筒７の出し
入れが出来るようになつている。

［加熱内筒７］ これは、CVケーブル１の接続部２の回りに所
定形体のモールド接続部３を押出し成形加工する
空所４を画定する内周面５を有し、且つモールド
接続部３の膨脹収縮に追随して径方向への変形が
可能なようにして上記金属製金型９の載置部９３
の表面に設けられる。さらに詳細には、これは、
全体が周知の軸方向二つ割り構造で構成されてい
ると共に、その合わせ目（図示しない。）及び金
属製金型９の載置部９３との間にそれぞれ幾分厚
めの耐熱性ゴムパツキン（例えばシリコンゴムパ
ツキン）２２を少し圧縮した状態で介在させて構
成されていて、しかして、モールド接続部３の膨
脹収縮に追随して径方向への変形が可能なように
なつている。なお、これは例えば、ガラス繊維入
りエポキシ樹脂、フツソ樹脂等の耐圧及び耐熱性
非金属部材により構成されている。

［高周波誘導コイル６］ これは、加熱内筒７の表面またはその近傍に当
該加熱内筒７を周回するように設けられていて、
さらに調節自在な周知の高周波発生装置１０に接
続されていてCVケーブル１の接続部２を調節自
在に発熱させ得るように構成されている。

［オーバーフロー用筒１４とラム装置１５］ オーバーフロー用筒１４は、一端を加熱内筒７
のオーバーフロー口７１に気密に接続し（具体的
には、両者を一体化させた構造、耐熱性ゴムパツ
キンを介して両者を螺合させた構造等でなる。）、
且つ金属製金型９に対して気密であつてしかも摺
動可能にこれを貫通して（具体的には、耐熱性ゴ
ムパツキン（図示しない。）を介して貫通させる
構造等でなる。）他端を外に出すと共に、当該他
端に所定のラム装置１５を着脱可能に接続して構
成されている。しかして、ラム装置１５の働きに
より所定４内の絶縁材１３を調節自在に加圧でき
るようになつている。

［加熱ヒータ１８と２１］ 加熱ヒータ１８は、オーバーフロー用筒１４近
傍の金属製金型９の表面に設けられいて当該オー
バーフロー用筒１４の内部を加熱する機能を持
ち、しかして、オーバーフロー用筒１４内を通し
て溢出される絶縁材１３が冷却硬化してしまうの
を防止できるようになつている。加熱ヒータ２１
は、金属製金型９の他の周囲に設けられていて当
該金型９を、延いてはモールド接続部３を加熱す
る機能を持つている。

［ガス発生装置１２］ 加熱内筒７の内部及び加熱内筒７と金属製金型
９の間に画定される空間８には、加圧制御線Ｌを
介してN₂，SF₆等の不活性ガス発生装置１２がそ
れぞれ接続される。なお、図中１１はそれぞれ加
圧制御装置である。しかして、加熱内筒７内及び
空間８の一方若しくは両方がガス発生装置１２で
発生された不活性ガスのガス圧によつて調節自在
に加圧されるように構成されていて、そしてガス
発生装置１２からのガス圧により空所４内に押出
し成形のために注入された絶縁材１３を終局的に
調節自在に加圧できるよう構成されている。

以上の如く構成される本考案の金型ＤをCVケ
ーブル１の接続部２を囲むようにして所定位置に
配置し、予め用意した押出機１６から切替−分離
装置１７を介して絶縁材１３がオーバーフロー用
筒１４を通つて溢出するまで空所４内に注入され
るが、このとき、CVケーブル１の絶縁体と注入
された絶縁材１３との融着を確実に行うよう高周
波発生装置１０を作動させて高周波誘導コイル６
によりCVケーブル１の導体及び接続部２の導体
接続管を発熱させ、それによりCVケーブル１の
接続部近傍を所定温度に保持するようにする。

次いで、絶縁材１３のオーバーフローを所定時
間行つた後、押出機１６の作動を停止し、ガス発
生装置１２からの不活性ガスが空間８と加熱内筒
７内を加圧するようにガス発生装置１２及び加圧
制御装置１１を作動させ、且つオーバーフロー用
筒１４の他端に接続したラム装置１５を作動させ
て絶縁材１３を加圧し、そのままで所定時間保持
してから冷却させることによりモールド接続部３
を成形加工する。

なお、ここで、加熱内筒７の外面と金属製金型
９の内面間の間隔は、高周波誘導コイル６の働き
（磁界）が金属製金型９に及んでCVケーブル１の
導体及び接続部２の導体接続管への発熱効率が低
下されることのないよう充分な距離を持つて設定
されるべきである。

以上述べた如く、本考案によるケーブル接続部
押出型モールド用金型によれば、加熱ヒータ２１
の働きと併せて加熱内筒７に設けられた高周波誘
導コイル６の働きにより、モールド接続部３全体
を効率良く高速で加熱することができ、またガス
発生装置１２からのガスが空間８と加熱内筒７内
を加圧するように当該ガス発生装置１２を作動さ
せ且つオーバーフロー用筒１４の他端に接続した
ラム装置１５を作動させて絶縁材１３を加圧する
ことにより、押出し成形時における金型配置のま
までこれを加圧でき、その結果押出し成形に要す
る時間を従来と比較して大幅に短縮できる。ま
た、CVケーブル１の絶縁体と注入された絶縁材
１３との融着を確実に行うことができることか
ら、信頼性の優れた押出型モールド接続部を成形
できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案によるケーブル接続部押出型モール
ド用金型の一実施例の要部断面図である。 １；CVケーブル、２；接続部、３；モールド
接続部、４；空所、６；高周波誘導コイル、７；
加熱内筒、７１；オーバーフロー口、８；空間、
９；金属製金型、９３；載置部、１２；ガス発生
装置、１４；オーバーフロー用筒、１５；ラム装
置、１８，２１；加熱ヒータ、２０；ケーブル変
形防止フイン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーブル変形防止フイン２０を備えたケーブル
   １の接続部２を囲むようにして変形防止フイン２
   ０を介してケーブル１周上に設けられ且つ後述す
   る加熱内筒７を内部の所定位置に配置せしめると
   共に当該加熱内筒７との間に所定形体の実質的に
   気密な空間８を画定するように設けられる金属製
   金型９と、ケーブル１の接続部２の回りに所定形
   体のモールド接続部３を押出し成形加工する空所
   ４を画定するようにして且つモールド接続部３の
   膨脹収縮に追随して径方向への変形が可能なよう
   にして上記金属製金型９の載置部９３の表面に設
   けられた耐圧及び耐熱性部材よりなる加熱内筒７
   と、加熱内筒７を周回するように設けられていて
   接続部２を調節自在に発熱させ得る高周波誘導コ
   イル６と、一端を加熱内筒７のオーバーフロー口
   ７１に気密に接続し且つ金属製金型９に対して気
   密であつてしかも摺動可能にこれを貫通して他端
   を外に出すと共に当該他端にラム装置１５を接続
   したオーバーフロー用筒１４と、金属製金型９の
   オーバーフロー用筒１４の近傍に設けられていて
   当該オーバーフロー用筒１４の内部を加熱する加
   熱ヒータ１８と、金属製金型９の周囲に設けられ
   ていてモールド接続部３を加熱する加熱ヒータ２
   １とからなり、加熱内筒７内及び空間８の一方若
   しくは両方がガス発生装置１２で発生された不活
   性ガスのガス圧によつて調節自在に加圧されるよ
   うに構成されたことを特徴とするケーブル接続部
   押出型モールド用金型。